千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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当院副院長からのお知らせ、出来事のご紹介です。

2018年1月アーカイブ

抜歯をした後などに傷口の消毒を行いますが、この消毒事態の洗浄に用いる液体が目的によって変わる事をご存知でしょうか?

抜歯後の洗浄の目的

抜歯などをしたあとの傷口に対して消毒薬などで洗浄を行いますが、この洗浄の際の1番の目的は今後の経過の予測という事が最も大切な目的となります。そのため洗浄の際に用いる液体は傷口の確認の際に決定していきます。抜歯後の消毒で確認される主な事は、傷口の感染の有無とドライソケットの有無の確認です。これらは腫れ具合や痛み具合、痛む場所から判断をしていきます。

抜歯後の感染がない場合とある場合

抜歯後の傷口に感染が見られず、痛みもわずかな場合はあえて強力な洗浄液は使いません。傷口にたまった食べ物や汚れの塊である食渣などを洗い流すために生理食塩水やわずかな消毒作用を持つ消毒液で洗浄するのみにとどまります。例えば経過が良好な傷口に対して強力な消毒薬であるイソジンで消毒をすると逆に傷口の治りが遅延してしまいます。しかしながら、傷口に細菌感染が見られる場合は感染を抑えるためにイソジンで強力に消毒を行う場合もあります。このような抜歯後の傷口に細菌感染が見られるような場合はしっかりと消毒をして、必要であればさらに抗菌薬を処方するなどの対処が取られますが、傷口に痛みも感染も見られないような場合はいたずらに傷口に刺激を加えるような事はしません。

ドライソケット

ドライソケットは強い痛みの伴う状態なのですが、傷口の細菌感染による痛みとは別物となっています。ドライソケットの本態は抜歯をした後の傷口にうまく血餅ができずに抜歯をした後の骨の一部がむき出しになってしまっている状態です。外側から見ても分かりづらいのですが、ゾンデと呼ばれる器具で抜歯窩を触るとゴリゴリっとした骨の感触を感じられるのと同時に痛みを感じるのが特徴です。痛みの種類としては骨の奥でジンジンするような鈍い痛みが継続して起こるという特徴があり、これは抜歯窩の中の露出した骨が痛みを引き起こしています。このような場合は傷口にうまく血の塊である血餅が作られておらず治癒が遅れている事を意味します。そのため、洗浄によって過剰に傷口を洗いすぎるとさらに血餅の出来を遅くして治癒を送らせてしまうので洗浄自体は過剰に行わず、傷口に抗菌薬の含まれた軟膏などを入れて処置を終わる場合があります。

このように抜歯後の洗浄、消毒といっても傷口の経過によって洗浄の方法や使う薬液がガラリと変わるのです。

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※※※ 審美歯科・口腔外科・歯周病治療は千種区にある歯医者の阿部歯科 ※※※

緊張すると口が渇く事がありますよね。口の渇きは唾液腺から分泌される唾液の影響によるものですが、今回は口の中の渇きに影響する唾液腺についてお話をしようと思います。

大唾液腺

唾液を分泌する唾液腺には大唾液腺と小唾液腺があります。大唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺という3種類の唾液腺があります。名前の通り位置的には耳の下、顎の下、舌の下にありこれらの大唾液腺から多くの唾液が分泌されています。唾液腺にも唾石という石ができる事があり唾石が唾液腺の腺体内もしくは導管内にできると唾液がうまく出なくなったり感染を起こして激しく痛む場合があります。この場合に唾液腺を指で押してみる事で唾液がうまく出てくるかどうかを確認して唾石の有無を確認することもあります。これらの唾液腺の分泌する唾液の出口は決まっており、それぞれの場所からうまく唾液が出てくるかを確認する事で唾液の分泌状態を確認する事もできます。口の中の唾液でもサラサラのものと粘り気があるものがありますが、耳下腺からはサラサラの唾液である漿液性の唾液が、耳下腺からは粘り気がある粘液性の唾液が、顎下腺からは漿液性と粘液性の唾液の両方が分泌されてこれらの唾液の割合で口の中の唾液のサラサラ感や粘り気が決定してきます。これらの唾液腺の一部分は顔の外から触る事で触診する事も可能で、唾液腺に炎症が起きてるかを触診で確認する事もあります。

小唾液腺

小唾液腺はその場の通り大唾液腺とは違い小さな唾液腺の集団です。小唾液腺は口腔内の様々な部位に存在しており唇や舌の下部、頬や口蓋といった様々な部位に分布しています。唇を噛んだりなどして小唾液腺の導管部が損傷するとその損傷部位から唾液が漏れ出して唾液の溜まりを作ってしまう粘液嚢胞という偽嚢胞を作る場合があります。下唇にできる場合を下唇粘液嚢胞と呼び下唇を噛む癖のあるお子さんに見られる事があります。舌の先の舌尖下面に粘液嚢胞ができる事もありこの場合は特別にブランディンヌーン嚢胞と呼びます。舌の下面に円形のできものができるので舌に何かができたと心配されて受診される患者さんもいます。これらの粘液嚢胞は破れて中の唾液が排出されると潰れてしまうのが特徴ですが潰れてもまた唾液が貯留をして再び腫れてくる事がほとんどです。

これらの普段あまり意識しない唾液にもそれぞれに分泌する場所があり、その分泌される唾液にもサラサラな漿液性の唾液と粘り気のある粘液性の唾液にわかれているのです。

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執筆者:名古屋市千種区の歯医者 阿部歯科

ブリッジと言えば歯がなくなってしまった部位に対して前後の歯に橋渡しをしてイミテーションの歯を入れていくことなのですが、特殊なものには後ろの歯がない部位に対して前2本以上の歯を連結して後ろ方向に伸ばす延長ブリッジというものもあります。今回はそんなブリッジの治療をした後の注意事項をお話ししようと思います。

そもそもブリッジとは

歯がない部位に対して他の歯に負担を求めて橋渡しのようにして欠損部位を補う方法です。入れ歯とは違って外すことはありません(例外的に可撤性ブリッジという入れ歯のように撤去する事が可能なブリッジもありますが基本的には用いられません)し、常に歯の欠損部に対してイミテーションの歯が補われた状態にあります。負担を補う部位は連結されており一体となって動くようになります(例外的に半固定性ブリッジという一部が固定されないブリッジもありますが基本的には用いられません)、そのため歯の数にして3本分以上の部位が一体となって動く特徴があります。入れ歯との大きな違いは取り外す必要がなく自分の歯と似たような感触を得られるという点にあります。

ブリッジの清掃

取り外す必要がないといメリットの裏返しとしてイミテーションの歯と歯茎の接する部分の掃除をしにくいという特徴があります。イミテーションの歯は歯茎から浮くようにしてブリッジに乗っているのでどうしてもその下面の掃除をしにくいという問題が出てきます。そのため小さめの歯ブラシでイミテーションの歯の下の面をこまめに磨いてあげたり、細い歯間ブラシが通るようなら通してあげるという方法もあります。ただ、歯間ブラシが通るほどの空間がある場合は患者さんによっては舌で触った時の感触に違和感があるため最近ではイミテーションの歯は歯茎に0.5mm押し付ける程度の位置に設定されます。イミテーションの歯を0.5mm歯茎に押し付ける事によってブリッジで物を噛んだ時に歯がさらに0.5mm沈み込んで合計で1mm歯茎を押す事によって刺激を与えて欠損部位の骨吸収を緩やかにする事ができるというメリットもあります。

汚れが下面に溜りつづけてしまうとその部位で炎症が起こり逆に骨を溶かしてしまうという問題があります。そのため定期的に歯科医院に受診してブリッジの下の面も綺麗に掃除してもらうという事がブリッジを長持ちさせる秘訣の一つとなっています。

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※※※千種区の歯医者 阿部歯科では患者さんにあった様々な治療計画や予防計画を立案しています※※※

こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科です。歯を噛み合わせたり物を噛んだりした時に痛みを感じる事があるかもしれませんがこの時に歯を何かでコンコンと叩いた時に痛みを感じる場合があります。歯の痛みには外部からの刺激で神経を介して感じるものと炎症によるものがあります。今回は歯を叩いた時に感じる痛みについてお話をしようと思います。

垂直方向の痛み、水平方向の痛み

歯を叩いた時に歯の軸方向に感じる痛み(垂直方向に感じる痛み)と歯の側面を叩いた時に感じる痛み(水平方向に感じる痛み)があります。垂直方向に痛みを感じる場合は根尖部に炎症がある事が多く、水平方向に痛みを感じる場合は歯の周囲に炎症がある場合が多いです。この根尖部の炎症と歯の周囲の炎症は歯根膜を介して根尖を含めた歯の周囲全部に歯根膜炎を起こす事もあるのでこの場合は水平方向と垂直方向両方に痛みを感じる場合もあります。歯根膜炎が起きた状態でも原発巣の炎症が強くなっている事が多いので垂直方向と水平方向の痛みの程度を比較する事で原発巣を予測する事も可能となる場合もあります。

根尖性歯周炎

根尖性歯周炎とはう蝕や歯髄壊死などによって歯髄の感染を通して根尖に感染巣を作った状態です。稀にう蝕がなくても逆行性に歯髄に感染を引き起こし根尖性歯周炎を起こす場合もあります。歯の根の先端の根尖に感染巣を作り急性炎症を引き起こすと歯の軸方向への刺激に対して痛みを感じるようになる場合があります。そのため垂直性の刺激に対して強い痛みを感じる場合は根尖性歯周炎の存在が疑われます。根尖性歯周炎まで移行してなくても歯髄が急逝炎症を起こす急性化膿性歯髄炎の場合でも少しの刺激に敏感になり歯を叩いた時に激しい痛みを感じる場合もあります。

歯周組織炎

歯の周囲に急性の歯周炎を起こした場合は歯根膜に強い炎症を伴い水平方向に歯に刺激を与えた時に痛みを感じる場合があります。すなわち上に書いたような垂直方向に強い痛みを感じるか垂直方向に強い痛みを感じるかで炎症の原因が歯髄を介したものか歯周病によるものかを確認していきます。これらの臨床症状とう蝕の有無とレントゲン像を確認して原発巣を特定していきます。

咬合性外傷

上の2つの疾患は細菌感染によって急性炎症が引き起こされた状態ですが咬合性外傷は歯の当たりが強いといった咬頭干渉などの機械的な刺激により歯根膜炎が起きた状態です。この場合も歯を叩いた時に痛みを感じる場合がありますが同時に根尖性歯周炎や歯周組織炎を伴っていたり、咬合性外傷から歯髄炎へと移行する事もあります。

この他にも歯の詰め物が取れかかっていたり、歯にヒビがはいっていたりなど歯を噛んだ時の痛みには様々な原因があります。そのため、視診やレントゲン像、臨床症状などから総合的に原因を解明していく必要があるのです。

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今後も患者さんに役に立つような情報をお伝えして、池下、千種区、名古屋の近郊、そして名古屋市外の患者さんにも安心して通っていただけるような歯医者を阿部歯科では目指しています。

こんにちは、池下の阿部歯科の副院長 阿部利晴です。今回は顎の骨の中にできる膿の袋という内容でお話をしようと思いますが、膿の袋と言われてもあまりピント来ないかもしれません。顎の中にできる出来物の事なのですがこれらの出来物は歯に関連するものが多々あります。

膿の袋とは

感染によってその部位に免疫反応の結果、免疫細胞や感染の元となった病原体の死骸やドロドロになった組織が混在している状態です。膿の周りには膿を囲むように組織が取り囲んでおり、上皮性に取り囲まれたものを嚢胞、非上皮性に取り囲んだものを偽嚢胞と呼びます。膿の袋と説明される場合は嚢胞の事がほとんどで膿を取り囲む上皮の周りには免疫細胞が集まってきており感染の中心は膿の中にあります。顎の骨の中にこの嚢胞ができると感染を無くす事ができたとしても袋である上皮が残ってしまっているのでこの嚢胞自体を顎の骨から摘出しないといけません。

嚢胞が顎骨にできると何がいけないのか

嚢胞が顎の骨の中にできて問題となるのは主に2点です。1つは上に書いたように嚢胞そのものが感染源となって炎症を起こし痛みの元となる事です。特に嚢胞は硬い上皮性の組織に囲まれているので抗菌薬自体も届きにくい傾向があります。2つ目は腫れの問題があります。骨の中にできた嚢胞は時間の経過とともに膨れ上がっていきやがて顎の骨の外側を押して盛り上がるように骨が膨らんでいきます。こうなると骨の形自体が変わってしまいます。大きな嚢胞になると全部取りきると骨がスカスカになってしまうため嚢胞は中に膿があると膨らむという性質を逆に利用して膿みを抜き出した状態の開窓療法という治療法をとる場合があります。この場合は嚢胞が膨らむのとは逆に中の空気が抜かれた風船が縮むように嚢胞が小さくなっていきます。ただし、この治療の間は嚢胞の内側を口の中にむき出しにしてこまめに中に抗菌薬入りのガーゼを敷き詰めて感染が起きないようにするとともに傷口が閉じてしまわないようにする必要があります。

偽嚢胞の場合はどうか

偽嚢胞の場合はレントゲン上では嚢胞のように見える場合もありますが、組織学的に上皮組織に囲まれていないという特徴があります。この場合は嚢胞よりも治癒がしやすい事が多く感染源を取る事で落ち着いて来る事も多く嚢胞のように顎の骨を膨隆させる事も基本的にはありません。ただし、嚢胞と偽嚢胞の違いはあくまでも組織学的に上皮組織に囲まれているかどうかなのでレントゲン像ではしばしば見分けがつかない事もあります。

嚢胞にしろ偽嚢胞にしろ顎骨の中に痛みを感じた場合は中で炎症反応が起きている可能性を疑う事が大切なのです。

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※※※ 千種区の歯医者は審美歯科・口腔外科・歯周病治療・予防歯科の阿部歯科 ※※※

数ヶ月後の開院に向けて阿部歯科の工事も着々と進んでおります。阿部歯科では患者さんが来院されるのに緊張感や圧迫感を感じないような歯科医院の外観や居心地といった点にも力を入れておりいますが、患者さんからは見えない部位にも力を入れております。その一つが建物自身の耐震補強です。普段何もない時には気がつく事のない項目ですがいざという時のために備えて歯科医院の中にいる人を守るためにとても大切な事だと考えております。

構造設計から耐震補強へ

患者さんが緊張感なく来院しやすい歯医者を作るという事も目指して設計士さんと入念に打ち合わせを行い、外観からはじまり歯科医院内での過ごしやすさも考えて設計を決定してきましたが設計が決まると今度は患者さんから見えない部分の打ち合わせも始めました。患者さんからは見えないものの大切な事はたくさんあると阿部歯科では考えております。その一つがいざという時の地震に備えるための耐震設計です。設計士さんとの打ち合わせで院内の設計が終わったら今度は耐震構造設計専門の方に来ていただき耐震設計と強度の構造計算をしてもらいました。その結果を踏まえて耐震用の構造用合板や強度上昇のための構造の追加を決定していきました。このような対応は患者さんが気がつく事はありませんし普段何もない時はあまり問題がないのですが、何かあった時に患者さんや院内のスタッフを守れるようにするためにとても大切な事だと考えております。こういった一つ一つに取り組みを確実にやっていく事で、見た目の外観や歯科医院内での居心地だけではなくあらゆることに関して取り組むことで千種区や千種区外ら来られる患者さんが安心して通える歯科医院を作れると阿部歯科では考えております。

見えない部分の対応は建物だけではない

阿部歯科では建物だけでなく、あらゆることに対して患者さんが安心できるような環境を整えていく事を大切にしています。建物の他には例えば歯科用のコンプレッサーとセントラルバキュームの空間の分離などがあります。これは治療室側から吸い出した空気と治療室側へ送る空気を完全に物理的に分離するという事になります。名古屋市や名古屋市周辺のような人口密度が上がる場所では治療のために治療室側から空気を吸い出す機械であるセントラルバキュームと治療室側へ空気を送り出す機械であるコンプレッサーの機械を空間的な理由で別々の完全に独立した機械室に置く事はしばしば難しくなり、同一の空間である機械室に置く事もありますが、阿部歯科では治療室側から吸い出した空気が治療室側へと送り出す空気と混ざって治療室側へと送り出される事は衛生面から見てあってはならないと考えております。そのため阿部歯科では治療室側から空気を吸い出すセントラルバキュームと治療室側へと空気を送り出すコンプレッサーを完全に分離した部屋に設置し、さらにそれぞれの部屋同士は建物内で繋がってはいないというように徹底してクリーンな治療環境を得られるように力をかけています。

千種区池下の阿部歯科では患者さんが気がつかない部分もしっかり力を入れていく事で、池下・千種区・名古屋市さらには名古屋市外の患者さんにも安心して通院する事ができる歯科医院を作り上げていく事ができると考えています。

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千種区池下駅から徒歩のロケーションにある歯医者、阿部歯科副院長 阿部利晴です!

今回は身近なのに知らない部分も多い歯の構造に関して詳しくお話をしようと思います。歯医者さんへ行って「歯の神経の理療をしますね」と言われた方もいるかもしれませんが、「歯の神経」と言われてもピンとこないのではないでしょうか??

記事の再執筆:2018年1月22日(月)11:30

 

歯の表面について

歯の表面は人の体の中で、最も硬い硬度を持つ「エナメル質」に覆われています。

エナメル質はハイドロキシアパタイトという、極めて水分量の少ない無機質の結晶からできており、歯のエナメル質部分はハイドロキシアパタイトの結晶でできたエナメル小柱という構造が寄り集まってできています。

ハイドロキシアパタイトは、カルシウムに酸素や水素やリンが集まってできる結晶なのですが、骨や後に出てくる象牙質という構造にも含まれています。このハイドロキシアパタイトが最も多く含まれる部分が歯であり、体の中で最も硬い組織となっています。
 

エナメル質の下

エナメル質の下には象牙質があります。

象牙質にはエナメル質にあったハイドロキシアパタイトの他に有機質も含まれており、象牙質の構造の中には象牙細管という管のような構造があります。この中には水分が含まれておりさらに奥にある歯髄に存在する象牙芽細胞の一部が腕を伸ばしております。

この象牙細管の中の水分が刺激によって揺れると、その水分を伝って刺激が歯髄に行き痛みを感じると言われています。

歯が痛みを感じる機序の仮説にはいくつかありますが、この水分が動くことによって痛みを感じるという動水力学説が最も有力だと言われています。虫歯になるとこの象牙質がむき出しになり、象牙細管内の水分を経由して刺激が歯髄に伝わるのです。

 

歯髄とは?

大きな虫歯になって神経を取ることになると「神経の治療をします」という事になるのですが、その時に神経と言っているのはこの歯髄の事です。

歯髄の最外側には象牙細管に腕の一部を伸ばしている象牙芽細胞という細胞がいますが、その奥の空間には神経や血管や結合組織、免疫細胞で満たされています。動水力学説による水分の圧力変化をこの歯髄の中の神経が感じ取って、痛みを感じているわけです。

神経と言っても実は種類があり、歯髄の中にはAδ線維とC線維という2種類の痛覚神経があります。違いは鋭い痛みを感じるか鈍い痛みを感じるかの違いがあり、歯の痛みでもキーンと感じる鋭い痛みとドーンと感じる鈍い痛みの2種類があるのはこのためです。

 

セメント質について

歯の構造にはこの他にもセメント質と呼ばれる、骨に埋まっている部分に存在する構造があります。
これは歯と骨の間でクッションの役割をする
歯根膜というハンモックのような構造が歯に繋がるためのアンカー部分となっています。

 

「歯やお口に関するご相談」は、千種区の頼れる歯医者 阿部歯科へお任せください!

今回は「歯の構造について」ご説明しました。少し専門的な内容がありましたが、いかがでしたか?

このように歯と一言で言っても、色々な構造で構成されてできているのです。
その構造をしっかりと把握し、むし歯や歯周病、その他の疾患について診査し、その患者さんに適した歯科治療を歯医者は行っています。阿部歯科では「患者さんにとって、最適な治療を行うよう努める」のは勿論、患者さんに不安のないようにご説明の上、治療を進めています。

いくら最適な治療でも、今どういった状態で、何故その治療を行う必要があるのか?それによってどう良くなるのか?が分からないと、安心して治療に通うことができなと思います。このような気持ちのケアまで行うことが、良い治療であると考えます。

これまでに「他の歯医者さんで治療してもらったけれど、どれぐらい良くなっているのか分からない・・」「自分のお口の状態について把握した上で適切な治療をしてほしい!」といった方はお気軽に阿部歯科までご相談ください。まずは患者さんのお話をヒアリングできればと思います!

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本記事の執筆:歯科医師  阿部 利晴 (あべ としはる) 


【歯科医師としてのプロフィール】
1980年:名古屋市千種区生まれで、歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ

 

2005年:愛知学院大学歯学部を卒業
2005年:豊川市民病院の歯科口腔外科で臨床研修医として活動
2006年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座へ入局
2010年:愛知学院大学大学院の歯学研究科を修了 総代
2010年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座にて非常勤助教
2010年:名古屋大学医学部附属病院の麻酔科 医員を経験
2011年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部で勤務
2014年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて講師となる
2014年:アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所の非常勤連邦職員を経験
2015年:名古屋市千種区の阿部歯科 副院長に就任
趣味:ハイキング、英会話
 

【一言】
国内だけでなく、アメリカでも歯科治療に関し、様々な知識/経験を得てきました。
日本とアメリカで長年培ってきた技術をリニューアル開業後、存分に活かし、それぞれの患者さんに適した治療をいたします。

阿部歯科のある池下近隣の患者さんはもちろん、千種区内にお住いの多くの方に頼っていただけるような歯科医院を作り上げたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

患者さんの中にデンタルフロスを入れると痛みを感じるとおっしゃる方が時々います。デンタルフロスは使えば歯の清掃で非常に有益なのですが使い方を間違えると逆に歯茎を痛めてしまうこともあります。

何故デンタルフロスを使うと痛いのか

この理由の可能性はいくつかありますがそれは、歯肉炎が起きてる、歯周病の症状が出ている、虫歯がある、歯の詰め物が取れているもしくは取れかかっている、といった理由が考えられます。歯肉炎とは歯肉に限局して起こる炎症ですがこの炎症があるとデンタルフロスを歯茎に当てた時にチクチクとした痛みを感じる可能性があります。ちょうど炎症の起きている組織を何かで押している様な感じになります。歯周病の症状が出てきている時には炎症もあるのですが歯と歯肉の付着が剥がれていたり剥がれかかってそこにデンタルフロスを当てる事で剥がれた付着部位を刺激してしまったり剥がれかかっている付着をデンタルフロスで剥がしてしまっている可能性がありこれが痛みへとつながってきます。虫歯の際には隣接面齲蝕があるとデンタルフロスを挿入した際に汚れを押し込んだりして齲蝕部位に対して痛みを引き起こす可能性があります。そして歯の詰め物が取れていたり取れかかっている際にはデンタルフロスを挿入した際に詰め物を動かしてしまいその下の象牙質に刺激が加わり痛みを感じている可能性があります。

デンタルフロスの間違った使い方

デンタルフロスは歯の隣接面の汚れを取るのに使われますがフロスを隣接面に入れた際にそのまま押し込むと汚れを歯周ポケットに押し込んでしまう可能性があります。そのためデンタルフロスは歯肉側から歯冠側に向かって歯の表面の汚れをかき出してくるように使わないといけません。そして汚れが多くついたまま他の歯に対しても使い続けると他の部位でついてきた汚れを別の歯のポケットに押し込んでしまう可能性があるためデンタルフロスは可能な限り綺麗にしつつ使うか汚れが多くついたら新しいものに変えていく必要があります。

デンタルフロスの種類

デンタルフロスにはプラスチックにフロスがついたものと糸巻き状になっているものがあります。プラスチックについたものは不慣れでも比較的使いやすいもののある程度同じ物を使い続けないといけなくなります。一方で糸巻き状になったものは自分の指に巻きつけて使うので使うのに慣れが必要ですが汚れたら別の部位に変えながら使えるので綺麗なフロスの部位を使いやすいというメリットがあります。

デンタルフロスも慣れてきたら糸巻き状になっているものを使えるようになるといいかもしれませんね。

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※※※ 審美歯科・口腔外科・歯周病治療・予防歯科は千種区の歯医者の阿部歯科 ※※※

こんにちは、名古屋市千種区の歯医者の阿部歯科です。細菌感染という言葉を聞いた事があると思いますが歯科疾患の多くも細菌感染によって成立しています。そのため今回はそもそも細菌感染とはどういう事なのかというお話をしようと思います。

細菌感染

その名の通り細菌が生体に対して感染を成立させている状態です。細菌とは正式には真正細菌と呼ばれる核膜を持たない原核生物の事で、カビである真核生物の真菌や非生物のウイルスとは全く別の生物です。真正細菌と同じように見られる古細菌と呼ばれる間欠泉などの過酷な環境に生息する生物もいますがこの古細菌も進化的には真正細菌とは別の種類に分類されます。この真正細菌が口腔内で感染を成立させて歯周病や歯の根の先の膿の発生を引き起こしています。

感染とは

感染とはその病巣で増殖を成立させた状況になります。例えそこに細菌がいても増殖する事ができていなければ感染とは言われず、例えば血液の循環の中に細菌が入り込んでも増殖する事ができなければ菌血症と呼ばれ、増殖が成立すれば敗血症と呼ばれます。重度の歯周病では腫脹して血管透過性も上がった感染部位の歯周組織で歯周病関連細菌が血液の流れに入り込み慢性的な菌血症の状態にあると言えます。この循環器系に入り込んだ細菌が心臓の弁などに付着して感染を成立させると心疾患の原因となり得る可能性があるのです。このように、感染とはあくまでも感染部位において細菌の増殖が成立する事が要件となるのです。

何故感染するのか

細菌が感染するためにはまずは細菌が生体の組織に対して付着もしくは侵入が成立する必要があります。この際に利用されるのがそれぞれの細菌が特異的に持つタンパク質でこのタンパク質の機能によって生体の細胞にたいして付着もしくは侵入を成立させていきます。実験的には特定のタンパク質をコードするそれぞれのORFと呼ばれる遺伝子領域を欠失させる事で細菌の特定のタンパク質が人の細胞に対して付着や侵入に寄与しているかを調べる事ができます。

付着や侵入を成立させるタンパク質を特定したら

そのタンパク質を特定する事が出来ればその細菌の細胞への付着や侵入メカニズムを解明する事が可能となってくるためそのメカニズムを抑制する薬の開発など治療法への道筋をつける事も可能となってきます。そのため、それぞれの細菌の感染成立のメカニズムを明らかにする事で治療の可能性の幅を広げる事が出来るのです。

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千種区の歯医者の阿部歯科です。アレルギーには色々種類がありますが特にその中でも今回は重篤なアナフィラキシーショックに関してお話をしようと思います。頻度は低いですが、歯科領域でもごく稀にアナフィラキシーショックが見られる事がありますアナフィラキシーの場合は早急な対処が必要なため迷走神経反射や過換気症候群などと鑑別をしっかりして素早く対処する必要があります。

アナフィラキシーショックとは

アレルギーの種類の内でI型アレルギー、別名で即時型アレルギーとも呼ばれるアレルギーによって重篤な反応が起きてショック状態を呈したものです。アレルギー反応の延長で循環器系に大きな影響が起きてしまった状態とも言えます。I型アレルギーに付随して起きてしまった症状と捉える事もできます。

I型アレルギーとは

アレルギーの型にはその発生機序によってI型からIV型まで分類されます。I型アレルギーと聞くと聞きなれませんが花粉症や食物アレルギーもこのI型アレルギーに含まれます。この型のアレルギーでは花粉や食べ物などのタンパク質が抗原として認識されるところから始まります。食べ物や花粉や他の様々な物質は色々な種類のタンパク質でその物質が構成されています。その中のタンパク質はそれぞれ特徴的な3次元的立体構造を持ちます。これは連なったアミノ酸が3次構造や4次構造を作る事で形作られその構造の中の一部の形が免疫機構によって抗原として認識されます。これをエピトープと呼び、このエピトープに体の中で作られた抗体が付着していきます。I型アレルギーではIgE抗体という種類の抗体がエピトープに結合しこのIgE抗体を介して免疫系の肥満細胞などの免疫細胞が感作されます。感作された肥満細胞などの免疫細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出され体に炎症反応が起きます。この炎症作用が急激に起きて血管拡張、浮腫、腫脹が強く出る事でショック状態や呼吸困難を引き起こしたものがアナフィラキシーショックと呼ばれる状態です。

アナフィラキシーショックと他の類似症状を絶対に間違えてはいけない

歯科治療中に気分の悪さや息苦しさを訴えた際に他の迷走神経反射や過換気症候群などと絶対に間違えてはいけません。それはアナフィラキシーショックが非常に素早い対応を必要とする状態で急激なアレルギー症状を呈する所見を絶対に見落としてはいけないからです。そのためにはそれぞれの状態の発生機序を理解してどういう原因で起きるのかを理解していないとそれに続くさまざまな付随症状を理解することができずに鑑別診断を行えなくなってしまいます。

患者さんがどのような時でも安心して歯科治療を受けられるように幅広い知識が歯科医師にも必要とされるのですね。

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※※※千種区池下の歯医者は審美歯科・口腔外科・歯周病治療の阿部歯科※※※

こんにちは、千種区池下の歯医者の阿部歯科です。歯の痛みというと代表的なものには虫歯がありますね。冷たい水を飲むと歯に鋭い痛みを感じることがある患者さんもいるかもしれませんが、それは虫歯ではなくもしかしたら知覚過敏かもしれません。

知覚過敏とは

虫歯と知覚過敏は別に分けられますが、その痛みを感じるメカニズムは似ています。大きな違いは、それが虫歯によってもたらされた痛みなのか虫歯とは別の理由で起きたのか、という事です。そのため、虫歯の場合は例え痛みが治まっていても治す必要性がありますが、知覚過敏の場合は痛みが治まっていれば経過観察で済ませる事もあります。ここが大きな違いで、虫歯は痛みを取り除く事ももちろんですが、痛みの原因となった細菌に感染した病巣を取り除く事が大きな目的になりますが、知覚過敏の大きな目的は痛みそのものを取り除く事にあります。虫歯も知覚過敏も歯の構造の内の象牙質という組織が露出してきて刺激に対して痛みを感じるようになるのですが、どちらも痛みを感じる原理は同じです。1番の違いはそれが細菌感染によるものかそうでないのかという点です。

なぜ知覚過敏になるのか

虫歯では歯が溶けて象牙質がむき出しになってくるために痛みが出るようになるのですが、知覚過敏の場合は

日頃の歯ぎしりによって歯がすり減ってしまった

歯周病によって歯茎が下がって歯の根の部分が露出してきた

歯の硬いエナメル質という部分がかけて象牙質が露出してきた

などの理由があります。これらを見てわかるようにその理由は物理的に象牙質が露出してしまったという点に問題があります。歯周病の場合は歯周病を起こすのは細菌感染なのですが、歯周病が起きて歯茎が下がった結果歯の根の部分が露出してきてしまった、というように虫歯のように細菌が直接知覚過敏をおこしているわけではありません。

歯のくびれの部分がすり減っている

これが知覚過敏をおこしている中で非常に多い理由の一つです。何かしらの理由で歯茎近くの歯のくびれの部分がへこむようにすり減っている状態を楔状欠損と言いますが、この状態だと象牙質が大きく露出している事が多いので冷たい水にしみる知覚過敏の状態を引き起こす可能性があります。その痛みが強い場合はこれ以上歯を擦りへらせてしまわないように歯磨き指導をしたり、シミ止めの薬を塗ったり、すり減った部分をプラスチックで埋めたりなどの処置をしていきます。

知覚過敏と言ってもその原因には色々なものがありますので、第1の目的は痛みを取り除く事になりますが、その痛みを取り除く方法はその原因に合わせて選択していく必要があります。

知覚過敏.jpg

執筆者

名古屋市千種区の歯医者 阿部歯科

阿部利晴

 

こんにちは、千種区池下の歯医者の阿部歯科です。

注射針は歯科治療の局所麻酔の際の口腔粘膜への注射や、点滴の際の静脈への循環へのルート確保の際、時には全身麻酔下でのリアルタイムでの血圧モニタリングのために動脈に留置針を刺入する際などに使われますがそれらの針の太さは目的に合わせて様々なものが用意されています。針の太さは直径が大きければ大きいほど刺入時の刺激が強く痛みが強いのですが、この注射針の太さはG(ゲージ)と呼ばれる規格が決められておりその規格を見てどの太さの注射針を使うかを決定します。そこで今回は普段あまり気にすることのない注射針に焦点を合わせてお話をしようと思います。

注射針の太さ

注射針の太さはその目的によって太さが変わってきます。細ければ細いほど刺入時の痛みを感じにくいのですがその反面、細いほど液体の流入速度も遅くなります。歯科治療の際の口腔粘膜へに局所麻酔ではかなり細いものが使われており、これは敏感な口腔粘膜に対して可能な限り刺入時の痛みを感じにくくする目的のために細いものが使われています。針の太さは「G(ゲージ)」という単位で太さが決められており、数字が小さければ小さいほど太く、大きければ大きいほど注射針の直径が小さくなっていきます。歯科治療の際の局所麻酔では通常はおおよそ30Gから33Gの太さの注射針のものが使われる事が多くなっています。数字だけ30Gから33Gと聞いてもイメージがつきにくいと思いますが、インフルエンザワクチンの予防注射目的の皮下注射ではおおよそ26G付近の太さの注射針が、点滴などの目的の静脈内注射では22G付近の太さの注射針が、全身麻酔中の術中管理目的の輸液では目的に合わせて18Gから22G付近、全身麻酔中の失血に対する輸液や輸血ではかなり太いものだと16Gに太さの注射針が使われる事もあります。33Gの太さと16Gの太さを比べるとそれぞれおおよそ直径1.6mmと0.2mmと、直径で8倍もの太さの差があります。この注射針の太さの比較から見ても歯科治療の際の局所麻酔の注射針にはかなり細いものが使われている事がわかりますね。

どうしてG(ゲージ)が大きいほど注射針の直径が小さくなるのか

なんとなくのイメージだとゲージの数字が大きくなれば太く、小さくなれば細くなりそうですが注射針の太さの場合は逆になります。ゲージの数字が大きくなれば細く、小さくなれば太くなります。そしてゲージの数字が半分になったから注射針の太さが2倍になるといったような規則性もなくゲージの数字から注射針の太さをイメージするのは非常に困難です。実際の臨床現場ではゲージの数字から大体の太さのイメージを記憶していても、それぞれの注射針のゲージ数の比較からそれぞれの太さの差を計算で出す事はできません。実はこのゲージという規格は19世紀のイギリスで鉄線や鋼鉄線の金属線(ワイヤー)の規格として決められたBirmingham Wire Gauge(バーミンガムワイヤーゲージ)からきており、このゲージの部分をGauge(ゲージ)という規格で注射針に利用したのです。このバーミンガムワイヤーゲージという針金類などに使われる規格が注射針に応用されたのは少し不思議ですね(尚、このバーミンガムワイヤーゲージという金属線の規格は今では大分古いもののようですが、一部では使われているようです)。そしてこのゲージと太さの関係ですが数式では計算不可能でバーミンガムワイヤーゲージで規定された太さに金属線の伸線(金属線を円錐状の筒に通して太さを変える工程)を行い決められているようです。一時期この金属線の太さの定義を数式的に再定義し直すようにするという試みもあったようですが、数式に当てはめてしまうと現在ある規格との太さの間に誤差が生まれてしまうという理由で結局は見送られたようです。これらの金属線の太さについても19世紀のイギリスの時代から色々な人が色々な規格を提案しており、当時のイギリスでも規格が乱立して大変だったようです。

今回は注射針の太さ「G(ゲージ)」についてお話をしましたが元々は19世紀のイギリスの金属線規格のバーミンガム ワイヤー ゲージからきており、太さは計算式ではなく決められた伸線工程での太さで定義されているというお話をしました。歯科治療でも局所麻酔のための注射に使われる注射針ではかなり細いものが採用されていますが、その注射針の太さの規格の成り立ちにはこのようなお話が隠されていたのです。

参考文献:The story of the gauge. J. S. Poll. 1999. Anesthesia

 

☆☆☆ 名古屋市千種区の歯医者なら審美歯科・口腔外科・歯周病治療の阿部歯科 ☆☆☆

下唇に小さな丸い豆のような腫れができる事があります。唇をよく噛む方で豆のような腫れが潰れたりできたりして痛みもない場合はもしかしたらそれは粘液嚢胞かもしれません。

こんにちは、千種区の池下にある歯医者の阿部歯科です。今回は粘液嚢胞という病気についてお話をしようと思います。

粘液嚢胞

これは良性の偽嚢胞と呼ばれる疾患です。組織学的には唾液が結合組織中に停滞して嚢胞様構造を作っています。嚢胞とは通常は炎症によって上皮性組織が増殖し風船状に結合組織内もしくは骨内で炎症性細胞の浸潤を伴い膿を抱えながら膨隆していく疾患なのです。一方で今回お話しする粘液嚢胞の様な偽嚢胞は上皮性組織の増殖を伴いません。結合組織内には膿の代わりに唾液が封じ込められておりわずかに炎症性細胞の浸潤が見られるといった様に炎症によって上皮性の増殖や感染が起きる嚢胞とは基本的に違います。

なぜ粘液嚢胞ができるのか

唾液を作る組織は唾液腺と呼ばれますがこれには大唾液腺と小唾液腺という種類があります。このうちの小唾液腺の出る経路に導管という組織がありますが、例えば唇を噛む癖があるとこの導管が破れて唾液が漏れ出して結合組織内に貯留する場合があります。丁度水道管が破れて地面の中で水が溜まってしまう様に唾液が結合組織の中に溜まり続けてやがて腫れてくるのです。この粘液が停滞している状態が粘液嚢胞と呼ばれる状態で粘液停滞嚢胞とも呼ばれます。上で書いた様に通常は嚢胞は上皮性の増殖を伴う疾患なのですが、以上の様な疾患の原因から粘液嚢胞は嚢胞と名前がついていますが偽嚢胞に分類されます。

粘液嚢胞は治す必要があるのか

粘液嚢胞は下唇に比較的出来やすく、唇を噛んでしまうお子さんにできる事がしばしばあります。そのため何度も粘液嚢胞を噛んでしまう場合は外科的に摘出をする事があります。通常、粘液嚢胞は腫れたり潰れたりして治ったり腫れたりを繰り返します。ただ、そのまま腫れがひいて治る場合もありますのでしばらく様子を見て腫れがひかない様なら外科的に摘出をする必要が出てくる場合もあります。その場合は粘液嚢胞ができるのは比較的お子さんに多いので暴れずに治療を受けられるという事が必須の条件になります。摘出の際は当然メスや針を使うので暴れてしまうと非常に危険で治療を中止せざるをえないからです。

粘液嚢胞は下唇以外にもできる

粘液嚢胞は唾液腺から伸びる導管の破損によって唾液が結合組織内に漏れ出した状態なので下唇以外にも唾液の出てくるところにはできる可能性があり、例えば口の中の底の部分や舌にもできる事があります。

粘液嚢胞.jpg

 

歯科治療において局所麻酔薬や飲み薬などを使う際に注意する事の一つにアレルギーという問題がありますが、アレルギーといってもいくつか種類があるのはご存知でしょうか?そこで今回はアレルギーに関してはお話をしようと思います。

そもそもアレルギーとは

アレルギーの正体は体の免疫機構が対象となる抗原に対して過剰に反応する事です。アレルギーは免疫機構が抗原のエピトープと呼ばれるタンパク質の特定の部位に対して反応を示す事で起きますが、同時に体を細菌などの外敵から守る働きをしています。金属アレルギーという言葉もありますが免疫機構の抗体はタンパク質上にあるエピトープの立体構造に対して反応をするため金属が直接免疫機構を刺激してるわけではなく、溶出した金属イオンによる影響でタンパク質の立体構造に影響を及ぼしアレルギーを引き起こすと考えられています。このように、体の防御機構である免疫機構の反応が特定のタンパク質に過剰に反応している状態がアレルギーという事ができます。

抗原抗体反応という言葉

抗原となるタンパク質のエピトープの部位に特異的に接続するのが抗体という事になるのですが、この反応を抗原抗体反応と言います。抗体は非常に特異的な反応を示しそれぞれの抗体に対してそれぞれにあったエピトープしか接続しません。これが遺伝子的に個人個人に割り当てられた抗体の特異性へと繋がり、人によってアレルギーが出る人と出ない人という差を生み出す事になります。人類の進化上でより多くの人々に共通して割り当てられた抗体の遺伝子もあれば極々僅かの限られた人たちだけが持っている抗体というのもあります。リウマチなどの自己に対する抗体やアレルギーといった本来の目的と違った抗原抗体反応は多くの人々の多様性の中で生まれて来たものでもあります。

アレルギーの原因は個人の持つ抗体の特異性にある

例えば花粉症もアレルギーの中に含まれますが、それぞれの作用機序によってアレルギーの起こる免疫機構の経路が変わってきます。花粉症やアレルギーの中でも注意の必要が出てくるアナフィラキシーショックは共にIgEと呼ばれるY型の形をした2箇所のエピトープ認識部位を持つ抗体が原因となって起きますが、この抗体によって引き起こされるアレルギーは抗原に晒されてからすぐに起きる事から即時型アレルギーと呼ばれます。花粉症の方が花粉を吸ってすぐにアレルギー症状が出るのと同様に歯科治療で使われる薬剤などによるアナフィラキシーショックでもすぐに症状が現れます。アナフィラキシーショックはアレルギーの結果の一つなのですがくしゃみが出る花粉症でとの大きな違いは血圧の低下による循環不全を伴う全身的な機能不全という点にあります。そのため、アナフィラキシーショックはショック状態を伴った症状であり全身的な循環不全も含めて非常に注意しないといけない状態と言えます。

これらのアレルギーの他にもIgGと呼ばれる抗体や補体と呼ばれる免疫機構に関するタンパク質などが関連する様々なアレルギーがあり、一言でアレルギーと言っても抗原に晒されてからアレルギーの起きる速度や起きる機序など様々なものがあるのです。

抗原抗体反応.jpg

執筆者

名古屋市千種区池下の歯医者

阿部歯科 副院長

阿部利晴

あけましておめでとうございます。千種区の池下にある歯医者の阿部歯科です。今年は戌年という事で犬にちなんだ話題として「犬歯」についてお話をしようと思います。犬歯は糸切り歯とも言われ前歯から数えて3番目にある先端の尖った歯です。上下左右にあり位置がずれていると八重歯と呼ばれる事もあります。この犬歯ですが他の歯にはない様々な特徴があります。

犬歯の特徴

上下左右にある犬歯は他の歯に比べて顎の骨に埋まっている根の長さが長いという特徴があります。そのためこの犬歯は左右の揺れにも強くこの特徴から歯をギリギリと擦り合わせた時に擦れるという特徴があります。この状態にある噛み合わせを犬歯誘導と呼びますが八重歯などの歯の噛み合わせの状態によっては犬歯が擦りあわされない状態にある場合があります。この状態だと犬歯以外がギリギリと歯を擦り合わせた時に擦れる事になります。しかしながら他の歯は犬歯のように擦り合わの時の抵抗力が強くないため歯茎が痛んだり痛みが出たりする事もあります。この犬歯ですが歯の持ちも良く、一番最後まで残りやすい歯は下の犬歯だと言われます。

犬歯は生えた時は尖っている

乳歯が抜けて永久歯の犬歯が生えてきた時は犬歯と呼ばれるように槍のように尖っているのですが上に書いたようにギリギリという歯の擦り合わせによって少しづつ削れて丸みを帯びてくるようになります。この削れる速度は夜に歯ぎしりをする人では早く、患者さんの年齢と犬歯の擦れ具合をを比較する事で歯ぎしりの有無を予測する事もできます。犬歯が大きく擦れると犬歯の奥の歯もギリギリした時に擦れるようになってきます。この状態をパーシャルグループファンクションと呼びますがさらに当たりが強くなり犬歯の後方の永久歯4本全てが当たる状態をグループファンクションと呼びます。この犬歯以外の歯の当りが出てくると疼痛や知覚過敏など様々な症状が出てくる事があります。そのため、通常の噛み合わせの状態では歯ぎしりなどの犬歯の擦れ具合によって

犬歯誘導→パーシャルグループファンクション→グループファンクション

と咬合時の誘導状態が変わってきます。この誘導状態の変化を抑えたり症状が出ないようにするためにナイトガードなどが使われる事があります。

 

このように犬歯だけをとっても特徴的な役割があり、他の様々な歯にもそれぞれの役割が割り当てられているのです。前歯にも前歯の、小臼歯には小臼歯の、大臼歯には大臼歯の役割がしっかり割り当てられているのですね。そしてしっかり上下が問題なく噛みあわされている場合においては親知らずにさえ実は隠された役割があるのです。

戌年.jpg

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