千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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当院副院長からのお知らせ、出来事のご紹介です。

2018年3月アーカイブ

口の中には小帯と呼ばれるヒダのような部位が存在します。そのヒダには上唇小帯、下唇小帯、頬小帯、舌小帯という種類があります。これらは通常はすべての人が持っています。例えば、鏡を見ながら舌を上にあげると舌の下の面に縦に見える薄い皮のようなものが舌小帯です。これらの小帯と呼ばれる部位は通常であれば問題とならないのですが場合に行っては問題になる事があります。

小帯の異常

舌小帯の帯が大きすぎると舌の動きが制約される場合があります。口を開けた状態で舌を上にあげて舌で上の前歯をさわれないくらいだと舌小帯が強く付着している可能性があります。このような場合は舌の動きが悪く発音に影響を及ぼす事もあります。

上唇小帯は上の前歯の真ん中と唇の内側にあります。この部位は発音には影響しませんが子供の歯の生え変わりの際に問題になる場合があります。上唇小帯がしっかりとできているとその帯が前歯と前歯の間の歯茎に線維として残ってしまいうまく歯と歯の隙間が閉じない場合があります。これは乳歯が永久歯に生え変わって行く段階で問題になる事があり、上の前歯が生えたばかりの頃は真ん中に隙間が空いているのですが他の部位の永久歯の生え変わりに合わせて段々と隙間が閉じてきます。この真ん中の隙間が閉じてくる段階の時に上唇小帯が強く付着していると線維状の筋が邪魔をして前歯の真ん中が空いた状態が残ってしまう事があります。

下唇小帯は上唇小帯とは逆に下の前歯の真ん中と唇の内側に位置しています。上唇小帯が下についた状態なのですが下唇小帯の場合は上唇小帯ほど問題になる事は少ないです。頬小帯は上の両側の奥歯と頬の内側の間に位置していますがこの頬小帯もあまり問題となる事は比較的少ないです。

小帯付着異常の場合はどうするのか

小帯付着異常では上であげたように小帯が通常より発達していたりして強く付着している状態なのですが、生活の上で問題とならない場合は様子を見る場合が多いです。ただし舌小帯や上唇小帯の付着異常のように発音の問題が出てきたり歯の生え変わりの際に隙間が空いてしまう可能性がある場合は問題が起きる前に小帯の一部を外科的に切り取ってしまう事が必要な場合もあります。特に上唇小帯の場合は歯の生え変わりの前に処置をしないと意味がなくなってしまうので上唇小帯の付着異常に対する外科処置は通常は小さいお子さんに対して行われる事が多いです。

このようにあまり聞きなれない口の中にある小帯という組織ですが場合によっては外科的に切除する事も考える必要もあります。

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最近では虫歯が減ってきていますが、虫歯になりにくい人という方もいます。その理由は様々で虫歯を引き起こす細菌であるストレプトコッカス ミュータンス菌がほとんどいない方もいれば子供の頃から歯磨きの習慣がしっかりしている方もいます。では、虫歯にならなければ歯磨きは必要ないのでしょうか?

虫歯にならなくても歯磨きは必ず必要

これは比較的言われる事なのですが、虫歯になりにくい人は歯周病になりやすいと言われる事があります。その理由の一つは歯磨きをしなくても虫歯になりにくいのでついつい歯磨きをサボってしまうという点にあるとも言われています。虫歯にならなくても歯周病にはなるためにどうしても歯磨きをせずに歯石が溜まってしまうとそこから炎症が起きて歯を支える骨が溶けてきてしまったりします。さらに歯周病は虫歯のようにただ1種類の細菌によって引き起こされるわけではなく様々な細菌の集団が歯茎の周りに巣のような物を作ってそこに留まり続ける事で歯茎に炎症を起こして歯周病となっています。そのため、例え虫歯になりにくくとも歯周病予防のためにも歯磨きは必ず必要となります。

虫歯菌はいるが虫歯になりにくい人

虫歯の原因となるミュータンス菌がいない人とは別に例えミュータンス菌がいても虫歯になりにくい人もいます。そのひとつは、歯磨きが正しく行えている方です。「歯磨きをしている人」ではなくて「歯磨きを正しく行えている人」という点がとても大切になります。患者さんの中にも歯磨きをしているけど磨き残しがあるという方がいます。ご本人は毎食後に歯磨きをしているのですがやはり歯ブラシが届いていなかったり、正しく磨けていないため汚れが残ってしまうとう状況です。阿部歯科ではそのような方には歯磨きの仕方はもちろんですが、歯ブラシの形状からご本人が磨きやすいものをお知らせしたりします。特に歯ブラシを何ヶ月も変えていなくて歯ブラシの毛先が完全に曲がってしまっていたり、歯ブラシが大きすぎたりといった歯ブラシ自体の問題点から、どのように磨けば汚れが取れるのか、どのくらいの時間磨けばいいのか、どのタイミングで磨けばいいのか、といった事を順を追って説明していきます。歯磨き自体はうまくできるようになると口の中が非常に爽快になるので、うまく磨けるようになったら歯磨きをしない事が気になるくらい爽快さがクセになると思います。

このように虫歯になりにくいなりやすい関わらず歯磨き自体はとても重要な事となってくるのですね。

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名古屋市千種区の歯医者の阿部歯科では患者さんの歯に対する日々の疑問などに答えられるような情報をお届けしています。

 

 

食後に口腔内を磨く事はとても大切な事ですが何かの理由で食事をした後に歯を磨かずに寝てしまう事もあるかもしれません。そこで食後に歯を磨かずに寝てしまった場合に口の中で何が起きているのかをお話ししようと思います。

食べ物は細菌の栄養となる

みなさんがなんとなく感じるように食べ物の残りが口の中に残っている状態だとそれ自体が栄養源となり口腔内の細菌が増殖する要因になってしまいます。食べ物に含まれるデンプンの場合は唾液に含まれるアミラーゼによって糖に変換されます。糖は虫歯の原因菌のミュータンス菌によって代謝され酸を出す事で歯を溶かす事となってしまいます。もちろん糖そのものが食べ物に含まれていて口の中に残ってしまっている場合も同様な事が起きます。細菌は色々な物を栄養源としてしまう事ができるため口腔内に食べ物が残っているという事自体が様々な細菌の増殖を助けてしまうのです。実験室で特定の細菌培養をする際にV8野菜ジュースを成分に入れる事もあるくらいなので食べ物自体が細菌の栄養源になってしまうという事がよく分かります。

寝ている間に唾液の分泌量が減る

寝ている際には口の中に出てくる唾液の量が減ります。朝起きて口の中がやや乾いてるような感じを受ける人もいるかもしれませんが、就寝中の唾液の分泌量が減っている事も影響しています。唾液には歯や口腔粘膜の表面を洗い流す作用の他にも酸を緩衝する機能があります。そのため唾液の分泌量が多ければ酸の緩衝能が上がり、酸で溶かされる虫歯にある程度対抗する能力がありますが就寝中には唾液の分泌量が減るので起きている時よりも酸の緩衝能が下がっているとも言えます。そのため起きている時に食後に歯を磨かない状態よりも寝る時に食後の歯磨きをしない方がより虫歯になりやすくなってしまうとも言い換える事ができます。

虫歯に限らず口腔内の細菌が増殖する事自体が歯周病を悪化させたり、歯周病の悪化によって歯茎から出血しやすくなり、その出血した血を栄養源として歯周病関連細菌が増殖してしまうという悪循環に陥ってしまいます。そのため食後の歯磨きをせずに夜就寝する事は想像以上に虫歯や歯周病に対して影響してしまうのです。そのため就寝前の歯磨きはしっかり念入りに行うとより効果が上がります。食べ物の残りが少なければ少ないほど効果が上がるので歯ブラシによるブラッシングだけでなくデンタルフロスなども併用してしっかりと綺麗に歯の掃除ができるようになると良いですね。

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虫歯になると歯を削ってその後にセラミックの詰め物を入れたり、プラスチックを詰めたり金属を詰めたりしますよね。それぞれの治療には色々な特徴があるのですが具体的にどのような違いがあるのかご存知でしょうか?

今回は特に虫歯を削って神経を取らずに詰め物をして穴を塞ぐ場合の治療のお話をします。

セラミック治療(陶器製)

セラミックというのは陶器のことですが、陶器で作られた詰め物を歯の穴に詰めていく治療になります。この治療の最大のメリットはとにかく見た目がいいという点と耐久性です。陶器と言えばノリタケやマイセンが有名ですがそれと同様にお皿のように硬くて見た目の良い詰め物が入ります。硬さに関してはお皿と同様に非常に耐久性が高いという特徴がありますが、あまりにも硬すぎるという事はなく歯よりは少し硬いのですが比較的歯の硬さに近くなるので年齢に合わせて他の歯がすり減るのと近い感じでする減ってくれます。

ただし、陶器のお皿と同様に硬いのですが衝撃には脆く、お皿を落とすと割れるように噛み合わせの衝撃が強くなる場所や噛み合わせの力が強い人には注意が必要な場合があります。

セラミックに近い白い見た目を持つ詰め物にジルコニアという素材がありますが、この素材は人工ダイヤモンドとも言われて耐久性が非常に高く噛み合わせの強い人にも使えます。このジルコニアは強度は非常に強いのですが、歯の硬さよりも硬さが強いので噛み合わせる歯の状態を考えて入れる必要があります。

プラスチックによる治療

虫歯を削った穴に樹脂製のプラスチックを入れる治療です。最大のメリットは保険治療で白さが保てるという点です。ただし、樹脂製なので歯よりはかなり柔らかく時間の経過とともに歯よりは早くすり減るという点と歯と歯の間がむし歯になったものに関しては治療方法が不適切な場合があるという点に問題点が残ります。それとは別にプラスチックの性質上、プラスチックが固まる時に縮むといった問題やプラスチックの強度の問題で割れるといった可能性もあります。

金属による治療

これにはゴールドで詰め物を作るという方法と保険の金属を使う方法と大きく分けて2種類の方法があります。

ゴールドで詰め物を入れる最大の利点はとにかく歯の硬さに近づける事ができて噛み合わせの歯にダメージが少なく、他の歯と同じように削れていくという点です。さらにゴールドの場合は金属にしなりがあるため削った歯への適合が極めて良くなるという点があります。噛む力が強く目立たない場所に対する治療としては歯の予後も考えると非常に優れた治療法ですが、見た目の点で目立つので目立つ部位には不適当な場合があります。

保険の金属を使う場合は他の歯の硬さより大幅に硬くなり、ゴールドのような削った穴への適合が金属のしなりによって補われないという点があります。金属でできているので保険のプラスチックで治した時のように詰め物が割れるというリスクは下がります。

歯の詰め物といってもそれぞれに特徴があるのですね。

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こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科です。

口の中の病気には虫歯ではないのに歯が冷たいものにしみたり歯磨きの際に痛みを感じるものがあります。知覚過敏と呼ばれる状態では歯が刺激を感じやすくなりこのような状態が起きる事があります。今回はその中でも歯の横の面が大きく磨り減ったような状態になっている楔状欠損という状態についてお話をしようと思います。

楔状欠損とは

歯の横の面が大きくくぼみができたように磨り減っている状態です。この状態では冷たいものや熱いもの、歯磨きの際に刺激を感じる場合もありますが感じない場合もあります。組織学的には歯の構造の内の象牙質が大きく磨り減った状態になっています。象牙質がむき出しになっているため象牙質へと伸びる象牙細管内の水分が刺激の影響を受けやすく痛みを感じる場合があります。しかしながら大きく象牙質が磨り減っている状態でも歯髄側に新たな象牙質が反応性にできてきたり、表面の象牙細管が閉鎖されたりなどで刺激に対して痛みを感じにくくなっていく場合もあります。

なぜ楔状欠損ができるのか

組織学的な状態としては象牙質が磨り減っているのですがその始まりは象牙質の上にある硬い組織のエナメルの一部が剥がれて取れたり歯周病によって歯茎が下がり歯の根の部分が露出してきたりといったような状態から始まります。象牙質は比較的柔らかい組織なので象牙質が露出した状態で歯ブラシをゴシゴシしすぎると象牙質がすり減りやすくなってしまう可能性があります。

楔状欠損は治さないといけないのか?

楔状欠損を治すかどうかの判断はレビュー論文においてもたびたび基準が出されています。最初に大切となるのは楔状欠損という状態はう蝕とは別の状態だという事です。虫歯ができている場合は楔状欠損ではなく通常通りのう蝕として扱われますが楔状欠損の発生機構通りにできた状態がでは区別をして考えます。冷たいものにしみるなど痛みの発生機序は虫歯と似たようなところがありますが治療に対する考え方に差が出てきます。

レビュー論文でよく確認される楔状欠損の取り扱いは、痛みがあれば知覚過敏処置やう蝕の処置に準じて治療を行う必要があるものの、痛みなどの自覚症状がない場合は処置をせずに経過観察する事も選択肢に入るという点にう蝕との処置の取り扱いの差が出てきます。ただ、自覚症状がなくても見た目の審美的に気になる場合は磨り減った部分を修復します。ただし、処置をせずに経過観察とする場合はその後さらに楔状欠損が進まないように歯磨き指導や修復以外の処置などを行い楔状欠損が進まずに痛みが出てこない事を確認していく必要があります。

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口の中には様々な細菌が住み着いていますがその種類は500種類から700種類にも登ると言われています。それらの目には見えない細菌ですが口腔に対して有害なものから普段は無害なものまで様々です。ではこれらの細菌ですがどう区別をしてるのでしょうか?

細菌の形

細菌を区別していく上で最も基本的になるのは形の確認です。細菌は種類によって特徴的な形態をしている細菌が様々にあります。それはスプリングのような螺旋形になったものや球のような球形のもの、その球形が連なったもの、棍棒状や紡錘形のものといったように様々な形をしています。これらは細菌を染色した後に通常の顕微鏡で確認したり染色を必要としない位相差顕微鏡などで確認する事ができます。細菌の形の他にも細菌によってある程度平均的な大きさが決まっているため細菌自体の大きさも判断材料の一つにする事もあります。

運動性

細菌には運動性のある細菌とない細菌がいます。通常の染色行程を経た細菌では固定されていて運動性を確認する事は出来ませんが位相差顕微鏡や蛍光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡といった特殊な顕微鏡では細菌を生きたまま観察できるのでその運動性を確認する事ができます。運動性のある細菌は菌体自身を回転させたり鞭毛といった構造を使って動き回る事ができます。運動性を持つ場合は比較的ランダムに菌体が動き回るため周りの液体の流れに乗って菌が動くのとは見分ける事ができます。

染色による確認

最も基本となるグラム染色という方法で細菌の種類を大きく2種類に分ける事ができます。これらは細菌の細胞壁の構造のペプチドグリカンの厚みによって違った染まり方をし、それぞれにグラム陽性菌、グラム陰性菌と分けられます。数多くある細菌の種類をこのグラム染色で大きく分けられる事になります。その他にも細菌によってはその細菌に特有な染色方法などもありその染色方法は目的によって使い分けられます。

細菌の種類をこういった見た目上で見分けるのにはある程度制限が加わります。これよりも細かく見分けるには細菌の生育条件やその菌自体が賛成分泌する酵素などを確認したり遺伝子的にその細菌を同定するといった手法が必要となってきます。これらの方法は確認に時間が必要なため迅速な判断の方法としては使い辛いといった側面もあります。そのためどこまで細菌の種類を判別するのかといった目的によってこれらの確認に使われる方法を使い分けるといったような事も行われています。

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こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科です。

直近で虚血性心疾患に伴う心筋梗塞の発作のあった患者さんには歯科治療中の不用意な痛みの伴う治療はかなり慎重にならないといけませんが、この治療に伴う歯への痛みが心筋虚血状態の発作に影響する可能性があるということの他に、心臓側の心筋虚血の状態および症状が歯の疼痛を含めた口腔顔面領域の疼痛を引き起こす場合もあると言われています。そこで今回は心筋虚血状態、特に心筋梗塞に伴う歯の痛みという内容でお話をしようと思います心筋虚血状態による歯の痛みの症状は肩や腕などに生じる副産物的な痛みに比べて稀ですが、歯原性ではない歯の疼痛の発生の可能性という意味で心筋梗塞の既往のある患者さんの歯痛への鑑別診断として必要な知識の一つとなります。

心筋虚血の症状が歯の痛みを引き起こす可能性があるのか?

心臓疾患による症状に関連して痛みを感じる可能性のある部位では肩や腕などが有名だと言われていますが、口腔顔面においても心筋梗塞による歯の痛みや顎の痛みの発生が報告されています。心筋梗塞に関連した口腔顔面領域の痛みの発生は6:1で片側よりも両側に起きることが多く6%の患者に口腔顔面領域のみに心筋梗塞の症状に伴って痛みが発生したという報告もあります(Craniofacial pain as the sole symptom of cardiac ischemia: a prospective multicenter study. Kreiner, M. et al. J Am Dent Assoc. 2007)。そのため、解剖学的に離れた歯を含む口腔顔面領域と心筋虚血に伴う心臓の痛みに何らかの関連性がある可能性が指摘されます。心臓疾患、特に心筋虚血に伴う歯の痛みの発生の原因については種々の可能性が考えられています。

なぜ関係ない歯に痛みを感じる可能性があるのか

心臓と口腔顔面の歯という解剖学的に離れた位置にある組織の間に関連痛が発生する機序については様々な仮説が挙げられています。ただ、これらの仮説には議論の余地が多く原因が「これ」と断定されているものがまだありません。交感神経を介して歯痛を発生させるという説もその一つです。他には心臓に分布する迷走神経神経を介して歯の痛みを引き起こしているのではないかとも言われており、迷走神経刺激療法の際に歯痛を訴えるようなケースレポートも紹介されています(Vagus nerve pain referred to the craniofacial region. A case report and literature review with implications for referred cardiac pain.  Myers, D. E. Br Dent J. 2008)。その他には心臓からの求心性の刺激が三叉神経に影響して口腔顔面痛を引き起こす可能性が指摘されています。

このようにメカニズム自体ははっきりしていない部分があるものの心筋虚血の症状が顎や歯の疼痛を引き起こす可能性があるという事も心筋梗塞の既往のある患者さんの歯痛への鑑別診断には大切となってくるのです

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口の中の頬や舌を噛んで傷口ができたり栄養不足などで口内炎ができたり、口の中には色々な理由で傷口ができる事があります。これらの口の中の傷口ですが時には注意しなければいけないものもあるというお話をしようと思います。

通常の傷口が治る期間

咬傷や口内炎などで口の中にはびらんや潰瘍ができると通常は傷に細菌感染が起きなければおおよそ1から2週間以内には傷が治癒してきます。しかし、糖尿病などの基礎疾患の有無によっては治癒が遅れることもありますが感染が起きていない状況であれば時間が通常より少しかかっても少しずつ治癒していきます。そのような口の中にできた傷がどのような経過で治癒をしていき、感染が起きないように管理する事も大切なのですが中にはいつまでも治らない口の中の傷もあります。

なかなか治らない傷、痛みのない傷には注意が必要

ゆっくりでも治癒する傷とは別にいつまでたっても治らない傷もある場合があります。潰瘍のように粘膜の下の組織がむき出しになっているのに痛みを感じないような傷もありますがこのような傷は注意が必要です。その理由の一つにその傷が悪いできものである口腔内の癌に由来している場合もあるからです。このような口腔癌に付随してできる潰瘍は癌性潰瘍とも呼ばれ抗菌薬による細菌感染への対応やステロイド軟膏での対処では治癒することがありません。癌性潰瘍が存在する場合はその潰瘍の下部に腫瘍細胞の増殖によりシコリを触診で確認できる事があります。そのため基礎疾患がなかったり感染が起きてないのに2週間以上治癒傾向が認められない傷や傷の位置や形がほとんど変わらない場合、無痛性の潰瘍が確認できる場合は注意深く経過を確認する必要があります。治癒の遅れは基礎疾患とも関連するので必ずしも2週間以上治らない傷がそのような悪い出来物につながるとも言い切れないため全身疾患の有無、服薬している薬、細菌感染の状態、治癒の経過、傷口の性状、組織下の触診、リンパ節の状態など様々な情報を確認して判断する必要があります。特に慢性の感染を起こした不良肉芽を伴う傷口では基礎疾患がなくとも治癒傾向が大きく遅れる事もあるため単純にそれぞれの断片的な情報のみで判断する事はできません。

このように口の中の傷口と言ってもその治癒の傾向や組織の性状によっては注意深く経過を観察して判断していかないといけない状況も存在します。臨床診断とは別に最終的な確定診断は病理生検によって確定するため時には組織の一部を病理で確認する事が必要な場合もあります。

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※※※ 口腔外科・歯周病治療・審美歯科は名古屋市千種区池下の歯医者 阿部歯科 ※※※

 

こんにちは、千種区池下の歯医者の阿部歯科です。

家で急に歯が痛み出した時にどうすればいいのかわからない時がありますよね。歯が痛い時に痛み止めでなんとか抑えようとする患者さんもいますがなかなか痛み止めだけで痛みがおさまらない時もあります。そこで今回は「歯が痛み出した時に痛み止めを飲めばいいのか?」という話題でお話をしようと思います。

歯の痛み

歯の痛みにはう蝕(虫歯)による外部からの刺激や知覚過敏、咬合性外相、歯髄炎、根尖性歯周炎、歯周病など様々な痛みがありますが大きく分けると外部からの刺激によって神経が刺激される疼痛炎症による疼痛の2種類に分けられます。外部刺激による疼痛はう蝕(虫歯)の部位が刺激されたり知覚過敏による刺激であったり、外部からの刺激による痛みなので一過性である事が多く歯髄炎に移行しなければ一過性の痛みである事が多いです。この場合は外部からの刺激を遮断しないと痛みが取れることは基本的には なく、痛み止めとはあまり関係ない刺激なります。ただし刺激を受けた後の疼痛が一過性ではなく後に引くような場合は歯髄炎に移行している場合があります。咬合性外傷とは歯をかみ合わせた時の干渉が強く歯根膜に炎症が起きる歯根膜炎が起きている状態です。この場合も咬頭干渉などの原因を取り除かないと基本的に咬合性外傷の状態は解消されませんが一時的に歯根膜炎を解消するという意味で痛み止めは有効となる場合もあります。

急性の歯髄炎、根尖性歯周炎の状態では何もしてなくても激しい疼痛を感じる事が多いのですが患者さん自身は特にこの場合に痛み止めを飲もうとする事が多いと思います。この状態では炎症によって血管拡張、透過性の行進、組織の腫脹、発赤などが起こり炎症部位で内部圧力が高まり激しい痛みを感じます。この状態の発端は細菌感染と炎症によるものなのですが痛みの最大の原因は炎症部位での内部圧力の上昇によるものなので歯科治療的に圧力を抜かないと痛みがなかなか引きません。そのため痛み止めでこの状態をコントロールする事は難しい事が多いです。

歯周病の場合は急性もしくは慢性の炎症による痛みを感じている状態なのですが、痛み自体は痛み止めを飲むことで和らぐ可能性があります。しかしながら、歯周病は細菌感染による感染症なので痛み止めで痛みを抑えているだけでは最終的に痛みが引くことはほとんどありません。

歯以外の痛み

歯原性であるものの顎骨や上顎洞に炎症を起こして疼痛を感じる場合もあります。この場合は炎症部位の圧力が瘻孔などによって抜けているかどうかでも変わりますが鋭く拍動性の疼痛がなく鈍い痛みがある場合は痛み止めで多少は痛みが和らぐ可能性もあります。

いずれの場合にしても痛み止めの効力頼みで、根本的な治療ではないためあくまでも一時的な対処となってしまいます。そのため歯科医院で確実に診断を受けた上で適切な処置を早めに受ける必要がいずれにせよ必須となってきます。

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歯科領域において行われる麻酔にはいくつか種類があります。歯科治療の際に疼痛のコントロールのためによく行われる浸潤麻酔から口腔外科の大きな手術の際に行われる全身麻酔まで様々です。そこで今回は歯科領域において行われる麻酔の種類に関してお話をしようと思います。

浸潤麻酔

麻酔薬のカートリッジから薬液を注射で口腔内の歯肉や頬粘膜、時には舌や口唇にも麻酔を行い麻酔薬を浸透させて疼痛のコントロールを行います。麻酔薬を組織内に注入して浸潤させる事から浸潤麻酔とも呼ばれます。歯科治療の際に最もよく行われる種類の麻酔方法です。歯科領域ではよく「浸麻」と略して言いますが麻酔科領域で「しんま」と言ってしまうと心臓マッサージと勘違いしてしまう事もあります。

下顎孔伝達麻酔

下顎の水平埋伏智歯(親知らず)の抜歯の際などに行う事があります。浸潤麻酔に使う針よりも太く長い針を使って下顎孔付近に麻酔薬を注入して下顎孔へと入る下歯槽神経の支配部位に対して麻酔する事ができます。ある程度の太さのある神経を目標にして針先を進めるので手技を間違えると稀に神経を痛めてしまう事もあります。絶対に必須という症例はそこまでは多くなく、下顎の水平埋伏智歯に対する抜歯でもほとんどは浸潤麻酔で対応してしまいます。

鎮静法

プロポフォールによる静脈内鎮静や笑気ガスを使った精神鎮静です。嘔吐反射が強すぎたり歯科治療に対する恐怖心が強すぎる場合に使われる事もありますが、プロポフォールによる静脈内鎮静は疼痛をコントロールする麻酔効果はないため、疼痛のコントロールをする場合は他の麻酔法も併用しなければいけません。プロポフォールによる静脈内鎮静は循環虚脱による血圧の低下や舌根沈下といった状態も現れるので十分に管理された元でやる必要があるためあまり安易には行われません。亜酸化窒素を使う笑気の場合は笑気ガスを使うためガスが周りに漏れる事を留意しなければいけません。笑気には弱い麻酔作用があるので全身麻酔の際に使われる事もあります。

全身麻酔

手術室で行い意識レベルを落として人工呼吸器による呼吸管理と循環の管理、疼痛コントロールを行う麻酔です。セボフルランなどの吸入麻酔を使うものから鎮静法でも使われるプロポフォールに加えて疼痛コントロールに使う薬剤を併用する方法まで様々な方法があります。プロポフォールが全身麻酔に使われている事から分かるように精神鎮静法で使われるプロポフォールの量を誤ると意識レベルが落ちて呼吸管理と循環管理をしないといけない状態に陥ってしまう可能性があるので鎮静法としてプロポフォールを使う際には十分な知識と管理が必要になります。プロポフォールを使った全身麻酔の術中管理は吸入麻酔を使わず全て静脈からの薬液によって管理されるため全静脈麻酔(TIVA: Total Intravenous Anesthesia)と呼ばれます。

このように歯科治療や歯科領域の際にはこれらの麻酔方法が使われる事があります。

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執筆者

名古屋市千種区の歯医者 阿部歯科 副院長 阿部利晴

【歯科医師としてのプロフィール】

1980年:名古屋市千種区生まれで、歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ
2005年:愛知学院大学歯学部を卒業
2005年:豊川市民病院の歯科口腔外科で臨床研修医として活動
2006年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座へ入局
2010年:愛知学院大学大学院の歯学研究科を修了 総代
2010年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座にて非常勤助教
2010年:名古屋大学医学部附属病院の麻酔科 医員を経験
2011年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部で勤務
2014年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて講師となる
2014年:アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所の非常勤連邦職員を経験
2015年:名古屋市千種区池下の阿部歯科 副院長に就任
趣味:ハイキング、英会話
 
【一言】
国内とアメリカで歯科治療に関して様々な知識や経験を得てきました。
長年培ってきた技術や知識をリニューアル開業後に存分に活かして多くの患者さんに適した治療を提供できたらいいなと思っています。

こんにちは、千種区池下の広小路通前の阿部歯科、副院長の阿部利晴です。

今日は「歯の痛みの種類」という点に注目をしてお話をしようと思います。

痛みの種類は様々

歯の痛みと言うと、冷たいものや熱いものにしみる何もしてなくても痛い咬むと痛い寝る前に痛みが出てくる、といった事から、歯の根元が痛い歯茎が腫れた顎の下が腫れてきた、などなど様々だと思います。

特に歯自体が痛いのか歯茎が痛んでるのか分かりづらい事もしばしばあります。歯自体が痛いのか、歯茎が痛んでるのかで必要な治療は大きく変わってきますし、歯自体が痛んでる場合でも歯の神経が痛みを感じているのか歯の根の先が痛んでるのか、と色々な状態があります。

 

いずれの場合にせよ痛みを感じてから痛みが続く場合は歯の神経や歯茎や骨に炎症が起きている事が考えられます。冷たいものを飲んで一瞬だけ痛みを感じてすぐに痛みがなくなる場合は知覚過敏であったり、虫歯によって歯の神経に刺激が伝わりやすくなっている事が多いです。

歯の神経に刺激が伝わりやすくなって痛みを感じているのか、炎症自体が起きてしまって痛みを感じているのか、といった場合では治療方法が大きく変わります。

歯の神経に刺激が伝わりやすくなって痛みを感じている場合は、知覚過敏の処置や虫歯を取って穴を埋めるといった処置をしていきますが、炎症による痛みの場合は炎症を抑える事がまず必要となってきます。

親知らずが痛くて物を飲み込む時に喉が痛い、といった症状を経験された患者さんもいるかもしれませんが、この場合はまさに炎症によって親知らずの周りが腫れて物を飲み込む時に痛みを感じているといった状態です。

このような場合は炎症の原因になった細菌による感染を抑えるためにまずは抗生物質を出して親知らずの周りを消毒して炎症を落ち着かせるという事が大切になってきます。

そのため、一口に歯が痛い、といった場合でも「いつ」「どのように」「どのくらいの時間」痛みを感じるのか、といった事で痛みの部位と原因を突き止めていく必要があります。

その他にも歯が痛くてさらにその歯の近くの目の下のあたりが痛いといった場合は歯の外側に炎症が広がっている場合もあるので特に何もしなくても痛みが続く場合は強い炎症が起きている事がしばしばあります。痛み自体は体の中の神経自体が感じているのですが、何かの刺激で感じるのか、炎症で痛みが引き起こされているのか、で大きく処置の方向性が変わるのですね。

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こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科の阿部利晴です。

皆さんは洗口液は使われていますか?洗口液はマウスウォッシュとも言われますね。色々なメーカーから口の中を爽快にして綺麗にするとも言われたりしていますがどのタイミングで使われていますか?

まずは歯磨き

市販の洗口液を使うにはまずは口の中の汚れがしっかりと取れている事が前提となります。歯磨きの代わりに洗口液を使うということではなく、プラークと呼ばれる歯の表面についた汚れは歯磨きや歯間ブラシやデンタルフロスでしっかりと取り除く事がとても大切になります。プラークは口の中に残った汚れや増殖した口の中の細菌やその最近から出てきた産生物質が巣のように塊を作ったものです。この歯の表面にこびりついたプラークは非常に強固でうがいで取り除くことは大変難しくブラッシングで取り除く必要があります。

歯磨きはお風呂掃除に似ている

口の中は湿度も高く体温と同じでとても温かい環境にあります。この高温多湿の環境は湯船をはったお風呂の中に環境が似ています。お風呂も入った後に壁を洗ったりふいたりしないと水垢や汚れがついてしまいますよね。それと同じで口の中も歯磨きによるブラッシングなしでは汚れを取り除くことは難しいです。お風呂掃除に例えると、お風呂の壁に洗剤を吹きかけてそのままお湯をかけて流すという事はしないように、洗剤をかけてお風呂の壁をまずはこするように口の中もまずはブラッシングによる歯の表面のこすりから始めます。

お風呂で汚れがこすり落ちたら今度はシャワーで汚れを洗剤ごと洗い流しますが、歯磨きでも汚れがブラッシングによって取れてはじめて口をゆすいで汚れを洗い流せます。

歯の表面の汚れが取れた後に

そしてようやくここで洗口液の登場です。市販の洗口液には様々な薬効をうたったものがありますが、その薬効も歯の表面に届く必要があります。そのために先にあげたようにまずは歯の表面についたプラークの汚れを取り除いて歯の表面を洗口液が歯の表面にふれられるようにします。さらに、洗口液には殺菌作用を持ったものもありますので、歯磨きで取り除ききれなかったごくわずかな汚れや細菌の残りに対処する事も可能かもしれません。ただ、殺菌効果のある洗口液でもその液が細菌そのものに届かないといけないので、プラークのような強固で粘り気のある汚れが残っているとプラークの奥の方まで洗口液が届くことは難しいので、例え殺菌効果のある洗口液でもまず第1にブラッシングによって物理的にこの細菌の巣であるプラークを取り除く事が大切になります。

色々な洗口液が各メーカーから発売されていますが、まずは何をおいても歯磨きをきちんとできているという事が使用の前提条件になるのですね。

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歯周病は細菌と免疫機構の関わりによって起きる恒常性の維持の破綻によって引き起こされますが歯周病の関連細菌にPorphyromonas gingivalisがいます。P. gingivalisはTannerella forsythiaやTreponema denticolaと合わせて歯周病の発生と関連が深い細菌群として同定されレッドコンプレックスと命名されました。そこで今回はこのレッドコンプレックスの内のP. gingivalisの病原性に関してお話をしようと思います。

Porphyromonas gingivalis

グラム陰性の編性嫌気性菌で空気の存在下では培養できません。血液寒天培地上で培養すると通常は黒色のコロニーを形成して独特の強い臭いを発生させます。この様な細菌の発生させるガスも口臭の原因のひとつとなります。このP. gingivalisは歯肉の上皮細胞に付着侵入する能力があり、細胞内に侵入する事で口腔内で生き延びる能力があるとされます。細菌学的には様々な病原因子が指摘されており、ジンジパインと呼ばれる病原因子は菌体より分泌されて細菌自体の栄養の確保などに貢献する事でP. gingivalisの生存に寄与します。ジンジパインの機能は様々なものが報告されており、栄養の獲得の他にコロニーの集積や細胞への侵入、免疫機構の一部から逃れるなどの役割があると言われて言われています。他にも莢膜多糖や繊毛などの病原因子があり、免疫機構からの回避や細胞への付着など様々な病原因子が報告されています。

レッドコンプレックスの細菌群はよく研究がされている

レッドコンプレックスの細菌群は歯周病関連細菌として臨床的にも基礎医学的にもよく研究がされています。歯周病は病原性の細菌と免疫機構の間に起きる恒常性の維持の破綻によって引き起こされていますが、何かひとつの単独の細菌のみが歯周病を引き起こしているわけではありません。しかしながら疫学的にはP. gingivalisの関わりが深く指摘されており歯周病の発生において重要な役割を果たしているという様に考えられています。

歯周病は免疫反応の結果である

レッドコンプレックスが歯周病において注目されるためどうしても細菌に目がいってしまいますが歯周病は究極的には免疫機構の破綻であるという事も忘れてはいけないとても重要な要素のひとつです。それは歯周病の臨床症状である歯槽骨の吸収や炎症による血管透過性の行進、発赤、腫脹などは破骨細胞や免疫細胞などによる作用の結果だからです。齲蝕の場合はStreptococcus mutansが直接歯質を侵食するのに対して歯周病の場合は細菌感染の結果免疫機構のを含めた歯周組織での恒常性の維持の破綻に結びつき発症するという流れに大きな違いがあります。

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※※※ 歯周病治療・口腔外科・審美歯科は千種区の歯医者の阿部歯科 ※※※

 

こんにちは、千種区 池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴です。

皆さんは歯磨きの時に歯ブラシ以外の道具は使われていますか?歯磨きをしていると歯の外側は綺麗になってもなかなか歯の間は歯ブラシでは磨きにくいのではないでしょうか?

歯と歯の間は歯ブラシの毛先を隙間に入れるようにして磨くことはできるのですが、歯ブラシの毛先が入らないくらい隙間の狭い部分を磨くことはできません。そこで使うのが糸ようじデンタルフロスとなるのですが、使い慣れるのにややコツがいるかもしれません。

糸ようじやデンタルフロス

糸ようじといえばプラスチックでできた取手の先に糸が付いていて爪楊枝を使うような感じで使えますが、他にも巻き糸のように糸だけリールに巻いて売っているデンタルフロスもあります。

糸ようじの場合は使い勝手も良いのですが、一度使った糸の部分を使い続けないといけないけません。一方、巻き糸になっているデンタルフロスの場合は汚れた部位を少しずつずらしながら常に新しい糸の部分で歯と歯の隙間を綺麗にする事ができます。ただ、デンタルフロスだと自分の指に巻いて使う必要があるため指を口の奥に入れたりもする必要があるので使い慣れるのにコツがいります。

糸ようじやデンタルフロスと言えども歯ブラシのように歯についた汚れをこそぎ取るための道具なので、これらの道具を使う場合は糸の部分を歯の表面に押し当てるようにして使うといいと思います。特に汚れを取る事を意識する場合は、汚れを外側に押し出す事が大切なので歯茎側から上の方に汚れを出すイメージで糸ようじやデンタルフロスを使ってもらうといいと思います。

糸ようじやデンタルフロスを入れた時に歯茎がチカチカわずかに痛む場合があるかもしれませんが、糸の部分を強く押入れすぎて歯茎を痛めてしまっているか、もしくは歯茎の周りに炎症が起きて歯周病になっている可能性があります。特に、歯ブラシをした時や糸ようじやデンタルフロスを使った時に血が付いてくる場合は、歯茎の周りに何かしらの炎症があって出血しやすくなっている可能性があります。

歯周病の大きな原因の一つは汚れの取り残しなので、歯磨きだけでは取りきれていない汚れを取るために歯と歯の隙間もこれらの糸ようじやデンタルフロスなどで綺麗にしてあげるとさらに口の中を清潔に保つ事ができます。

デンタルフロスにも滑りを良くするワックス付きのものと、ワックスの付いていないものや、香りの付いているもの、香りの付いていないものがありますが、これらは好みで選んでいただいていいかもしれません。

私は個人的には無香料のワックス付きのデンタルフロスが好きなので、それを使っていますが、皆さんももう一段階口の中を綺麗にできるように糸ようじやデンタルフロスを使う事も考えてみてはいかがでしょうか。

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多剤耐性菌という言葉を聞いた事があるでしょうか?もう随分前から複数の抗菌薬に抵抗性のある多剤耐性菌の問題が出てきていますが感染症で抗菌薬が段々と効かなくなってきていると言われています。そこで今回は多剤耐性菌についてお話しをしようと思います。

薬剤耐性菌とは

薬剤耐性菌とはその名の通り薬剤に対して耐性のある細菌の事です。ニュースでも院内感染の際に問題とされる事が多い薬剤耐性菌ですが具体的にどのように耐性があるかというと今までは効果のあった特定の抗菌薬に対して効果がなくなるもしくは効果が著しく下がるというものです。複数の種類の抗菌薬に対して耐性を持ったものは特に多剤耐性菌と呼ばれます。

通常は細菌の抗菌薬の感受性に関して最小発育阻止濃度という指標で薬剤に対する抵抗性を確認します。希釈した薬剤に対して一定の濃度の細菌を培養して薬剤がどれくらいの濃度だと細菌の発育が抑えられるのかという事を確認して細菌の薬剤に対する感受性を試験していきます。同種の細菌でも通常の最小発育阻止濃度よりも大きく高濃度でないと発育を阻止できないものや全く発育を阻止できなくなった細菌が薬剤耐性と認識されます。有名な耐性菌ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌という細菌がありこの細菌は通常の黄色ブドウ球菌に有効であるβラクタム系の抗菌薬に対する抵抗性を獲得しています。

何故薬剤耐性を持つのか

細菌が薬剤耐性を持つにはいくつかの方法があります。1つは細菌に取り込まれた抗菌薬を分解して無効にしてしまう酵素を細菌自身が作り出すように進化する事で、別の方法は抗菌薬が細菌に取り込まれないようにする方法です。βラクタム系の抗生物質であるペニシリンがペニシリンを分解する酵素を産生するペニシリン耐性ブドウ球菌によって無効化された際に同系統の抗菌薬でありながら分解されないメチシリンを開発した経緯があります。しかしその後βラクタム系抗菌薬が結合するために取りつくペニシリン結合タンパク質の立体構造を細菌が変える事でメチシリンも無効になりました。これがメチシリン耐性黄色ブドウ球菌です。βラクタム系の抗菌薬はこのペニシリン結合タンパク質という酵素に結合して細菌のペプチドグリカンの合成を阻害して薬効を発揮していたのですがこのような耐性菌の出現によって無効化されてしまいました。

薬剤耐性はこのような細菌の新たなタンパク質の発現の結果生まれた機能であり、通常の細菌の中からごく低い確率で出現してきます。この新たなタンパク質の発現の機能を複数獲得して複数の種類の抗菌薬に耐性を持った細菌が多剤耐性菌と呼ばれています。

歯科領域においては耐性菌はあまり話題になりませんがどのような細菌でも薬剤耐性を獲得する可能性があるため薬剤耐性の獲得機構を歯科医師もしっかり理解してないといけないのです。特に感染症の対応が多い口腔外科領域や歯周病の領域でも注意しないといけません。

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記事の執筆者
千種区の歯医者 阿部歯科
副院長 阿部 利晴 (あべ としはる)
 
【歯科医師としてのプロフィール】
1980年:名古屋市の千種区池下で生まれ歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ
2005年:愛知学院大学歯学部を卒業
2005年:豊川市民病院の歯科口腔外科で臨床研修医を経験
2006年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座へ入局
2010年:愛知学院大学大学院の歯学研究科を修了 総代
2010年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座にて非常勤助教に任命
2010年:名古屋大学医学部附属病院の麻酔科 医員となる
2011年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部で勤務
2014年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて講師となる
2014年:アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所の非常勤連邦職員となる
2015年:名古屋市千種区の阿部歯科 副院長に就任
趣味:ハイキング、英会話
 
【一言】国内の歯学部や病院だけでなく、アメリカの歯科医療を通して様々な知識や経験を得てきました。千種区や池下だけでなく名古屋市内や市外の患者さんにも信頼される歯科医院を作っていこうと思います。
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