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【歯科系】治りが遅い口内炎には要注意

名古屋市千種区の頼れる歯医者 阿部歯科の副院長です。

口の中の頬や舌を噛み傷口ができたり、栄養不足などで口内炎ができる等、口の中には様々な理由で傷ができます。そして、これらの口の中の傷には時には注意しなければいけない口内炎もあります。

今回はお口の中にできた傷が気になる…といった患者さんへ向けた内容とその歯科治療法に関するお話をいたします。
 

記事の更新日:2021年6月9日14時

記事の追記:2019年12月8日

 

口腔内の傷口は通常どれぐらいで治るのか?

咬傷や口内炎などで口の中にびらんや潰瘍ができると通常、傷に細菌感染が起きなければ1、2週間程度で傷は治癒します。

しかし、糖尿病などの基礎疾患の有無によっては治癒が遅れることもあります。通常、感染が起きていない状況であれば時間が少しかかっても次第に治癒していきます。そのような口の中にできた傷に感染が起きないよう気を付ける・自己管理することがとても大切です。そして、中にはいつまでも治らない口腔内の傷も存在します。
 

上記症例写真のように舌を咬んだ咬傷の治癒過程でできる口内炎もあります。

口内炎の正常組織との境界は明瞭で、傷の表面には偽膜ができています。正常な治癒過程をたどれば、偽膜が粘膜に置き換わりますが辺編がやや不整なため、経過観察を行い口内炎の治癒を確認します。

 

治りにくい口内炎、痛みのない傷に注意!

ゆっくりでも治癒する傷とは別に、いつまで経ってもなかなk治らない口内炎もあります。

潰瘍のように粘膜の下の組織がむき出しになっているにもかかわらず、痛みを感じない傷もありますが、実はこのような傷は注意が必要です。
その理由の一つにその傷が悪いできもので、口腔内の癌に由来している場合もあるからです。

このような口腔癌に付随してできる潰瘍は癌性潰瘍と呼ばれ、抗菌薬による細菌感染への対応やステロイド軟膏での治療では治癒することはありません。

癌性潰瘍が存在する場合、その潰瘍の下部に腫瘍細胞の増殖によりシコリを触診で確認できることもあります。そのため、基礎疾患がなかったり感染が起きていないのに2週間以上治癒傾向が認められない傷や傷の位置・形がほとんど変わらない場合や無痛性の潰瘍と考えられる時は、注意深く経過を確認しなければなりません。

 

治癒の遅れは基礎疾患とも関連し、必ずしも2週間以上治らない傷がそのような悪い出来物へつながるとは言い切れません。

全身疾患の有無や服薬中の薬、細菌感染の状態、治癒の経過、傷口の性状、組織下の触診、リンパ節の状態などを確認し判断します。特に慢性の感染を起こした不良肉芽を伴う口内炎や、傷口では基礎疾患がなくとも治癒傾向が大きく遅れるケースもあるため、単純に断片的な情報のみで判断すべきではありません。

時にはひどく炎症の起きた歯周病の場合、歯肉の増殖を伴う疾患と一見して判断しずらいケースもあります。
 

このように口の中の傷口と言っても、その治癒の傾向や組織の性状によっては注意深く経過を観察して判断していかないといけないものも存在します。

そのため、歯科医院での臨床診断とは別に最終的な確定診断は病理生検によって確定するため、時には組織の一部を病理で確認する場合もあります。
 


 

上の症例写真は辺縁がやや不整な舌の咬傷です。

咬傷を繰り返す部位が悪性腫瘍化する場合もあります。正常組織と傷の境界、性状、粘膜下のしこり、病歴などを確認した上、悪性腫瘍(舌癌)が疑われる場合は経過を見ず、すみやかに病理検査や細胞診検査を行う必要があります。

 

治りにくい口内炎でも問題のないケースもある

数週間、経過しても治らない口内炎が悪性の出来物によりできた口内炎の可能性もある一方、1ケ月を超えても治らない口内炎の中には口腔癌に由来しないものもあります。

その中に再発性アフタ性口内炎というケースがあります。こちらの口内炎は口腔癌に由来する口内炎(癌性潰瘍)や、ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルスや水痘帯状疱疹ウイルス)によってできた口内炎とは対応がまるで逆です。

 

再発性アフタ性口内炎とは?

再発性アフタ性口内炎はおおよそ20%以上もの人が経験した事のある口内炎で、報告によっては50%もの人が罹患経験があるとされています。
 

再発性アフタ性口内炎の場合、何度も繰り返す再発性の口内炎を作り、大きさが10mm以上にもなる大きな口内炎を作った場合には治癒に1ケ月以上、時には1ケ月半を経て、治癒するケースもあります。なかなか治らない口内炎ではあるものの、癌に由来しできる口内炎とは全く違った性質を見せます
 

再発性アフタ性口内炎の原因は未だはっきりしておらず、口腔内の頬の粘膜や唇、舌にできる事が多く、口蓋が口腔底にできる症例もあります。
特徴の一つとして繰り返しできては治る口内炎と、健康な若年者に多くみられるといった特徴があります。

口内炎ができる2時間~48時間前から燃えるような粘膜の灼熱感を感じて口内炎を形成します。

多くが5歳から19歳の未成年で経験し、その後は年齢の増加と共に減っていきます。20から29歳の青年期になって、ヘルペスウイルスとは関係のないヘルペス状の潰瘍(Herpetiform)として、最大100にものぼる2mmほどの多発性口内炎としてみとめられる場合もあり、30歳を超えてからも再発性アフタ性口内炎ができる症例もあります。

そのため、年齢のみで再発性アフタ性口内炎ではないとは断定できません。

 

【再発性アフタ性口内炎はヘルペス状の潰瘍以外のもの】

10mm以下の1から5個の口内炎を作る小アフタ型(Minor)

10mm以上の大型の口内炎を作る大アフタ型(Major)

とに分けられ、再発性アフタ性口内炎の小アフタ型で80から85%、大アフタ型で10から15%を占めています。


 

何故発生するのか?不明な再発性アフタ性口内炎

経験することの多い再発性アフタ性口内炎ですがその診断は臨床像から判断されており、原因がはっきりしておらず、口腔内の傷、細菌や特定のウイルス、ベーチェット病、ビタミンの欠乏、遺伝的要因、アレルギー、免疫による影響、心理的なストレスなど様々な原因が考えられています。
 

口腔内の傷要因の可能性もあると言われるものの、入れ歯によってできるような褥瘡性潰瘍とは違った臨床像を示します。はっきりした細菌やウイルスの関連も解明されておらず、多発性の口内炎を作っても単純ヘルペスウイルスや水痘帯状疱疹ウイルスとの関連もなく、様々な可能性が示されています。

遺伝的な素因がよく取りざたされ、両親が共に再発性アフタ性口内炎を経験している場合、その子供は90%の罹患率を示し、影響する可能性のある多数の遺伝子も報告されています。

 

癌が要因の癌性潰瘍とウイルス性口内炎は全く違う処置

再発性アフタ性口内炎は炎症や痛みが症状の主体で、癌の進展に伴う癌性潰瘍への禁忌的な対応やウイルスに対する誤った対応とは全く違なる処置が行われます。
 

再発性アフタ性口内炎では炎症や痛みを抑えるためにステロイドなどを含む痛みに対応する軟膏を塗る事で対処療法的に対応が行われます。ステロイドを含む軟膏を誤ってウイルス性の口内炎に使った場合、症状を急激に悪化させる可能性があります。

癌性潰瘍に関しても効果は無効で、さらにはステロイドによる自然免疫の抑制を引き起こすことで逆効果になってしまう可能性もあります。この点は全く逆の処置方法になるため、十分注意が必要です。

 

千種区で気になる口内炎を治療するなら 

よくお口の中にできる口内炎には、様々な種類と要因が考えられます。いつも通り、すぐに治る場合は問題ありませんが、なかなか治りにくい、または口内炎があるにも関わらず痛みを感じない場合は注意が必要です。

当院では口内炎に対する処置、歯科治療も行っているため、気になる口内炎はお気軽にご相談ください。

専門の歯科医による診断によって、はじめてその原因が分かる場合もあるため、気になる場合はかかりつけ医に診てもらうことが重要です。

阿部歯科では診断した結果を患者さんに分かりやすくご説明しています。何故こういった症状になったのか?の原因や日常で気を付けるべき点、今後の治療計画等を丁寧にご説明します。

 

【記事の執筆者】
名古屋市千種区の阿部歯科 副院長:阿部利晴(あべ としはる)

患者様の心に寄り添う歯科治療を行う」をモットーに日々、より良い歯科治療の提供に努めています。常に新たな治療技術そして知識を取り入れ、患者様により快適に、より安心して治療を受けていただけますよう、様々な取り組みを行っております。

歯やお口のことなら、何でもお気軽にお尋ねください。お一人一人の患者様のお役に立てるのが私の喜びです。
 

≪副院長 これまでの主な経歴について≫

1980年:名古屋市千種区生まれ歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ

2005年:愛知学院大学歯学部 卒業
2005年:豊川市民病院 歯科口腔外科 臨床研修医
2006年:愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座入局
2010年:愛知学院大学大学院 歯学研究科修了 総代
2010年:愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座 非常勤助教
2010年:名古屋大学医学部附属病院 麻酔科 医員
2011年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部 勤務
2014年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部 講師
2014年:アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所 非常勤連邦職員
2015年:阿部歯科 副院長
 

≪副院長 任命状について≫

 

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