千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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当院副院長からのお知らせ、出来事のご紹介です。

2018年4月アーカイブ

こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科です。子供の歯が大人の歯に生え変わるという事は知っているものの周りの子供と比べて自分の子供の歯の生え変わりが遅いと感じて心配される親御さんがしばしばいます。そこで今回は子供の歯の生え変わりについてお話をしようと思います。

子供の歯は必ず生え変わる?

子供の歯、いわゆる乳歯は大人の歯の永久歯が萌出する時期に合わせて段々と生え変わってきますが乳歯から永久歯への生え変わりは永久歯の頭が乳歯の歯根を吸収しながら萌出してきます。永久歯が口腔内へ萌出する直前の時期になると乳歯の歯根の吸収もすすみ乳歯がグラグラして抜けてきます。乳歯のグラグラする具合で永久歯への生え変わりの近さをある程度知る事は出来ますがこのグラグラする時期が他の子供と違うという事で心配される方もいます。

乳歯から永久歯への生え変わりは個人差があり平均的な生え変わりの時期からおおよそ1年半から2年ほど前後する場合もあります。3年、4年と生え変わりが遅い場合は永久歯の萌出が何らかの原因で阻害されていたり永久歯そのものが元々欠損している場合もあります。

永久歯がなかなか生えてこなかったら?

最初にチェックするのがレントゲンです。レントゲン撮影をして永久歯がそもそも存在するのかを確認した上で永久歯が生えてくるのかどうかを調べていきます。永久歯の生え変わりが少し遅い程度なら経時的にレントゲンを確認して永久歯が段々と骨の中で進んでいるのかを確認します。しばらくたってレントゲンを再び確認した際に位置が全く変わっていない場合は永久歯の萌出が何らかの原因で阻害されている可能性を考えます。以前に転んだりなどしてその部位をうってしまっていたりなど原因は様々に考えられますが、永久歯が移動してきているもののなかなか生え変わらない場合もあります。この場合は乳歯そのものが永久歯が生え変わる邪魔をしていたりする事が考えられる場合は意図的に乳歯を抜いてしまい永久歯の生え変わりを手助けする事もあります。

乳歯から永久歯への生え変わりは順番も個人差も様々なので一概に他の子供と同時に生え変わるとは言い切れません。やはり検査をして状態を確認してからでないとなかなか状況を把握するのが難しくなっています。レントゲンによって永久歯が欠損している事が確認できた場合は生え変わるはずだった乳歯を使い続ける必要があるので、より虫歯に対する注意をしなければいけないといったような事もあります。

そのため、やはりお子さんの永久歯への生え変わりが気になる場合はまずは歯科医院で検査をするという事が大切になってきます。

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メンテナンスというとなんとなく車や機械の事に感じてしまうかもしれませんが、治療が終了した後に現状を維持していくという様に用いられます。もっと親しみやすい言い方をすれば、治療が終わった歯と口の中の現状維持をしていくという様にいった方がいいかもしれません。

なぜ治療が終わった後のメンテナンスが必要なのか

これはもちろん治療が終わった後の歯や歯茎の再治療の可能性を低く抑える為です。もしくは再治療が必要な可能性を発見した時に現状でさらに維持していくのか再治療に取り掛かるのかを早く判断するためです。歯の再治療の可能性を低く抑えて維持していくという事は実は歯の寿命に関してとても重要なのです。歯が虫歯になって治療したものの再び虫歯になったら再治療をすればいいと思うかもしれませんが、実は歯の治療回数には限界の様なものがあります。

それが、「再治療を繰り返した歯は平均約5回目の治療で抜歯の処置になる」という事です。歯が虫歯になれば虫歯の部分は侵食が進み歯そのものがなくなっていきます、そして歯を治して再度虫歯になればさらに侵食が進んでいきます。これを繰り返すと平均約5回目の治療の際には歯を抜かないといけないところまで侵食が進んでしまうという事です。もちろんこれは虫歯の進み具合にもよるので大きく歯が侵食されてしまえば残念ながら最初の時点で歯が残らない方もいますし、虫歯の侵食具合が少しであれば6回以上の再治療の際にも歯を抜かずに済むかもしれません。

この抜歯に至る歯のライフサイクルを緩やかにするために虫歯が進むすぎる前に治療をして再治療の可能性を下げるために口の中の状態を清潔に保ち現状を可能な限り維持していくというのが口腔内のメンテナンスの1番の意義と言えます。

虫歯だけでなく歯周病に対してもメンテナンスが必要

虫歯に関する歯のライフサイクルは以上の様ですが、歯周病に関しても同じ様な事が言えます。歯周病の場合は歯を支える骨の退縮を抑えていく事が大切になります。骨が退縮する理由は歯茎の周りで起きる炎症の存在です。歯の周りの歯茎で炎症が起きる事によって破骨細胞という骨を溶かす自分の細胞が活性化して歯茎の骨を退縮させていきます。

これを予防するためにも歯の汚れを取り除いて汚れのたまりやすくなる要素である歯石を取り炎症が起きにくい様に維持していくという事が大切となります。そして歯は歯茎と骨の中に埋まっているのですが、この歯と歯茎の間にある歯周ポケットという溝の部分についた歯周病関連の細菌は綺麗に取り除いても3ヶ月で歯周ポケットに再び細菌の巣を作ってしまうと言われています。歯周ポケットはポケット状になった歯茎にある溝なので普段の歯磨きではどうしても細菌が作り上げた強固な巣を崩すのは難しいです。そのため歯医者さんにいくと口の中の掃除の際に歯周ポケットも掃除できるスケーラーという専用の道具を使うのです。

口の中のメンテナンスと言うと機械製品の検査の様なイメージを受けるかもしれませんが、現在の口の中の状態を維持して再治療の可能性を下げるという部

事が大切となってくるのですね。

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プロバイオティクスという言葉をご存知でしょうか?プロバイオティクスは善玉の微生物を食べ物やタブレットなどの形で取り込むことで細菌の種類の分布である細菌叢や体内環境を整えようという目的で使われます。有名なものでは腸内環境を整える乳酸菌やビフィズス菌が有名です。このプロバイオティクスですが最近10年ほどで歯科領域においても活用して口腔内の環境をコントロールしようという研究が行われています。プロバイオティクスを歯肉炎や歯周病に対して活用して抗菌薬や消毒薬に代わる新しい治療法として使えないかという目的で研究が行われています。今回はプロバイオティクスの歯科疾患への応用に関して「Journal of Dentistry」誌より2016年5月に報告されたレビュー論文”Probiotics for managing caries and periodontitis: Systematic review and meta-analysis. D. Gruner et al.”のご紹介をしようと思います。このレビュー論文の中でも特に歯肉炎と歯周病に注目して今回お話をしようと思います。

プロバイオティクスの有用性

歯周病の治療には通常は機械的な清掃や必要に応じて抗菌薬の投与や消毒薬による洗浄などが行われますが、善玉菌を使った歯周病細菌のコントロールという治療方法はここ最近の新しい試みです。この論文では歯科疾患に関してプロバイオティクスの研究を行った512報の関連報告から情報源の論文としてふさわしい2001年から2015年にかけて報告された論文を選別してその内容を解析して報告しています。歯肉炎や歯周病へのプロバイオティクスの応用として特定の種類の乳酸菌が主に利用され、それらの善玉菌は乳製品や粉末などで体に取り入れてその効果を確認しています。

プロバイオティクスの歯肉炎や歯周病に対する応用を報告する論文は増えてきていますがまだ始まって間もないとも言えます。そのためこれからさらなる論文報告を待つ必要性がありますが今回のレビュー論文からは歯肉炎や歯周病のコントロールの可能性を示す報告が増えつつあると報告しています。プロバイオティクスを歯肉炎や歯周病に応用した事で歯肉からの出血が優位に減少し歯周ポケットも改善されたとも報告しています。

今後のプロバイオティクスの歯周病への応用

プロバイオティクスの有用性の報告は増えつつあるものの、まだ研究として始まって間もないと言えます。今回のレビュー論文で様々な論文を確認した結果プロバイオティクスが歯肉炎や歯周病のコントロールに使える可能性が示されつつある一方でさらなる研究が必要とされると締めくくっています。歯周病のコントロールを今後は特定の種類の乳酸菌を含んだ食品や錠剤なども経由してもできるようになるといいですね。

現段階では歯周病治療の基本は適切な口腔内清掃や機械的な掃除などですがさらなる治療方法の進歩で新しい方法が生まれてくるかもしれません。

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千種区の歯医者の阿部歯科では国内だけではなく海外の最新情報も含めて患者さんのお役に立つ情報をお届けできればと考えています。

歯周病や口腔内での炎症は免疫反応の結果によって起きる生体反応の結果なのですが、この免疫反応がどのように反応して異物を捉えているのかというお話をしようと思います。

自分は攻撃せずに異物を攻撃する

免疫反応では対象を捉えて攻撃するという反応が起きているのですがそのためには自分自身(自分の細胞)とそれ以外を認識する必要があります。それが免疫寛容と免疫反応と呼ばれる反応です。免疫寛容とはまさに免疫反応が起きなくする機構でこれがあるため免疫細胞が自分の細胞を攻撃する事なく体の中で働く事が出来るのです。この免疫寛容がうまく働かないと自己の細胞を攻撃する自己免疫疾患となり、有名なものでは関節リウマチなどがあります。この自己免疫疾患では外から入ってきた異物がないにもかかわらず自分の細胞を異物として認識し、炎症を引き起こします。逆に異物を認識する機構が免疫反応となりますが、この免疫反応がうまくいかず異物を異物としてうまく捉えられないと免疫疾患となります。

Trained immunity

免疫反応に関連して今最も免疫学で注目されている反応のひとつにTrained immunityという言葉があります。非常に新しい考え方で、免疫反応をうまく起こさせる機構の一つとなっています。ワクチンに代表される2次免疫応答を利用した獲得免疫とは全く違う、自然免疫と呼ばれるマクロファージなどの自然免疫系統の細胞にも獲得免疫の2次免疫応答のような強い免疫反応を起こさせる機構です。

ワクチンによる獲得免疫は古くから知られていますがこの自然免疫にも同様に免疫反応を強くさせる機構があるという事で非常に注目を浴びています。ワクチンでは故意に異物を体に取り込ませる事で異物を認識させて二度目に同じ異物が入ってきた時に素早く免疫応答を起こす機構なっていますが、このような二度目以降の免疫応答の強化を別の機構でも行なっているのがTrained Immunityです。Trained Immunityを日本語に直すと「訓練された免疫」とでも言えるのですが非常に新しい言葉でもあるので元の言葉通りTrained Immunityと使われます。このTrained Immunityと獲得免疫の存在によっても口腔内での免疫反応の強さが変わる可能性があります。

免疫反応というと少しとっつきにくく聞こえますが、歯科の治療においては口腔外科も歯周病治療も、虫歯による神経の痛みにしろ免疫反応とは切っても切り離せない存在となっています。特に歯周病においては骨を溶かす細胞である破骨細胞の活性が免疫反応による炎症と非常に深い関わりを持っているので免疫の研究が進めば歯周病治療にも大きな変化をもたらす可能性があるのです。

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☆☆☆ 千種区の歯医者の阿部歯科では歯科治療や歯科に関連した様々なお役立ち情報をお届けしています ☆☆☆

執筆者 阿部歯科 副院長 阿部利晴

1980年 名古屋市千種区に生まれる
2005年 愛知学院大学歯学部 卒業
2005年 豊川市民病院 歯科口腔外科で臨床研修医を経験
2006年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座に入局
2010年 愛知学院大学大学院 歯学研究科を修了 総代
2010年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座で非常勤助教となる
2010年 名古屋大学医学部附属病院 麻酔科にて医員を経験
2011年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて勤務
2014年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部で講師として勤務
2014年 アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所にて非常勤連邦職員となる
2015年 阿部歯科 副院長に就任

こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科です。舌をまじまじと見ることは少ないと思いますが思いもかけずに鏡で舌を見たときに舌に色が付いている事に気がつく事があります。そんな舌の着色の中でも今回は黒毛舌というという状態についてお話をしようと思います。

舌の色が変わった

通常の舌はやや白っぽいピンク色をしていますが人によって舌に色が付いてしまう事があります。舌の色が変わる場合でも黒っぽく変わる事がありこれは黒毛舌と呼ばれます。色の元の多くは細菌や真菌が産生する黒色色素からきており、この黒色色素が舌に存在するデコボコの舌乳頭という組織の間に着色してしまっている状態です。舌をよく見ると舌の表面にはツブツブしたものが付いていますがこれが舌乳頭と呼ばれる組織で正常な舌はツルツルではなく舌乳頭によってデコボコしています。

どうして黒色色素が着色したのか

黒色色素は空気を嫌う嫌気性細菌や真菌の一部が産生しますが、歯周病菌で有名なP. gingivalisも黒色色素を産生する能力があります。通常の舌では舌が黒くなかったのに急に黒くなる理由は口腔内の細菌の構成が変わった可能性があります。通常ではそれほど多くなかった黒色色素産生能力のある細菌や真菌が抗菌薬の長期投与や免疫機能の変化、口腔内清掃状態不良など様々な理由で増殖したために口腔内の細菌の構成バランスが崩れて、菌交代現象という現象が起きた可能性があります。

黒毛舌は 治るのか?

まずは黒毛舌はいつから黒色になっているのかという事を確認する必要があります。舌の色の変化には黒毛舌とは別に注意が必要な病気も存在するため、その黒色が黒毛舌によるものなのかという事を確認しなければいけません。それは黒色の広がり方や舌の表面の性状など複数の項目を確認していかなければいけません。黒毛舌による着色と分かれば体調不良による免疫機能の低下が落ち着いたり、抗菌薬(抗生物質など)の投与が終われば菌交代現象によって崩れていた口腔内の細菌バランスが元に戻り細菌叢(フローラ)と呼ばれる口の中の細菌の分布が通常通りになる事で黒色が解消されてきます。ただし、長期間にわたって舌の着色が続いていた場合は口腔内の細菌バランスが固定されてきていて舌の着色がつくような細菌叢がその人の通常の口腔内細菌バランスとなってしまった場合は舌の着色は続いてしまう場合があります。

急激な菌交代現象による着色の場合は1週間単位で舌の色が変わったり戻ったりする事もあるので舌の色が気になった場合は色の変化がどのように変わってきているのかという事は少し注意してみるといいかもしれません

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親知らずの抜歯といえば抜くのが大変というイメージがあるかもしれませんが、下の親知らずを抜く場合に歯が横に寝ていて歯茎に埋まっている場合は歯茎の一部を切ったり骨を削ったり、歯そのものをバラバラに分割して抜いてくる場合もあります。しかしながら親知らずを抜く場合にわざと根の先端を残して根の一部は抜かないこともあるという場合もある事をご存知でしょうか?

 上の親知らずで歯の根を残す場合

通常は上の親知らずの場合は基本的に歯の根の一部を残す事はありません。しかしながら時々歯の根の先端が大きく曲がり抜くときに歯の根の先端が折れる事があります。この時に歯の根の先端に感染がなくかつ根の先端が上顎にある上顎洞という空間に非常に近い場合はそれ以上抜くことを追求しない場合があります。これは残された歯の根の先端を抜こうと器具に力を入れた際に残された根の先端を上顎洞に押し込んでしまう可能性があるからです。通常、感染のない歯の根の先端が骨内に残されると時間の経過とともに歯の根が骨と結合して骨の代謝とともに吸収されていくからです。このように残された歯の根の先端を抜こうとする方がリスクが高くなる場合はあえて感染のしていない歯の根を残して自然に吸収されるのを待つ場合があります

 下の親知らずで歯の根を残す場合

この場合には上の親知らずと同様に歯の根の形態の問題で折れてしまった根の先端を残す場合とわざと歯の根と歯の頭の部分を分割して歯の根を残す場合があります。

歯の根の形態が問題で折れてしまった歯の根の先端を残す場合があるのは、歯の根が感染しておらず、かつ根の先端が顎の中を通る下歯槽神経の通る下歯槽管という空間に非常に近接している場合です。この時に残された歯の根を抜こうと力を込めてしまうと根に先端を下歯槽管に押し込んでしまい下歯槽神経を傷つけてしまう事があるためリスクを考えた上であえて抜かずに自然に吸収されるのを待つ場合があります。

 

それとは別に歯の頭と根を分割して根の部分だけを残す場合もあります。これはコロネクトミーという方法で親知らずの根の先端が下歯槽管に元々突き抜けていたり歯の根がガッチリと下歯槽神経を抱え込んでしまっている場合に行われる事があります。これらの場合は抜く前の状態ですでに親知らずの根の部分を抜く事で物理的に下歯槽神経を傷つけてしまう事が予想されるため、あえて歯の頭の部分だけを抜き、根の部分は残して下歯槽神経にダメージを与えないようにする方法です。この根だけを残してしばらくすると残された歯の根が段々と移動してきて数年後に下歯槽神経から離れてくる場合もあるのでその時に改めて残した歯の根を抜くようにする場合もあります。

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こんにちは、池下の歯医者の阿部歯科です。虫歯ができて虫歯を削った後に歯を治さないといけませんがこの時に治療に使う歯科材料を歯と接着しなければいけません。しかしこの歯と修復物との接着には修復物の材料によって必要な成分が大きく変わってきます。そこで今回は歯と修復物との接着についてお話をしようと思います。

歯と修復物はどのようについているのか

修復物は歯に対して着ける必要がありますがなんでも着くというわけではありません。歯と修復物との位置関係の保持には基本的に機械的嵌合と呼ばれる物理的な抵抗が最も基礎的なものとなってきますがこれは接着とは別に合着と呼ばれます。そのため合着の場合は化学的に歯と修復物とがついているわけではなく物理的な嵌合力によってついており、接着とは歯科治療で使われる言葉に違いがあります。

歯と修復物とはどのように接着しているのか

歯と修復物とはそれぞれに含まれる構成成分を仲介するように化学的に結合する成分が接着に使われます。この成分は歯とコンポジットレジンを着ける場合、歯と卑金属を着ける場合、歯と貴金属を着ける場合、歯とセラミックを着けるなどといったように接着に必要とされる成分が変わってきます。歯科には様々な接着のための成分が販売されていますが複数の成分をいくつか塗って使う場合もあり、この場合は接着成分を付ける対象(歯なのか修復物なのか)と順番を間違えてしまうとそれだけで化学的な結合ができなくなってしまいます。
そのため複数の成分を使い分ける場合はその成分に含まれる物質を知っていて何に対してその成分が結合するのかという事を理解していないといけません。製品の中には複数の成分を同時に含んでおりそれ一つでコンポジットにも卑金属にも貴金属にもセラミックにも使えるという物も存在していますが複数の成分を含んでいる製品でもその製品のpHなどを理解していないとどのようなタイミングでどのように使えばいいのかという事が分からなくなってしまう事があります。製品には説明書が添付されており、その説明書に従って使えば接着力をはっきしますが、基本的には製品に含まれる成分などによってその手順が決められてきます。しかしながら、同じような成分が入っている製品でも最大限に接着力を発揮する条件が企業側で調べられているのでその手順を確実に守ることがいずれにせよ最も大切な事となります。
このように歯と修復物との接着は修復物の種類や接着に使う材料の成分によって厳密に影響を受けてくるので適切な接着材料を使う事がとても大切になってくるのです。
 

歯科治療を受けている患者さんの中で時々気持ちが悪くなったり体調が悪くなる患者さんがいます。その症状は軽微なものから重篤なものまで様々に分かれます。そこで今回は比較的歯科治療中に起きやすいものから起きることは非常に少ないものの注意する必要のあるものに関してお話をしようと思います。

迷走神経反射

歯科治療の際に比較的起きやすいものが迷走神経反射です。局所麻酔薬の際に比較的起きやすく、治療に不安を抱えていたりする患者さんに不用意に気にせず注射針をブスッと刺すと起きる場合があります。口腔内には三叉神経と呼ばれる神経が広く分布しておりこの神経に対して注射針を不用意に刺すなどの強い刺激を加えると三叉の求心性の刺激を介して迷走神経が刺激される事があります。迷走神経が刺激される事で様々な副交感神経の働きが起きて血圧の低下や虚脱感などを感じて気分の悪さを訴えます。三叉神経の求心性の刺激に刺激されて迷走神経が遠心性に反応する事から三叉迷走神経反射とも呼ばれます。

過換気症候群

過換気症候群も歯科治療に極度に不安を感じていたり恐怖心を抱いてる人に起きる事があります。この症状の本態は通常の呼吸回数よりも緊張によって呼吸回数が多くなる過呼吸という状態に基づきます。この過呼吸が血中の酸素二酸化炭素の交換を過剰に起こし血中の酸塩基平衡が崩れてアルカリ性に傾き呼吸性アルカローシスを引き起こします。呼吸性アルカローシスを起こす事で初期症状として指先のしびれを感じ始めますので過換気症候群ではこの指先のしびれのサインと過呼吸による胸郭の素早い上下の動きを見逃してはいけないのです。

アレルギー症状

アレルギー症状では麻酔薬などの注入による即時型アレルギーの症状のサインを見逃してはいけません。アレルギーは炎症反応によりものなので免疫機構による浮腫、腫脹、発赤などのサインを見逃さずに診断する必要が出てきます。重篤なものではショックへと移行するので素早い判断と鑑別診断が必要となる状態の1つです。アレルギー症状に付随するショックではアナフィラキシーショックに注意が必要であり、アナフィラキシーショックの症状とその他の三叉迷走神経反射や過換気症候群との症状の違いを完全に理解している事が必要となります。

 

この他にも中毒症状やてんかんなど様々な要因によって起きる症状があるので歯科治療の際の思わぬ症状にはその作用機序と発生機構を理解して素早い鑑別診断と適切な対処が必要となってくるのです。

歯科で注意するデンタルショック.jpg

※※※ 名古屋市千種区池下の歯医者の阿部歯科では患者さんの歯科治療や治療に関連する色々な疑問に関しても情報をお届けしています ※※※

 

歯が虫歯になってしまい歯の神経が細菌感染と炎症を起こしてしまった際に歯の神経を取って元々神経があった場所を洗浄する必要があります。歯の神経には主要な主根管と呼ばれる神経の大部分が存在する空間があるのですが実はこの神経の通り道は一本道ではないというお話をしようと思います。

副根管と側枝

歯の神経は骨の中から歯に向かって入っていき歯の頭の部分に存在する冠部歯髄という場所まで到達します。この歯髄と呼ばれる神経は大部分が主根管と呼ばれる太い空間を通るのですがこの空間は一本道ではなく副根管と呼ばれる主根管よりも細い空間や根管から枝分かれした側枝という空間にも木の枝のように枝分かれするように広がっています。これらの経路は非常に複雑で主根管や副根管以外の微小な枝分かれしている空間は物理的に神経を取り除くのが非常に難しくなっています。そのため歯の神経の治療では歯の神経を物理的に取り除くのと同時に消毒薬を使った化学的な洗浄も併用して根管内の洗浄と消毒を進めていきます。

この洗浄では消毒薬を使った化学的な消毒と超音波を利用した発泡作用による洗浄を併用して細かい部分まで清掃を進めていきます。

歯の神経の通り道は想像以上に複雑

このように歯の神経の通り道は目では見えないような枝分かれが複雑に入り組んでいます。歯の根の部分は歯の種類によって様々で1本であったり3本であったりします。歯の根1本につき主根管が1本の事が多いのですが1本の歯の根に対して主根管の他に副根管という歯の神経の通り道がある事もあります。この副根管は歯の種類によって発生率が様々でこの歯の種類毎の副根管の発生率を理解しておく事も根の治療では大切な事となります。この副根管の存在の可能性を理解しておく事で副根管の存在に注意しながら歯の根の治療をする事ができます。

歯の神経の治療は物理的、化学的両方の洗浄が大切

このように歯の神経の通り道には物理的に届く事が難しい空間があるため物理的な清掃と同時に消毒薬による化学的な洗浄が大切になります。それらの物理的、化学的な洗浄とともに他にも様々な方法を併用して細菌に感染した神経を除去し、細菌感染を取り除いていく事となります。

歯の神経の治療法も清掃と洗浄に関して方法が次第に変わってきており以前の根管内の洗浄方法からより細菌感染を取り除くのに適した方法、手技へと進化してきています。新しい材料、機材、手技など常に最新の論文などを確認して新しい知識を得続ける事がとても大切となってくるのです。

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こんにちは、千種区池下の歯医者の阿部歯科です。 歯石を取る道具には色々な種類がありますが今回はその中のエアスケーラーという道具についてお話をしようと思います。患者さんにとっては歯石取りと聞いてもどのような道具で取っているのか気になるかもしれませんね

エアスケーラーという道具

エアスケーラーとは「エア:air」とついている様に空気の力を利用して道具を動かして歯石を取るのに利用しています。実際にはコンプレッサーと呼ばれる空気を圧縮する機械から送られた圧縮空気を道具に通して風車の様に風の力を動力に変えています。圧縮空気を利用して歯科治療をする道具の中にエアタービンという道具がありますがこちらは虫歯を削るのに使われるのと、動作原理も大きく違います。エアタービンでは圧縮空気を先端のヘッドと呼ばれる部位に送り出してヘッドに付いている風車をグルグル回しながらヘッドから空気を吐き出しますがエアスケーラーでは同じ圧縮空気を使っていますがグルグル回ることもありませんし先端から空気を吐き出すこともしません。

エアスケーラーの動作原理

歯科の中でも動作原理に関しては意外と興味を持たれませんが、しかしながら動作原理を知っておかないとアスケーラーでやってはいけない事や清掃時にやらないといけない事に気がつかずに間違った事をやってしまう可能性があります。エアスケーラーは最初に圧縮空気を器械に送り込むところまではエアタービンと同じなのですが実は圧縮空気の流れ方が全く違います。エアタービンでは圧縮空気は先端から吐き出されますがエアスケーラーでは後方部から吐き出されます。圧縮空気された空気がエアスケーラーの内部を通ると先端に付いている歯石を取るためチップが接続されている軸をまず最初に右か左のどちらかの向きに回転させます。この回転は一周せずにわずかに回転したところで空気の流れが機械的に遮断され別の部位へと空気の流れが変わります。変えられた空気の流れで今度は逆方向に回転してまたわずかに回転したところで空気の流れが変わりまた逆方向に回転し始めます。この振り子の様な運動をわずかに前後しながら行うのがエアスケーラーの原理です。振り子運動のために使われた圧縮空気は後方へと吐き出されていきます。

何故エアスケーラーの原理を知っている事が大切なのか

これは歯科治療でやってはいけない事と清掃時にやらなければいけない事を知るためと言えます。上に書いた様にエアスケーラーでは振り子の様な往復運動を繰り返すので歯石を取るためのチップの先端も中心からずれたチップの先端では左右に振り子の様にふれています。この時に歯面に対して平行になる様にチップを当ててしまうと歯を叩きつける様にチップの先端が当たってしまうので患者さんとしてはすごく痛いですし、歯に対してマイクロクラックを引き起こしてしまう可能性さえあります。そのためエアスケーラーは歯面に対して平行に当ててはいけないのです。治療後の清掃の際にも注意が必要で、圧縮空気はエアタービンと違って後方から押し出されるために先端にメンテナンス用などのオイルを使う事があれば圧縮空気で余分なオイルを吹き飛ばす事が出来ないという事を注意しておく必要が出てくるのです。

この様に歯科医療の器械といっても道具によって様々な原理で動いているものがあるのです。

エアスケーラー.jpg

病院や歯科医院で飲み薬の抗菌薬が出される事がありますが、この飲み薬の抗菌薬に関して「飲んでどれくらい効いているのか?」と疑問に思った事はありませんか?抗菌薬の効果には真正細菌に対する感受性の範囲である抗菌スペクトルと生物学的利用能であるバイオアベイラビリティが関係しますが今回はこの「生物学的利用能:バイオアベイラビリティ」についてお話をしようと思います。

バイオアベイラビリティ

抗菌薬が機能を発揮するためには抗菌薬が細菌に対して届かないといけません。しかし服薬の場合は抗菌薬が細菌に届くまでに様々な代謝を受けて本来の抗菌薬の構造が変わり本来あった全ての抗菌薬の成分が届くわけではありません。つまり100あった抗菌薬の成分が代謝を受けて一部が失われて50や30になってしまう、これを生物学的利用能:バイオアベイラビリティと呼びます。飲み薬である服薬の際のバイオアベイラビリティは抗菌薬によっておおよそ決まっています。

初回通過効果

抗菌薬が服薬された後に体に吸収されないと抗菌薬の成分は循環に達する事ができません。この吸収されてから循環に達する際に代謝される過程を初回通過交換と呼びます。代謝は主に肝臓で行われてこれらの代謝やその他の分解などの要因によってバイオアベイラビリティが決定し、どれだけ循環へと達するかが決まってきます。このバイオアベイラビリティに加えて体循環の際による薬剤効果の低下である半減期が細菌感染に対して影響をしていきます。この初回通過を受けない、つまり点滴による抗菌薬の静脈内投与の場合は抗菌薬の成分全てが循環に達するという事ができます。そのため強くて急を要する細菌感染の場合は点滴による抗菌薬の静脈内投与が選択される事があるのです。

新しい薬ほどバイオアベイラビリティが高いわけではない

細菌感染に対する抗菌薬の効果はこれらのバイオアベイラビリティ、抗菌スペクトル、半減期などの複数の要因によって決定されるので新しい抗菌薬ほどバイオアベイラビリティが高いというわけではありません。逆に言えば例え服薬の際のバイオアベイラビリティが100%に近くても抗菌スペクトルから外れていれば効果は非常に薄いという言い方もできます。歯科領域で比較的よく使われるβラクタム系の抗菌薬も新しい世代の抗菌薬よりも古い世代の抗菌薬の方がバイオアベイラビリティが数倍高い事も珍しくありませんが、このバイオアベイラビリティはあくまでも循環に達するかどうかという括りで効能は上に書いたように複合的な要素で決定してきます。

飲み薬として服薬した抗菌薬でも必ずしも飲んだ成分全てが循環に達するわけではなく薬によっては飲んだ成分の20%ほどしか血中に移行しないものもあるのです。

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