千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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当院副院長からのお知らせ、出来事のご紹介です。

口腔外科の最近のブログ記事

口の中はあまりしげしげと見ることがないと思いますがふとした時に何かが口の中にできている事に気がついて受診される方がいます。今回はその中でも血腫というできものについてお話をしようと思います。

血腫とは

一言で言えば口の中にできた血豆です。通常は半球状に口腔内に膨隆すらため舌で触った時に自覚して受診される方がいます。頬側にできた血腫を鏡で見て心配されて受診される患者さんがいますが血腫ができる前に頬を噛んだりもしくは寝ている間に知らずに噛んでしまってできる事があります。

見た目は境界明瞭で粘膜下に暗赤色の半球状の膨隆として見られる事が比較的多いです。潰れると中から血液成分の混ざった内容物が出てきて半球状の膨隆も消滅します。粘膜下に貯留した血液成分なので丁度手や足にできる血豆と同じ状態を呈しています。

血腫ではない別のできもの

口腔粘膜にできる血腫と間違える事のあるできものに血管腫というできものがあります。血腫は通常は数ミリ程度の小さいものがほとんどですが血管腫の場合は大きさは様々です。血管腫は血管組織の増殖と拡張によって腫脹する病態で腫瘍ではなく血管組織の奇形と考えられています。

血管組織のある場所にできるため深いところに大きな血管腫ができると口腔粘膜組織や舌などの腫脹として見られる事もあります。血管組織の奇形なので内部には血液が循環しており粘膜の比較的浅い部位にできると暗赤色の腫瘍として見られるため血腫と似ている部分もありますが形態は円形とは限らず蛇行する様な形態として見られる事もあります。

粘膜にできる色を伴った疾患としては他にもメラニン色素沈着やメタルタトゥー、悪性黒色腫などがありますがこれらは黒色に近い色をしています。メラニン色素沈着やメタルタトゥーは歯肉に見られる事が比較的多く形態も円形ではなく不正な形をしています。

悪性黒色腫に関してはマダラ状で辺縁不正、境界不明瞭な腫瘍性組織の状態を呈しており悪性腫瘍に分類されます。腫瘍の進行段階によってはびらんや潰瘍が見られる事もあり、粘膜組織の周りに染み込む様に広がるような状態を呈する事もあります。形態や大きさは様々です明確な着色を認めないこともある予後の悪い悪性腫瘍です。

普段あまり口の中を鏡で見る事はそれほどないと思いますが、何かのきっかけで口の中を見ると血腫の様なできものや白いものや赤いものと様々なものが見つかる事もあると思いますので気になったら早めに医療機関を受診されるといいと思います。

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 歯科治療の際に齲蝕の除去や抜歯を行うために局所麻酔をする事がありますが今回は局所麻酔をして治療を終えた後の注意点についてお話をしようと思います。

治療終了後に

局所麻酔をして治療を終えた後もおおよそ2〜3時間ほど麻酔の効果が持続します。時間とともに効果は薄れてきますが歯肉の感覚や頬の感覚がしばらく薄れたままになります。そのため、治療終了後に注意をしないといけない点の一つに食事があります。口腔内に麻酔の効果が残ったまま食事をすると頬を噛んでしまう可能性があり、痛みに対する感覚も鈍っているため頬を噛み続けても気がつかない場合があります。そのため局所麻酔を行なった処置の後は麻酔の効果が薄れる2時間ほどまではあまり食事をしない方がいいと言えます。食事をする必要がある場合は上に書いたように気がつかずに頬を噛んで傷つけてしまう可能性があるため注意深く食事をする必要が出てきます。

食事の際の注意事項の1つに口に含んだ飲み物がこぼれやすいという点があります。口の周りには口腔周囲をしぼめるための筋肉である口輪筋がありますが口腔内に打った局所麻酔の影響で口輪筋の動きが一時的に鈍くなる事があります。口輪筋の作用によって口を閉じて頬を空気で膨らませる事ができますが口輪筋に局所麻酔の影響が及ぶと頬を膨らませる事ができずに空気が漏れてしまいます。それと同様に口に含んだ水などの液体が漏れてしまう事があるので局所麻酔を使った直後の飲食の際には飲み物が口からこぼれやすくなる事がある事に注意しないといけません。

麻酔がきれかけてくる過程で

治療後に局所麻酔がきれかけてくる過程で局所麻酔を打った部位の周囲に違和感を感じる事があります。麻酔の効果自体が薄れてきて感覚が少しづつ戻ってくるのですがその際に痒みのようなドーンとした違和感のような感覚を感じる場合がありますが局所麻酔の効果が完全に消えればこれらの感覚は改善されます。

注射針を打った部位に口内炎ができる事がある

局所麻酔のために歯肉や頬部などの口腔粘膜に注射針を打った跡が数日後に口内炎になる事があります。針を打った部位の口腔粘膜が治る過程で口内炎ができる事があるのですが日にちの経過とともに治癒していきます。

このように治療の際に局所麻酔をした後の注意事項がいくつかあります。局所麻酔後に頬を膨らませ辛くなる事などは知っていないと知らずに水を口に含んでこぼしてしまう可能性があります。千種区も千種区外の患者さんにも安心して受診していただける歯医者を阿部歯科では目指しています。

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蓄膿症というと聞き覚えがあるかもしれませんが正式には副鼻腔炎とい病名がつきます。副鼻腔という体の中の部位が炎症を起こしているのでこのような病名がついています。この副鼻腔炎ですが、虫歯によって引き起こされる場合もあります。虫歯と副鼻腔炎(蓄膿症)はどのような関係があるのでしょうか

副鼻腔とは

まず、副鼻腔とは何でしょうか?この部位は鼻の内部に交通している頭蓋骨にある空洞の部位名称なのですが、この副鼻腔とは4種類の空洞の総称となっています。なぜこのような空洞が鼻の横に交通しているかという理由には声の反響に関わっているとか、頭の重さを軽くするためとか色々言われていますがはっきりとは分かっていないようです。この空洞の中の粘膜に炎症が起きた状態が副鼻腔炎と呼ばれる状態です。

虫歯と副鼻腔炎

この副鼻腔ですが、その中の一つの上顎洞という部位が丁度上の奥歯の根っこの先端付近に位置しています。そのため歯が虫歯になり神経が細菌に感染してその感染が歯の根の先端まで到達するとその細菌感染がそのままに上顎洞まで達してしまう場合があります。こうなると上顎洞に炎症が起きて時には強い痛みや腫れがもたらされる場合があります。こうなると元々の感染源である歯の細菌感染をどうにかしないといけなくなります。この状態が虫歯によって副鼻腔炎(特に上顎洞炎)が引き起こされた状態です。歯が原因で副鼻腔炎が引き起こされる以外にも鼻の粘膜から感染が起こり副鼻腔炎(蓄膿症)になる場合もありますが、この場合は耳鼻咽喉科の領域となります。

歯から上顎洞に炎症が起きた場合を「歯性上顎洞炎」と呼び、鼻から上顎洞に炎症が起きた場合を「鼻性上顎洞炎」と呼びます。そのため、歯が原因なのか、鼻の側が原因なのかで治療方法が大きく変わってきます。歯から上顎洞炎が起きた場合は比較的片側に起きる場合が多く、鼻が原因の場合は両側に起きる事がしばしばです。しかしながら、実際にはレントゲンを確認して歯が虫歯になっていないか、歯の根の先端まで炎症が到達してないか、という事をしっかり調べる必要があります。この歯の虫歯によって副鼻腔炎が起きる状態は上の歯に虫歯ができた時に特有の話なので、下の歯に虫歯ができた場合はまた別の話となります。

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歯科と耳鼻咽喉科の領域をまたいで副鼻腔炎が起きる場合があるので耳鼻咽喉科のお医者さんから歯科に紹介が来ることもありますし、逆に歯科から耳鼻咽喉科に紹介をする事もあるのですね。いずれにせよ炎症が起きた原因の部位を明らかにして診断する事がとても大切となります。

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こんにちは、千種区にある歯医者の阿部歯科です。今回は感染などが起きた時に使う抗菌薬(抗生物質など)についてお話をしようと思います。歯茎が腫れたり親知らずが腫れたりした時に出されることがある抗菌薬ですが実は色々な種類があります。

抗菌薬?抗生物質?

一般的には抗生物質という名称の方がよく聞きますが、今では化学的に合成する抗菌薬がありますので、抗生物質という名称ではなくて抗菌薬という名称が使われるようになりました。抗生物質はもともとはカビなどの微生物から他の微生物の増殖を抑える物質として発見されて、それらの微生物から抗菌性の物質として取り出されて抗生物質と呼ばれるようになりました。英語のAntibioticsを直訳してAnti(抗)biotics(生物質)となったのですが、直訳してみると「生物の物質を抑える」のか「生物を抑える物質」なのか少し紛らわしいところもあります。そんなかつては全て微生物から採取と精製がされていた抗生物質も化学的に合成することができるようになって抗菌薬という名称が使われるようになりました。抗生物質という名称だと上のように紛らわしいところがあったので「菌に抗う薬」という事で抗菌薬というシンプルな名称になりました。

抗菌薬は菌の何に効くのか

抗菌薬はその種類によって菌の何に作用して菌の増殖を抑えるのかが決まってきます。歯医者さんが比較的よく使う抗菌薬の中にβラクタム系という種類の抗菌薬がありますが、これは細菌に特有の細胞壁という構造の合成を阻害して細菌の分裂や生存自体を不可能にしてしまう事で作用を発揮します。世界初の抗生物質のペニシリンもこのβラクタム系の抗生物質に分類されます。その他にも、細菌のタンパク質の合成を阻害して細菌の代謝を抑えたり、細菌の遺伝子の合成を抑えたりといったようにそれぞれ色々な方法で細菌の増殖を抑える効果を発揮しています。

特に人間の細胞には存在しないような細胞壁の合成阻害をする抗菌薬は細菌に対して非常に特有に効くのですが一部の細菌ではこれらの抗菌薬に耐性を持つものも現れてきて新しい抗菌薬の開発がこれからの課題の一つともなってきています。かつて作られた最初の抗生物質であるペニシリンも今では耐性菌が増えて効きが悪くなってきてしまっていると言われています。その後もペニシリンを改良した抗生物質や新しい種類の抗生物質の発見、化学合成による新しい抗菌薬の開発で細菌感染に対抗しているのですがまだまだ課題は多くあるようです。

感染に対して非常に有効な抗菌薬ですが、このように抗菌薬は細菌に特有の構造に対して効くような物を選別して薬として利用しているのです。

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抜歯をした後などに傷口の消毒を行いますが、この消毒事態の洗浄に用いる液体が目的によって変わる事をご存知でしょうか?

抜歯後の洗浄の目的

抜歯などをしたあとの傷口に対して消毒薬などで洗浄を行いますが、この洗浄の際の1番の目的は今後の経過の予測という事が最も大切な目的となります。そのため洗浄の際に用いる液体は傷口の確認の際に決定していきます。抜歯後の消毒で確認される主な事は、傷口の感染の有無とドライソケットの有無の確認です。これらは腫れ具合や痛み具合、痛む場所から判断をしていきます。

抜歯後の感染がない場合とある場合

抜歯後の傷口に感染が見られず、痛みもわずかな場合はあえて強力な洗浄液は使いません。傷口にたまった食べ物や汚れの塊である食渣などを洗い流すために生理食塩水やわずかな消毒作用を持つ消毒液で洗浄するのみにとどまります。例えば経過が良好な傷口に対して強力な消毒薬であるイソジンで消毒をすると逆に傷口の治りが遅延してしまいます。しかしながら、傷口に細菌感染が見られる場合は感染を抑えるためにイソジンで強力に消毒を行う場合もあります。このような抜歯後の傷口に細菌感染が見られるような場合はしっかりと消毒をして、必要であればさらに抗菌薬を処方するなどの対処が取られますが、傷口に痛みも感染も見られないような場合はいたずらに傷口に刺激を加えるような事はしません。

ドライソケット

ドライソケットは強い痛みの伴う状態なのですが、傷口の細菌感染による痛みとは別物となっています。ドライソケットの本態は抜歯をした後の傷口にうまく血餅ができずに抜歯をした後の骨の一部がむき出しになってしまっている状態です。外側から見ても分かりづらいのですが、ゾンデと呼ばれる器具で抜歯窩を触るとゴリゴリっとした骨の感触を感じられるのと同時に痛みを感じるのが特徴です。痛みの種類としては骨の奥でジンジンするような鈍い痛みが継続して起こるという特徴があり、これは抜歯窩の中の露出した骨が痛みを引き起こしています。このような場合は傷口にうまく血の塊である血餅が作られておらず治癒が遅れている事を意味します。そのため、洗浄によって過剰に傷口を洗いすぎるとさらに血餅の出来を遅くして治癒を送らせてしまうので洗浄自体は過剰に行わず、傷口に抗菌薬の含まれた軟膏などを入れて処置を終わる場合があります。

このように抜歯後の洗浄、消毒といっても傷口の経過によって洗浄の方法や使う薬液がガラリと変わるのです。

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緊張すると口が渇く事がありますよね。口の渇きは唾液腺から分泌される唾液の影響によるものですが、今回は口の中の渇きに影響する唾液腺についてお話をしようと思います。

大唾液腺

唾液を分泌する唾液腺には大唾液腺と小唾液腺があります。大唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺という3種類の唾液腺があります。名前の通り位置的には耳の下、顎の下、舌の下にありこれらの大唾液腺から多くの唾液が分泌されています。唾液腺にも唾石という石ができる事があり唾石が唾液腺の腺体内もしくは導管内にできると唾液がうまく出なくなったり感染を起こして激しく痛む場合があります。この場合に唾液腺を指で押してみる事で唾液がうまく出てくるかどうかを確認して唾石の有無を確認することもあります。これらの唾液腺の分泌する唾液の出口は決まっており、それぞれの場所からうまく唾液が出てくるかを確認する事で唾液の分泌状態を確認する事もできます。口の中の唾液でもサラサラのものと粘り気があるものがありますが、耳下腺からはサラサラの唾液である漿液性の唾液が、耳下腺からは粘り気がある粘液性の唾液が、顎下腺からは漿液性と粘液性の唾液の両方が分泌されてこれらの唾液の割合で口の中の唾液のサラサラ感や粘り気が決定してきます。これらの唾液腺の一部分は顔の外から触る事で触診する事も可能で、唾液腺に炎症が起きてるかを触診で確認する事もあります。

小唾液腺

小唾液腺はその場の通り大唾液腺とは違い小さな唾液腺の集団です。小唾液腺は口腔内の様々な部位に存在しており唇や舌の下部、頬や口蓋といった様々な部位に分布しています。唇を噛んだりなどして小唾液腺の導管部が損傷するとその損傷部位から唾液が漏れ出して唾液の溜まりを作ってしまう粘液嚢胞という偽嚢胞を作る場合があります。下唇にできる場合を下唇粘液嚢胞と呼び下唇を噛む癖のあるお子さんに見られる事があります。舌の先の舌尖下面に粘液嚢胞ができる事もありこの場合は特別にブランディンヌーン嚢胞と呼びます。舌の下面に円形のできものができるので舌に何かができたと心配されて受診される患者さんもいます。これらの粘液嚢胞は破れて中の唾液が排出されると潰れてしまうのが特徴ですが潰れてもまた唾液が貯留をして再び腫れてくる事がほとんどです。

これらの普段あまり意識しない唾液にもそれぞれに分泌する場所があり、その分泌される唾液にもサラサラな漿液性の唾液と粘り気のある粘液性の唾液にわかれているのです。

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執筆者:名古屋市千種区の歯医者 阿部歯科

こんにちは、池下の阿部歯科の副院長 阿部利晴です。今回は顎の骨の中にできる膿の袋という内容でお話をしようと思いますが、膿の袋と言われてもあまりピント来ないかもしれません。顎の中にできる出来物の事なのですがこれらの出来物は歯に関連するものが多々あります。

膿の袋とは

感染によってその部位に免疫反応の結果、免疫細胞や感染の元となった病原体の死骸やドロドロになった組織が混在している状態です。膿の周りには膿を囲むように組織が取り囲んでおり、上皮性に取り囲まれたものを嚢胞、非上皮性に取り囲んだものを偽嚢胞と呼びます。膿の袋と説明される場合は嚢胞の事がほとんどで膿を取り囲む上皮の周りには免疫細胞が集まってきており感染の中心は膿の中にあります。顎の骨の中にこの嚢胞ができると感染を無くす事ができたとしても袋である上皮が残ってしまっているのでこの嚢胞自体を顎の骨から摘出しないといけません。

嚢胞が顎骨にできると何がいけないのか

嚢胞が顎の骨の中にできて問題となるのは主に2点です。1つは上に書いたように嚢胞そのものが感染源となって炎症を起こし痛みの元となる事です。特に嚢胞は硬い上皮性の組織に囲まれているので抗菌薬自体も届きにくい傾向があります。2つ目は腫れの問題があります。骨の中にできた嚢胞は時間の経過とともに膨れ上がっていきやがて顎の骨の外側を押して盛り上がるように骨が膨らんでいきます。こうなると骨の形自体が変わってしまいます。大きな嚢胞になると全部取りきると骨がスカスカになってしまうため嚢胞は中に膿があると膨らむという性質を逆に利用して膿みを抜き出した状態の開窓療法という治療法をとる場合があります。この場合は嚢胞が膨らむのとは逆に中の空気が抜かれた風船が縮むように嚢胞が小さくなっていきます。ただし、この治療の間は嚢胞の内側を口の中にむき出しにしてこまめに中に抗菌薬入りのガーゼを敷き詰めて感染が起きないようにするとともに傷口が閉じてしまわないようにする必要があります。

偽嚢胞の場合はどうか

偽嚢胞の場合はレントゲン上では嚢胞のように見える場合もありますが、組織学的に上皮組織に囲まれていないという特徴があります。この場合は嚢胞よりも治癒がしやすい事が多く感染源を取る事で落ち着いて来る事も多く嚢胞のように顎の骨を膨隆させる事も基本的にはありません。ただし、嚢胞と偽嚢胞の違いはあくまでも組織学的に上皮組織に囲まれているかどうかなのでレントゲン像ではしばしば見分けがつかない事もあります。

嚢胞にしろ偽嚢胞にしろ顎骨の中に痛みを感じた場合は中で炎症反応が起きている可能性を疑う事が大切なのです。

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こんにちは、名古屋市千種区の歯医者の阿部歯科です。細菌感染という言葉を聞いた事があると思いますが歯科疾患の多くも細菌感染によって成立しています。そのため今回はそもそも細菌感染とはどういう事なのかというお話をしようと思います。

細菌感染

その名の通り細菌が生体に対して感染を成立させている状態です。細菌とは正式には真正細菌と呼ばれる核膜を持たない原核生物の事で、カビである真核生物の真菌や非生物のウイルスとは全く別の生物です。真正細菌と同じように見られる古細菌と呼ばれる間欠泉などの過酷な環境に生息する生物もいますがこの古細菌も進化的には真正細菌とは別の種類に分類されます。この真正細菌が口腔内で感染を成立させて歯周病や歯の根の先の膿の発生を引き起こしています。

感染とは

感染とはその病巣で増殖を成立させた状況になります。例えそこに細菌がいても増殖する事ができていなければ感染とは言われず、例えば血液の循環の中に細菌が入り込んでも増殖する事ができなければ菌血症と呼ばれ、増殖が成立すれば敗血症と呼ばれます。重度の歯周病では腫脹して血管透過性も上がった感染部位の歯周組織で歯周病関連細菌が血液の流れに入り込み慢性的な菌血症の状態にあると言えます。この循環器系に入り込んだ細菌が心臓の弁などに付着して感染を成立させると心疾患の原因となり得る可能性があるのです。このように、感染とはあくまでも感染部位において細菌の増殖が成立する事が要件となるのです。

何故感染するのか

細菌が感染するためにはまずは細菌が生体の組織に対して付着もしくは侵入が成立する必要があります。この際に利用されるのがそれぞれの細菌が特異的に持つタンパク質でこのタンパク質の機能によって生体の細胞にたいして付着もしくは侵入を成立させていきます。実験的には特定のタンパク質をコードするそれぞれのORFと呼ばれる遺伝子領域を欠失させる事で細菌の特定のタンパク質が人の細胞に対して付着や侵入に寄与しているかを調べる事ができます。

付着や侵入を成立させるタンパク質を特定したら

そのタンパク質を特定する事が出来ればその細菌の細胞への付着や侵入メカニズムを解明する事が可能となってくるためそのメカニズムを抑制する薬の開発など治療法への道筋をつける事も可能となってきます。そのため、それぞれの細菌の感染成立のメカニズムを明らかにする事で治療の可能性の幅を広げる事が出来るのです。

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千種区の歯医者の阿部歯科です。アレルギーには色々種類がありますが特にその中でも今回は重篤なアナフィラキシーショックに関してお話をしようと思います。頻度は低いですが、歯科領域でもごく稀にアナフィラキシーショックが見られる事がありますアナフィラキシーの場合は早急な対処が必要なため迷走神経反射や過換気症候群などと鑑別をしっかりして素早く対処する必要があります。

アナフィラキシーショックとは

アレルギーの種類の内でI型アレルギー、別名で即時型アレルギーとも呼ばれるアレルギーによって重篤な反応が起きてショック状態を呈したものです。アレルギー反応の延長で循環器系に大きな影響が起きてしまった状態とも言えます。I型アレルギーに付随して起きてしまった症状と捉える事もできます。

I型アレルギーとは

アレルギーの型にはその発生機序によってI型からIV型まで分類されます。I型アレルギーと聞くと聞きなれませんが花粉症や食物アレルギーもこのI型アレルギーに含まれます。この型のアレルギーでは花粉や食べ物などのタンパク質が抗原として認識されるところから始まります。食べ物や花粉や他の様々な物質は色々な種類のタンパク質でその物質が構成されています。その中のタンパク質はそれぞれ特徴的な3次元的立体構造を持ちます。これは連なったアミノ酸が3次構造や4次構造を作る事で形作られその構造の中の一部の形が免疫機構によって抗原として認識されます。これをエピトープと呼び、このエピトープに体の中で作られた抗体が付着していきます。I型アレルギーではIgE抗体という種類の抗体がエピトープに結合しこのIgE抗体を介して免疫系の肥満細胞などの免疫細胞が感作されます。感作された肥満細胞などの免疫細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出され体に炎症反応が起きます。この炎症作用が急激に起きて血管拡張、浮腫、腫脹が強く出る事でショック状態や呼吸困難を引き起こしたものがアナフィラキシーショックと呼ばれる状態です。

アナフィラキシーショックと他の類似症状を絶対に間違えてはいけない

歯科治療中に気分の悪さや息苦しさを訴えた際に他の迷走神経反射や過換気症候群などと絶対に間違えてはいけません。それはアナフィラキシーショックが非常に素早い対応を必要とする状態で急激なアレルギー症状を呈する所見を絶対に見落としてはいけないからです。そのためにはそれぞれの状態の発生機序を理解してどういう原因で起きるのかを理解していないとそれに続くさまざまな付随症状を理解することができずに鑑別診断を行えなくなってしまいます。

患者さんがどのような時でも安心して歯科治療を受けられるように幅広い知識が歯科医師にも必要とされるのですね。

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こんにちは、千種区池下の歯医者の阿部歯科です。

注射針は歯科治療の局所麻酔の際の口腔粘膜への注射や、点滴の際の静脈への循環へのルート確保の際、時には全身麻酔下でのリアルタイムでの血圧モニタリングのために動脈に留置針を刺入する際などに使われますがそれらの針の太さは目的に合わせて様々なものが用意されています。針の太さは直径が大きければ大きいほど刺入時の刺激が強く痛みが強いのですが、この注射針の太さはG(ゲージ)と呼ばれる規格が決められておりその規格を見てどの太さの注射針を使うかを決定します。そこで今回は普段あまり気にすることのない注射針に焦点を合わせてお話をしようと思います。

注射針の太さ

注射針の太さはその目的によって太さが変わってきます。細ければ細いほど刺入時の痛みを感じにくいのですがその反面、細いほど液体の流入速度も遅くなります。歯科治療の際の口腔粘膜へに局所麻酔ではかなり細いものが使われており、これは敏感な口腔粘膜に対して可能な限り刺入時の痛みを感じにくくする目的のために細いものが使われています。針の太さは「G(ゲージ)」という単位で太さが決められており、数字が小さければ小さいほど太く、大きければ大きいほど注射針の直径が小さくなっていきます。歯科治療の際の局所麻酔では通常はおおよそ30Gから33Gの太さの注射針のものが使われる事が多くなっています。数字だけ30Gから33Gと聞いてもイメージがつきにくいと思いますが、インフルエンザワクチンの予防注射目的の皮下注射ではおおよそ26G付近の太さの注射針が、点滴などの目的の静脈内注射では22G付近の太さの注射針が、全身麻酔中の術中管理目的の輸液では目的に合わせて18Gから22G付近、全身麻酔中の失血に対する輸液や輸血ではかなり太いものだと16Gに太さの注射針が使われる事もあります。33Gの太さと16Gの太さを比べるとそれぞれおおよそ直径1.6mmと0.2mmと、直径で8倍もの太さの差があります。この注射針の太さの比較から見ても歯科治療の際の局所麻酔の注射針にはかなり細いものが使われている事がわかりますね。

どうしてG(ゲージ)が大きいほど注射針の直径が小さくなるのか

なんとなくのイメージだとゲージの数字が大きくなれば太く、小さくなれば細くなりそうですが注射針の太さの場合は逆になります。ゲージの数字が大きくなれば細く、小さくなれば太くなります。そしてゲージの数字が半分になったから注射針の太さが2倍になるといったような規則性もなくゲージの数字から注射針の太さをイメージするのは非常に困難です。実際の臨床現場ではゲージの数字から大体の太さのイメージを記憶していても、それぞれの注射針のゲージ数の比較からそれぞれの太さの差を計算で出す事はできません。実はこのゲージという規格は19世紀のイギリスで鉄線や鋼鉄線の金属線(ワイヤー)の規格として決められたBirmingham Wire Gauge(バーミンガムワイヤーゲージ)からきており、このゲージの部分をGauge(ゲージ)という規格で注射針に利用したのです。このバーミンガムワイヤーゲージという針金類などに使われる規格が注射針に応用されたのは少し不思議ですね(尚、このバーミンガムワイヤーゲージという金属線の規格は今では大分古いもののようですが、一部では使われているようです)。そしてこのゲージと太さの関係ですが数式では計算不可能でバーミンガムワイヤーゲージで規定された太さに金属線の伸線(金属線を円錐状の筒に通して太さを変える工程)を行い決められているようです。一時期この金属線の太さの定義を数式的に再定義し直すようにするという試みもあったようですが、数式に当てはめてしまうと現在ある規格との太さの間に誤差が生まれてしまうという理由で結局は見送られたようです。これらの金属線の太さについても19世紀のイギリスの時代から色々な人が色々な規格を提案しており、当時のイギリスでも規格が乱立して大変だったようです。

今回は注射針の太さ「G(ゲージ)」についてお話をしましたが元々は19世紀のイギリスの金属線規格のバーミンガム ワイヤー ゲージからきており、太さは計算式ではなく決められた伸線工程での太さで定義されているというお話をしました。歯科治療でも局所麻酔のための注射に使われる注射針ではかなり細いものが採用されていますが、その注射針の太さの規格の成り立ちにはこのようなお話が隠されていたのです。

参考文献:The story of the gauge. J. S. Poll. 1999. Anesthesia

 

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