千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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口腔外科の最近のブログ記事

手に水疱ができたり荒れたりして皮膚科を受診される方もいると思いますが時にはそれが口の中の虫歯と関連している事もあるかもしれないという事をご存知でしょうか?そのため、今回は「手にできた水疱や荒れが虫歯と関連しているかもしれない」、という内容でお話をしようと思います。手と口の中、一見してほとんど関係なさそうだし、やや発想が飛躍してるのではないかとも思われるかもしれませんが、その手の荒れとは、「掌蹠膿疱症」と呼ばれるものです。

掌蹠膿疱症って?

この掌蹠膿疱症ですが、手のひらや、指、足の裏にしばしば左右対称に現れる病気で、多数の水泡を作ったり膨れ上がったり、皮膚がむけたりして、痒さを感じる事があります。体の中で水疱を作るものはウイルス性の病気だったり、免疫応答に関連する免疫疾患の系統の病気である事がしばしばありますが、この掌蹠膿疱症は、歯に詰めた金属や虫歯や歯周病などが原因で起きる事があると言われています。

実際に、両手の指に水疱ができて痒かったのが、虫歯を治した途端に治ったという事が実際にあります。あまり関連がなさそうで突飛な話に聞こえるかもしれませんが、実際に私も虫歯を治したら本当にすぐに指にできていた水疱が治ってしまったという患者さんを見た事があります。口の中の治療をしたら指の水疱が治ってしまったのを見たときは非常に不思議な感じでした。この掌蹠膿疱症ですが、原因がやや不明、という部分があり、虫歯が原因なのか、歯周病が原因なのか、歯に詰めた金属が原因なのかその他の原因なのか、もしくはその他のものが原因なのかはっきりとしないという特徴があります。

ただ、実際の症例として、詰め物の金属を取ったら治ったり、虫歯を治したら治ったり、歯周病の治療をしたら治ったというものが報告されています。虫歯の治療に限らず、特定のビタミンを補充したら治ったという報告もあるようです。

それでもまずは皮膚科への受診を

この病気はあやふやな部分も多くあるため、他の皮膚疾患と勘違いしたりする事もあるので、当然ながらまずは皮膚科を受診する、という事が最優先されます。「虫歯があって指に水疱ができたから掌蹠膿疱症なのかな」と簡単に判断するのではなく、まずは医療機関で臨床診断をはっきりとさせるという事が大切になります。

この掌蹠膿疱症ですが、手のひらや指、足の裏にできる水疱は水疱の中身が細菌やウイルス、もしくは真菌(カビ)には感染していないという事も特徴です。水疱が痒くてかいていたら破ってしまい、傷口に細菌が感染してしまうといった事や、症状が悪化して小さな水疱がいくつもできてそれが集まって大きな水疱を作ってしまうといった事は起きる場合があるようです。

自分で見分けるのはむつかしい

皮膚に限らず、口の中の粘膜でも水疱を作る病気は単純ヘルペスウイルスや帯状疱疹ウイルスなどのウイルス性疾患や、免疫に関連する疾患にしばしば見られているので、それがウイルス性の感染なのか、自己の免疫に関連するものなのか、掌蹠膿疱症のように虫歯や歯周病に、歯の詰め物の金属が関連して起きてきているのか、などしっかり状態を把握する事が大切になってきます。

近年では掌蹠膿疱症はビタミンの一種であるビオチンが血中で不足して起こるのではないかと言われたり、特定の細菌に対する免疫応答が関連するのではないかと言われたろしますが、まだまだわかってない事が多くあるようです。

真菌性の感染(カビ)でもなくなかなか治らない手の荒れが歯科治療で治ったという話は報告や実際に他の先生方からも聞く事があります。あくまでも、虫歯や歯周病が手の荒れを直接起こしたということではなく、上の書いてあるように、口の中に存在する細菌が虫歯や歯周病の病巣で増殖を起こし、結果としてその細菌自体もしくはそれらに関連するものが血中を介して免疫応答を起こした結果なのかもしれません。歯の詰め物の金属が金属アレルギーを引き起こしてして、それが免疫応答に関連している可能性もあります。

実際に、掌蹠膿疱症のある患者さんの一部は関節炎を引き起こすと報告されていますが、炎症とは免疫応答そのものですので、何かしらの原因が免疫応答を引き起こして炎症となっているようです。その免疫応答を起こした原因が、虫歯や歯周病や詰め物の金属かもしれないという事なのですね。

詰め物の金属を外したら治ったという場合でも、もしかしたら金属アレルギーではなく、金属の下が虫歯になっていたり、金属と歯のつなぎ目に汚れがたまりやすくなっていて、そこで細菌が繁殖していたりする場合も考えられます。単純に「これ」と原因を断定するのは難しいようです。

手のひらや指に水疱を作る病気も掌蹠膿疱症だけではないので、あくまでも口の中の病気に関連したものも一部ある可能性がある、という認識になると思います。

しかしながらこの掌蹠膿疱症ですが、手のひらや指、足の裏や足の指にできるという話は聞いた事がありますが、なぜこのような四肢の末端に限定してくるのかが不思議です。ごく稀にその他の部位にも水疱ができてくる事もあるようですが稀のようですね。

まだまだ未解明な部分の多いこの掌蹠膿疱症ですが、より深くその原因と病気が起きるメカニズムが解明されると良いですね。

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日曜日も診療をしている千種区の歯医者の阿部歯科では口腔外科・歯周病治療・審美歯科に限らず様々な事柄に関してお役に立つ情報をお伝えしていければいいなと考えています。

 

 

こんにちは、阿部歯科の副院長の阿部利晴です。

今回は口内炎についてお話をしようと思います。口内炎といえば、口の中を咬んでしまったり、食生活が傾いて体が栄養不足になったり、暑さや忙しさで体力が落ちたりした時に口の中や口の横にできたりする傷ですね。傷を触ったり食事や会話の時に口を動かすと痛いので大変ですよね。治りかけても口内炎をまた咬んでしまったり、口を開けた拍子にまた傷が広がってしまったりなど、私にも苦い経験があります。

口内炎ができた時の対処法

この口内炎(口の横にできる場合は口角炎と言いますが)ができると皆さんはどうされていますか?口内炎が痛いので食事がうまく取れずに体力が落ちてしまうという人もいるかと思いましすし、何かの塗り薬を塗る、という人もいるかと思います。

この塗り薬ですが、口内炎ができたら塗ればいいのかどうなのか?というのが今回お話する内容です。結論から言いますと、口内炎のできた原因と塗り薬の種類によっては塗り薬を塗る事で症状が悪化してしまう事もあります。

口内炎といえば、体力の低下と栄養不足によって口の粘膜の新陳代謝が落ちて口内炎を作る場合と、単純ヘルペスウイルスなどのウイルスによって口内炎を作る場合があります。

体力の低下や栄養不足で細胞の代謝が悪くなる事が原因で口内炎ができた場合は炎症や痛みを抑えるような成分が入った塗り薬を塗る事で症状を抑える事ができる場合もありますが、ヘルペスウイルスなどのウイルスによって口内炎ができている場合は、ステロイド成分が入った塗り薬を塗ってしまうとかえって症状が悪化してしまう事がしばしばあります。

口内炎を起こすウイルスや真菌

口内炎を起こすウイルスは単純ヘルペスウイルスが有名ですが、帯状疱疹ウイルスや、他にはカンジダなどの真菌によっても口内炎ができる事があります。口内炎や口角炎を作る単純ヘルペスウイルスは非常にありふれたウイルスで日本人の7割から8割は感染していると言われています。口内炎や口角炎を作る単純ヘルペスウイルスは単純ヘルペスのI型と言われ、別には口唇ヘルペスウイルスとも呼ばれます。単純ヘルペスウイルスは、普段は神経に潜伏して身を潜めていますが、体力の低下に伴う免疫力の低下で再び活動と増殖を開始して口内炎や口角炎を引き起こします。

免疫力の低下によるウイルスの増殖で口内炎が出来た時に傷口にステロイドを含む塗り薬を塗ってしまうとステロイドの強い免疫抑制作用でかえってウイルスの活動や増殖が助けられて口内炎がひどくなる事があります。

ステロイドの含まれた軟膏は強力に炎症や免疫抑制作用を抑制するので、免疫作用による痛みや腫れを伴う炎症自体を抑えたい時には有効な場合もあるのですが、ウイルスや真性細菌、真菌が感染している場合には免疫作用を抑制する事でそれらの活動や増殖を手助けしてしまう場合もあるのです使用には注意が必要です。

口内炎の治り方

口内炎自体は通常であれば2週間ほどで細胞の新陳代謝により落ち着いてくる事が多いですが、軟膏を塗るとしたら消毒作用や抗菌薬が含まれているものを使うこともあります。抗菌薬自体は真性細胞には効きやすいものの、ウイルスには効かないのですが、できてしまった傷口に細菌が感染してしまわないように予防のため使ったり、傷口を刺激から守ってカバーするといった目的のために使われる事があります。

このように、ステロイドや抗菌薬や消毒成分など軟膏の中に入っている成分によっては口内炎への使用は注意しないといけません。こういった原因による口内炎のでは通常2週間ほどで治ってくる事が多いのですが、口内炎が1ヶ月など長期にわたっていつまでも治らずに続く場合にはさらに注意が必要な事があります。

口の中を咬んでできてしまう口内炎も、ウイルスによってできる口内炎も2週間ほど経てば、細胞の回復と新しい細胞への置き換わりが起きるので、治りが遅れてもすこしづつでも治る事が多いのですが、悪い出来物によってできた口内炎のような傷の場合はいつまでも傷が残ったりします。

悪い出来物、いわゆる「ガン」が代表されますが、このような悪い出来物によってできた口内炎のような傷は治癒が遅れる事も特徴の一つです。傷ができているのに痛みを感じない事もあります。

このような症状の口内炎に見える傷が確認されたらすぐに大学病院や市民病院に紹介をして精密検査をする必要があります。こういった症状の他にも、見た目や形、組織の下の感触など通常の口内炎とは違った性質をもっており、このような口内炎のような傷の場合は、安易にステロイド入りの塗り薬をるのは免疫作用を抑制するのでよくありません。

口内炎ができてしまったら、抗菌薬やステロイドなど、いろいろな成分が入った軟膏がありますが、それぞれの症状や体の状態、治り方や自分の体質に合うか合わないかなど総合的に見て慎重に使っていく必要があります。

口内炎ができると、どうしても「痛くて食事ができない!」となったりしますがまずは口内炎の状態や経過をよく観察する事が大切となってきます。

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口内炎や口角炎が口の中にできると痛いですよね。これらのものは栄養が不足したり体が疲れているとできやすいのですが、口の中を傷つけてしまった場合にもできる事があります。色々な理由でできる可能性のある口内炎や口角炎ですがウイルスが原因でできる事もあります。その原因となるウイルスの内の口唇ヘルペスウイルスというウイルスに焦点を当てて今回はお話をしようと思います。

そもそもウイルスって?

ウイルスという言葉はよく聞くと思いますが、細菌やカビなどこれらの微生物と比べてあまり違いを考えた事はないかもしれませんね。なんとなく悪いものだろうとイメージくらいなのかもしれませんがこのウイルスと細菌(正確には真性細菌)とカビ(いわゆる真菌)は全部小さな存在ですが全く違った存在です。簡単に言うと

ウイルスは生物ではない

細菌は原核生物

カビは真核生物

というそもそものくくり自体が大きく異なります。細菌とカビの話は今回は別として、ウイルスについてもう少しお話をしようと思います。ウイルスは生物ではないと書きましたが、これは生物の定義という面から外れているので生物ではないと分類されています。そもそも生物である事の大前提が、「自ら増える事ができる」という点にあります。

そうなんです。ウイルスは自分では増える事ができないんです。どうやって増えるかというと、細胞などの生物に寄生してその生物の増殖機構に乗っかって一緒に増えるという性質があるのです。自分で増えるのではなく、他人に増やしてもらうのですね。そのウイルスの存在も非常に特殊でカプシドと呼ばれるタンパク質の殻の中にDNAやRNAなどの遺伝子のカケラが包まれているという状態です。そしてこの遺伝子のカケラを包んだタンパク質の殻が空気や水や体の中を漂うように流されて生物の細胞の上にちょうど宇宙船が月に不時着するように不時着して中にある遺伝子のカケラを細胞へと注入します。ウイルスの形の中には本当に月面着陸船のような形をしているものもありますよ。

口唇ヘルペスって?

そのように、ウイルスは生物ではない特殊な存在なのですが、今回のお話の中心の口唇ヘルペスウイルスも生物ではありません。口唇ヘルペスという名前の方が分かりやすいのですが、正確には単純ヘルペスウイルス1型という名前がついています。ヘルペスウイルス科という種類の中に含まれているのですが、帯状疱疹ウイルスもこのヘルペスウイルス科に含まれており、口唇ヘルペスウイルスが起こす口角炎が酷くなったような症状が見られたりします。帯状疱疹ウイルスは顔ではなく体にできると神経の走行に沿って帯状に水疱ができるので帯状の疱疹(水ぶくれ)ができるウイルスと名前がついています。

少し話が逸れましたが、帯状疱疹ウイルスが神経に沿って症状を見せるのと同様に口唇ヘルペスウイルスも神経に関連しています。このヘルペスウイルス科のウイルスたちですが、実は神経の細胞に潜伏します。そして体の抵抗力が落ちた時を見計らって暴れ出して細胞の増殖機構に相乗りして自分たちも増殖していきます。こんな厄介な口唇ヘルペスウイルスですが、日本人の70%くらいはすでに感染していると言われるくらいとてつもない感染力を持っています。ただ、普段私たちが普通に生活していても特に口内炎や口角炎ができるわけではないように、体の抵抗力が落ちて免疫作用が弱った頃合いを見計らって神経に潜伏していたウイルスが暴れ出すのです。

実は人類の役にも立ってる

この口内炎や口角炎を起こすなんとも厄介な口唇ヘルペスウイルスが(単純ヘルペスウイルス)ですが、実は人類のために非常に役に立っている側面もあるのです。どの側面というのが、遺伝子組み換えの研究です。実はこの単純ヘルペスウイルスですが、その感染力の強さと人の細胞に感染するという能力を活かして人工的に作り上げた遺伝子を人の細胞に取り込ませるというような利用方法が使われています。当然実験室の出来事なので人への感染とは別なのですが、この単純ヘルペスウイルスの人に寄生する能力の部分だけを取り出して無害化した上でその遺伝子の中に細胞に組み込みたいDNAを入れて細胞に取りこませて遺伝子組み換えを起こさせるというような使い方が行われています。

この遺伝子組み換えを行なった細胞を使って様々な体の機能の解明や新しい治療薬の発見や薬の効き具合の実験が行われるのです。細胞に遺伝子組み換えを起こさせる方法は色々あるのですが、この単純ヘルペスウイルスの遺伝子を利用した方法も使われており、実は知らないところで人類に大きく貢献しているのです。

しかしながら、口内炎や口角炎を作るという事には変わりないので体の体調を整えて抵抗力が落ちないようにする事が大切となるのですね。

今回は口唇ヘルペスウイルスに焦点を当ててお話しましたが、この他にも口唇ヘルペスウイルスが原因で口内炎や口角炎ができた場合にはステロイドの含まれた軟膏を使ってはいけないなど色々な注意点があるので、口内炎や口角炎がどのような原因でできたのかというのを診断するのもとても大切な事となります。

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こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科です。歯科の治療と併用して恐怖心や治療に悪影響を及ぼす反射を抑える目的で静脈内鎮静法という手法を使う場合があります。そこで今回は静脈内鎮静法についてお話をしようと思います。

静脈内鎮静法とは

名前の通り静脈内に鎮静に用いる薬剤を入れて反射を抑える手法です。鎮静法自体の目的は体の反射を落として治療をしやすくするという点にあるため麻酔のような痛みの管理には用いられません。状態としてはウットリと眠くなるような状態になりますが静脈内鎮静法に用いられるプロポフォールは全身麻酔にも用いられます。言い換えれば静脈内鎮静法とプロポフォールを使った全身麻酔の差は鎮静の深度とも言えます。そのため不用意にプロポフォールを大量に使うと自発呼吸も抑制されてしまうため静脈内鎮静法の際のプロポフォールの量の管理は非常に気をつけなければいけません。

プロポフォールは血圧も下げる

プロポフォールという薬剤は白い色をした薬剤なのですが、静脈からこの薬剤を流し込む時には血管がピリピリするような血管痛を感じます。そして主な目的でもある体の反射を落とすのと同時に強い血圧の低下作用があります。そのためプロポフォールを使った静脈内鎮静法の際は眠くなるような感じと共に血圧も下がります。側から見ためには寝ているように見えますが、鎮静と睡眠には大きな違いがあります。それは鎮静の際にが厳密に管理をしないと危険だという事です。鎮静の深度が深くなるのに合わせて体が脱力し口の中の舌の力も抜けていきます。その際に気をつけないといけないのが舌の脱力による舌根沈下に伴う気道の閉塞です。つまりは舌が呼吸をするための気道を塞いでしまい呼吸が止められてしまうという状態です。この状態はプロポフォールの麻酔深度が深くなることによる呼吸の停止とは別で舌で気道が塞がれてしまい呼吸したくてもできないという状態になっています。そのためプロポフォールを使った静脈内鎮静法の際には厳重な呼吸のチェックが必要となります。

このプロポフォールという薬剤は非常に有用な薬なのですが同時にとても強い薬なので非常に注意深く使う必要があります。呼吸の問題だけではなく血圧といった循環もプロポフォールによって操作されることになるのでこのような薬剤は非常に注意深く使う必要があると共に薬剤の特性に対して深い知識と経験がとても重要となってきます。そのため眠るような感じという印象とは大きく異なった薬剤強い効果があるのでプロポフォールを使った静脈内鎮静法をする際にはその特性に対する説明を施術者からよく聞かれるといいかもしれません。

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歯科領域において行われる麻酔にはいくつか種類があります。歯科治療の際に疼痛のコントロールのためによく行われる浸潤麻酔から口腔外科の大きな手術の際に行われる全身麻酔まで様々です。そこで今回は歯科領域において行われる麻酔の種類に関してお話をしようと思います。

浸潤麻酔

麻酔薬のカートリッジから薬液を注射で口腔内の歯肉や頬粘膜、時には舌や口唇にも麻酔を行い麻酔薬を浸透させて疼痛のコントロールを行います。麻酔薬を組織内に注入して浸潤させる事から浸潤麻酔とも呼ばれます。歯科治療の際に最もよく行われる種類の麻酔方法です。歯科領域ではよく「浸麻」と略して言いますが麻酔領域で「しんま」と言ってしまうと心臓マッサージと勘違いされてしまいます。

下顎孔伝達麻酔

下顎の水平埋伏智歯の抜歯の際などに行う事があります。浸潤麻酔に使う針よりも太く長い針を使って下顎孔付近に麻酔薬を注入して下顎孔へと入る下歯槽神経の支配部位に対して麻酔する事ができます。ある程度の太さのある神経を目標にして針先を進めるので手技を間違えると稀に神経を痛めてしまう事もあります。絶対に必須という症例はそこまでは多くなく、下顎の水平埋伏智歯に対する抜歯でもほとんどは浸潤麻酔で対応してしまいます。

鎮静法

プロポフォールによる静脈内鎮静や笑気ガスを使った精神鎮静です。精神鎮静法自体に麻酔作用はありません。嘔吐反射が強すぎたり歯科治療に対する恐怖心が強すぎる場合に使われる事もありますが、プロポフォールによる静脈内鎮静は疼痛をコントロールする麻酔効果はないため、疼痛のコントロールをする場合は他の麻酔法も併用しなければいけません。プロポフォールによる静脈内鎮静は循環虚脱による血圧の低下や舌根沈下といった状態も現れるので十分に管理された元でやる必要があるためあまり安易には行われません。亜酸化窒素を使う笑気の場合は笑気ガスを使うためガスが周りに漏れる事を留意しなければいけません。笑気には弱い麻酔作用があるので全身麻酔の際に使われる事もあります。

全身麻酔

手術室で行い意識レベルを落として人工呼吸器による呼吸管理と循環の管理、疼痛コントロールを行う麻酔です。セボフルランなどの吸入麻酔を使うものから鎮静法でも使われるプロポフォールに加えて疼痛コントロールに使う薬剤を併用する方法まで様々な方法があります。プロポフォールが全身麻酔に使われている事から分かるように精神鎮静法で使われるプロポフォールの量を誤ると意識レベルが落ちて呼吸管理と循環管理をしないといけない状態に陥ってしまう可能性があるので鎮静法としてプロポフォールを使う際には十分な知識と管理が必要になります。プロポフォールを使った全身麻酔の術中管理は吸入麻酔を使わず全て静脈からの薬液によって管理されるため全静脈麻酔(TIVA: Total Intravenous Anesthesia)と呼ばれます。

このように歯科治療や歯科領域の際にはこれらの麻酔方法が使われる事があります。

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こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科です。舌をまじまじと見ることは少ないと思いますが思いもかけずに鏡で舌を見たときに舌に色が付いている事に気がつく事があります。そんな舌の着色の中でも今回は黒毛舌というという状態についてお話をしようと思います。

舌の色が変わった

通常の舌はやや白っぽいピンク色をしていますが人によって舌に色が付いてしまう事があります。舌の色が変わる場合でも黒っぽく変わる事がありこれは黒毛舌と呼ばれます。色の元の多くは細菌や真菌が産生する黒色色素からきており、この黒色色素が舌に存在するデコボコの舌乳頭という組織の間に着色してしまっている状態です。舌をよく見ると舌の表面にはツブツブしたものが付いていますがこれが舌乳頭と呼ばれる組織で正常な舌はツルツルではなく舌乳頭によってデコボコしています。

どうして黒色色素が着色したのか

黒色色素は空気を嫌う嫌気性細菌や真菌の一部が産生しますが、歯周病菌で有名なP. gingivalisも黒色色素を産生する能力があります。通常の舌では舌が黒くなかったのに急に黒くなる理由は口腔内の細菌の構成が変わった可能性があります。通常ではそれほど多くなかった黒色色素産生能力のある細菌や真菌が抗菌薬の長期投与や免疫機能の変化、口腔内清掃状態不良など様々な理由で増殖したために口腔内の細菌の構成バランスが崩れて、菌交代現象という現象が起きた可能性があります。

黒毛舌は 治るのか?

まずは黒毛舌はいつから黒色になっているのかという事を確認する必要があります。舌の色の変化には黒毛舌とは別に注意が必要な病気も存在するため、その黒色が黒毛舌によるものなのかという事を確認しなければいけません。それは黒色の広がり方や舌の表面の性状など複数の項目を確認していかなければいけません。黒毛舌による着色と分かれば体調不良による免疫機能の低下が落ち着いたり、抗菌薬(抗生物質など)の投与が終われば菌交代現象によって崩れていた口腔内の細菌バランスが元に戻り細菌叢(フローラ)と呼ばれる口の中の細菌の分布が通常通りになる事で黒色が解消されてきます。ただし、長期間にわたって舌の着色が続いていた場合は口腔内の細菌バランスが固定されてきていて舌の着色がつくような細菌叢がその人の通常の口腔内細菌バランスとなってしまった場合は舌の着色は続いてしまう場合があります。

急激な菌交代現象による着色の場合は1週間単位で舌の色が変わったり戻ったりする事もあるので舌の色が気になった場合は色の変化がどのように変わってきているのかという事は少し注意してみるといいかもしれません

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親知らずの抜歯といえば抜くのが大変というイメージがあるかもしれませんが、下の親知らずを抜く場合に歯が横に寝ていて歯茎に埋まっている場合は歯茎の一部を切ったり骨を削ったり、歯そのものをバラバラに分割して抜いてくる場合もあります。しかしながら親知らずを抜く場合にわざと根の先端を残して根の一部は抜かないこともあるという場合もある事をご存知でしょうか?

 上の親知らずで歯の根を残す場合

通常は上の親知らずの場合は基本的に歯の根の一部を残す事はありません。しかしながら時々歯の根の先端が大きく曲がり抜くときに歯の根の先端が折れる事があります。この時に歯の根の先端に感染がなくかつ根の先端が上顎にある上顎洞という空間に非常に近い場合はそれ以上抜くことを追求しない場合があります。これは残された歯の根の先端を抜こうと器具に力を入れた際に残された根の先端を上顎洞に押し込んでしまう可能性があるからです。通常、感染のない歯の根の先端が骨内に残されると時間の経過とともに歯の根が骨と結合して骨の代謝とともに吸収されていくからです。このように残された歯の根の先端を抜こうとする方がリスクが高くなる場合はあえて感染のしていない歯の根を残して自然に吸収されるのを待つ場合があります

 下の親知らずで歯の根を残す場合

この場合には上の親知らずと同様に歯の根の形態の問題で折れてしまった根の先端を残す場合とわざと歯の根と歯の頭の部分を分割して歯の根を残す場合があります。

歯の根の形態が問題で折れてしまった歯の根の先端を残す場合があるのは、歯の根が感染しておらず、かつ根の先端が顎の中を通る下歯槽神経の通る下歯槽管という空間に非常に近接している場合です。この時に残された歯の根を抜こうと力を込めてしまうと根に先端を下歯槽管に押し込んでしまい下歯槽神経を傷つけてしまう事があるためリスクを考えた上であえて抜かずに自然に吸収されるのを待つ場合があります。

 

それとは別に歯の頭と根を分割して根の部分だけを残す場合もあります。これはコロネクトミーという方法で親知らずの根の先端が下歯槽管に元々突き抜けていたり歯の根がガッチリと下歯槽神経を抱え込んでしまっている場合に行われる事があります。これらの場合は抜く前の状態ですでに親知らずの根の部分を抜く事で物理的に下歯槽神経を傷つけてしまう事が予想されるため、あえて歯の頭の部分だけを抜き、根の部分は残して下歯槽神経にダメージを与えないようにする方法です。この根だけを残してしばらくすると残された歯の根が段々と移動してきて数年後に下歯槽神経から離れてくる場合もあるのでその時に改めて残した歯の根を抜くようにする場合もあります。

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歯科治療を受けている患者さんの中で時々気持ちが悪くなったり体調が悪くなる患者さんがいます。その症状は軽微なものから重篤なものまで様々に分かれます。そこで今回は比較的歯科治療中に起きやすいものから起きることは非常に少ないものの注意する必要のあるものに関してお話をしようと思います。

迷走神経反射

歯科治療の際に比較的起きやすいものが迷走神経反射です。局所麻酔薬の際に比較的起きやすく、治療に不安を抱えていたりする患者さんに不用意に気にせず注射針をブスッと刺すと起きる場合があります。口腔内には三叉神経と呼ばれる神経が広く分布しておりこの神経に対して注射針を不用意に刺すなどの強い刺激を加えると三叉の求心性の刺激を介して迷走神経が刺激される事があります。迷走神経が刺激される事で様々な副交感神経の働きが起きて血圧の低下や虚脱感などを感じて気分の悪さを訴えます。三叉神経の求心性の刺激に刺激されて迷走神経が遠心性に反応する事から三叉迷走神経反射とも呼ばれます。

過換気症候群

過換気症候群も歯科治療に極度に不安を感じていたり恐怖心を抱いてる人に起きる事があります。この症状の本態は通常の呼吸回数よりも緊張によって呼吸回数が多くなる過呼吸という状態に基づきます。この過呼吸が血中の酸素二酸化炭素の交換を過剰に起こし血中の酸塩基平衡が崩れてアルカリ性に傾き呼吸性アルカローシスを引き起こします。呼吸性アルカローシスを起こす事で初期症状として指先のしびれを感じ始めますので過換気症候群ではこの指先のしびれのサインと過呼吸による胸郭の素早い上下の動きを見逃してはいけないのです。

アレルギー症状

アレルギー症状では麻酔薬などの注入による即時型アレルギーの症状のサインを見逃してはいけません。アレルギーは炎症反応によりものなので免疫機構による浮腫、腫脹、発赤などのサインを見逃さずに診断する必要が出てきます。重篤なものではショックへと移行するので素早い判断と鑑別診断が必要となる状態の1つです。アレルギー症状に付随するショックではアナフィラキシーショックに注意が必要であり、アナフィラキシーショックの症状とその他の三叉迷走神経反射や過換気症候群との症状の違いを完全に理解している事が必要となります。

 

この他にも中毒症状やてんかんなど様々な要因によって起きる症状があるので歯科治療の際の思わぬ症状にはその作用機序と発生機構を理解して素早い鑑別診断と適切な対処が必要となってくるのです。

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※※※ 名古屋市千種区池下の歯医者の阿部歯科では患者さんの歯科治療や治療に関連する色々な疑問に関しても情報をお届けしています ※※※

 

病院や歯科医院で飲み薬の抗菌薬が出される事がありますが、この飲み薬の抗菌薬に関して「飲んでどれくらい効いているのか?」と疑問に思った事はありませんか?抗菌薬の効果には真正細菌に対する感受性の範囲である抗菌スペクトルと生物学的利用能であるバイオアベイラビリティが関係しますが今回はこの「生物学的利用能:バイオアベイラビリティ」についてお話をしようと思います。

バイオアベイラビリティ

抗菌薬が機能を発揮するためには抗菌薬が細菌に対して届かないといけません。しかし服薬の場合は抗菌薬が細菌に届くまでに様々な代謝を受けて本来の抗菌薬の構造が変わり本来あった全ての抗菌薬の成分が届くわけではありません。つまり100あった抗菌薬の成分が代謝を受けて一部が失われて50や30になってしまう、これを生物学的利用能:バイオアベイラビリティと呼びます。飲み薬である服薬の際のバイオアベイラビリティは抗菌薬によっておおよそ決まっています。

初回通過効果

抗菌薬が服薬された後に体に吸収されないと抗菌薬の成分は循環に達する事ができません。この吸収されてから循環に達する際に代謝される過程を初回通過交換と呼びます。代謝は主に肝臓で行われてこれらの代謝やその他の分解などの要因によってバイオアベイラビリティが決定し、どれだけ循環へと達するかが決まってきます。このバイオアベイラビリティに加えて体循環の際による薬剤効果の低下である半減期が細菌感染に対して影響をしていきます。この初回通過を受けない、つまり点滴による抗菌薬の静脈内投与の場合は抗菌薬の成分全てが循環に達するという事ができます。そのため強くて急を要する細菌感染の場合は点滴による抗菌薬の静脈内投与が選択される事があるのです。

新しい薬ほどバイオアベイラビリティが高いわけではない

細菌感染に対する抗菌薬の効果はこれらのバイオアベイラビリティ、抗菌スペクトル、半減期などの複数の要因によって決定されるので新しい抗菌薬ほどバイオアベイラビリティが高いというわけではありません。逆に言えば例え服薬の際のバイオアベイラビリティが100%に近くても抗菌スペクトルから外れていれば効果は非常に薄いという言い方もできます。歯科領域で比較的よく使われるβラクタム系の抗菌薬も新しい世代の抗菌薬よりも古い世代の抗菌薬の方がバイオアベイラビリティが数倍高い事も珍しくありませんが、このバイオアベイラビリティはあくまでも循環に達するかどうかという括りで効能は上に書いたように複合的な要素で決定してきます。

飲み薬として服薬した抗菌薬でも必ずしも飲んだ成分全てが循環に達するわけではなく薬によっては飲んだ成分の20%ほどしか血中に移行しないものもあるのです。

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千種区の歯医者の阿部歯科では患者さんに役立つ歯科医学知識も分かりやすくお伝えできるよう心がけています。

口の中には小帯と呼ばれるヒダのような部位が存在します。そのヒダには上唇小帯、下唇小帯、頬小帯、舌小帯という種類があります。これらは通常はすべての人が持っています。例えば、鏡を見ながら舌を上にあげると舌の下の面に縦に見える薄い皮のようなものが舌小帯です。これらの小帯と呼ばれる部位は通常であれば問題とならないのですが場合に行っては問題になる事があります。

小帯の異常

舌小帯の帯が大きすぎると舌の動きが制約される場合があります。口を開けた状態で舌を上にあげて舌で上の前歯をさわれないくらいだと舌小帯が強く付着している可能性があります。このような場合は舌の動きが悪く発音に影響を及ぼす事もあります。

上唇小帯は上の前歯の真ん中と唇の内側にあります。この部位は発音には影響しませんが子供の歯の生え変わりの際に問題になる場合があります。上唇小帯がしっかりとできているとその帯が前歯と前歯の間の歯茎に線維として残ってしまいうまく歯と歯の隙間が閉じない場合があります。これは乳歯が永久歯に生え変わって行く段階で問題になる事があり、上の前歯が生えたばかりの頃は真ん中に隙間が空いているのですが他の部位の永久歯の生え変わりに合わせて段々と隙間が閉じてきます。この真ん中の隙間が閉じてくる段階の時に上唇小帯が強く付着していると線維状の筋が邪魔をして前歯の真ん中が空いた状態が残ってしまう事があります。

下唇小帯は上唇小帯とは逆に下の前歯の真ん中と唇の内側に位置しています。上唇小帯が下についた状態なのですが下唇小帯の場合は上唇小帯ほど問題になる事は少ないです。頬小帯は上の両側の奥歯と頬の内側の間に位置していますがこの頬小帯もあまり問題となる事は比較的少ないです。

小帯付着異常の場合はどうするのか

小帯付着異常では上であげたように小帯が通常より発達していたりして強く付着している状態なのですが、生活の上で問題とならない場合は様子を見る場合が多いです。ただし舌小帯や上唇小帯の付着異常のように発音の問題が出てきたり歯の生え変わりの際に隙間が空いてしまう可能性がある場合は問題が起きる前に小帯の一部を外科的に切り取ってしまう事が必要な場合もあります。特に上唇小帯の場合は歯の生え変わりの前に処置をしないと意味がなくなってしまうので上唇小帯の付着異常に対する外科処置は通常は小さいお子さんに対して行われる事が多いです。

このようにあまり聞きなれない口の中にある小帯という組織ですが場合によっては外科的に切除する事も考える必要もあります。

上唇小帯.jpg

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