千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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当院副院長からのお知らせ、出来事のご紹介です。

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歯が虫歯になってしまい歯の神経が細菌感染と炎症を起こしてしまった際に歯の神経を取って元々神経があった場所を洗浄する必要があります。歯の神経には主要な主根管と呼ばれる神経の大部分が存在する空間があるのですが実はこの神経の通り道は一本道ではないというお話をしようと思います。

副根管と側枝

歯の神経は骨の中から歯に向かって入っていき歯の頭の部分に存在する冠部歯髄という場所まで到達します。この歯髄と呼ばれる神経は大部分が主根管と呼ばれる太い空間を通るのですがこの空間は一本道ではなく副根管と呼ばれる主根管よりも細い空間や根管から枝分かれした側枝という空間にも木の枝のように枝分かれするように広がっています。これらの経路は非常に複雑で主根管や副根管以外の微小な枝分かれしている空間は物理的に神経を取り除くのが非常に難しくなっています。そのため歯の神経の治療では歯の神経を物理的に取り除くのと同時に消毒薬を使った化学的な洗浄も併用して根管内の洗浄と消毒を進めていきます。

この洗浄では消毒薬を使った化学的な消毒と超音波を利用した発泡作用による洗浄を併用して細かい部分まで清掃を進めていきます。

歯の神経の通り道は想像以上に複雑

このように歯の神経の通り道は目では見えないような枝分かれが複雑に入り組んでいます。歯の根の部分は歯の種類によって様々で1本であったり3本であったりします。歯の根1本につき主根管が1本の事が多いのですが1本の歯の根に対して主根管の他に副根管という歯の神経の通り道がある事もあります。この副根管は歯の種類によって発生率が様々でこの歯の種類毎の副根管の発生率を理解しておく事も根の治療では大切な事となります。この副根管の存在の可能性を理解しておく事で副根管の存在に注意しながら歯の根の治療をする事ができます。

歯の神経の治療は物理的、化学的両方の洗浄が大切

このように歯の神経の通り道には物理的に届く事が難しい空間があるため物理的な清掃と同時に消毒薬による化学的な洗浄が大切になります。それらの物理的、化学的な洗浄とともに他にも様々な方法を併用して細菌に感染した神経を除去し、細菌感染を取り除いていく事となります。

歯の神経の治療法も清掃と洗浄に関して方法が次第に変わってきており以前の根管内の洗浄方法からより細菌感染を取り除くのに適した方法、手技へと進化してきています。新しい材料、機材、手技など常に最新の論文などを確認して新しい知識を得続ける事がとても大切となってくるのです。

歯の神経の枝分かれ.jpg

☆☆☆ 千種区の歯医者の阿部歯科では患者さんが普段なかなか知る機会のない歯の豆知識もお届けしています。 ☆☆☆

 

歯医者さんで治療をしていると、「歯の神経が痛んでいる」とか、「歯の神経が感染しているので神経を取らないといけない」と言われた経験のある患者さんもいるかもしれませんが、そもそも歯の神経って一体なんだかよく分からないと不思議に思った事はありますか?

歯の神経とは

歯の神経という言い方は、患者さんが歯の痛みを感じたりしているので分かりやすく伝えているのですが、具体的にいうと歯の中に張り巡らされた神経、血管を含めた軟組織全部を指しています。手を触ると触った感触を感じたり、お湯を手にこぼすと熱さを感じますが、実は歯の中に張り巡らされた神経は冷たさや熱さ、感触は感じません、唯一感じるのは痛みだけです。冷たさや熱さの刺激を痛みとして感じているのです。感じる痛みにも2種類あって、歯の中の神経は鈍い痛みと鋭い痛みを感じることができます。

冷たいものや熱いもので痛みを感じる

虫歯ができると冷たいものや熱いもので痛みを感じる事がありますよね。この状態は冷たさや熱さを感じているわけではなく、歯にとっては単純に刺激を痛みとして感じている状態にあります。虫歯ができると歯の構造の内の象牙質という組織が露出します。この組織には小さな管が張り巡らされていてその中に満たされている水分が冷たさや熱さやものが触れた時の刺激によって揺り動かされて歯の中の痛みを感じる神経に伝わりこれらの刺激を痛みとして感じ取ります。

物を噛んだ時の感触

歯の中に張り巡らされた神経とは別に物を噛んだ時の感触のセンサーというのも実はありますが、これは歯の中ではなく、歯の外側にある歯根膜という組織が感じ取っています。歯根膜は歯と骨の間にクッションのように位置しており骨に対して歯をハンモックで釣り上げるように持ち上げています。物を噛むとこのハンモックが沈み込み物を噛んだ感触として感じ取ります。このセンサーは普段物を噛んだ時には感触として感じ取りますが、あまりに強く噛みすぎたり歯の周りに炎症が起きている時は痛みとして体に伝えて必要以上に歯の周りの組織にダメージが起きないようにしています。このハンモックが適正に沈み込んだ場合は最大で歯は骨に対して0.5mmまで沈み込む事ができると言われています。

虫歯の痛みは歯の神経が、噛んだ感触は歯根膜が

そのため、歯医者さんでの治療の時に「歯の神経が」と言われた場合はこの歯の内部に張り巡らされた神経を含む血管と軟組織全てを指している事が多いのですね。それとは別に歯をグッと噛んだ時に痛みを感じる場合は歯の中の神経ではなく、歯の周りに張り巡らされた歯根膜の中にあるセンサーが痛みを感じている事が多いです。

歯の神経.jpg

こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科です。歯を噛み合わせたり物を噛んだりした時に痛みを感じる事があるかもしれませんがこの時に歯を何かでコンコンと叩いた時に痛みを感じる場合があります。歯の痛みには外部からの刺激で神経を介して感じるものと炎症によるものがあります。今回は歯を叩いた時に感じる痛みについてお話をしようと思います。

垂直方向の痛み、水平方向の痛み

歯を叩いた時に歯の軸方向に感じる痛み(垂直方向に感じる痛み)と歯の側面を叩いた時に感じる痛み(水平方向に感じる痛み)があります。垂直方向に痛みを感じる場合は根尖部に炎症がある事が多く、水平方向に痛みを感じる場合は歯の周囲に炎症がある場合が多いです。この根尖部の炎症と歯の周囲の炎症は歯根膜を介して根尖を含めた歯の周囲全部に歯根膜炎を起こす事もあるのでこの場合は水平方向と垂直方向両方に痛みを感じる場合もあります。歯根膜炎が起きた状態でも原発巣の炎症が強くなっている事が多いので垂直方向と水平方向の痛みの程度を比較する事で原発巣を予測する事も可能となる場合もあります。

根尖性歯周炎

根尖性歯周炎とはう蝕や歯髄壊死などによって歯髄の感染を通して根尖に感染巣を作った状態です。稀にう蝕がなくても逆行性に歯髄に感染を引き起こし根尖性歯周炎を起こす場合もあります。歯の根の先端の根尖に感染巣を作り急性炎症を引き起こすと歯の軸方向への刺激に対して痛みを感じるようになる場合があります。そのため垂直性の刺激に対して強い痛みを感じる場合は根尖性歯周炎の存在が疑われます。根尖性歯周炎まで移行してなくても歯髄が急逝炎症を起こす急性化膿性歯髄炎の場合でも少しの刺激に敏感になり歯を叩いた時に激しい痛みを感じる場合もあります。

歯周組織炎

歯の周囲に急性の歯周炎を起こした場合は歯根膜に強い炎症を伴い水平方向に歯に刺激を与えた時に痛みを感じる場合があります。すなわち上に書いたような垂直方向に強い痛みを感じるか垂直方向に強い痛みを感じるかで炎症の原因が歯髄を介したものか歯周病によるものかを確認していきます。これらの臨床症状とう蝕の有無とレントゲン像を確認して原発巣を特定していきます。

咬合性外傷

上の2つの疾患は細菌感染によって急性炎症が引き起こされた状態ですが咬合性外傷は歯の当たりが強いといった咬頭干渉などの機械的な刺激により歯根膜炎が起きた状態です。この場合も歯を叩いた時に痛みを感じる場合がありますが同時に根尖性歯周炎や歯周組織炎を伴っていたり、咬合性外傷から歯髄炎へと移行する事もあります。

この他にも歯の詰め物が取れかかっていたり、歯にヒビがはいっていたりなど歯を噛んだ時の痛みには様々な原因があります。そのため、視診やレントゲン像、臨床症状などから総合的に原因を解明していく必要があるのです。

歯が痛い.jpg

今後も患者さんに役に立つような情報をお伝えして、池下、千種区、名古屋の近郊、そして名古屋市外の患者さんにも安心して通っていただけるような歯医者を阿部歯科では目指しています。

こんにちは、名古屋市千種区の歯医者の阿部歯科です。細菌感染という言葉を聞いた事があると思いますが歯科疾患の多くも細菌感染によって成立しています。そのため今回はそもそも細菌感染とはどういう事なのかというお話をしようと思います。

細菌感染

その名の通り細菌が生体に対して感染を成立させている状態です。細菌とは正式には真正細菌と呼ばれる核膜を持たない原核生物の事で、カビである真核生物の真菌や非生物のウイルスとは全く別の生物です。真正細菌と同じように見られる古細菌と呼ばれる間欠泉などの過酷な環境に生息する生物もいますがこの古細菌も進化的には真正細菌とは別の種類に分類されます。この真正細菌が口腔内で感染を成立させて歯周病や歯の根の先の膿の発生を引き起こしています。

感染とは

感染とはその病巣で増殖を成立させた状況になります。例えそこに細菌がいても増殖する事ができていなければ感染とは言われず、例えば血液の循環の中に細菌が入り込んでも増殖する事ができなければ菌血症と呼ばれ、増殖が成立すれば敗血症と呼ばれます。重度の歯周病では腫脹して血管透過性も上がった感染部位の歯周組織で歯周病関連細菌が血液の流れに入り込み慢性的な菌血症の状態にあると言えます。この循環器系に入り込んだ細菌が心臓の弁などに付着して感染を成立させると心疾患の原因となり得る可能性があるのです。このように、感染とはあくまでも感染部位において細菌の増殖が成立する事が要件となるのです。

何故感染するのか

細菌が感染するためにはまずは細菌が生体の組織に対して付着もしくは侵入が成立する必要があります。この際に利用されるのがそれぞれの細菌が特異的に持つタンパク質でこのタンパク質の機能によって生体の細胞にたいして付着もしくは侵入を成立させていきます。実験的には特定のタンパク質をコードするそれぞれのORFと呼ばれる遺伝子領域を欠失させる事で細菌の特定のタンパク質が人の細胞に対して付着や侵入に寄与しているかを調べる事ができます。

付着や侵入を成立させるタンパク質を特定したら

そのタンパク質を特定する事が出来ればその細菌の細胞への付着や侵入メカニズムを解明する事が可能となってくるためそのメカニズムを抑制する薬の開発など治療法への道筋をつける事も可能となってきます。そのため、それぞれの細菌の感染成立のメカニズムを明らかにする事で治療の可能性の幅を広げる事が出来るのです。

細菌感染.jpg

 

歯が大きな虫歯になってしまった場合に歯の神経を抜いて治療をする必要が出てくる場合がありますが、その場合は歯の神経を根元まで取る必要があります。では、目に見えない歯の根元をどうやって明らかにするのか、という内容について今回はお話をします。

歯の根の先は電気抵抗値で調べる

実は、実際に根の先端を目で見て位置を確認する事は出来ないので電気的な抵抗値を利用して位置を確定しています。歯の根の先端に近づくほど電気抵抗値が変化するという特性を利用しているのですが、この電気抵抗値を利用して根の先端の位置を決定する最初の製品が発売されたのは1969年の事らしいです。世界で最初に製品化されたこの製品が阿部歯科にも残されていましたが恐らく祖父が使っていたものだと思います。今ではこの電気抵抗値で歯の根の先端を決定する根管長測定器と呼ばれる機械は今では手のひらに収まるくらい小さなものまで出ていますが最初に発売されたものはこれほど重かったのかとびっくりしました。

根管長測定器.jpg

世界で最初に発売された根管長測定器

根管長測定器がなかった頃は

まだ根管長測定器がなかった頃は手の感覚やレントゲンを頼りに歯の根の先端の位置を決定していたそうですただ、レントゲンに写る歯の根の先端と実際に歯の神経の出口は必ずしも一致せずレントゲンに写る歯の根の先端よりも2mmほどズレがある事もしばしばです。そのため、かつて手の感覚やレントゲンを頼りに行っていた歯の神経の治療も電気抵抗値による計測が行われるようになってからは正確性がずっと上がったそうです。

最新の根管長測定器

1969年に始めて発売された根管長測定器も今では大きさがぐっと小さくなるとともに電気抵抗値の測定方法もかなり進歩して安定性が増してきました。かつては歯の中の水分の残り方によって計測が安定し辛いこともありましたが今では状況に左右されにくく安定性したがってるんだわ結果が出せる製品が多く発売されるようになりました。歯の神経の治療の際に口にクリップのようなものをひっかけた事がある方もいるかもしれませんが、あれは電気抵抗値を測って歯の根の先端を探さそうとしているためにやっているのです。歯の根の先端の位置をしっかり見つけて根の先端まで感染した神経を取る事が大切になってくるのでこの電気抵抗値の測定を利用した根管長測定器は歯の神経の治療には欠かせない機械となっています。

 

歯の根っこの先端の位置の決定方法に限らず歯科治療に使われる機械には色々と変わったものもあるのですね。

 

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