千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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口の中の悩みで多くの患者さんが悩まれている事に歯周病がありますが、歯周病では歯を支える顎の骨(歯槽骨)が溶けてしまいます。歯槽骨が溶けてなくなった部位に対しては骨を増やす手術を行う事があり、歯周病による歯槽骨の欠損やインプラント埋入前の骨の補填に骨の再生を促す薬剤や骨補填材、時には自分自信から皮質骨や骨髄を採取して骨補填をする事があります。そして通常では、骨の補填をする際には実際の手術時に目標とする骨の形に補填材の形などを合わせますが、将来的には歯科領域の特に歯周病による骨欠損への補填、インプラント埋入前の骨補填などに関して3Dプリンターを用いてあらかじめ補填部位の形状が形作られた骨補填材を手術前に用意して、その補填材を用いて手術を行う事が可能になるかもしれません。

3Dプリンターによる骨欠修復は実はすでに始まっている

3Dプリンターで骨の形をあらかじめ形作って骨の形を回復させるという治療は実はすでに始まっています。特に、顎顔面領域で顎の骨が大きく欠損している患者さんに対してあらかじめどのような形に骨の形状を回復させるかといったように計画を立てて、その計画に沿って形作られた骨を3Dプリンターで骨の人工材料で立体的に形を作り上げるのです。顎顔面領域のような審美的に重要な領域にとってはあらかじめ形の目標となる骨補填材料を立体的に作り上げられる事はとても大きな事だと思います。

3Dプリンターによる骨修復の応用範囲が広がれば歯周病治療の可能性が広がるかも

歯科領域において骨の欠損というと多くの患者さんが直面するのが歯周病による骨欠損です歯槽骨の欠損によって歯の支持を失い、歯が脱落してしまうのが歯周病ですが、失われた歯槽骨を回復させるために現在では歯周組織再生誘導材のエムドゲインや骨補填材のバイオスなどが使われますが、3Dプリンターであらかじめ立体的に形作られた骨補填材を歯槽骨の回復のために使えるようになれば歯周治療の可能性が大きく広がるかもしれません。

今現在は顎顔面領域の顎骨欠損などオペ室での手術の適応となる分野で行われはじめていますが、従来では顎骨の大きな欠損に対しては自家骨の移植や金属プレートを用いた修復、メッシュに自分の骨髄を充填して再生させるといった方法などを用いていますが3Dプリンターを用いた骨補填により治療の可能性が大きく飛躍しているようです。

立体的に形作られた骨補填材が歯周病治療に使えるようになれば

3Dプリンターであらかじめ形作られた骨補填材料を歯周病治療に使えるようになれば治療部位への骨補填材料のフィット、目標とする歯槽骨の形態といった点で多くの良い点があります。さらに歯周病治療にとどまらず、インプラント埋入部位への骨補填時の量と形態といった点でも治療の幅が広がる事が考えられます。今現在は一部の領域に限定された3Dプリンターを用いた骨補填の技術ですが、技術が広がり歯科領域で広く使われるようになる時代が来れば歯周病によって失われた歯槽骨の回復といった点に関しても新たな可能性が広がるかもしれません。

参考文献:Bone Regenerative Medicine in Oral and Maxillofacial Region Using a Three-Dimensional Printe. A. Hikita et al. Tissue Engineering Part A. 2017.

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こんにちは、今回は歯医者に行くとほぼ間違いなく行うレントゲン撮影のお話を少ししようと思います。

歯医者に行くとまずはレントゲン撮影をしますよね。患者さんの中には、レントゲン撮影ってする必要があるの?と思う方もいるかもしれませんね。では、レントゲン撮影をしないとどうなるのかと言うと、一言で言うと「口の中で何が起きているのか分からない」という事になります。目で見えないものを見るために使うのがレントゲンなのですが、レントゲンの画像がないと直接見えない病気は分からない、という事になります。

レントゲン写真では何を見ているのか

例えば、歯周病、歯と歯の間にある虫歯、虫歯の深さ、骨の中に埋まった親知らずの位置、骨の中にできてしまった出来物、鼻の奥にある空洞に貯まった膿(いわゆる、蓄膿症の膿)、歯の神経の病気とそれによってできてしまった膿など、これら全部はレントゲン撮影をしてレントゲンの画像を見ないと分かりません。つまり、見ても分からない病気を見つけるために行うのがレントゲン撮影という事になります。「レントゲン」というと、被爆を気にされる方もいますが、そもそも被爆って何でしょうか?

被爆とは、簡単に言ってしまえば体の細胞に受ける「ダメージ」の事です。では、この「ダメージ」は、レントゲンを取らなければ避けられるのでしょうか?答えは「いいえ」です。普段の日常生活を送っているだけで常に被爆はしています。これは日本で生活していても海外で生活していても同じです。それは、なぜかと言うと被爆の原因となる放射線は常に宇宙から地球に降り注いでるからなんですね。太陽の光と同じように地球に降り注いでいるわけです。こういった日常生活で自然界から受ける放射線を自然放射線と言います。

そのそもレントゲンとは?

実は太陽の目に見える光も、レントゲン撮影のX線も、肌を黒くする紫外線も、体を温める遠赤外線も全部同じ電磁波と呼ばれる種類のものなのです。大きな違いは、それぞれの持つエネルギーです。エネルギーが高ければ体の細胞はよりダメージを受けやすいですし、エネルギーが低ければダメージを受けにくい、という違いが出てきます。この、「電磁波」ですが、先ほど書いたように宇宙の全方向から常にある程度降り注いでいます。では、それは、どの程度なのか?というと非常に大まかですが、年間で歯医者で取るレントゲンに換算して50から150回分ほどと言われています。

この、自然に受ける放射線ですが、空の空気の粒子によって薄められているため飛行機で高い所を飛べば飛ぶほどたくさん受けるという事実があります。そのため、名古屋からアメリカまで行けば歯医者で受けるレントゲン撮影よりも多く影響を受けると報告されています。そのため歯医者で受けるレントゲン撮影が日常生活に及ぼす影響は非常に少ないと言われています。

歯医者でとるレントゲンの種類

病気を見つけるために歯科医院で行うのがレントゲン撮影ですが、大きなのや小さなのを取ることがありますね。両方とも同じレントゲン撮影ですがその目的は大きく異なります。大きさの違う同じレントゲン撮影のように見えますが、実は撮影の原理から違ってきます。地図に例えると、大きなレントゲン撮影が日本地図で小さなレントゲン撮影が自分の住んでいる地区の地図、という事になります。日本の地図を見れば隣の県の位置や形も分かりますが、自分の家の細かい場所は分かりません。自分の住んでいる地区の地図を見れば自分の家の場所や道路やご近所さんの位置も分かるが隣の県はそこにあるかどうかも分からない。というような感じにすごく似ています。そのため、目的によって使い方が全然変わってくるのですね。

レントゲン写真で分かる事

さて、レントゲンの撮影と言ってもそこには驚くほど多くの情報が秘められています。そこに見えてくるのは虫歯の有る無しだけではありません。歯周病の進行状態、歯の根の治療の経過、骨の密度、骨の硬さ、咬み方の習慣から引き起こされる病気、歯茎にできた出来物の状態、骨の中に貯まった膿や出来物の存在、顎の関節の状態、咬む力、蓄膿症があれば鼻の感染から来てるのか歯の感染から来ているのか、などレントゲンを見る力(読影)に慣れていれば慣れているほどありとあらゆる診断ができます。私の場合は、大きなレントゲンを撮影した場合は画像の外側から中心に向かって円を描くように見ていきます。そうする事で日本地図を海から自分の住んでいる地域をぐるりと取り囲むように段々と自分の住んでいる地域に向かって確認していくようにレントゲンでも見ていく事ができるからです。

レントゲン撮影で見られる画像は濃度の濃淡と形だけで表されるため、その濃度と形を読み取る力が大変重要になってきます。その濃度からそれが骨なのか、それとも炎症によって作られた硬い反応物なのか、形からそれが治療する必要があるものなのかないものなのか、対象とする病気と周りの構造物の形と位置関係から見えてくる臨床診断名。レントゲン一つで数え切れないほどの目に見えない情報が入ってきます。

そのため、歯科医院では患者さんの体のために可能な限り多くの情報を手に入れようとしてレントゲン撮影をするわけですね。

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歯の治療で詰め物をしていく際に柔らかい練り物で口の中の型を取った経験のある患者さんもいると思いますが将来的にこのような型取りの方法が減っていく可能性があるという事をご存知でしょうか

印象方法の変化

歯や口の中の型をとる事を印象採得と言いますが従来使われている練り物を練って口の形を取っていく方法が今後は光学印象という画像撮影を利用した印象採得の方法に変わっていくと言われています。この方法では画像解析によって得られた歯や口腔内の3次元的なデータを基にしてミリングという削り出しによって詰め物や被せ物を作っていくことになります。

光学印象とは?

光学印象とはその名の通り光学的な映像を元にして対象となる歯や口腔内の状況を再現する方法です。この方法では実際の対象物となる歯に対して自然光もしくはカメラから照射された光で歯を照らし歯の様々な部位の立体的な位置、つまりx軸、y軸、z軸を規定して3次元的な立体を構築して行く方法です。この3次元的な位置の決定方法は様々な方法があり、3角測量やフォーカス、多数の画像からアルゴリズムで解析するなどの方法で測定する点の位置を確定していきます。この光学印象で使われるのは小さなカメラで、このカメラで口腔内を撮影する事で立体画像を構築していくため練り物を使った型取りのような不快感はありません。しかしこのカメラによる画像解析をしていく際にも必要な事があります。それは正しく映像をカメラにおさめるという事です。当然の事のように聞こえますがこれは非常に厳密な意味で画像を分析する必要性が出るため歯の表面の光沢による露出オーバーをなくすために口の中にパウダーをまぶして光沢を拡散させる必要などが出てきます。パウダーを使わない方法として偏光フィルターを使ったものなども開発されていますが、画像を正しく得るために必要なのはこの他にも水分による光の屈折をなくすために乾燥状態で撮影したりする事と複雑な形態による画像解析のミスをなくすために尖った部位は無くして滑らかに歯の形を形成しないといけないといったような制限が出てきます。

正しく画像解析ができたら

それらの方法を使って部位ごとの座標を決定したらそれらの点を結んでポリゴンで作られた口腔内の状況を再現してそのデータに対して詰め物や被せ物を設計するという工程を経て実際の詰め物や被せ物の削り出しであるミリングを行なっていく事となります。光学印象は最近出てきた新しい印象法ですが、露出過剰に弱かったり、複雑な形態に対する解析に弱いなどといった画像解析特有の弱点もありますが、今後はさらにこれらの弱点も改善されていき将来的には光学印象が広く普及するようになると思われています。しかしながら従来通りの印象方にもそれ特有の有利な点があるため必要に応じて両方の印象方を併用する事になっていくのかもしれません。

参考文献: Intraoral Scanner Technologies: A Review to Make a Successful Impression. R. Richert et al. Journal of Healthcare Engineering. 2017.

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世の中で科学や技術が進化するように歯科医療でもその治療方法や治療薬は日々進化していますがそもそもその治療方法や治療薬はどういった経緯でできたのか?本当にその方法は正しいのか?といった行われている歯科医療の科学的な正しさの確認がどのように行われているのか、といった点についてお話をしようと思います。

本当にその治療方法は正しいのか?

歯科医療の治療の中にも同じ疾患に対して歯科医師によって違ったアプローチをする場合が多々あります。例えば歯の神経の治療をした際にどのような薬を詰めるのか、どのように治療していくのかが歯科医師によっては違う場合があります。これらの治療がどのように決められ、科学的な正しさがどのように確保されているのかという事が今回のお話の本題です。

卒業後に歯科医師が臨床をはじめてその後患者さんを見ていく上で治療のベースとなるのは歯学部で習った事となります。その習った歯科治療の考え方や技術がベースとなり治療が行われていくのですが時間の経過とともに材料も治療技術もどんどん進化していきます。その際にどこで新しい情報を手に入れるかですが、多くは学術的な雑誌を読んだり講習会に出たり学会に参加したりなどして技術を取り入れていきますが、これらの学んできた方法の科学的な正しさがどのように担保されているのかという事はあまりよく知られてないかもしれません。

新しい治療方法や技術や治療薬は論文の発表からはじまる

新しい技術は論文に発表されてそこからはじまるというのはなんとなく感じられるかもしれませんが、論文に発表されたイコール必ず科学的に正しいというわけではないという事を十分に注意する必要があります。実は論文が科学的に正しいと確認されるにはステップがあります。実はこのステップが例えば山中伸弥先生のiPS細胞がすごく革新的だったのに瞬く間に世界に広がった理由になります。実はよくよく考えてみればそうだろうと皆さんが感じる事なのですが、その理由は「関係のない第三者が論文に書かれている方法を試してみて同じ結果を得られた」という事です、これを追試に成功したと言いますが他の人がやっても成功したというステップが科学的に正しい証明となるのです。聞いてみれば当たり前と思うかもしれませんが、この追試成功のステップは極めて重要でこの追試が成功していないと科学的に正しいと認めてもらえません。

論文に書かれていて追試が成功していてはじめてその治療技術や治療方法が科学的に正しいと言えるのですね。そのため新しい治療技術や治療方法を取り入れる際は元々の根拠となった論文がその後の他の第三者の論文でも同じ結果が得られているか確認する事が科学的に正しい歯科医療を提供する上で大切となるのです。

そのため新しい治療技術や治療方法を取り入れる際はしっかりと科学的な正しさを確認する事が大切になってくると考えています。

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執筆者:千種区の歯医者 阿部歯科 阿部利晴

【略歴】

1980年 名古屋市千種区生まれ
2005年 愛知学院大学歯学部 卒業
2005年 豊川市民病院 歯科口腔外科で臨床研修医を経験
2006年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座入局
2010年 愛知学院大学大学院 歯学研究科修了 総代
2010年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座にて非常勤助教となる
2010年 名古屋大学医学部附属病院 麻酔科 医員となる
2011年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部 勤務
2014年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部 講師となる
2014年 アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所 非常勤連邦職員
2015年 阿部歯科 副院長

 

歯周病や口腔内での炎症は免疫反応の結果によって起きる生体反応の結果なのですが、この免疫反応がどのように反応して異物を捉えているのかというお話をしようと思います。

自分は攻撃せずに異物を攻撃する

免疫反応では対象を捉えて攻撃するという反応が起きているのですがそのためには自分自身(自分の細胞)とそれ以外を認識する必要があります。それが免疫寛容と免疫反応と呼ばれる反応です。免疫寛容とはまさに免疫反応が起きなくする機構でこれがあるため免疫細胞が自分の細胞を攻撃する事なく体の中で働く事が出来るのです。この免疫寛容がうまく働かないと自己の細胞を攻撃する自己免疫疾患となり、有名なものでは関節リウマチなどがあります。この自己免疫疾患では外から入ってきた異物がないにもかかわらず自分の細胞を異物として認識し、炎症を引き起こします。逆に異物を認識する機構が免疫反応となりますが、この免疫反応がうまくいかず異物を異物としてうまく捉えられないと免疫疾患となります。

Trained immunity

免疫反応に関連して今最も免疫学で注目されている反応のひとつにTrained immunityという言葉があります。非常に新しい考え方で、免疫反応をうまく起こさせる機構の一つとなっています。ワクチンに代表される2次免疫応答を利用した獲得免疫とは全く違う、自然免疫と呼ばれるマクロファージなどの自然免疫系統の細胞にも獲得免疫の2次免疫応答のような強い免疫反応を起こさせる機構です。

ワクチンによる獲得免疫は古くから知られていますがこの自然免疫にも同様に免疫反応を強くさせる機構があるという事で非常に注目を浴びています。ワクチンでは故意に異物を体に取り込ませる事で異物を認識させて二度目に同じ異物が入ってきた時に素早く免疫応答を起こす機構なっていますが、このような二度目以降の免疫応答の強化を別の機構でも行なっているのがTrained Immunityです。Trained Immunityを日本語に直すと「訓練された免疫」とでも言えるのですが非常に新しい言葉でもあるので元の言葉通りTrained Immunityと使われます。このTrained Immunityと獲得免疫の存在によっても口腔内での免疫反応の強さが変わる可能性があります。

免疫反応というと少しとっつきにくく聞こえますが、歯科の治療においては口腔外科も歯周病治療も、虫歯による神経の痛みにしろ免疫反応とは切っても切り離せない存在となっています。特に歯周病においては骨を溶かす細胞である破骨細胞の活性が免疫反応による炎症と非常に深い関わりを持っているので免疫の研究が進めば歯周病治療にも大きな変化をもたらす可能性があるのです。

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執筆者 阿部歯科 副院長 阿部利晴

1980年 名古屋市千種区に生まれる
2005年 愛知学院大学歯学部 卒業
2005年 豊川市民病院 歯科口腔外科で臨床研修医を経験
2006年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座に入局
2010年 愛知学院大学大学院 歯学研究科を修了 総代
2010年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座で非常勤助教となる
2010年 名古屋大学医学部附属病院 麻酔科にて医員を経験
2011年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて勤務
2014年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部で講師として勤務
2014年 アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所にて非常勤連邦職員となる
2015年 阿部歯科 副院長に就任

病院や歯科医院で飲み薬の抗菌薬が出される事がありますが、この飲み薬の抗菌薬に関して「飲んでどれくらい効いているのか?」と疑問に思った事はありませんか?抗菌薬の効果には真正細菌に対する感受性の範囲である抗菌スペクトルと生物学的利用能であるバイオアベイラビリティが関係しますが今回はこの「生物学的利用能:バイオアベイラビリティ」についてお話をしようと思います。

バイオアベイラビリティ

抗菌薬が機能を発揮するためには抗菌薬が細菌に対して届かないといけません。しかし服薬の場合は抗菌薬が細菌に届くまでに様々な代謝を受けて本来の抗菌薬の構造が変わり本来あった全ての抗菌薬の成分が届くわけではありません。つまり100あった抗菌薬の成分が代謝を受けて一部が失われて50や30になってしまう、これを生物学的利用能:バイオアベイラビリティと呼びます。飲み薬である服薬の際のバイオアベイラビリティは抗菌薬によっておおよそ決まっています。

初回通過効果

抗菌薬が服薬された後に体に吸収されないと抗菌薬の成分は循環に達する事ができません。この吸収されてから循環に達する際に代謝される過程を初回通過交換と呼びます。代謝は主に肝臓で行われてこれらの代謝やその他の分解などの要因によってバイオアベイラビリティが決定し、どれだけ循環へと達するかが決まってきます。このバイオアベイラビリティに加えて体循環の際による薬剤効果の低下である半減期が細菌感染に対して影響をしていきます。この初回通過を受けない、つまり点滴による抗菌薬の静脈内投与の場合は抗菌薬の成分全てが循環に達するという事ができます。そのため強くて急を要する細菌感染の場合は点滴による抗菌薬の静脈内投与が選択される事があるのです。

新しい薬ほどバイオアベイラビリティが高いわけではない

細菌感染に対する抗菌薬の効果はこれらのバイオアベイラビリティ、抗菌スペクトル、半減期などの複数の要因によって決定されるので新しい抗菌薬ほどバイオアベイラビリティが高いというわけではありません。逆に言えば例え服薬の際のバイオアベイラビリティが100%に近くても抗菌スペクトルから外れていれば効果は非常に薄いという言い方もできます。歯科領域で比較的よく使われるβラクタム系の抗菌薬も新しい世代の抗菌薬よりも古い世代の抗菌薬の方がバイオアベイラビリティが数倍高い事も珍しくありませんが、このバイオアベイラビリティはあくまでも循環に達するかどうかという括りで効能は上に書いたように複合的な要素で決定してきます。

飲み薬として服薬した抗菌薬でも必ずしも飲んだ成分全てが循環に達するわけではなく薬によっては飲んだ成分の20%ほどしか血中に移行しないものもあるのです。

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千種区の歯医者の阿部歯科では患者さんに役立つ歯科医学知識も分かりやすくお伝えできるよう心がけています。

口の中には様々な細菌が住み着いていますがその種類は500種類から700種類にも登ると言われています。それらの目には見えない細菌ですが口腔に対して有害なものから普段は無害なものまで様々です。ではこれらの細菌ですがどう区別をしてるのでしょうか?

細菌の形

細菌を区別していく上で最も基本的になるのは形の確認です。細菌は種類によって特徴的な形態をしている細菌が様々にあります。それはスプリングのような螺旋形になったものや球のような球形のもの、その球形が連なったもの、棍棒状や紡錘形のものといったように様々な形をしています。これらは細菌を染色した後に通常の顕微鏡で確認したり染色を必要としない位相差顕微鏡などで確認する事ができます。細菌の形の他にも細菌によってある程度平均的な大きさが決まっているため細菌自体の大きさも判断材料の一つにする事もあります。

運動性

細菌には運動性のある細菌とない細菌がいます。通常の染色行程を経た細菌では固定されていて運動性を確認する事は出来ませんが位相差顕微鏡や蛍光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡といった特殊な顕微鏡では細菌を生きたまま観察できるのでその運動性を確認する事ができます。運動性のある細菌は菌体自身を回転させたり鞭毛といった構造を使って動き回る事ができます。運動性を持つ場合は比較的ランダムに菌体が動き回るため周りの液体の流れに乗って菌が動くのとは見分ける事ができます。

染色による確認

最も基本となるグラム染色という方法で細菌の種類を大きく2種類に分ける事ができます。これらは細菌の細胞壁の構造のペプチドグリカンの厚みによって違った染まり方をし、それぞれにグラム陽性菌、グラム陰性菌と分けられます。数多くある細菌の種類をこのグラム染色で大きく分けられる事になります。その他にも細菌によってはその細菌に特有な染色方法などもありその染色方法は目的によって使い分けられます。

細菌の種類をこういった見た目上で見分けるのにはある程度制限が加わります。これよりも細かく見分けるには細菌の生育条件やその菌自体が賛成分泌する酵素などを確認したり遺伝子的にその細菌を同定するといった手法が必要となってきます。これらの方法は確認に時間が必要なため迅速な判断の方法としては使い辛いといった側面もあります。そのためどこまで細菌の種類を判別するのかといった目的によってこれらの確認に使われる方法を使い分けるといったような事も行われています。

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こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科です。歯科においても様々な治療薬が発明されていますがこれらの治療薬がどのような経緯をたどって臨床の場に出て来るのかというお話を今回はしようと思います。

始まりは基礎研究

臨床の現場に様々な治療薬が出て来るときに急に出てくるわけではありません。最初は地道な基礎研究から始まります。基礎研究では治療薬を目標にして研究が進められる事もあれば疾患や細胞、新たに発見されたタンパク質や物質、既に知られている物質に対する現象やメカニズムの証明から始まる事もあります。疾患に対する現象とそのメカニズムの解明から思いもしないような治療薬が発明される場合もあります。

それらの成果の多くは論文という形で発表され、それがさらに同じ研究室で治療薬へと結びついていく事もあれば他の研究者が治療薬へと結びつけていく場合、企業によって製品化される場合など様々です。しかし多くの共通点は地道な基礎研究による疾患と研究の際に確認される現象、メカニズムの解明から始まります。

治療薬の目標を決めた後

対象とするタンパク質や物質などを決め、どのような治療に用いるかが決まったら実際にその物質が生体に対して有効かを確認していく必要性があります。このステップには研究室内での試験管の中の細胞に対する試験から始まり、動物、人に対する治験と階段を登るように安全性が確認されていきます。最初に行われるのが細胞に対する確認で、試験管の中のヒトの細胞に対して本当に有効な結果が確認されるかというところから進んでいきます。この試験管の中の細胞に対して有効性が確認されると、次は物質の有効性と共に安全性の確認が始まります。

ヒトの細胞とはいえ試験管は動いて生活している生体ではないので確認できる事には限界が出てきます。そこで有効性を確認されるために哺乳類が物質の有効性の確認のために用いられるのですが、生物を使うためこの段階の制約や規定は非常に厳しくなっています。実験動物に対する倫理規定や動物に対して不当な扱いをしない事など数多くの制約と規定が設けられておりアメリカでもIACUCプロトコルと呼ばれる非常に厳密な倫理規定と動物に対する扱いに関する報告書の提出と承認の義務が課せられておりこのIACUCプロトコルの内容が厳密に学内の専門機関、もしくは学外の専門機関によって審査されます。そして日本においても審査委員会によって報告書の審査が行われます。これらIACUCプロトコルは対象とされる動物によっては規定や規制が非常に厳しく許可がおりるまでプロトコルの提出をしてから半年以上かかる事さえあり、動物の権利に関しても非常に厳密に管理がされているのです。

実験動物に対して物質の有効性と安全性が確認された後は大学病院などで限定的に内容の説明や安全性の説明をして同意を得られた患者さんに治験が行われるという流れを取って最終的な物質の有効性を確認して治療薬へとなって臨床の場で使われるようになっていくのです。

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緊張すると口が渇く事がありますよね。口の渇きは唾液腺から分泌される唾液の影響によるものですが、今回は口の中の渇きに影響する唾液腺についてお話をしようと思います。

大唾液腺

唾液を分泌する唾液腺には大唾液腺と小唾液腺があります。大唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺という3種類の唾液腺があります。名前の通り位置的には耳の下、顎の下、舌の下にありこれらの大唾液腺から多くの唾液が分泌されています。唾液腺にも唾石という石ができる事があり唾石が唾液腺の腺体内もしくは導管内にできると唾液がうまく出なくなったり感染を起こして激しく痛む場合があります。この場合に唾液腺を指で押してみる事で唾液がうまく出てくるかどうかを確認して唾石の有無を確認することもあります。これらの唾液腺の分泌する唾液の出口は決まっており、それぞれの場所からうまく唾液が出てくるかを確認する事で唾液の分泌状態を確認する事もできます。口の中の唾液でもサラサラのものと粘り気があるものがありますが、耳下腺からはサラサラの唾液である漿液性の唾液が、耳下腺からは粘り気がある粘液性の唾液が、顎下腺からは漿液性と粘液性の唾液の両方が分泌されてこれらの唾液の割合で口の中の唾液のサラサラ感や粘り気が決定してきます。これらの唾液腺の一部分は顔の外から触る事で触診する事も可能で、唾液腺に炎症が起きてるかを触診で確認する事もあります。

小唾液腺

小唾液腺はその場の通り大唾液腺とは違い小さな唾液腺の集団です。小唾液腺は口腔内の様々な部位に存在しており唇や舌の下部、頬や口蓋といった様々な部位に分布しています。唇を噛んだりなどして小唾液腺の導管部が損傷するとその損傷部位から唾液が漏れ出して唾液の溜まりを作ってしまう粘液嚢胞という偽嚢胞を作る場合があります。下唇にできる場合を下唇粘液嚢胞と呼び下唇を噛む癖のあるお子さんに見られる事があります。舌の先の舌尖下面に粘液嚢胞ができる事もありこの場合は特別にブランディンヌーン嚢胞と呼びます。舌の下面に円形のできものができるので舌に何かができたと心配されて受診される患者さんもいます。これらの粘液嚢胞は破れて中の唾液が排出されると潰れてしまうのが特徴ですが潰れてもまた唾液が貯留をして再び腫れてくる事がほとんどです。

これらの普段あまり意識しない唾液にもそれぞれに分泌する場所があり、その分泌される唾液にもサラサラな漿液性の唾液と粘り気のある粘液性の唾液にわかれているのです。

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執筆者:名古屋市千種区の歯医者 阿部歯科

千種区池下駅から徒歩のロケーションにある歯医者、阿部歯科副院長 阿部利晴です!

今回は身近なのに知らない部分も多い歯の構造に関して詳しくお話をしようと思います。歯医者さんへ行って「歯の神経の理療をしますね」と言われた方もいるかもしれませんが、「歯の神経」と言われてもピンとこないのではないでしょうか??

記事の再執筆:2018年1月22日(月)11:30

 

歯の表面について

歯の表面は人の体の中で、最も硬い硬度を持つ「エナメル質」に覆われています。

エナメル質はハイドロキシアパタイトという、極めて水分量の少ない無機質の結晶からできており、歯のエナメル質部分はハイドロキシアパタイトの結晶でできたエナメル小柱という構造が寄り集まってできています。

ハイドロキシアパタイトは、カルシウムに酸素や水素やリンが集まってできる結晶なのですが、骨や後に出てくる象牙質という構造にも含まれています。このハイドロキシアパタイトが最も多く含まれる部分が歯であり、体の中で最も硬い組織となっています。
 

エナメル質の下

エナメル質の下には象牙質があります。

象牙質にはエナメル質にあったハイドロキシアパタイトの他に有機質も含まれており、象牙質の構造の中には象牙細管という管のような構造があります。この中には水分が含まれておりさらに奥にある歯髄に存在する象牙芽細胞の一部が腕を伸ばしております。

この象牙細管の中の水分が刺激によって揺れると、その水分を伝って刺激が歯髄に行き痛みを感じると言われています。

歯が痛みを感じる機序の仮説にはいくつかありますが、この水分が動くことによって痛みを感じるという動水力学説が最も有力だと言われています。虫歯になるとこの象牙質がむき出しになり、象牙細管内の水分を経由して刺激が歯髄に伝わるのです。

 

歯髄とは?

大きな虫歯になって神経を取ることになると「神経の治療をします」という事になるのですが、その時に神経と言っているのはこの歯髄の事です。

歯髄の最外側には象牙細管に腕の一部を伸ばしている象牙芽細胞という細胞がいますが、その奥の空間には神経や血管や結合組織、免疫細胞で満たされています。動水力学説による水分の圧力変化をこの歯髄の中の神経が感じ取って、痛みを感じているわけです。

神経と言っても実は種類があり、歯髄の中にはAδ線維とC線維という2種類の痛覚神経があります。違いは鋭い痛みを感じるか鈍い痛みを感じるかの違いがあり、歯の痛みでもキーンと感じる鋭い痛みとドーンと感じる鈍い痛みの2種類があるのはこのためです。

 

セメント質について

歯の構造にはこの他にもセメント質と呼ばれる、骨に埋まっている部分に存在する構造があります。
これは歯と骨の間でクッションの役割をする
歯根膜というハンモックのような構造が歯に繋がるためのアンカー部分となっています。

 

「歯やお口に関するご相談」は、千種区の頼れる歯医者 阿部歯科へお任せください!

今回は「歯の構造について」ご説明しました。少し専門的な内容がありましたが、いかがでしたか?

このように歯と一言で言っても、色々な構造で構成されてできているのです。
その構造をしっかりと把握し、むし歯や歯周病、その他の疾患について診査し、その患者さんに適した歯科治療を歯医者は行っています。阿部歯科では「患者さんにとって、最適な治療を行うよう努める」のは勿論、患者さんに不安のないようにご説明の上、治療を進めています。

いくら最適な治療でも、今どういった状態で、何故その治療を行う必要があるのか?それによってどう良くなるのか?が分からないと、安心して治療に通うことができなと思います。このような気持ちのケアまで行うことが、良い治療であると考えます。

これまでに「他の歯医者さんで治療してもらったけれど、どれぐらい良くなっているのか分からない・・」「自分のお口の状態について把握した上で適切な治療をしてほしい!」といった方はお気軽に阿部歯科までご相談ください。まずは患者さんのお話をヒアリングできればと思います!

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本記事の執筆:歯科医師  阿部 利晴 (あべ としはる) 


【歯科医師としてのプロフィール】
1980年:名古屋市千種区生まれで、歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ

 

2005年:愛知学院大学歯学部を卒業
2005年:豊川市民病院の歯科口腔外科で臨床研修医として活動
2006年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座へ入局
2010年:愛知学院大学大学院の歯学研究科を修了 総代
2010年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座にて非常勤助教
2010年:名古屋大学医学部附属病院の麻酔科 医員を経験
2011年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部で勤務
2014年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて講師となる
2014年:アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所の非常勤連邦職員を経験
2015年:名古屋市千種区の阿部歯科 副院長に就任
趣味:ハイキング、英会話
 

【一言】
国内だけでなく、アメリカでも歯科治療に関し、様々な知識/経験を得てきました。
日本とアメリカで長年培ってきた技術をリニューアル開業後、存分に活かし、それぞれの患者さんに適した治療をいたします。

阿部歯科のある池下近隣の患者さんはもちろん、千種区内にお住いの多くの方に頼っていただけるような歯科医院を作り上げたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

【お電話でのご予約】TEL:052-751-0613
診療時間
月~金
10:00~14:00 / 16:00~19:30
土・日
9:30~13:00 / 15:00~18:00
休診・・・祝日
阿部歯科 特別コラム

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千種区の歯医者 阿部歯科

〒464-0074
愛知県名古屋市千種区
仲田2-18-17

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駐車場:あり

地下鉄池下駅より徒歩5分、
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