千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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歯周病や口腔内での炎症は免疫反応の結果によって起きる生体反応の結果なのですが、この免疫反応がどのように反応して異物を捉えているのかというお話をしようと思います。

自分は攻撃せずに異物を攻撃する

免疫反応では対象を捉えて攻撃するという反応が起きているのですがそのためには自分自身(自分の細胞)とそれ以外を認識する必要があります。それが免疫寛容と免疫反応と呼ばれる反応です。免疫寛容とはまさに免疫反応が起きなくする機構でこれがあるため免疫細胞が自分の細胞を攻撃する事なく体の中で働く事が出来るのです。この免疫寛容がうまく働かないと自己の細胞を攻撃する自己免疫疾患となり、有名なものでは関節リウマチなどがあります。この自己免疫疾患では外から入ってきた異物がないにもかかわらず自分の細胞を異物として認識し、炎症を引き起こします。逆に異物を認識する機構が免疫反応となりますが、この免疫反応がうまくいかず異物を異物としてうまく捉えられないと免疫疾患となります。

Trained immunity

免疫反応に関連して今最も免疫学で注目されている反応のひとつにTrained immunityという言葉があります。非常に新しい考え方で、免疫反応をうまく起こさせる機構の一つとなっています。ワクチンに代表される2次免疫応答を利用した獲得免疫とは全く違う、自然免疫と呼ばれるマクロファージなどの自然免疫系統の細胞にも獲得免疫の2次免疫応答のような強い免疫反応を起こさせる機構です。

ワクチンによる獲得免疫は古くから知られていますがこの自然免疫にも同様に免疫反応を強くさせる機構があるという事で非常に注目を浴びています。ワクチンでは故意に異物を体に取り込ませる事で異物を認識させて二度目に同じ異物が入ってきた時に素早く免疫応答を起こす機構なっていますが、このような二度目以降の免疫応答の強化を別の機構でも行なっているのがTrained Immunityです。Trained Immunityを日本語に直すと「訓練された免疫」とでも言えるのですが非常に新しい言葉でもあるので元の言葉通りTrained Immunityと使われます。このTrained Immunityと獲得免疫の存在によっても口腔内での免疫反応の強さが変わる可能性があります。

免疫反応というと少しとっつきにくく聞こえますが、歯科の治療においては口腔外科も歯周病治療も、虫歯による神経の痛みにしろ免疫反応とは切っても切り離せない存在となっています。特に歯周病においては骨を溶かす細胞である破骨細胞の活性が免疫反応による炎症と非常に深い関わりを持っているので免疫の研究が進めば歯周病治療にも大きな変化をもたらす可能性があるのです。

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☆☆☆ 千種区の歯医者の阿部歯科では歯科治療や歯科に関連した様々なお役立ち情報をお届けしています ☆☆☆

執筆者 阿部歯科 副院長 阿部利晴

1980年 名古屋市千種区に生まれる
2005年 愛知学院大学歯学部 卒業
2005年 豊川市民病院 歯科口腔外科で臨床研修医を経験
2006年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座に入局
2010年 愛知学院大学大学院 歯学研究科を修了 総代
2010年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座で非常勤助教となる
2010年 名古屋大学医学部附属病院 麻酔科にて医員を経験
2011年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて勤務
2014年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部で講師として勤務
2014年 アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所にて非常勤連邦職員となる
2015年 阿部歯科 副院長に就任

病院や歯科医院で飲み薬の抗菌薬が出される事がありますが、この飲み薬の抗菌薬に関して「飲んでどれくらい効いているのか?」と疑問に思った事はありませんか?抗菌薬の効果には真正細菌に対する感受性の範囲である抗菌スペクトルと生物学的利用能であるバイオアベイラビリティが関係しますが今回はこの「生物学的利用能:バイオアベイラビリティ」についてお話をしようと思います。

バイオアベイラビリティ

抗菌薬が機能を発揮するためには抗菌薬が細菌に対して届かないといけません。しかし服薬の場合は抗菌薬が細菌に届くまでに様々な代謝を受けて本来の抗菌薬の構造が変わり本来あった全ての抗菌薬の成分が届くわけではありません。つまり100あった抗菌薬の成分が代謝を受けて一部が失われて50や30になってしまう、これを生物学的利用能:バイオアベイラビリティと呼びます。飲み薬である服薬の際のバイオアベイラビリティは抗菌薬によっておおよそ決まっています。

初回通過効果

抗菌薬が服薬された後に体に吸収されないと抗菌薬の成分は循環に達する事ができません。この吸収されてから循環に達する際に代謝される過程を初回通過交換と呼びます。代謝は主に肝臓で行われてこれらの代謝やその他の分解などの要因によってバイオアベイラビリティが決定し、どれだけ循環へと達するかが決まってきます。このバイオアベイラビリティに加えて体循環の際による薬剤効果の低下である半減期が細菌感染に対して影響をしていきます。この初回通過を受けない、つまり点滴による抗菌薬の静脈内投与の場合は抗菌薬の成分全てが循環に達するという事ができます。そのため強くて急を要する細菌感染の場合は点滴による抗菌薬の静脈内投与が選択される事があるのです。

新しい薬ほどバイオアベイラビリティが高いわけではない

細菌感染に対する抗菌薬の効果はこれらのバイオアベイラビリティ、抗菌スペクトル、半減期などの複数の要因によって決定されるので新しい抗菌薬ほどバイオアベイラビリティが高いというわけではありません。逆に言えば例え服薬の際のバイオアベイラビリティが100%に近くても抗菌スペクトルから外れていれば効果は非常に薄いという言い方もできます。歯科領域で比較的よく使われるβラクタム系の抗菌薬も新しい世代の抗菌薬よりも古い世代の抗菌薬の方がバイオアベイラビリティが数倍高い事も珍しくありませんが、このバイオアベイラビリティはあくまでも循環に達するかどうかという括りで効能は上に書いたように複合的な要素で決定してきます。

飲み薬として服薬した抗菌薬でも必ずしも飲んだ成分全てが循環に達するわけではなく薬によっては飲んだ成分の20%ほどしか血中に移行しないものもあるのです。

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千種区の歯医者の阿部歯科では患者さんに役立つ歯科医学知識も分かりやすくお伝えできるよう心がけています。

口の中には様々な細菌が住み着いていますがその種類は500種類から700種類にも登ると言われています。それらの目には見えない細菌ですが口腔に対して有害なものから普段は無害なものまで様々です。ではこれらの細菌ですがどう区別をしてるのでしょうか?

細菌の形

細菌を区別していく上で最も基本的になるのは形の確認です。細菌は種類によって特徴的な形態をしている細菌が様々にあります。それはスプリングのような螺旋形になったものや球のような球形のもの、その球形が連なったもの、棍棒状や紡錘形のものといったように様々な形をしています。これらは細菌を染色した後に通常の顕微鏡で確認したり染色を必要としない位相差顕微鏡などで確認する事ができます。細菌の形の他にも細菌によってある程度平均的な大きさが決まっているため細菌自体の大きさも判断材料の一つにする事もあります。

運動性

細菌には運動性のある細菌とない細菌がいます。通常の染色行程を経た細菌では固定されていて運動性を確認する事は出来ませんが位相差顕微鏡や蛍光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡といった特殊な顕微鏡では細菌を生きたまま観察できるのでその運動性を確認する事ができます。運動性のある細菌は菌体自身を回転させたり鞭毛といった構造を使って動き回る事ができます。運動性を持つ場合は比較的ランダムに菌体が動き回るため周りの液体の流れに乗って菌が動くのとは見分ける事ができます。

染色による確認

最も基本となるグラム染色という方法で細菌の種類を大きく2種類に分ける事ができます。これらは細菌の細胞壁の構造のペプチドグリカンの厚みによって違った染まり方をし、それぞれにグラム陽性菌、グラム陰性菌と分けられます。数多くある細菌の種類をこのグラム染色で大きく分けられる事になります。その他にも細菌によってはその細菌に特有な染色方法などもありその染色方法は目的によって使い分けられます。

細菌の種類をこういった見た目上で見分けるのにはある程度制限が加わります。これよりも細かく見分けるには細菌の生育条件やその菌自体が賛成分泌する酵素などを確認したり遺伝子的にその細菌を同定するといった手法が必要となってきます。これらの方法は確認に時間が必要なため迅速な判断の方法としては使い辛いといった側面もあります。そのためどこまで細菌の種類を判別するのかといった目的によってこれらの確認に使われる方法を使い分けるといったような事も行われています。

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☆☆☆ 歯周病治療・審美歯科・口腔外科は名古屋市千種区池下の歯医者の阿部歯科 ☆☆☆

こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科です。歯科においても様々な治療薬が発明されていますがこれらの治療薬がどのような経緯をたどって臨床の場に出て来るのかというお話を今回はしようと思います。

始まりは基礎研究

臨床の現場に様々な治療薬が出て来るときに急に出てくるわけではありません。最初は地道な基礎研究から始まります。基礎研究では治療薬を目標にして研究が進められる事もあれば疾患や細胞、新たに発見されたタンパク質や物質、既に知られている物質に対する現象やメカニズムの証明から始まる事もあります。疾患に対する現象とそのメカニズムの解明から思いもしないような治療薬が発明される場合もあります。

それらの成果の多くは論文という形で発表され、それがさらに同じ研究室で治療薬へと結びついていく事もあれば他の研究者が治療薬へと結びつけていく場合、企業によって製品化される場合など様々です。しかし多くの共通点は地道な基礎研究による疾患と研究の際に確認される現象、メカニズムの解明から始まります。

治療薬の目標を決めた後

対象とするタンパク質や物質などを決め、どのような治療に用いるかが決まったら実際にその物質が生体に対して有効かを確認していく必要性があります。このステップには研究室内での試験管の中の細胞に対する試験から始まり、動物、人に対する治験と階段を登るように安全性が確認されていきます。最初に行われるのが細胞に対する確認で、試験管の中のヒトの細胞に対して本当に有効な結果が確認されるかというところから進んでいきます。この試験管の中の細胞に対して有効性が確認されると、次は物質の有効性と共に安全性の確認が始まります。

ヒトの細胞とはいえ試験管は動いて生活している生体ではないので確認できる事には限界が出てきます。そこで有効性を確認されるために哺乳類が物質の有効性の確認のために用いられるのですが、生物を使うためこの段階の制約や規定は非常に厳しくなっています。実験動物に対する倫理規定や動物に対して不当な扱いをしない事など数多くの制約と規定が設けられておりアメリカでもIACUCプロトコルと呼ばれる非常に厳密な倫理規定と動物に対する扱いに関する報告書の提出と承認の義務が課せられておりこのIACUCプロトコルの内容が厳密に学内の専門機関、もしくは学外の専門機関によって審査されます。そして日本においても審査委員会によって報告書の審査が行われます。これらIACUCプロトコルは対象とされる動物によっては規定や規制が非常に厳しく許可がおりるまでプロトコルの提出をしてから半年以上かかる事さえあり、動物の権利に関しても非常に厳密に管理がされているのです。

実験動物に対して物質の有効性と安全性が確認された後は大学病院などで限定的に内容の説明や安全性の説明をして同意を得られた患者さんに治験が行われるという流れを取って最終的な物質の有効性を確認して治療薬へとなって臨床の場で使われるようになっていくのです。

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緊張すると口が渇く事がありますよね。口の渇きは唾液腺から分泌される唾液の影響によるものですが、今回は口の中の渇きに影響する唾液腺についてお話をしようと思います。

大唾液腺

唾液を分泌する唾液腺には大唾液腺と小唾液腺があります。大唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺という3種類の唾液腺があります。名前の通り位置的には耳の下、顎の下、舌の下にありこれらの大唾液腺から多くの唾液が分泌されています。唾液腺にも唾石という石ができる事があり唾石が唾液腺の腺体内もしくは導管内にできると唾液がうまく出なくなったり感染を起こして激しく痛む場合があります。この場合に唾液腺を指で押してみる事で唾液がうまく出てくるかどうかを確認して唾石の有無を確認することもあります。これらの唾液腺の分泌する唾液の出口は決まっており、それぞれの場所からうまく唾液が出てくるかを確認する事で唾液の分泌状態を確認する事もできます。口の中の唾液でもサラサラのものと粘り気があるものがありますが、耳下腺からはサラサラの唾液である漿液性の唾液が、耳下腺からは粘り気がある粘液性の唾液が、顎下腺からは漿液性と粘液性の唾液の両方が分泌されてこれらの唾液の割合で口の中の唾液のサラサラ感や粘り気が決定してきます。これらの唾液腺の一部分は顔の外から触る事で触診する事も可能で、唾液腺に炎症が起きてるかを触診で確認する事もあります。

小唾液腺

小唾液腺はその場の通り大唾液腺とは違い小さな唾液腺の集団です。小唾液腺は口腔内の様々な部位に存在しており唇や舌の下部、頬や口蓋といった様々な部位に分布しています。唇を噛んだりなどして小唾液腺の導管部が損傷するとその損傷部位から唾液が漏れ出して唾液の溜まりを作ってしまう粘液嚢胞という偽嚢胞を作る場合があります。下唇にできる場合を下唇粘液嚢胞と呼び下唇を噛む癖のあるお子さんに見られる事があります。舌の先の舌尖下面に粘液嚢胞ができる事もありこの場合は特別にブランディンヌーン嚢胞と呼びます。舌の下面に円形のできものができるので舌に何かができたと心配されて受診される患者さんもいます。これらの粘液嚢胞は破れて中の唾液が排出されると潰れてしまうのが特徴ですが潰れてもまた唾液が貯留をして再び腫れてくる事がほとんどです。

これらの普段あまり意識しない唾液にもそれぞれに分泌する場所があり、その分泌される唾液にもサラサラな漿液性の唾液と粘り気のある粘液性の唾液にわかれているのです。

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執筆者:名古屋市千種区の歯医者 阿部歯科

千種区池下駅から徒歩のロケーションにある歯医者、阿部歯科副院長 阿部利晴です!

今回は身近なのに知らない部分も多い歯の構造に関して詳しくお話をしようと思います。歯医者さんへ行って「歯の神経の理療をしますね」と言われた方もいるかもしれませんが、「歯の神経」と言われてもピンとこないのではないでしょうか??

記事の再執筆:2018年1月22日(月)11:30

 

歯の表面について

歯の表面は人の体の中で、最も硬い硬度を持つ「エナメル質」に覆われています。

エナメル質はハイドロキシアパタイトという、極めて水分量の少ない無機質の結晶からできており、歯のエナメル質部分はハイドロキシアパタイトの結晶でできたエナメル小柱という構造が寄り集まってできています。

ハイドロキシアパタイトは、カルシウムに酸素や水素やリンが集まってできる結晶なのですが、骨や後に出てくる象牙質という構造にも含まれています。このハイドロキシアパタイトが最も多く含まれる部分が歯であり、体の中で最も硬い組織となっています。
 

エナメル質の下

エナメル質の下には象牙質があります。

象牙質にはエナメル質にあったハイドロキシアパタイトの他に有機質も含まれており、象牙質の構造の中には象牙細管という管のような構造があります。この中には水分が含まれておりさらに奥にある歯髄に存在する象牙芽細胞の一部が腕を伸ばしております。

この象牙細管の中の水分が刺激によって揺れると、その水分を伝って刺激が歯髄に行き痛みを感じると言われています。

歯が痛みを感じる機序の仮説にはいくつかありますが、この水分が動くことによって痛みを感じるという動水力学説が最も有力だと言われています。虫歯になるとこの象牙質がむき出しになり、象牙細管内の水分を経由して刺激が歯髄に伝わるのです。

 

歯髄とは?

大きな虫歯になって神経を取ることになると「神経の治療をします」という事になるのですが、その時に神経と言っているのはこの歯髄の事です。

歯髄の最外側には象牙細管に腕の一部を伸ばしている象牙芽細胞という細胞がいますが、その奥の空間には神経や血管や結合組織、免疫細胞で満たされています。動水力学説による水分の圧力変化をこの歯髄の中の神経が感じ取って、痛みを感じているわけです。

神経と言っても実は種類があり、歯髄の中にはAδ線維とC線維という2種類の痛覚神経があります。違いは鋭い痛みを感じるか鈍い痛みを感じるかの違いがあり、歯の痛みでもキーンと感じる鋭い痛みとドーンと感じる鈍い痛みの2種類があるのはこのためです。

 

セメント質について

歯の構造にはこの他にもセメント質と呼ばれる、骨に埋まっている部分に存在する構造があります。
これは歯と骨の間でクッションの役割をする
歯根膜というハンモックのような構造が歯に繋がるためのアンカー部分となっています。

 

「歯やお口に関するご相談」は、千種区の頼れる歯医者 阿部歯科へお任せください!

今回は「歯の構造について」ご説明しました。少し専門的な内容がありましたが、いかがでしたか?

このように歯と一言で言っても、色々な構造で構成されてできているのです。
その構造をしっかりと把握し、むし歯や歯周病、その他の疾患について診査し、その患者さんに適した歯科治療を歯医者は行っています。阿部歯科では「患者さんにとって、最適な治療を行うよう努める」のは勿論、患者さんに不安のないようにご説明の上、治療を進めています。

いくら最適な治療でも、今どういった状態で、何故その治療を行う必要があるのか?それによってどう良くなるのか?が分からないと、安心して治療に通うことができなと思います。このような気持ちのケアまで行うことが、良い治療であると考えます。

これまでに「他の歯医者さんで治療してもらったけれど、どれぐらい良くなっているのか分からない・・」「自分のお口の状態について把握した上で適切な治療をしてほしい!」といった方はお気軽に阿部歯科までご相談ください。まずは患者さんのお話をヒアリングできればと思います!

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本記事の執筆:歯科医師  阿部 利晴 (あべ としはる) 


【歯科医師としてのプロフィール】
1980年:名古屋市千種区生まれで、歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ

 

2005年:愛知学院大学歯学部を卒業
2005年:豊川市民病院の歯科口腔外科で臨床研修医として活動
2006年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座へ入局
2010年:愛知学院大学大学院の歯学研究科を修了 総代
2010年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座にて非常勤助教
2010年:名古屋大学医学部附属病院の麻酔科 医員を経験
2011年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部で勤務
2014年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて講師となる
2014年:アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所の非常勤連邦職員を経験
2015年:名古屋市千種区の阿部歯科 副院長に就任
趣味:ハイキング、英会話
 

【一言】
国内だけでなく、アメリカでも歯科治療に関し、様々な知識/経験を得てきました。
日本とアメリカで長年培ってきた技術をリニューアル開業後、存分に活かし、それぞれの患者さんに適した治療をいたします。

阿部歯科のある池下近隣の患者さんはもちろん、千種区内にお住いの多くの方に頼っていただけるような歯科医院を作り上げたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

千種区の歯医者の阿部歯科です。アレルギーには色々種類がありますが特にその中でも今回は重篤なアナフィラキシーショックに関してお話をしようと思います。頻度は低いですが、歯科領域でもごく稀にアナフィラキシーショックが見られる事がありますアナフィラキシーの場合は早急な対処が必要なため迷走神経反射や過換気症候群などと鑑別をしっかりして素早く対処する必要があります。

アナフィラキシーショックとは

アレルギーの種類の内でI型アレルギー、別名で即時型アレルギーとも呼ばれるアレルギーによって重篤な反応が起きてショック状態を呈したものです。アレルギー反応の延長で循環器系に大きな影響が起きてしまった状態とも言えます。I型アレルギーに付随して起きてしまった症状と捉える事もできます。

I型アレルギーとは

アレルギーの型にはその発生機序によってI型からIV型まで分類されます。I型アレルギーと聞くと聞きなれませんが花粉症や食物アレルギーもこのI型アレルギーに含まれます。この型のアレルギーでは花粉や食べ物などのタンパク質が抗原として認識されるところから始まります。食べ物や花粉や他の様々な物質は色々な種類のタンパク質でその物質が構成されています。その中のタンパク質はそれぞれ特徴的な3次元的立体構造を持ちます。これは連なったアミノ酸が3次構造や4次構造を作る事で形作られその構造の中の一部の形が免疫機構によって抗原として認識されます。これをエピトープと呼び、このエピトープに体の中で作られた抗体が付着していきます。I型アレルギーではIgE抗体という種類の抗体がエピトープに結合しこのIgE抗体を介して免疫系の肥満細胞などの免疫細胞が感作されます。感作された肥満細胞などの免疫細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出され体に炎症反応が起きます。この炎症作用が急激に起きて血管拡張、浮腫、腫脹が強く出る事でショック状態や呼吸困難を引き起こしたものがアナフィラキシーショックと呼ばれる状態です。

アナフィラキシーショックと他の類似症状を絶対に間違えてはいけない

歯科治療中に気分の悪さや息苦しさを訴えた際に他の迷走神経反射や過換気症候群などと絶対に間違えてはいけません。それはアナフィラキシーショックが非常に素早い対応を必要とする状態で急激なアレルギー症状を呈する所見を絶対に見落としてはいけないからです。そのためにはそれぞれの状態の発生機序を理解してどういう原因で起きるのかを理解していないとそれに続くさまざまな付随症状を理解することができずに鑑別診断を行えなくなってしまいます。

患者さんがどのような時でも安心して歯科治療を受けられるように幅広い知識が歯科医師にも必要とされるのですね。

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※※※千種区池下の歯医者は審美歯科・口腔外科・歯周病治療の阿部歯科※※※

こんにちは、千種区池下の歯医者の阿部歯科です。

注射針は歯科治療の局所麻酔の際の口腔粘膜への注射や、点滴の際の静脈への循環へのルート確保の際、時には全身麻酔下でのリアルタイムでの血圧モニタリングのために動脈に留置針を刺入する際などに使われますがそれらの針の太さは目的に合わせて様々なものが用意されています。針の太さは直径が大きければ大きいほど刺入時の刺激が強く痛みが強いのですが、この注射針の太さはG(ゲージ)と呼ばれる規格が決められておりその規格を見てどの太さの注射針を使うかを決定します。そこで今回は普段あまり気にすることのない注射針に焦点を合わせてお話をしようと思います。

注射針の太さ

注射針の太さはその目的によって太さが変わってきます。細ければ細いほど刺入時の痛みを感じにくいのですがその反面、細いほど液体の流入速度も遅くなります。歯科治療の際の口腔粘膜へに局所麻酔ではかなり細いものが使われており、これは敏感な口腔粘膜に対して可能な限り刺入時の痛みを感じにくくする目的のために細いものが使われています。針の太さは「G(ゲージ)」という単位で太さが決められており、数字が小さければ小さいほど太く、大きければ大きいほど注射針の直径が小さくなっていきます。歯科治療の際の局所麻酔では通常はおおよそ30Gから33Gの太さの注射針のものが使われる事が多くなっています。数字だけ30Gから33Gと聞いてもイメージがつきにくいと思いますが、インフルエンザワクチンの予防注射目的の皮下注射ではおおよそ26G付近の太さの注射針が、点滴などの目的の静脈内注射では22G付近の太さの注射針が、全身麻酔中の術中管理目的の輸液では目的に合わせて18Gから22G付近、全身麻酔中の失血に対する輸液や輸血ではかなり太いものだと16Gに太さの注射針が使われる事もあります。33Gの太さと16Gの太さを比べるとそれぞれおおよそ直径1.6mmと0.2mmと、直径で8倍もの太さの差があります。この注射針の太さの比較から見ても歯科治療の際の局所麻酔の注射針にはかなり細いものが使われている事がわかりますね。

どうしてG(ゲージ)が大きいほど注射針の直径が小さくなるのか

なんとなくのイメージだとゲージの数字が大きくなれば太く、小さくなれば細くなりそうですが注射針の太さの場合は逆になります。ゲージの数字が大きくなれば細く、小さくなれば太くなります。そしてゲージの数字が半分になったから注射針の太さが2倍になるといったような規則性もなくゲージの数字から注射針の太さをイメージするのは非常に困難です。実際の臨床現場ではゲージの数字から大体の太さのイメージを記憶していても、それぞれの注射針のゲージ数の比較からそれぞれの太さの差を計算で出す事はできません。実はこのゲージという規格は19世紀のイギリスで鉄線や鋼鉄線の金属線(ワイヤー)の規格として決められたBirmingham Wire Gauge(バーミンガムワイヤーゲージ)からきており、このゲージの部分をGauge(ゲージ)という規格で注射針に利用したのです。このバーミンガムワイヤーゲージという針金類などに使われる規格が注射針に応用されたのは少し不思議ですね(尚、このバーミンガムワイヤーゲージという金属線の規格は今では大分古いもののようですが、一部では使われているようです)。そしてこのゲージと太さの関係ですが数式では計算不可能でバーミンガムワイヤーゲージで規定された太さに金属線の伸線(金属線を円錐状の筒に通して太さを変える工程)を行い決められているようです。一時期この金属線の太さの定義を数式的に再定義し直すようにするという試みもあったようですが、数式に当てはめてしまうと現在ある規格との太さの間に誤差が生まれてしまうという理由で結局は見送られたようです。これらの金属線の太さについても19世紀のイギリスの時代から色々な人が色々な規格を提案しており、当時のイギリスでも規格が乱立して大変だったようです。

今回は注射針の太さ「G(ゲージ)」についてお話をしましたが元々は19世紀のイギリスの金属線規格のバーミンガム ワイヤー ゲージからきており、太さは計算式ではなく決められた伸線工程での太さで定義されているというお話をしました。歯科治療でも局所麻酔のための注射に使われる注射針ではかなり細いものが採用されていますが、その注射針の太さの規格の成り立ちにはこのようなお話が隠されていたのです。

参考文献:The story of the gauge. J. S. Poll. 1999. Anesthesia

 

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歯科治療において局所麻酔薬や飲み薬などを使う際に注意する事の一つにアレルギーという問題がありますが、アレルギーといってもいくつか種類があるのはご存知でしょうか?そこで今回はアレルギーに関してはお話をしようと思います。

そもそもアレルギーとは

アレルギーの正体は体の免疫機構が対象となる抗原に対して過剰に反応する事です。アレルギーは免疫機構が抗原のエピトープと呼ばれるタンパク質の特定の部位に対して反応を示す事で起きますが、同時に体を細菌などの外敵から守る働きをしています。金属アレルギーという言葉もありますが免疫機構の抗体はタンパク質上にあるエピトープの立体構造に対して反応をするため金属が直接免疫機構を刺激してるわけではなく、溶出した金属イオンによる影響でタンパク質の立体構造に影響を及ぼしアレルギーを引き起こすと考えられています。このように、体の防御機構である免疫機構の反応が特定のタンパク質に過剰に反応している状態がアレルギーという事ができます。

抗原抗体反応という言葉

抗原となるタンパク質のエピトープの部位に特異的に接続するのが抗体という事になるのですが、この反応を抗原抗体反応と言います。抗体は非常に特異的な反応を示しそれぞれの抗体に対してそれぞれにあったエピトープしか接続しません。これが遺伝子的に個人個人に割り当てられた抗体の特異性へと繋がり、人によってアレルギーが出る人と出ない人という差を生み出す事になります。人類の進化上でより多くの人々に共通して割り当てられた抗体の遺伝子もあれば極々僅かの限られた人たちだけが持っている抗体というのもあります。リウマチなどの自己に対する抗体やアレルギーといった本来の目的と違った抗原抗体反応は多くの人々の多様性の中で生まれて来たものでもあります。

アレルギーの原因は個人の持つ抗体の特異性にある

例えば花粉症もアレルギーの中に含まれますが、それぞれの作用機序によってアレルギーの起こる免疫機構の経路が変わってきます。花粉症やアレルギーの中でも注意の必要が出てくるアナフィラキシーショックは共にIgEと呼ばれるY型の形をした2箇所のエピトープ認識部位を持つ抗体が原因となって起きますが、この抗体によって引き起こされるアレルギーは抗原に晒されてからすぐに起きる事から即時型アレルギーと呼ばれます。花粉症の方が花粉を吸ってすぐにアレルギー症状が出るのと同様に歯科治療で使われる薬剤などによるアナフィラキシーショックでもすぐに症状が現れます。アナフィラキシーショックはアレルギーの結果の一つなのですがくしゃみが出る花粉症でとの大きな違いは血圧の低下による循環不全を伴う全身的な機能不全という点にあります。そのため、アナフィラキシーショックはショック状態を伴った症状であり全身的な循環不全も含めて非常に注意しないといけない状態と言えます。

これらのアレルギーの他にもIgGと呼ばれる抗体や補体と呼ばれる免疫機構に関するタンパク質などが関連する様々なアレルギーがあり、一言でアレルギーと言っても抗原に晒されてからアレルギーの起きる速度や起きる機序など様々なものがあるのです。

抗原抗体反応.jpg

執筆者

名古屋市千種区池下の歯医者

阿部歯科 副院長

阿部利晴

虫歯はミュータンス菌(S. mutans)によって引き起こされますが、虫歯の発生を増悪させる因子の一つにカンジダ菌(C. albicans)があるとも言われる事があります。この虫歯とカンジダ菌の関わりは比較的昔から言われているのですが、その関連性がはっきりと伝えられる事はあまりありません。一説にはミュータンス菌の含まれるプラークの発生がカンジダ菌によって補強されていると言われる事もあります。そのような状況の中で子供の虫歯の発生に関する新しい情報として2017年12月21日に「Caries Research」誌より発表された「Candida albicans and Early Childhood Caries: A Systematic Review and Meta-Analysis. Xiao J. et al.」のレビュー論文の一部を引用してご紹介します。この報告では今までに発表された様々な論文を取りまとめ信憑性と科学的な妥当性を審査して幼児期のお子さんに対するう蝕とカンジダ菌(C. albicans)との関わりを報告しております。この報告の中では「虫歯のある幼児の口腔内のプラークの中には虫歯のない幼児よりもより多くのカンジダ菌(C. albicans)が認められる」と紹介されており、幼いお子さんの虫歯の発生とカンジダ菌の関わりが指摘されています。そして「母親の口腔内のカンジダ菌が子供に感染している可能性がある」と説明しています。

レビュー論文とは

この虫歯とカンジダ菌の関わりを説明する報告はレビュー論文と呼ばれるものです。レビューとは過去の様々な研究者が発表した研究論文を取りまとめて発表するものでその中でも今回のレビューはう蝕とカンジダ菌の関わりに関して数多くの情報から科学的妥当性、論文としての資質、研究デザインの精度をふるい分けして分析しています。そのため通常の研究論文とは性質の異なった情報源となります。

昔からう蝕とカンジダ菌との関わりが指摘されていましたが報告者によってはう蝕とカンジダ菌は関わりがないという指摘もされていました。科学的な研究にはこのようにかなり高い確率で相反する報告が出てきます。ちょうどガリレオ・ガリレイの地動説と天動説が相反したように真逆の報告というものが出てきます。その際の科学的な妥当性は別機関での追試の成功や今回のようなメタアナライシスによるレビューなどで評価されます。このこのレビューでは「高い割合で幼児におけるう蝕の発生とカンジダ菌の存在に関わりが認められた」という結論に達しており、「そのカンジダ菌は母親の口腔内から感染したものかもしれない」と議論されています。う蝕とカンジダ菌の関わりはかなり昔から報告されていましたがそのう蝕発生にまで至るメカニズムまではまだ踏み込まれておらず、疫学的な研究が主となっていました。ただ、中世ヨーロッパでペストが流行した際にペスト菌の存在が知られる前にも関わらずペストとネズミとの関連が指摘されたりといったような臨床分野においては疫学的手法が疾病発症のメカニズム解明に先行することは稀ではありません。

う蝕とカンジダ菌の関わり

レビュー内では「う蝕のある幼児の口腔内のプラークには44-80%の高い確率でカンジダ菌が発見されている」のに対して「う蝕のない幼児のプラークには7-19%の確率でしかカンジダ菌が発見されていない」と報告しています。このプラーク内で発見されるカンジダ菌に関して、う蝕の発生に関わるミュータンス菌(S. mutans)がプラーク内でカンジダ菌と共生状態にありそれが幼児のう蝕に影響を及ぼしているのではないかと言われる事があります。

以上の事からはお子さんの虫歯予防にはお母さんの口腔内の管理も大切だという事が見えてきます。そのため小さなお子さんを持つ方は是非歯科の定期検診を欠かさないようにすると良いと思います。

虫歯とカンジダ菌.jpg

今回の記事の執筆者 千種区の歯医者 阿部歯科  :副院長 阿部 利晴 (あべ としはる)


【歯科医師としてのプロフィール】
1980年:名古屋市の千種区池下で生まれ歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ

2005年:愛知学院大学歯学部を卒業
2005年:豊川市民病院の歯科口腔外科で臨床研修医を経験
2006年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座へ入局
2010年:愛知学院大学大学院の歯学研究科を修了 総代
2010年:愛知学院大学歯学部の顎顔面外科学講座にて非常勤助教に任命
2010年:名古屋大学医学部附属病院の麻酔科 医員となる
2011年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部で勤務
2014年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて講師となる
2014年:アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所の非常勤連邦職員となる
2015年:名古屋市千種区の阿部歯科 副院長に就任
趣味:ハイキング、英会話
 

【一言】国内の歯学部や病院だけでなく、アメリカでも歯科医療に関して様々な知識や経験を得てきました。
日本とアメリカで長年培ってきた知識や技術をリニューアル開業後の阿部歯科で存分に活かして、患者さんそれぞれに適した治療をいたしたいと思います。

池下の周りの患者さんだけでなく千種区内や千種区外にいらっしゃる多くの患者さんに頼っていただけるような歯医者として阿部歯科をつくりあげていこうと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

現在、医院建物の改装中につき、固定電話が繋がらなくなっております。
求人等に関するご連絡は、下記携帯番号までお願いいたします。(原則メールにてご連絡ください)
採用担当:阿部 090-3300-5882
診療時間
月~金
10:00~14:00 / 16:00~19:30
土・日
9:30~13:00 / 15:00~18:00
休診・・・祝日
阿部歯科 特別コラム

医院情報


阿部歯科

〒464-0074
愛知県名古屋市千種区
仲田2-18-17

TEL:052-751-0613
※現在、医院建物の改装中につき、固定電話が繋がらなくなっております。
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駐車場:あり

地下鉄池下駅より徒歩5分、
今池駅から6分

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