千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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歯医者さんの豆知識の最近のブログ記事

こんにちは副院長の阿部利晴です。今日は、普段ではなかなか知る機会のない、一風変わったアメリカの歯科事情、歯科医療機関受診の行程についてお話ししようと思います。

アメリカでの歯科治療事情って?

アメリカの歯科医療というと皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか?

世界の最先端医療?医療費が高そう?治療も自己責任?治療が大雑把そう?日本と同じようなものなのかな?

色々な印象があるかもしれませんが、一言で言い表せばアメリカの歯科治療事情は

「格差」

です。

なんとなくそうだろうな、と思った方もいるかもしれませんが、具体的にどういう格差なのか。

例えば、入れ歯があります。すごく良い入れ歯とあまり良くない入れ歯、そのような格差があるのかな?と思われるかもしれませんが、これが驚きなのですが、そもそも誰が治療をするのかというところから格差が始まります。

どういう事かと言うと、入れ歯の作製キットが街のホームセンターで売っているのです。入れ歯の良し悪し以前に、「自分で作るのか」、「歯科医院で作るのか」、というところから格差ができてきます。

これは、いわゆるお金がなくて歯科医にかかれない、もしくは歯科医療の保険に入ってない、または歯科医療の保険に入っていても入れ歯の作製が保険でカバーされていないといった患者さんのために、自作で入れ歯を作るために売られています。まるで日曜大工でもやるようにホームセンターに行って、専用キットを使って入れ歯を作っていくのです。しかもその専用キットも決して安くはありません。

本来、入れ歯はそれぞれ個人の残りの歯の数や、位置、高さ、噛み合わせ、顔や頬の張りを考慮して一人一人オーダーメイドで出来上がるものなのです。しかしながら、アメリカではそのような治療を受けられる人は限られているのが実情です。

決して珍しい事ではなく、街の看板にも「キットが700ドル!」などと掲げられているのを目にします。最初にその看板を見た時は何の宣伝だったのか分からなかったのを思い出します。

こういうところにもアメリカは格差が広がっているのだなと驚くばかりです。

しかし、一方では最先端の材料、最先端の知識を使って治療を受けられる患者さんもいます。こればかりは、お国柄が色濃く出る部分ですのでアメリカの国では当然と思って受け入れられているようです。

アメリカの保険治療は制限がやたらと多い

そういった医療格差の事情もあり、アメリカの人はとにかくしっかり歯を磨く、予防のため定期検診に通う(治療を受けた場合の費用とは雲泥の差が出るために)、歯科関係の歯磨き粉、洗口剤が豊富に取りそろえられている。といった、口腔ケアに関する意識が非常に高くなっています。薬局に売っている歯科関係の物は大変豊富です。そのためアメリカは予防歯科の先進国でもあります。

難しい問題は、そのような治療格差にとどまらず、「歯科医療の保険に入っていても受信できる歯科医院が決まっている」「保険の利く歯は〜本まで」「一本の歯でも治せる面積はここまで」

というように事細かに規則が決まっており、歯科医療を受けるには、歯科医院に電話をする前にとにかく最初に保険会社に連絡を取って保険が下りるかどうか確認して許可を得る事から始まります。

実際の流れはいくつか難関があり、アメリカで歯科医療を受けるための1番最初の難関が保険会社が許可している歯科医療機関を探すというところです。「あの歯科医院がいい」「この歯科医院がいい」よりも前に、

「どの歯科医院がその保険会社の保険を使えるのか」

そして

「その医療機関のどのドクターなら保険会社への保険請求が認められるのか」つまり、同じ医療機関なのに保険の効くドクターと効かないドクターが分かれているのですね。

そしてその次に「どういう治療なら保険でカバーされるのか」

という事を調べて受信をしないといけません。さらに、医療機関に着くと、まず最初に医療機関が連絡を取るのが保険会社で、本当に保険が下りるのかを医療機関と保険会社の双方で確認を取ります。

アメリカの保険事情.jpg

ここまでいくと、治療を受けにきたのか、何かの契約をしにきたのか分からなくなってしまうほどです。そのため、歯科医療機関への受診は大変大きなイベントという位置付けになっています。

こういった医療機関への受診過程においてもアメリカの契約社会、というものが色濃く出ているのだと思います。

実際の治療に関しても治療材料のメーカーから患者が自分で選ぶ必要がある事もあり、これは自分で選択した自己責任に繋がるというアメリカのお国柄のようです。

全世界的に歯医者での予防歯科の大切さが認識されてきている

アメリカで使われる歯科材料や治療器具は日本でも有名なものが多いのですが、保険医療制度と合わせてあまりにも選択肢が多く、患者さんにとっては複雑すぎるというのが実情だと思います。こういった非常に複雑で高価な医療システム、といった背景があるために歯をしっかり磨いて虫歯にならないようにしようという意識が強くなっているのだと思います。

さらに笑顔を見せる時には、歯を見せて笑うのが良いとされているために見栄えという意味でも非常に歯のメンテナンスつまりは予防歯科を気にされ、定期的に歯科医療機関を受診するのが文化として定着しております。

国が違えば文化もシステムも違うとは言え、自作で入れ歯を作ったりするなどあまりにも日本とかけ離れており、驚く事が非常に多いです。

今回は、一風変わったアメリカの歯科医療の事情をお話ししましたが、イギリスやスイス、インドやタイなど、国によってかなりの差があるようです。しかしながら、世界全体の流れとしては先進国を中心に、治療から予防へというように歯科治療のトレンドが変わってきているのを感じます。

そのため今では日本でも「治療」から「予防」へ、という今ある歯を守るという事の大切さが重要視されてきております。

 

☆☆☆ 日曜日も診療 予防歯科・歯周病治療・口腔外科・審美歯科は千種区の歯医者の阿部歯科 ☆☆☆

執筆者 阿部 利晴

【略歴】

1980年 名古屋市千種区生まれ歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ
2005年 愛知学院大学歯学部 卒業
2005年 豊川市民病院 歯科口腔外科 臨床研修医
2006年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座入局
2010年 愛知学院大学大学院 歯学研究科修了 総代
2010年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座 非常勤助教
2010年 名古屋大学医学部附属病院 麻酔科 医員
2011年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部 勤務
2014年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部 講師
2014年 アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所 非常勤連邦職員
2015年 阿部歯科 副院長

 

医療機関に行くと医療機関独特のにおいがしますよね。消毒薬のにおいであったりなにかの薬剤のようなにおいであったり。歯科医院でも特徴的な独特のにおいがする事がありますが今回はそんな歯医者さんでするにおいについてお話をしようと思います。

歯医者さんでするにおいの元は歯科で使われる薬剤や材料のにおい

歯科医療機関でする事がある独特なにおい、いわゆる「歯医者さんのにおい」は概ね治療に使われる薬剤や材料からきています。歯の神経の治療の際に使われるFCという消毒薬があるのですがこの消毒薬は独特なにおいがして歯医者さんのにおいの元になっているものの一つです。ただ、FCはかつては歯の神経の治療の際に使われていたのですが現在は使われなくなってきています。

この他に歯医者さんのにおいの元になりやすいものとして即時重合レジンというものがあります。この材料はポリマーの粉とモノマーの液を混ぜる事で固まりプラスチックのような重合した物質を作り出します。仮歯を作る際や入れ歯の修理の際などに使われますがこの即時重合レジンのモノマーの液が独特なにおいを作り出している事があります。即時重合レジンは今の段階では歯科治療の際に使う材料としてはメジャーなものなので今現在の歯医者さんの独特なにおいの元はこの即時重合レジンのモノマーの液からくるものが多いかもしれません。

傷口や感染部位を消毒する薬剤としてイソジンを使う場合がありますが、このイソジンも歯科医院で独特なにおいを作り出しているものの一つかもしれません。イソジンの場合は歯科医療機関だけでなく他の医療機関でも消毒に使われるので歯医者さんに特有のにおいとはなりませんがイソジンでうがいをした事がある人は分かると思いますが、なんとも言えない薬のような変わったにおいがしますよね。

歯医者さんのにおいで緊張する?

このように歯科医療機関にはそこで使われる消毒薬や材料から来る特徴的な香があります。この「香」自体が患者さんが緊張してしまう原因の一つになっているのかもしれません。そこで名古屋市内や千種区、名古屋の外から阿部歯科に来る患者さんが緊張せずに来院できるように歯医者さんでの「におい」という点についても気をつけられたらいいなと考えています。やはり、可能な限り緊張を取り除く事が患者さんの安心につながっていくと考えています。

見た目や雰囲気など5感全てで緊張せずに安心して来院できる阿部歯科ができるといいなと考えています。

歯医者さんのにおい.jpg

 

歯が虫歯になってしまい歯の神経が細菌感染と炎症を起こしてしまった際に歯の神経を取って元々神経があった場所を洗浄する必要があります。歯の神経には主要な主根管と呼ばれる神経の大部分が存在する空間があるのですが実はこの神経の通り道は一本道ではないというお話をしようと思います。

副根管と側枝

歯の神経は骨の中から歯に向かって入っていき歯の頭の部分に存在する冠部歯髄という場所まで到達します。この歯髄と呼ばれる神経は大部分が主根管と呼ばれる太い空間を通るのですがこの空間は一本道ではなく副根管と呼ばれる主根管よりも細い空間や根管から枝分かれした側枝という空間にも木の枝のように枝分かれするように広がっています。これらの経路は非常に複雑で主根管や副根管以外の微小な枝分かれしている空間は物理的に神経を取り除くのが非常に難しくなっています。そのため歯の神経の治療では歯の神経を物理的に取り除くのと同時に消毒薬を使った化学的な洗浄も併用して根管内の洗浄と消毒を進めていきます。

この洗浄では消毒薬を使った化学的な消毒と超音波を利用した発泡作用による洗浄を併用して細かい部分まで清掃を進めていきます。

歯の神経の通り道は想像以上に複雑

このように歯の神経の通り道は目では見えないような枝分かれが複雑に入り組んでいます。歯の根の部分は歯の種類によって様々で1本であったり3本であったりします。歯の根1本につき主根管が1本の事が多いのですが1本の歯の根に対して主根管の他に副根管という歯の神経の通り道がある事もあります。この副根管は歯の種類によって発生率が様々でこの歯の種類毎の副根管の発生率を理解しておく事も根の治療では大切な事となります。この副根管の存在の可能性を理解しておく事で副根管の存在に注意しながら歯の根の治療をする事ができます。

歯の神経の治療は物理的、化学的両方の洗浄が大切

このように歯の神経の通り道には物理的に届く事が難しい空間があるため物理的な清掃と同時に消毒薬による化学的な洗浄が大切になります。それらの物理的、化学的な洗浄とともに他にも様々な方法を併用して細菌に感染した神経を除去し、細菌感染を取り除いていく事となります。

歯の神経の治療法も清掃と洗浄に関して方法が次第に変わってきており以前の根管内の洗浄方法からより細菌感染を取り除くのに適した方法、手技へと進化してきています。新しい材料、機材、手技など常に最新の論文などを確認して新しい知識を得続ける事がとても大切となってくるのです。

歯の神経の枝分かれ.jpg

☆☆☆ 千種区の歯医者の阿部歯科では患者さんが普段なかなか知る機会のない歯の豆知識もお届けしています。 ☆☆☆

 

こんにちは、千種区池下の歯医者の阿部歯科です。 歯石を取る道具には色々な種類がありますが今回はその中のエアスケーラーという道具についてお話をしようと思います。患者さんにとっては歯石取りと聞いてもどのような道具で取っているのか気になるかもしれませんね

エアスケーラーという道具

エアスケーラーとは「エア:air」とついている様に空気の力を利用して道具を動かして歯石を取るのに利用しています。実際にはコンプレッサーと呼ばれる空気を圧縮する機械から送られた圧縮空気を道具に通して風車の様に風の力を動力に変えています。圧縮空気を利用して歯科治療をする道具の中にエアタービンという道具がありますがこちらは虫歯を削るのに使われるのと、動作原理も大きく違います。エアタービンでは圧縮空気を先端のヘッドと呼ばれる部位に送り出してヘッドに付いている風車をグルグル回しながらヘッドから空気を吐き出しますがエアスケーラーでは同じ圧縮空気を使っていますがグルグル回ることもありませんし先端から空気を吐き出すこともしません。

エアスケーラーの動作原理

歯科の中でも動作原理に関しては意外と興味を持たれませんが、しかしながら動作原理を知っておかないとアスケーラーでやってはいけない事や清掃時にやらないといけない事に気がつかずに間違った事をやってしまう可能性があります。エアスケーラーは最初に圧縮空気を器械に送り込むところまではエアタービンと同じなのですが実は圧縮空気の流れ方が全く違います。エアタービンでは圧縮空気は先端から吐き出されますがエアスケーラーでは後方部から吐き出されます。圧縮空気された空気がエアスケーラーの内部を通ると先端に付いている歯石を取るためチップが接続されている軸をまず最初に右か左のどちらかの向きに回転させます。この回転は一周せずにわずかに回転したところで空気の流れが機械的に遮断され別の部位へと空気の流れが変わります。変えられた空気の流れで今度は逆方向に回転してまたわずかに回転したところで空気の流れが変わりまた逆方向に回転し始めます。この振り子の様な運動をわずかに前後しながら行うのがエアスケーラーの原理です。振り子運動のために使われた圧縮空気は後方へと吐き出されていきます。

何故エアスケーラーの原理を知っている事が大切なのか

これは歯科治療でやってはいけない事と清掃時にやらなければいけない事を知るためと言えます。上に書いた様にエアスケーラーでは振り子の様な往復運動を繰り返すので歯石を取るためのチップの先端も中心からずれたチップの先端では左右に振り子の様にふれています。この時に歯面に対して平行になる様にチップを当ててしまうと歯を叩きつける様にチップの先端が当たってしまうので患者さんとしてはすごく痛いですし、歯に対してマイクロクラックを引き起こしてしまう可能性さえあります。そのためエアスケーラーは歯面に対して平行に当ててはいけないのです。治療後の清掃の際にも注意が必要で、圧縮空気はエアタービンと違って後方から押し出されるために先端にメンテナンス用などのオイルを使う事があれば圧縮空気で余分なオイルを吹き飛ばす事が出来ないという事を注意しておく必要が出てくるのです。

この様に歯科医療の器械といっても道具によって様々な原理で動いているものがあるのです。

エアスケーラー.jpg

こんにちは、池下の広小路通り前の歯医者の阿部歯科です。歯の治療の際に詰め物をしたり被せ物をするために口の中で型を取る事があります。経験がある方もいるかもしれませんが口の中に入る粘土のようなドロッとした型取りの材料です。そこで今回は治療の際の型取の材料についてお話をしようと思います。

アルジネート印象材

アルジネート印象材は最も基本となる型取りの材料です。色はピンク色だったり白色だったりしますがその成分にはアルギン酸ナトリウムと言う海藻類に含まれる食物繊維の一種などのアルギン酸塩が含まれていてカルシウムイオンと反応させる事で弾性をもった型取りの材料になります。その他にも型取りの材料として使いやすくなるように様々な材料が含まれていますが混ぜる時に使う水の温度が高いと固まる速度が速くなってしまうので夏場などには冷やした 水を練るのに使う事もあるので口の中に入れた時にヒヤッとした感触を感じやすいです。あまり細かく型取りを再現する必要のない時などに使われます。

寒天印象材

寒天印象材は細かい部分の再現性に優れた材料なのですがそれ自体は非常に脆いため単独で使われる事はありません。そのため寒天印象材はアルジネート印象材と合わせて使われる事が多くなります。成分には寒天印象材と呼ばれるようにテングサから取られた成分が使われます。加熱すると溶けて冷えると固まる性質があるため口の中に入れる際は温かさを感じます。そのためアルジネート印象材と同時に用いられる場合はまず最初に寒天印象材の温かさを感じてからアルジネート印象材の冷たさを感じるといように温かさと冷たさの両方を口の中で感じる事になります。

シリコーンゴム印象材

シリコーンゴム印象材はゴム質を利用した型取りになります。硬さが違う粘度が様々なタイプの種類のシリコーン印象材を使いわけて口の中の型を取ることができます。硬化した後は丈夫で複数回石膏を流して模型を複数作る事もできます。

光学印象

口の中の映像をレンズのフォーカスや3次元的な計測、画像解析のアルゴリズムなど様々な方法でコンピュータ上にデータとして再構築する方法です。技工所では普及も進んできていますが、口腔内でデータを取るためには過剰露光を抑えるために口の中に粉をまぶしたりもしくは偏光フィルターなどを利用したり、光学的にデータを読み取る都合上で複雑な形態を排除したり、光の屈折を抑えるために水分を完全に排除したり、などといった口腔内での画像解析特有の課題も存在しています。この方法では上にある直接口の中の型を取る方法とは全く違った作業工程になるため技工所での詰め物や被せ物の製作過程も全く違ったものとなります。

その他にも今ではあまり使われなくなったポリサルファイドゴム印象材やポリエーテルラバー印象材などもありますが、一口でどれが優れているという事はなく、目的によってそれぞれの印象材を使い分ける事が必要となってきます。

印象材.jpg

今日は、もしかしたらみなさんの多くも不思議に思っているかもしれない「なぜ歯医者さんは木曜日が休みなのか」という話題についてお話をしようと思います。もちろん、木曜休みではない歯医者さんもありますが歯医者さんは多くが木曜日が休みですよね。当医院でも祖父が千種区に阿部歯科を開院してから長く木曜日は定休日となっていました。

会合の関係?

木曜日休みではない歯医者さん同様、阿部歯科も木曜日の診療を行いますが多くの歯科医院では木曜日が休みとなっています。これは一体何故なのでしょうか?歯科の勉強会や会合などは木曜日や土曜日に行われる事が多くなっており、千種区でも歯科関連の会合や定期の行事は木曜日もしくは土曜日に集中してきます。そのため木曜日は何かしらの用事で予定が埋まってしまう歯医者さんが多いです。

それでは、勉強会や会合が木曜日に集中するから歯科医院の多くは木曜日が休みなのでしょうか?現在の状況に限っては理由の一つはその通りだと思います。院長が会合に出席するためには、院長が不在でも歯科医院が通常通りに診療を続けられる必要がありますが、院長と同等の歯科医師が院内に滞在していないとうまく院長不在で診療を続けて行くのが難しくなってしまいます。阿部歯科の場合は、院長と副院長という役職と立場上の違いは設けておりますが診療においても治療の指針のすり合わせを行う事で診療体制に差が生まれないように制度を作っております。歯科医院でそういった制度を確立するにはかなり多くのハードルもあり、そのため院長が不在となる木曜日は歯科医院が必然的に休みになる日が多いのでしょうね。では、歯科医師の集まりなどの会合があるから歯科医院の多くが木曜休みになったのでしょうか?

木曜日の休みは元々技工日だった?

実は木曜休みになる元々の理由は別にあったという話があります。それは、「技工日」という日が木曜日に設けられていたという話です。「技工日」とはなんでしょうか?「技工日」とは歯の詰め物や被せ物、入れ歯などを実際に作る日です。今は、ほとんどの歯科医師は技工物を外注で出していますが、私の祖父の時代は自分たちで技工物をほぼ全部作っていたという話を聞きました。中には、学生さんを住み込みで住まわせてその人に技工物を作ってもらう代わりに、学生さんの学費を出していたという話も聞いたことがあります。

実際、歯科医師である私の祖父の遺品の中には数多くの歯の詰め物や被せ物、入れ歯を作るための道具がありました。私も愛知学院歯学部の学生の時には技工物を作る実習をしましたが歯科医師になってからはほとんどの歯科医師がそうであるように技工所への外注、もしくは院内技工士さんに技工物を作ってもらうというようにしております。しかし、祖父の時代はほぼ全部技工物は自分で作っていたようで技工に必要な機材だけでなく、技工に必要な材料も数多く遺品の中で目にしました。祖父は私が中学生くらいの頃までは現役で働いておりましたが、その頃になると流石にもう自分で技工物を作ってはいないようでしたが、祖父がまだ若かった頃はどうやら技工物のほとんどは自分で作っていたようです。

これは特別なことではなく、明治生まれの祖父が若い頃は歯科医師が技工日を設けて、その日に技工物を製作する、という事を行なっていたようです。その「技工日」が、木曜日であり、月火水と診療して、木曜日に技工物を作り、金土と診療をする、という流れだったようです。そのため、木曜日が休みだったのではなく、「木曜日は診療以外の技工の仕事をする日だった」というのが歯医者さんは木曜日が休みになるというように認識されるようになったと一説で言われています。

歯医者さんの定休日.jpg

色々な業種でも特定の休みが決まっている事もしばしばですが、歯医者さんに関してもこのような理由があって木曜休みが多くなっていったのかもしれません。他にも、もしかしたら色々と「歯医者さんの木曜休みが定着した理由」説がまだまだあるかもしれませんね。

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