千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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当院副院長からのお知らせ、出来事のご紹介です。

歯の治療で詰め物をしていく際に柔らかい練り物で口の中の型を取った経験のある患者さんもいると思いますが将来的にこのような型取りの方法が減っていく可能性があるという事をご存知でしょうか

印象方法の変化

歯や口の中の型を取る事を印象採得と言いますが従来使われている練り物を練って口の形を取っていく方法が今後は高額印象という画像撮影を利用した印象採得の方法に変わっていくと言われています。この方法では画像解析によって得られた歯や口腔内の3次元的なデータを基にしてミリングという削り出しによって詰め物や被せ物を作っていくことになります。

光学印象とは?

光学印象とはその名の通り光学的な映像を元にして対象となる歯や口腔内の状況を再現する方法です。この方法では実際の対象物となる歯に対して自然光もしくはカメラから照射された光で歯を照らし歯の様々な部位の立体的な位置、つまりx軸、y軸、z軸を規定して3次元的な立体を構築して行く方法です。この3次元的な位置の決定方法は様々な方法があり、3角測量やフォーカス、多数の画像からアルゴリズムで解析するなどの方法で測定する点の位置を確定していきます。この光学印象で使われるのは小さなカメラで、このカメラで口腔内を撮影する事で立体画像を構築していくため練り物を使った型取りのような不快感はありません。しかしこのカメラによる画像解析をしていく際にも必要な事があります。それは正しく映像をカメラにおさめるという事です。当然の事のように聞こえますがこれは非常に厳密な意味で画像を分析する必要性が出るため歯の表面の光沢による露出オーバーをなくすために口の中にパウダーをまぶして光沢を拡散させる必要などが出てきます。パウダーを使わない方法として偏光フィルターを使ったものなども開発されていますが、画像を正しく得るために必要なのはこの他にも水分による光の屈折をなくすために乾燥状態で撮影したりする事と複雑な形態による画像解析のミスをなくすために尖った部位は無くして滑らかに歯の形を形成しないといけないといったような制限が出てきます。

正しく画像解析ができたら

それらの方法を使って部位ごとの座標を決定したらそれらの点を結んでポリゴンで作られた口腔内の状況を再現してそのデータに対して詰め物や被せ物を設計するという工程を経て実際の詰め物や被せ物の削り出しであるミリングを行なっていく事となります。光学印象は最近出てきた新しい印象法ですが、露出過剰に弱かったり、複雑な形態に対する解析に弱いなどといった画像解析特有の弱点もありますが、今後はさらにこれらの弱点も改善されていき将来的には光学印象が広く普及するようになると思われています。しかしながら従来通りの印象方にもそれ特有の有利な点があるため必要に応じて両方の印象方を併用する事になっていくのかもしれません。

参考文献: Intraoral Scanner Technologies: A Review to Make a Successful Impression. R. Richert et al. Journal of Healthcare Engineering. 2017.

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歯医者さんで治療をする時に治療法をいくつか提示される事があると思いますが患者さんにとってはなかなか違いがわからない事がありますよね。そんな時にどうしたらいいのかというお話をしようと思います。

かつての治療はパターナリズム(父権主義)が主だった

パターナリズムまたは父権主義とも言いますが、医療におけるパターナリズムとは治療者、すなわち歯科医師が患者さんのためにとって良いと判断した治療を治療者主導で決定して行う事です。この場合は患者さんとしては治療法に関してほとんど悩む必要がなく治療する歯科医師が良いと思う方法で治療が進んでいきました。しかしながらこの医療におけるパターナリズムは歯科医療のなかではほとんど行われなくなっています。現在では歯科医師が可能な治療法を提示して患者さんに決めてもらう、妥当である治療法を提示して患者さんにその治療法を選択するか決めてもらうといったように患者さんに治療法を決定してもらうもしくは治療をするかどうか決定してもらうというのが通常になりました。ただ、患者さんとしては選択肢が増えた分どの治療法を選べばいいのか悩む事も多いようです。

提示された治療法のどれを選べばいいのか分からない

患者さんにとっては治療法の説明を聞いていくつかの治療法を提示されてもなかなかどの治療法を選べばいいのか悩む事も多く、歯科医師側にどの方法がいいのか聞かれる事もよくあります。確かに歯科治療では、保険治療か自費治療か?金属かセラミックかジルコニアか?といったように多くの選択肢があります。そしてそれぞれの治療法の説明を聞いてもそれぞれの特徴があるため悩んでしまう患者さんがおり、その際にどの治療法がいいのか聞かれます。私の場合その時に患者さんに聞くのが「何を1番優先したいのか」という事です。価値観は人それぞれなので人によっては最も優先する事が見た目であるかもしれませんし、歯への親和性かもしれませんし、歯の長持ちさかもしれません、それぞれに最も優先する事は様々だと思います。そしてここで患者さんに聞くのは最も優先する事を1つだけ決めてもらう事、そして次に優先する事が何なのかといったように確認していきます。そのようにして患者さんにとっての価値観と何を大切にしたいかという事を確認していきます。そうして患者さんの価値観を確認する事で初めてその患者さんにあった治療法を提示する事ができます。患者さんが何を大切にしているのか確認せずに特定の治療法を提示してしまうともしかしたら患者さんの望まない治療法を提示してしまうかもしれないという危険があります。

このように患者さんの大切にする事を確認する事が治療する上で大切だと阿部歯科では考えています。

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みなさんは冷たい水を飲んだ時に歯が「チカッ」と痛んだりする事がありますか?もちろんその痛みに原因は虫歯かもしれませんが、知覚過敏でも冷たい水で鋭い痛みを感じる事があります。知覚過敏という言葉は比較的聞き覚えがあると思いますが、この知覚過敏の原因がかみ合わせにある場合もあるという事をご存知でしょうか?

知覚過敏とは

冷たい水や時には歯ブラシで毛先が当たる、温かいものでも鋭い痛みを感じる状態です。これ自体は虫歯ではなく、歯の構造の内の「象牙質」という部分が大きく露出することによって歯が外からの刺激に過敏になっている状態です。冷たい水にしみるので虫歯だと思って歯医者さんに行ってみたらそこで初めて知覚過敏と診断された方もいるのではないでしょうか?実は冷たい水で虫歯がしみるのも知覚過敏でしみるのも両方とも象牙質という組織が露出してきて外からの刺激に対して痛みを感じているという共通点があります。

そのため痛みの感じ方だけで言ってしまえば違いはほぼないと言ってしまってもいいかもしれません、しかし大きな違いは虫歯は細菌によって起こるのに対して知覚過敏は別の要因でも起きるという点です。

何故知覚過敏が起きるのか

これには患者さんによって理由が分かれて来ます。知覚過敏の多くは歯の横の部分の歯茎の近くが痛むのですが、上下の歯を噛み合わせる部分に痛みを感じる患者さんもいます。理由は比較的多いものをあげると歯磨きの仕方が適切ではなかったり、夜に歯ぎしりをしている事がなどが原因になりえますが、歯が欠けてしまった事が原因の場合もあります。歯磨きに関してはあまり歯をゴシゴシ研磨するように磨いてしまうと何かの理由で露出してきた象牙質の部分を削り取ってしまいそれによってさらに象牙質を露出させて刺激を感じやすくさせてしまう場合があります。

歯ぎしりがあると知覚過敏になる可能性がある

実はこの理由は結構多いです。通常歯をギシギシした時には糸切り歯とも呼ばれる上下の犬歯が擦れあって滑らかにスライドするように顎を動かすのですが、夜に歯ぎしりがあるとこの擦れ合いによって糸切り歯がどんどん磨耗していきます。通常は歯をギシギシした時に糸切り歯だけで当たっていたがこの磨耗によってどんどんとその奥の歯にも当たってくるようになります。

自分の歯を鏡で見てみるとお分かりになると思いますが、糸切り歯が鋭く槍のように尖っているのに対して奥の歯に行けば行くほど平らな台のような形になっていきます。そのため奥歯が当たってくると上下の歯をギシギシと擦り合わせた時に接触する面積が多くなり摩擦力が上がって、歯が左右にふられやすくなります。その結果、例えば地面つき立てた棒を左右に大きく動かすと土がめくり上がって棒が露出してきたり棒の一部がパキッと割れて棒の内側が露出してきてしまうように歯でも過剰な左右の動揺によって象牙質が露出してきてしまう事があるのです。特にこの現象は糸切り歯より奥の歯に起こりやすくなってきます。

知覚過敏が起きたら

まず第一に診断をして知覚過敏の原因を確かめる事が必要です。例えば夜の歯ぎしりが原因である可能性があるのであれば、夜寝る時にはめるマウスピースのようなナイトガードの作製をして寝る時に装着してもらったりします。刺激に対する処置としては、知覚過敏用のコーティングをしてたりしますが、車のワックスのようにコーティングをするのでこのコーティングは2回、3回と塗り続ける必要があります。それでも痛みがなかなか治らない場合は露出した象牙質をプラスチックで直接覆ってしまう場合もあります。痛みが強い場合は歯の神経が刺激によって炎症を起こしてしまわないように抗炎症薬を出す場合もありますが基本的には処方は出ないことの方が多いです。

痛みの程度はどこまで抑えられるのか

冷たい水を飲んで痛みがなくなるのが理想なのですが、最終的なゴールは日常生活に支障をきたさない程度、というところに落ち着きます。例えば氷水でうがいをした場合には歯がしみるものの、通常の食事や日常生活では問題がないというような状況がこれに当たります。通常ではしないような氷水でのうがいを

といった特殊な状況を除いてある程度普段通りに生活できる段階がゴール目安になります。

ただ、しみ止めの薬を塗ったりプラスチックで象牙質を覆ったりナイトガードを使ってみてもどうしても冷たいものや歯磨きでの強い痛みが消えずに日常生活で大きな支障をきたしてしまうという場合には最終手段として歯そのものの神経を抜いてしまうという方法もありますが、それよりもまずはなぜ知覚過敏が起きたのかという診断とそれに対する対処と処置を続けて行く事が大切となります。

家庭でできる知覚過敏の対処

ナイトガードの作製やしみ止めの処置といった歯科医院でしかできない処置の他にも家庭で行える大切な対処があります。その一つが歯磨きの注意で、歯ブラシでゴシゴシと歯を削り取るように磨いてしまうと象牙質を露出させてしまう可能性があるので歯ブラシによるブラッシングはストロークを大きくゴシゴシと磨くのではなく細かく小刻みに動かしようにブラッシングする事が大切となります。

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こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科 副院長の阿部利晴です。口の中の病気と言うとどうしても虫歯や歯周病、それに伴う虫歯菌であるミュータンス菌や歯周病関連細菌のP. gingivalisといった細菌に目がいきますが口の中の病気との関わりには自分の体自身の免疫細胞も大変重要な関わりを持っています。そこで今回は口の中の免疫細胞についてお話をしようと思います。

口の中の免疫細胞はどこで働いているのか

好中球やマクロファージ、リンパ球などの免疫細胞は体の組織の中に分布していますが口の中の病気、特に歯周病との関わりでは歯と歯茎の境目の歯肉溝という部位で大きな役割を果たしています。歯肉溝では歯茎の(歯肉)の粘膜が歯の表面に付着しており、ちょうどガラスの表面にゴムの薄い板をペタッと貼り付けるようにしてついていています。これを上皮性付着と言いますが、この上皮性付着をしている口腔粘膜の上皮と歯の表面の間は組織からの浸出液が出ると同時に免疫細胞も分布しています。そのため、この歯肉溝に集まった細菌に対して浸出液と共に分布してきている免疫細胞が細菌の組織への侵入を防ぐ役割をしています。

歯周病が進むと

歯周病がすすむとこの上皮性付着が炎症により剥がれて口腔内の細菌が組織に侵入しやすくなります。組織へと侵入してしまった細菌に対しても免疫細胞が対応をする事になりますがこの時には好中球、マクロファージ、リンパ球といった様々な免疫細胞が対応する事になります。これらの免疫細胞はそれぞれに役割が大きく違い、例えば好中球は侵入してきた細菌を貪食し細胞内で溶かしてしまう、マクロファージは細菌を貪食した上で細菌の構造の情報をリンパ球に伝えてリンパ球が抗体を産生するといったように色々な免疫細胞が共同して外敵から抵抗するように働いています。

これらの免疫細胞が大きく活動するという事は炎症が強く働き痛みや腫れも同時に起きる事を意味しているので免疫細胞の過剰な活動は強い痛みをもたらすとも言えます。そのため歯周病になった場合は口腔内の清掃などによって細菌の数をコントロールして過剰に免疫反応が起きないようにするという事も非常に大切になってきます。

炎症に伴って歯肉からは出血をしやすくなり、この血液の成分自体が細菌の増殖のための栄養分となってしまうので炎症と細菌増殖の悪循環に陥ってしまう可能性があります。そこで、口腔内清掃によるプラークコントロールや歯周外科といった歯周組織の状態の改善のための処置をする事でこの悪循環から抜け出すといった事を目指していきます。

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今回は皆さんが日常的に行う「歯磨き」についてお話ししようと思います。「歯磨きは1日に何回行えばいいのか?」と疑問に思う方もいると思いますが、皆さんは1日に何回歯を磨きますか?1日3回朝昼晩、1日に終わりの寝る前に、など人によって様々だと思います。生活スタイルによっても変わりますが、やはり歯を磨く回数は1日に3回、朝直後、昼食後、夕食後が基本となってきます。

歯を磨くタイミングは?

食後すぐに磨くの?しばらく後でもいいの?と疑問を持つ方もいると思いますが、食後すぐに歯磨きをした方が口の中の細菌の増殖も抑えられます

以前は「食後30分は磨いてはダメ」と言われていた時期もありましたが、その理由は食事直後は食べ物の影響で口の中のpHが酸性に傾いているため、pHが低い状態で歯を磨くと歯が削れてしまう、と言われていたからです。実際に歯はおおよそpH5.5まで口の中が酸性に傾くと溶け始めると言われています。食後に口の中のpHが酸性に傾いた状態で歯を磨くとどうなるのか、という事を確かめ、食事の直後の口の中が酸性に傾いた状態では歯を磨かない方がいいという事がかつては言われたのですが、今では食事の直後に歯を磨いても歯は削れない、というように考えられています。

理由は、酸性に傾いた状態で歯が削れるかどうかを確認した条件は歯の構造のうちの「象牙質」という部分を確認していたからです。

かつて食後30分は歯を磨かない方がいいと言われた理由

歯の構造は象牙質というやや柔らかい硬い物質の上にエナメル質というとても硬い物質が覆いかぶさってできています。通常の口を開けて見える白い歯はこのエナメル質と呼ばれる組織が見えているのです。この硬い組織を対象とした場合は、食事の直後の口の中が酸性に傾いている状態でも歯磨きでは歯は削れないと認識されるようになりました。

ただ、人によっては歯茎が下がって象牙質がむき出しになっている人もいます。知覚過敏を感じる人などはこの象牙質の一部が露出している状態になっている人が多くいます。

このように象牙質が露出している人に関しては食事直後の口の中が酸性に傾いている環境では象牙質の部分が削れやすくなっている可能性があるので、歯ブラシでゴシゴシ磨くのは注意が必要となります。

口の中の環境は食後はpHが酸性に傾くものの、時間とともに口の唾液の影響で次第に中性に戻ってきます。以前言われていた「食後30分は歯を磨かない方がいい」という話はこの口の中の環境が酸性から中性に戻ってくるまで待つ、という意味合いがあったのですね。

食後はすみやかに汚れを取り除いた方がいい

しかしながら、食事によってできた口の中の食べ物の残りは口の中の細菌の格好の栄養となります。口の中の細菌の影響で歯が虫歯になったり、歯周病になったりするので口の中の食べ物の残りは細菌がそれを栄養として増殖する前に速やかに取り除いた方が良いという事になります。

そのため、「食後には毎回歯を磨いた方がいい」という事になりますが、人によっては食後すぐもやる事が色々あってどうしても歯がなかなか磨けない、という人もいるかと思います。

「朝食を急いで食べて歯を磨く暇がない」といった方や「昼食を車の中で取って歯磨きできない」といった方など、様々だと思います。

理想は「毎食後すぐに歯を磨く」という事になりますが、どうしても歯を磨く時間が取れない、という方は何もしないよりも口をしっかりゆすぐという事をされた方が口の中に残る食べ物が減ります。

実際には、歯ブラシでの歯磨きだけでは食べ物の残りや歯の表面についた汚れを取りきるのは難しいので「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」や「洗口液」などを併用して磨くのが良いのですが、1日3回全てやるのが難しいという人もいると思いますので、生活スタイルに合わせて1日のうちの朝食後と昼食後は軽めに、寝る前にはしっかりと歯を磨く、といった組み合わせが有効となるかもしれません。

寝ている間は細菌が増殖しやすい

夜寝ている間には細菌を自然と洗い流す口の中の唾液の分泌量が減って細菌が増えやすい環境が整ってしまいます。さらに唾液には先ほど書いたように酸性になった環境を中性にしたり、細菌に抵抗する抗菌性の効果も持っているので、寝ている間の唾液の分泌量の減少は口の中の細菌にとって増殖のための絶好のチャンスとなってしまうのです。そのため、生活スタイルでどうしても朝食後と昼食後に歯をしっかり磨く時間が取れないという方でも、夕食後はしっかり歯を磨いて寝る前には口の中が綺麗な状態でも寝られるのが良いと思われます。

私の場合は、例え食事会があってその場でお酒が出て酔って帰ってきた後でも眠い目をこすって、寝る前に必ず歯をしっかり磨く、という事をしています。それだけ常日頃から寝る前に口の中を清潔にしておく事が大切という事なんですね。

もしも、時間が取れるようなら朝食後、昼食後、夕食後全てにしっかり歯を磨けたら理想的ですね。忙しい方でも、ご自分の生活スタイルにあった歯磨きのタイミングや回数を色々と工夫する事で口の中を清潔に保ち続ける事もできるので分からな事があれば是非とも阿部歯科でおたずねください。

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こんにちは、今回は皆さんも一度は考えた事があるかもしれない「親知らずって抜いた方がいいの?」という話題のついてお話をしようと思います。親知らずが腫れて痛み出したら一度は抜いた方が「いいのかなぁ」と考えてしまいますよね。でも抜くと痛そうという心配からどうしても二の足を踏んでしまうと思います。そこで親知らずは抜いたほうがいいのか、抜かなくてもいいのかという事に焦点を当てて今回はお話をしようと思います。

親知らずを抜いた方がいい場合

「親知らずを抜いた方がいいのかなぁ?」という問いに関して、結論からお話をしますと、場合によっては抜かなくてもいい、もしくは抜かない方がいい場合もあります。では、逆にどのような時に親知らずを抜いた方がいいかというと、親知らずが何かしらの悪さをする時です。例えば、上でお話ししたような、親知らずが腫れるといった場合や、親知らずがある事で親知らずの一つ前の歯が虫歯になりやすくなっている、もしくはすでに虫歯になってしまっているといった場合や、親知らず自体がひどく虫歯になっており歯磨きもし辛いので治してもまた虫歯になりやすい、といった場合などです。

最初の、「親知らずが腫れる」という場合は、親知らずの一部に肉が乗っかってしまっていて歯磨きをしても歯と肉の間をよく磨く事ができずに汚れがたまってしまいしばしば歯茎が腫れる、という場合によく起きます。一度だけ腫れたものの、その後は一度も腫れていないという場合は様子を見る事もありますが、2度3度と何度も繰り返す場合は、思い切って抜く事を考えてもいい場合があります

この腫れはひどい時にはのどの奥の方まで腫れてしまい、そのまま腫れがさらに進むと入院する必要が出てくる場合もあるので、腫れがひどい場合はすぐにでも受診した方がいい場合が多々あります。

2つ目の、「親知らずのせいで他の歯が虫歯になってしまう」という場合は、親知らずが横に生えている場合にしばしば見られます。この場合は、親知らずの頭の部分が隣の歯の横と接していてそこに汚れがたまりやすいためにそこから虫歯になってしまうという場合です。この場合はひどい時は、親知らずのせいで前の歯が大きく虫歯になってしまいその隣の歯も残らない、という時もあります。磨けない部分の虫歯はどんどん進行してしまうため、この場合は他の歯を守るために積極的に親知らずを抜いていった方がいい場合があります。

3つ目の、「親知らず自体がひどい虫歯になっている」場合は、虫歯の治療ができるようなら治療をしても良い場合もありますが、今後も虫歯になる確率が高いと思われる場合は親知らずを抜く事を考えてみてもいいかもしれません

状況によって、抜いた方がいい、抜かない方がいいという違いはありますが、何が何でも今親知らずを抜かなければいけないという状況は限られてきます。ただし、腫れや虫歯にしろ、今後のリスクを考えた上で今のうちに抜いておいた方がいいという考え方もあります。特に、2つ目の他の歯を虫歯にさせてしまうリスクは、他の歯が虫歯になってしまってからでは遅いのでそうなる前に親知らずを抜いてしまうという考え方は今後のリスクを考えた上で一度選択肢に入れるのも良いかもしれません。

親知らずを抜く場合はメリットとリスクを天秤にかけて

ただ、なんでもかんでも親知らずは抜けばいいというものではなく、親知らずを抜く場合のリスクも当然あります。親知らずが顎の骨の中を通る神経と近い場合は唇の感覚(触った時の感覚)に影響を及ぼす可能性もありますし、親知らずを抜いたらそこに空間ができるので前の歯がしみるようになったといった事や、血が止まりにくかった、傷口が感染して喉の奥が痛くなった、抜いた後の傷口の痛みが続く、といった症状が出る事があります。

レントゲンの写真からいくつかの抜歯後のリスクは予測できるので、可能性のある術後の症状は事前にリスクをお話ししてから親知らずの抜歯を希望されるかどうかを確認しております。ただ、やはり一番大切なのは、ご自分の親知らずの状況を確認して親知らずを抜きたいと思うか抜きたくないと思うか、という事だと思います。親知らずを残す事で将来的に親知らずを何かしらの形で利用する事も可能性としてありますが、親知らずを残す事による将来にわたるリスクも存在するので、親知らずを抜いた時のメリットとデメリット、親知らずを残した場合のメリットとデメリットを天秤にかけて最終的な結論を出されるといいと思います。

一言で親知らずの抜歯と言いましても、性別、年齢、全身的な健康状態、口の大きさ、歯の生え方で親知らずの抜歯の難易度もその後の術後の合併症のリスクもガラリと変わってきます。中には決断が早い方が好ましい場合もありますが、どうしても親知らずを抜くとなると身構えてしまいますよね。

当医院は、院長・副院長共に口腔外科で研鑽を積んで、さらに麻酔科での全身麻酔の研修も修了しておりますので全身的な健康状態も含めた親知らずの診断に深い知見があります。親知らずの抜歯とはいえ、血も出ますし、時には親知らずを骨から掘り起こすために歯茎を切り開いて骨を削る必要がある場合もあります。その時にはやはり出血や傷の治りという点から全身的な理解が大変重要となってくると考えています。

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手に水疱ができたり荒れたりして皮膚科を受診される方もいると思いますが時にはそれが口の中の虫歯と関連している事もあるかもしれないという事をご存知でしょうか?そのため、今回は「手にできた水疱や荒れが虫歯と関連しているかもしれない」、という内容でお話をしようと思います。手と口の中、一見してほとんど関係なさそうだし、やや発想が飛躍してるのではないかとも思われるかもしれませんが、その手の荒れとは、「掌蹠膿疱症」と呼ばれるものです。

掌蹠膿疱症って?

この掌蹠膿疱症ですが、手のひらや、指、足の裏にしばしば左右対称に現れる病気で、多数の水泡を作ったり膨れ上がったり、皮膚がむけたりして、痒さを感じる事があります。体の中で水疱を作るものはウイルス性の病気だったり、免疫応答に関連する免疫疾患の系統の病気である事がしばしばありますが、この掌蹠膿疱症は、歯に詰めた金属や虫歯や歯周病などが原因で起きる事があると言われています。

実際に、両手の指に水疱ができて痒かったのが、虫歯を治した途端に治ったという事が実際にあります。あまり関連がなさそうで突飛な話に聞こえるかもしれませんが、実際に私も虫歯を治したら本当にすぐに指にできていた水疱が治ってしまったという患者さんを見た事があります。口の中の治療をしたら指の水疱が治ってしまったのを見たときは非常に不思議な感じでした。この掌蹠膿疱症ですが、原因がやや不明、という部分があり、虫歯が原因なのか、歯周病が原因なのか、歯に詰めた金属が原因なのかその他の原因なのか、もしくはその他のものが原因なのかはっきりとしないという特徴があります。

ただ、実際の症例として、詰め物の金属を取ったら治ったり、虫歯を治したら治ったり、歯周病の治療をしたら治ったというものが報告されています。虫歯の治療に限らず、特定のビタミンを補充したら治ったという報告もあるようです。

それでもまずは皮膚科への受診を

この病気はあやふやな部分も多くあるため、他の皮膚疾患と勘違いしたりする事もあるので、当然ながらまずは皮膚科を受診する、という事が最優先されます。「虫歯があって指に水疱ができたから掌蹠膿疱症なのかな」と簡単に判断するのではなく、まずは医療機関で臨床診断をはっきりとさせるという事が大切になります。

この掌蹠膿疱症ですが、手のひらや指、足の裏にできる水疱は水疱の中身が細菌やウイルス、もしくは真菌(カビ)には感染していないという事も特徴です。水疱が痒くてかいていたら破ってしまい、傷口に細菌が感染してしまうといった事や、症状が悪化して小さな水疱がいくつもできてそれが集まって大きな水疱を作ってしまうといった事は起きる場合があるようです。

自分で見分けるのはむつかしい

皮膚に限らず、口の中の粘膜でも水疱を作る病気は単純ヘルペスウイルスや帯状疱疹ウイルスなどのウイルス性疾患や、免疫に関連する疾患にしばしば見られているので、それがウイルス性の感染なのか、自己の免疫に関連するものなのか、掌蹠膿疱症のように虫歯や歯周病に、歯の詰め物の金属が関連して起きてきているのか、などしっかり状態を把握する事が大切になってきます。

近年では掌蹠膿疱症はビタミンの一種であるビオチンが血中で不足して起こるのではないかと言われたり、特定の細菌に対する免疫応答が関連するのではないかと言われたろしますが、まだまだわかってない事が多くあるようです。

真菌性の感染(カビ)でもなくなかなか治らない手の荒れが歯科治療で治ったという話は報告や実際に他の先生方からも聞く事があります。あくまでも、虫歯や歯周病が手の荒れを直接起こしたということではなく、上の書いてあるように、口の中に存在する細菌が虫歯や歯周病の病巣で増殖を起こし、結果としてその細菌自体もしくはそれらに関連するものが血中を介して免疫応答を起こした結果なのかもしれません。歯の詰め物の金属が金属アレルギーを引き起こしてして、それが免疫応答に関連している可能性もあります。

実際に、掌蹠膿疱症のある患者さんの一部は関節炎を引き起こすと報告されていますが、炎症とは免疫応答そのものですので、何かしらの原因が免疫応答を引き起こして炎症となっているようです。その免疫応答を起こした原因が、虫歯や歯周病や詰め物の金属かもしれないという事なのですね。

詰め物の金属を外したら治ったという場合でも、もしかしたら金属アレルギーではなく、金属の下が虫歯になっていたり、金属と歯のつなぎ目に汚れがたまりやすくなっていて、そこで細菌が繁殖していたりする場合も考えられます。単純に「これ」と原因を断定するのは難しいようです。

手のひらや指に水疱を作る病気も掌蹠膿疱症だけではないので、あくまでも口の中の病気に関連したものも一部ある可能性がある、という認識になると思います。

しかしながらこの掌蹠膿疱症ですが、手のひらや指、足の裏や足の指にできるという話は聞いた事がありますが、なぜこのような四肢の末端に限定してくるのかが不思議です。ごく稀にその他の部位にも水疱ができてくる事もあるようですが稀のようですね。

まだまだ未解明な部分の多いこの掌蹠膿疱症ですが、より深くその原因と病気が起きるメカニズムが解明されると良いですね。

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日曜日も診療をしている千種区の歯医者の阿部歯科では口腔外科・歯周病治療・審美歯科に限らず様々な事柄に関してお役に立つ情報をお伝えしていければいいなと考えています。

 

 

こんにちは、阿部歯科の副院長の阿部利晴です。

今回は口内炎についてお話をしようと思います。口内炎といえば、口の中を咬んでしまったり、食生活が傾いて体が栄養不足になったり、暑さや忙しさで体力が落ちたりした時に口の中や口の横にできたりする傷ですね。傷を触ったり食事や会話の時に口を動かすと痛いので大変ですよね。治りかけても口内炎をまた咬んでしまったり、口を開けた拍子にまた傷が広がってしまったりなど、私にも苦い経験があります。

口内炎ができた時の対処法

この口内炎(口の横にできる場合は口角炎と言いますが)ができると皆さんはどうされていますか?口内炎が痛いので食事がうまく取れずに体力が落ちてしまうという人もいるかと思いましすし、何かの塗り薬を塗る、という人もいるかと思います。

この塗り薬ですが、口内炎ができたら塗ればいいのかどうなのか?というのが今回お話する内容です。結論から言いますと、口内炎のできた原因と塗り薬の種類によっては塗り薬を塗る事で症状が悪化してしまう事もあります。

口内炎といえば、体力の低下と栄養不足によって口の粘膜の新陳代謝が落ちて口内炎を作る場合と、単純ヘルペスウイルスなどのウイルスによって口内炎を作る場合があります。

体力の低下や栄養不足で細胞の代謝が悪くなる事が原因で口内炎ができた場合は炎症や痛みを抑えるような成分が入った塗り薬を塗る事で症状を抑える事ができる場合もありますが、ヘルペスウイルスなどのウイルスによって口内炎ができている場合は、ステロイド成分が入った塗り薬を塗ってしまうとかえって症状が悪化してしまう事がしばしばあります。

口内炎を起こすウイルスや真菌

口内炎を起こすウイルスは単純ヘルペスウイルスが有名ですが、帯状疱疹ウイルスや、他にはカンジダなどの真菌によっても口内炎ができる事があります。口内炎や口角炎を作る単純ヘルペスウイルスは非常にありふれたウイルスで日本人の7割から8割は感染していると言われています。口内炎や口角炎を作る単純ヘルペスウイルスは単純ヘルペスのI型と言われ、別には口唇ヘルペスウイルスとも呼ばれます。単純ヘルペスウイルスは、普段は神経に潜伏して身を潜めていますが、体力の低下に伴う免疫力の低下で再び活動と増殖を開始して口内炎や口角炎を引き起こします。

免疫力の低下によるウイルスの増殖で口内炎が出来た時に傷口にステロイドを含む塗り薬を塗ってしまうとステロイドの強い免疫抑制作用でかえってウイルスの活動や増殖が助けられて口内炎がひどくなる事があります。

ステロイドの含まれた軟膏は強力に炎症や免疫抑制作用を抑制するので、免疫作用による痛みや腫れを伴う炎症自体を抑えたい時には有効な場合もあるのですが、ウイルスや真性細菌、真菌が感染している場合には免疫作用を抑制する事でそれらの活動や増殖を手助けしてしまう場合もあるのです使用には注意が必要です。

口内炎の治り方

口内炎自体は通常であれば2週間ほどで細胞の新陳代謝により落ち着いてくる事が多いですが、軟膏を塗るとしたら消毒作用や抗菌薬が含まれているものを使うこともあります。抗菌薬自体は真性細胞には効きやすいものの、ウイルスには効かないのですが、できてしまった傷口に細菌が感染してしまわないように予防のため使ったり、傷口を刺激から守ってカバーするといった目的のために使われる事があります。

このように、ステロイドや抗菌薬や消毒成分など軟膏の中に入っている成分によっては口内炎への使用は注意しないといけません。こういった原因による口内炎のでは通常2週間ほどで治ってくる事が多いのですが、口内炎が1ヶ月など長期にわたっていつまでも治らずに続く場合にはさらに注意が必要な事があります。

口の中を咬んでできてしまう口内炎も、ウイルスによってできる口内炎も2週間ほど経てば、細胞の回復と新しい細胞への置き換わりが起きるので、治りが遅れてもすこしづつでも治る事が多いのですが、悪い出来物によってできた口内炎のような傷の場合はいつまでも傷が残ったりします。

悪い出来物、いわゆる「ガン」が代表されますが、このような悪い出来物によってできた口内炎のような傷は治癒が遅れる事も特徴の一つです。傷ができているのに痛みを感じない事もあります。

このような症状の口内炎に見える傷が確認されたらすぐに大学病院や市民病院に紹介をして精密検査をする必要があります。こういった症状の他にも、見た目や形、組織の下の感触など通常の口内炎とは違った性質をもっており、このような口内炎のような傷の場合は、安易にステロイド入りの塗り薬をるのは免疫作用を抑制するのでよくありません。

口内炎ができてしまったら、抗菌薬やステロイドなど、いろいろな成分が入った軟膏がありますが、それぞれの症状や体の状態、治り方や自分の体質に合うか合わないかなど総合的に見て慎重に使っていく必要があります。

口内炎ができると、どうしても「痛くて食事ができない!」となったりしますがまずは口内炎の状態や経過をよく観察する事が大切となってきます。

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こんにちは副院長の阿部利晴です。今日は、普段ではなかなか知る機会のない、一風変わったアメリカの歯科事情、歯科医療機関受診の行程についてお話ししようと思います。

アメリカでの歯科治療事情って?

アメリカの歯科医療というと皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか?

世界の最先端医療?医療費が高そう?治療も自己責任?治療が大雑把そう?日本と同じようなものなのかな?

色々な印象があるかもしれませんが、一言で言い表せばアメリカの歯科治療事情は

「格差」

です。

なんとなくそうだろうな、と思った方もいるかもしれませんが、具体的にどういう格差なのか。

例えば、入れ歯があります。すごく良い入れ歯とあまり良くない入れ歯、そのような格差があるのかな?と思われるかもしれませんが、これが驚きなのですが、そもそも誰が治療をするのかというところから格差が始まります。

どういう事かと言うと、入れ歯の作製キットが街のホームセンターで売っているのです。入れ歯の良し悪し以前に、「自分で作るのか」、「歯科医院で作るのか」、というところから格差ができてきます。

これは、いわゆるお金がなくて歯科医にかかれない、もしくは歯科医療の保険に入ってない、または歯科医療の保険に入っていても入れ歯の作製が保険でカバーされていないといった患者さんのために、自作で入れ歯を作るために売られています。まるで日曜大工でもやるようにホームセンターに行って、専用キットを使って入れ歯を作っていくのです。しかもその専用キットも決して安くはありません。

本来、入れ歯はそれぞれ個人の残りの歯の数や、位置、高さ、噛み合わせ、顔や頬の張りを考慮して一人一人オーダーメイドで出来上がるものなのです。しかしながら、アメリカではそのような治療を受けられる人は限られているのが実情です。

決して珍しい事ではなく、街の看板にも「キットが700ドル!」などと掲げられているのを目にします。最初にその看板を見た時は何の宣伝だったのか分からなかったのを思い出します。

こういうところにもアメリカは格差が広がっているのだなと驚くばかりです。

しかし、一方では最先端の材料、最先端の知識を使って治療を受けられる患者さんもいます。こればかりは、お国柄が色濃く出る部分ですのでアメリカの国では当然と思って受け入れられているようです。

アメリカの保険治療は制限がやたらと多い

そういった医療格差の事情もあり、アメリカの人はとにかくしっかり歯を磨く、予防のため定期検診に通う(治療を受けた場合の費用とは雲泥の差が出るために)、歯科関係の歯磨き粉、洗口剤が豊富に取りそろえられている。といった、口腔ケアに関する意識が非常に高くなっています。薬局に売っている歯科関係の物は大変豊富です。そのためアメリカは予防歯科の先進国でもあります。

難しい問題は、そのような治療格差にとどまらず、「歯科医療の保険に入っていても受信できる歯科医院が決まっている」「保険の利く歯は〜本まで」「一本の歯でも治せる面積はここまで」

というように事細かに規則が決まっており、歯科医療を受けるには、歯科医院に電話をする前にとにかく最初に保険会社に連絡を取って保険が下りるかどうか確認して許可を得る事から始まります。

実際の流れはいくつか難関があり、アメリカで歯科医療を受けるための1番最初の難関が保険会社が許可している歯科医療機関を探すというところです。「あの歯科医院がいい」「この歯科医院がいい」よりも前に、

「どの歯科医院がその保険会社の保険を使えるのか」

そして

「その医療機関のどのドクターなら保険会社への保険請求が認められるのか」つまり、同じ医療機関なのに保険の効くドクターと効かないドクターが分かれているのですね。

そしてその次に「どういう治療なら保険でカバーされるのか」

という事を調べて受信をしないといけません。さらに、医療機関に着くと、まず最初に医療機関が連絡を取るのが保険会社で、本当に保険が下りるのかを医療機関と保険会社の双方で確認を取ります。

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ここまでいくと、治療を受けにきたのか、何かの契約をしにきたのか分からなくなってしまうほどです。そのため、歯科医療機関への受診は大変大きなイベントという位置付けになっています。

こういった医療機関への受診過程においてもアメリカの契約社会、というものが色濃く出ているのだと思います。

実際の治療に関しても治療材料のメーカーから患者が自分で選ぶ必要がある事もあり、これは自分で選択した自己責任に繋がるというアメリカのお国柄のようです。

全世界的に歯医者での予防歯科の大切さが認識されてきている

アメリカで使われる歯科材料や治療器具は日本でも有名なものが多いのですが、保険医療制度と合わせてあまりにも選択肢が多く、患者さんにとっては複雑すぎるというのが実情だと思います。こういった非常に複雑で高価な医療システム、といった背景があるために歯をしっかり磨いて虫歯にならないようにしようという意識が強くなっているのだと思います。

さらに笑顔を見せる時には、歯を見せて笑うのが良いとされているために見栄えという意味でも非常に歯のメンテナンスつまりは予防歯科を気にされ、定期的に歯科医療機関を受診するのが文化として定着しております。

国が違えば文化もシステムも違うとは言え、自作で入れ歯を作ったりするなどあまりにも日本とかけ離れており、驚く事が非常に多いです。

今回は、一風変わったアメリカの歯科医療の事情をお話ししましたが、イギリスやスイス、インドやタイなど、国によってかなりの差があるようです。しかしながら、世界全体の流れとしては先進国を中心に、治療から予防へというように歯科治療のトレンドが変わってきているのを感じます。

そのため今では日本でも「治療」から「予防」へ、という今ある歯を守るという事の大切さが重要視されてきております。

 

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執筆者 阿部 利晴

【略歴】

1980年 名古屋市千種区生まれ歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ
2005年 愛知学院大学歯学部 卒業
2005年 豊川市民病院 歯科口腔外科 臨床研修医
2006年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座入局
2010年 愛知学院大学大学院 歯学研究科修了 総代
2010年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座 非常勤助教
2010年 名古屋大学医学部附属病院 麻酔科 医員
2011年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部 勤務
2014年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部 講師
2014年 アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所 非常勤連邦職員
2015年 阿部歯科 副院長

 

口内炎や口角炎が口の中にできると痛いですよね。これらのものは栄養が不足したり体が疲れているとできやすいのですが、口の中を傷つけてしまった場合にもできる事があります。色々な理由でできる可能性のある口内炎や口角炎ですがウイルスが原因でできる事もあります。その原因となるウイルスの内の口唇ヘルペスウイルスというウイルスに焦点を当てて今回はお話をしようと思います。

そもそもウイルスって?

ウイルスという言葉はよく聞くと思いますが、細菌やカビなどこれらの微生物と比べてあまり違いを考えた事はないかもしれませんね。なんとなく悪いものだろうとイメージくらいなのかもしれませんがこのウイルスと細菌(正確には真性細菌)とカビ(いわゆる真菌)は全部小さな存在ですが全く違った存在です。簡単に言うと

ウイルスは生物ではない

細菌は原核生物

カビは真核生物

というそもそものくくり自体が大きく異なります。細菌とカビの話は今回は別として、ウイルスについてもう少しお話をしようと思います。ウイルスは生物ではないと書きましたが、これは生物の定義という面から外れているので生物ではないと分類されています。そもそも生物である事の大前提が、「自ら増える事ができる」という点にあります。

そうなんです。ウイルスは自分では増える事ができないんです。どうやって増えるかというと、細胞などの生物に寄生してその生物の増殖機構に乗っかって一緒に増えるという性質があるのです。自分で増えるのではなく、他人に増やしてもらうのですね。そのウイルスの存在も非常に特殊でカプシドと呼ばれるタンパク質の殻の中にDNAやRNAなどの遺伝子のカケラが包まれているという状態です。そしてこの遺伝子のカケラを包んだタンパク質の殻が空気や水や体の中を漂うように流されて生物の細胞の上にちょうど宇宙船が月に不時着するように不時着して中にある遺伝子のカケラを細胞へと注入します。ウイルスの形の中には本当に月面着陸船のような形をしているものもありますよ。

口唇ヘルペスって?

そのように、ウイルスは生物ではない特殊な存在なのですが、今回のお話の中心の口唇ヘルペスウイルスも生物ではありません。口唇ヘルペスという名前の方が分かりやすいのですが、正確には単純ヘルペスウイルス1型という名前がついています。ヘルペスウイルス科という種類の中に含まれているのですが、帯状疱疹ウイルスもこのヘルペスウイルス科に含まれており、口唇ヘルペスウイルスが起こす口角炎が酷くなったような症状が見られたりします。帯状疱疹ウイルスは顔ではなく体にできると神経の走行に沿って帯状に水疱ができるので帯状の疱疹(水ぶくれ)ができるウイルスと名前がついています。

少し話が逸れましたが、帯状疱疹ウイルスが神経に沿って症状を見せるのと同様に口唇ヘルペスウイルスも神経に関連しています。このヘルペスウイルス科のウイルスたちですが、実は神経の細胞に潜伏します。そして体の抵抗力が落ちた時を見計らって暴れ出して細胞の増殖機構に相乗りして自分たちも増殖していきます。こんな厄介な口唇ヘルペスウイルスですが、日本人の70%くらいはすでに感染していると言われるくらいとてつもない感染力を持っています。ただ、普段私たちが普通に生活していても特に口内炎や口角炎ができるわけではないように、体の抵抗力が落ちて免疫作用が弱った頃合いを見計らって神経に潜伏していたウイルスが暴れ出すのです。

実は人類の役にも立ってる

この口内炎や口角炎を起こすなんとも厄介な口唇ヘルペスウイルスが(単純ヘルペスウイルス)ですが、実は人類のために非常に役に立っている側面もあるのです。どの側面というのが、遺伝子組み換えの研究です。実はこの単純ヘルペスウイルスですが、その感染力の強さと人の細胞に感染するという能力を活かして人工的に作り上げた遺伝子を人の細胞に取り込ませるというような利用方法が使われています。当然実験室の出来事なので人への感染とは別なのですが、この単純ヘルペスウイルスの人に寄生する能力の部分だけを取り出して無害化した上でその遺伝子の中に細胞に組み込みたいDNAを入れて細胞に取りこませて遺伝子組み換えを起こさせるというような使い方が行われています。

この遺伝子組み換えを行なった細胞を使って様々な体の機能の解明や新しい治療薬の発見や薬の効き具合の実験が行われるのです。細胞に遺伝子組み換えを起こさせる方法は色々あるのですが、この単純ヘルペスウイルスの遺伝子を利用した方法も使われており、実は知らないところで人類に大きく貢献しているのです。

しかしながら、口内炎や口角炎を作るという事には変わりないので体の体調を整えて抵抗力が落ちないようにする事が大切となるのですね。

今回は口唇ヘルペスウイルスに焦点を当ててお話しましたが、この他にも口唇ヘルペスウイルスが原因で口内炎や口角炎ができた場合にはステロイドの含まれた軟膏を使ってはいけないなど色々な注意点があるので、口内炎や口角炎がどのような原因でできたのかというのを診断するのもとても大切な事となります。

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