千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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当院副院長からのお知らせ、出来事のご紹介です。

2019年6月アーカイブ

バクテリオファージ.jpg

以前は特定の細菌のみによって起きると考えられていた歯周病ですが、近年では通常では口腔内で悪さをしない自己と共生する共生細菌が体の免疫機能とバランスを取り安定した状態からdysbiosisと呼ばれる口腔内細菌集団が高病原性へと変化するMicrobial shift(マイクロバイアルシフト)を起こす事で歯周病が発症するという事が判明してきました。このような細菌集団の状態の変化(細菌叢の変化)によって免疫機能が過剰に反応してその結果強い炎症やそれに伴う破骨細胞による歯槽骨の吸収が起きるのですが、逆になぜ共生細菌と呼ばれる安定した低病原性の細菌集団はうまく体の免疫機能とバランスを取れているのかという疑問が残ります(過去の記事:歯周病に関わる免疫細胞)。

共生細菌は免疫寛容を受けているのか?

免疫寛容とは特定の対象への免疫機能の低下もしくは抑制を表します。この状態は免疫細胞によって対象が攻撃される免疫反応とは逆の状態で、人の細胞が自身の免疫細胞によって攻撃されないのもこの免疫寛容が働いているためです(過去の記事:免疫寛容と免疫応答)。自分の細胞は主要組織適合遺伝子複合体(MHC)による働きで自己の免疫細胞からの攻撃を免れているのですが、口腔内の共生細菌はどうでしょうか?口腔内の共生細菌は自分の細胞ではないため当然MHCは持たないですし、細菌の細胞表面に対するタンパク質を抗原として免疫反応が日々起きてもおかしくはないのですが、実際には口腔内の共生細菌は体の免疫機構とうまくバランスを取っており免疫寛容を受けているようにも見えます。

一部の細菌は特定のバクテリオファージにより免疫寛容を受ける可能性がある

バクテリオファージという言葉は聞きなれないかもしれませんが、細菌(真正細菌)に感染するウイルスを総称してバクテリオファージ、もしくは単にファージと呼びます。ウイルスといえば私たちの体の細胞である真核細胞に感染するものというイメージがあるかもしれませんが、核膜を持たない原核細胞である細菌に感染をするウイルスも存在します。細菌に感染するファージは細菌自身を溶菌したり逆に新たな病原性の能力を細菌に与える事があります。今までは細菌に対するこのような作用が知られていましたが、新たに特定のファージに感染した細菌が人の免疫機構に対する免疫寛容を獲得する可能性がサイエンス誌より報告されました(Bacteriophage trigger antiviral immunity and prevent clearance of bacterial infection. J. M. Sweere et al., Science. 2019.)。この報告では免疫細胞による細菌の貪食(ファゴサイトーシス)をファージの存在によって抑えると説明しています。免疫細胞による貪食は重要な免疫機構の一つで好中球やマクロファージによる貪食によって細菌を食べて溶かしたり、その後の抗原提示が行われる重要な免疫機構のプロセスです。歯周病の患者さんでも口腔内細菌が高病原性にシフトして炎症が強くなっている時には好中球による細菌の貪食が顕微鏡で見られる事がしばしばあります。

この免疫機構のプロセスの一つである貪食が口腔内共生細菌の免疫寛容の獲得の理由の一部を説明できる可能性が出てきました。貪食は非常に初期の免疫機構プロセスなのでこの段階の免疫寛容を口腔内の共生細菌が獲得しているとしたら強い炎症が起きずに体の免疫機構とうまくバランスを取れている理由を説明できるかもしれません。共生細菌が共生の文字の通り宿主である人の細胞とうまく付き合っている理由はまだまだ未解明な点が多くありますが、口腔内の共生細菌が歯周病を起こさずに健全な状態を保つ理由を解明できるようになれば高病原性化した細菌によって起きた歯周病による過剰な免疫反応をコントロールできるようになる日も来るかもしれません。そのため、予防歯科に力を入れている千種区の歯医者の阿部歯科では今後ものこの分野の発展に目が離せません。

 

入口扉移動.jpg

池下の歯医者の阿部歯科では患者さんが来院しやすいように日々大きな事から小さな事まで診療だけでなく歯科医院内の環境も含めて改善しておりますが、このたび患者さんが通行しやすいように阿部歯科の入り口扉の位置を移動しました。今までは通路上に入口扉の支柱が立っていましたが今回、支柱を壁側の溝に寄せて入口でのアクセスをしやすいように変更しました。それに伴って入口の壁も少し変更して通路がより広く使えるようにしました。

小さな事でもより良く

今回は入口通路をより広く使えるようにするために扉の支柱の位置を変えましたが、もしかしたら患者さんのほとんどは変化に気が付いていないかもしれません。少し通路が広く使えると患者さん自身が通りやすくなったり、荷物を持っている場合に動きやすくなるという事で少しでも通路を広げるために扉位置を変更しましたが、変化としてはなかなか気がつきにくい部分かもしれません。それでもわずかな事だからといって改善しないよりも少しでもより良く患者さんが来院できるように変更をしました。

小さな事をないがしろにせずに

このような変化としては細かい部分部分になりますが、目が行きやすいとこばかりを注意して小さな部分をないがしろにしては積もり積もって問題点が大きく積もると考えて小さな部分の問題でも変更をしようと決めました。診療でも歯科医院内の環境でも気が付いた事は小さな事でもなくべく問題点があれば改善をして少しづつでも良くする事が結果的には大きな改善に繋がると考えています。

小さな改善の積み重ねが大きな改善に繋がると考えています

患者さんにとって歯科医院というのはやや気が重く、足が遠のきやすい傾向があるかもしれません(過去の記事:緊張しない歯医者さんとは)。阿部歯科では以前よりそのような患者さんが来院しやすい環境を作るという事にも注意を払っております。歯科医院に行こうと思っていたけど行くのが気が重くて結果的に虫歯が大きくなってしまった、なんて事が起きないように患者さんが気が重たくならずに来院できる歯科医院の雰囲気を作るという事もとても大切な事だと考えています(過去の記事:怖くない気持ちで来院できる阿部歯科の取り組み)。そのため、今回のように小さな変更点であっても少しでも患者さんが歯科医院へ来院する心理的な壁を取り払える役に立つ事であれば少しづつでも改善してより来院しやすい環境を整えていければと考えています。

今回の扉位置の変更でもベビーカーを使用される患者さんや足が少しおぼつかない患者さんなど少しの道幅の変化で大きくアクセスのしやすさが変わる方もいると思いますので今後も大きな部分だけでなく、目につきにくい小さな部分でもよりすごしやすい歯科医院の環境を作っていきたいと思います。

 

EBM.JPG

歯科治療には一般的に行われている治療法から滅多に行われない特殊な治療法まで様々な治療法がありますが、特殊な治療法の中にはやや科学的根拠の乏しいものもあります。その判断の難しい点が、あまり行われない治療法だからといって必ずしも科学的根拠に乏しいというわけでもなく、逆に一般的に行われているから必ず科学的根拠に基づいているというわけでもないという点です。滅多にやらない治療法だから間違っているというわけではないというわけでもなく、珍しい治療法でも治療成績の正しさが認識されているというものも実際多くあります。そこで今回は、では何をもってして正しい治療法なのか?という事に関してお話しようと思います。

正しいと思えば正しい治療法なの?

科学的根拠に基づいて言えばもちろんそんな事はありません。治療方法を説明できて痛みもなくなったから正しいという判断でもありません。「根拠に基づく医療:EBM(evidence-based medicine)」という言葉をどこかで聞いた事があるかもしれませんが、これは疫学や統計手法によってどれくらい「根拠」が正しいかと判断する事によって科学的妥当性の高さを決定しようというものです。しかし、このEBMですが言葉は普及しているものの「科学的正しさの判断」という点において意外と認識されていない部分も多くあるかもしれません。

論文、教科書、みんなが知っていれば正しい?

論文、教科書は研究や過去の論文をもとにして執筆されていますが、実は論文に出ていたり教科書に載っていれば必ず正しいというわけでもない点が難しい点です。それを説明するものの一つにネイチャーで発表された有名な報告があります。その報告では過去行われた重要な癌の論文の研究結果の70%以上に再現性がなかったと報告されました(NIH mulls rules for validating key results. M. Wadman, Nature. 2013. Raise standards for preclinical cancer research. C. G. Begley. Nature. 2012.)。再現性がないとはつまり、同じ手法で同じ実験をしたにも関わらず研究の報告通りの結果が出なかったという事を意味します。もちろん、再度実験をした人の手法や使った試料に問題点がある場合もあるため再現できなければ必ず間違った論文というわけではないのですが、実はこの再現性の確認、「追試の成功」といいますが、これは科学的根拠を示す重要な事柄の一つとなります。逆に追試に成功しないと科学的妥当性を疑われる事もあります。そのため、論文に出ていれば必ず正しいというわけでもなく、その論文をもとにした教科書も必ず正しいというわけではないのです。

では、みんながよく知っているよく普及した知識であれば正しいのでしょうか?みんながどれくらいよく知っているのかというのは判断がしづらいところですが、論文には被引用数というものがあります。被引用数はその論文が発表されてからどれくらいの科学的な研究に根拠として採用されたかを示す数なのですが、この被引用数は非常に様々で誰もが知る有名な論文雑誌に出たものの被引用数が1桁のものから、あまり有名でない論文雑誌に出た論文が3桁の被引用数を超える事もあります。そのため、どういう論文雑誌に出たかという事自体がこの被引用数に必ずしも影響するとも限りません。

そしてこの被引用数が多ければ多いほどよく普及しているとも言い換えられます。この、被引用数が多くてみんながよく知っていれば正しいのかというとこれが困った事に被引用数が非常に多くても再現性がない場合さえあります。実際に被引用数1000を超える非常に有名な論文の執筆者本人が実験に再現性がないから今後論文を引用しないでくれと発表した事さえあります。被引用数1000というのは論文でいえばかなり有名な論文と言えます。そのため、論文やその治療法がよく広まっているため科学的に正しいという事も言い切れなくなってしまうのです。

正しい治療法の根拠とは確定的ではなく確率的に決まってしまう

このように、確実にこれがあれば100%正しいと言える基準(確定的な基準)が実ははっきりとないため、EBMでは科学的根拠の強さを統計手法によって確率的に求めるようになっています。そのため、発表された論文や治療法の正しさも関連論文を複数統計手法にかけて比較して判断したり、治療方法の成績を疫学的に判断して根拠の強さを判断しています。あくまでも根拠的に強いか弱いかという判断基準になるため、絶対正しいという言い方はできないのです。実際の臨床では発表されたオリジナルの論文、新たに発表された論文、治療手法、再現性の有無、被引用数、統計手法による解析、レビューなど様々なものを総合判断する事になります。そのため科学的根拠に基づく歯科医療を実践するために、千種区の歯医者の阿部歯科では日々発表される新しい論文を確認しつづけて勉強しつづける事を大切にしています(過去の記事:日々新しくなる歯科治療の学び方)。

執筆:阿部歯科 副院長/臨床コーディネーター

阿部 利晴

執筆論文掲載雑誌一覧

2018年

1) Science Translational Medicine (サイエンス姉妹誌)

2017年

2) Journal of Clinical Periodontology

2015年

3) Science Translational Medicine (サイエンス姉妹誌)

4) Nature Communications (ネイチャー姉妹誌)

5) Advances in Experimental Medicine and Biology

6) The Journal of Immunology

7) Infection and Immunity

2014年

8) The Journal of Immunology

9) Cell Host & Microbe (セル姉妹誌)

10) The Journal of Immunology

11) Science Translational Medicine (サイエンス姉妹誌)

2013年

12) Seminars in Immunology

13) Journal of Immunological Methods

14) Cellular Microbiology

2012年

15) The Journal of Immunology

16) Nature Immunology (ネイチャー姉妹誌)

2011年

17) Molecular Oral Microbiology

 

抗生物質の効き目.jpg

親知らずが腫れたり歯が痛くなった際に細菌感染を抑える目的で歯医者で抗生物質が出る事がありますが(過去の記事:細菌感染について抗菌薬の種類)、どのような抗生物質を出すのかどのように決めているか疑問に思った事はないでしょうか?引っ越しなどで別の場所に引っ越すなどで何件かの歯医者さんにかかって抗生物質をもらった事がある方は歯科医院によって違った抗生物質をもらって不思議に思った方もいるかもしれませんね。

歯医者はどのように出す抗生物質を決めているのか

患者さんが特定の種類の抗生物質にアレルギーを持っている事が問診から分かる場合はその種類の抗生物質を避けて別の種類の抗生物質を出すのはもちろんなのですが、では最終的に出す抗生物質をどのように決めているかとなると、一般的に口の中の細菌感染に対応する広く使われている抗生物質を出すという慣習的な部分が多くあります(過去の記事:歯医者で使う抗菌薬(抗生物質))。もちろん口の中の細菌に効き目の高いものが選択されて慣習的に使われているのですが、口の細菌は数百種類にもおよびますので特定の細菌をさしてよく効く抗生物質が選ばれているというわけではありません。あくまでも口の中の細菌感染を起こすであろう数多くの細菌に広く効果が期待できるものを選んで処方されているのです。

細菌感染を起こした原因菌に抗生物質は必ず効く?

口の中の細菌感染を起こす可能性のある数多くの細菌に広範囲に効く事を抗菌スペクトルが広いと表現しますが、抗菌スペクトルが広くても実際に細菌感染を起こした原因菌に必ず抗生物質が良く効くとは限りません。抗菌スペクトはあくまでも効く細菌の種類の多さを表しているのでその範囲からはずれた細菌に対しては効果が薄れる事になります。そして出した抗生物質の抗菌スペクトルの範囲からはずれた細菌が口の中で感染を起こした原因となっていた場合は抗生物質が効かなかったり効きが悪くなってしまいます。そのため、抗生物質を飲めば必ず細菌感染が抑えられるとは限らないのです。

細菌への抗生物質の効き目は細菌の最小発育阻止濃度で決定される

実際には抗生物質が細菌に効くかどうかを調べるためには抗生物質をまぜた培地で細菌が増殖するかどうかを調べる事が必要となります。その際に抗生物質の濃度を変えて、より低い濃度でも細菌の増殖を抑えられる場合はその抗生物質が強く細菌の増殖を抑える事ができると分かります。しかし、培地上で細菌を発育させるためには数日かかる事もあり実際に歯医者さんで抗生物質が細菌に効くか培地で確認して調べてから処方するという事は非現実的になってしまいます。感染が強くてすぐにでも抗生物質を処方して感染を抑えないといけないのに数日待って検査を確認するという方法は非現実的だからです。そのため、実際の歯医者さんでは抗菌スペクトルの広い抗生物質を処方して感染を抑えようとするのです。

30分ほどでどの抗生物質が効くか調べる試みが始まっている

培地上で細菌を増殖させる場合は実際に目で見て細菌が増えているか確認するのですが、これは一個の細菌が時間の経過とともに増殖して肉眼でも見えるくらい増えたのを確認して増殖しているという事を調べるのですが、1個の細菌が肉眼で見えるくらい増殖するのには長い時間がかかります。細菌の増殖速度はそれぞれの菌によって異なるのですが1個の細菌が2個に分裂するのにかかる時間を倍加時間(Doubling time)と言います。この倍加時間が早い細菌ほど早く増殖するのですが、口の中の細菌が目に見えるほど増殖するためにはやはり数日はかかってしまいます。そしてこの倍加時間は重い感染症ほど早いというわけでもないところが培地による増殖の確認の難しさをさらに増しています。例えば歯周病を増悪させる細菌で有名なポロフィロモナス・ジンジバリスでは培養に3日もかかってしまいます。このように培地を使った抗生物質の効き目の判定は時間がかかるため実際に歯医者さんで行うには非現実的となってしまうのです。

培地で確認.jpg

ところがここ最近になって素早く細菌の増殖を確認しようという試みが始まっています。その方法は抗生物質に対して細菌が増殖するかどうかを確認する事には変わりないのですが、肉眼ではなく顕微鏡を使って実際に1個の細菌が2個、4個と分裂していく様子を確認して細菌の増殖が抗生物質によって抑えられるかどうかを直接見ていくという方法です。この方法では細い道のような場所に細菌を1個入れて増殖する場合はその道に細菌が一列になって増えているかどうかを見ています。そして抗生物質が細菌に効く場合はその列が長くならないという事になります。

顕微鏡で確認.jpg

口の中の細菌は複数の細菌が感染した混合感染がほとんどんなのですが(過去の記事:微生物とは(歯科に関わる病原菌))、この方法で試みられている抗生物質の感受性試験では細菌の種類をいくつかに分離して調べる事が試みられています。その方法は細菌の大きさによって細菌を選別してそれぞれの細菌に対して抗生物質の効き目を調べるという方法なのですが細菌の大きさだけでは数多くの細菌を分けきる事ができずにまだ数種類にとどまっており、この方法を口腔内の感染に応用するにはまだまだ研究が必要になりそうです。しかしこのような方法がさらに発展すれば歯医者さんで30分ほどでどの抗生物質が良く効くか判定できるようになる日が来るようになるかもしれません。そうすれば親知らずの腫れや歯の根の先に膿ができて痛いなのどの症状を素早く効果的に抑えられるようになるかもしれません。そして、さらには今後も問題視される多剤耐性菌を増やしてしまう可能性を下げる事もできるようになるかもしれません(過去の記事:口腔外科でも問題となる多剤耐性菌とは)。今池から5分の歯医者の阿部歯科では院長、副院長ともに口腔外科出身なので腫れてしまった親知らずの処置をする事も多いため腫れを抑える目的のために抗生物質を処方する事もあり、今後抗生物質がよりよく効く手法が実用化されるようになるのか目が離せません。

参考文献

1) Antibiotic susceptibility testing in less than 30 min using direct single-cell imaging. Baltekin O. et al. PNAS. 2017.

2) Adaptable microfluidic system for single-cell pathogen classification and antimicrobial susceptibility testing. Li H, et al. PNAS. 2019.

 

 

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千種区の阿部歯科が歯医者として開院してから80年が過ぎました。阿部歯科が開院したのは第二次世界大戦の前で名古屋の空襲の際に祖父と祖母がまだ赤ん坊だった父を抱いて空襲から逃げたという話を私にしてくれた事を覚えています。その当時は何となく聞いていましたが戦後の復興を通して祖父が阿部歯科を続けていた事が今に繋がっているのだなと感慨深くも感じます。そして現在、千種区では阿部歯科が最も古くから続いている歯医者になっているのではないでしょうか。

記事の追記:2019年10月12日

祖父が歯科医師になった当時

祖父である先々代の阿部歯科院長の阿部鉎弌は明治生まれで千種区の池下で生まれ育ったのですが、昭和8年に日本最古の歯科大学の東京歯科医学専門学校(現在の東京歯科大学)を卒業して歯科医師になっています。当時は東海地方に歯科大学はなく歯医者になるために東京の東京歯科医学専門学校に行く事にしたそうです。祖父が通っていた当時の校長は血脇守之助先生でした。野口英世の伝記を読んだ時に血脇先生が出てきたのを思い出しますが、祖父も当時その事を私に話してくれました(過去の記事:歯科医師の祖父の思い出)。

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戦後の阿部歯科

戦後になって空襲で焼けてしまった土地に阿部歯科の建物を新しく建てたのですが、昭和30年頃にもなれば街も大分復興し広小路通り前も大分賑やかになったようです。当時の広小路通りには路面電車が走っていて池下駅には路面電車のターミナルがあったようで移動も現在のように便利だったのかなと想像します。当時から広小路通りは広い車幅だったものの歩道はまだ一部未舗装だったのがこの記事の一番上に貼った当時の阿部歯科から撮った写真から分かります。高い建物もまだまだなく今の様子とは大分様子も違いますが現在の歩道の街路樹に当時の面影があるように見えます。

阿部歯科先々代院長.jpg

 

父の先代院長も祖父と同じ歯科大学へ

父の阿部本晴も祖父の出身校である東京歯科大学に行ったのですが、父が歯学部に入った当時もまだ東海地方に歯科大学はなく、東海地方最初の歯学部である愛知学院大学歯学部ができたのは父が東京歯科大学に入学した翌年の事だったそうです。父が東京歯科大学に入学した時はまだ昭和39年の新幹線開通前だったので東京に行くのも大変だったそうです。卒業後は愛知学院大学歯学部の口腔外科学第二講座(現在の顎顔面外科学講座)へと入局し医局の助教授を経て阿部歯科院長として祖父のあとを継ぎました。

阿部歯科リニューアルオープン1周年

開院してから80年が過ぎた阿部歯科も現院長の阿部丈洋が3代目院長として就任して今年の5月には阿部歯科リニューアルオープン1周年を迎えました。混みあっている際はお約束も取りづらくなっているとは思いますができる限りたくさんの地域の皆様の口の健康をこれからも守っていければいいなと思っています(関連記事:患者さんが緊張せずに来院できる阿部歯科の夏の取り組み)。

阿部歯科リニューアルオープン.jpg

 

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