千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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2020年1月アーカイブ

虫歯と食生活.jpg

砂糖を取ると虫歯になりやすいという事は良く聞くと思いますが、逆にどういう食べ物なら虫歯になりにくいのかという事は聞いた事があるでしょうか?

単純に甘くない食べ物がいいのか、果物はダメなのか、そういった事に関してご存知でしょうか?

デンプンは虫歯に影響する?しない?

デンプンは炭水化物に多く含まれており、糖であるグルコースが結合してできた高分子でお米や小麦、芋など日常で食べる様々な食べものに含まれています。

デンプンは唾液の中に存在するアミラーゼと呼ばれる酵素によって分解され糖に変わりますが、デンプンは虫歯に影響するのでしょうか?

ご飯やパンなどデンプンを含む食事は口腔内のpHを5.5以下に下げて口の中を酸性環境にしますが、砂糖(ブドウ糖)そのものや砂糖を含む食事と比べると口の中を酸性環境へと変える影響は少ないと言われます。

さらに、生のデンプンでは摂取する事による虫歯への影響はほとんどないとも考えられており、調理されたデンプンにおいても虫歯への影響の程度は砂糖の3分の1から半分ほどと考えられており、砂糖自体に比べるとその影響は小さくとどまります。

さらに、砂糖とは違い、デンプンの摂取量の違いそのものは虫歯への影響はそれほど多くないとも言われます。

そのため、砂糖を多く摂取しデンプンを少なく摂取する人と、砂糖を少なく摂取しデンプンを多く摂取する人では、圧倒的に砂糖を少なく摂取しデンプンを多く摂取する人の方が虫歯のリスクは下がります。

実際に、第二次世界大戦中に砂糖の供給量が減った日本では戦時中は虫歯の数が減ったものの、その後の食糧事情の回復と砂糖の摂取量の増加で急激に虫歯が増えたと言われています。

デンプン単体では虫歯に対する影響が小さいものの、デンプンに砂糖を加えた加工食品の場合は虫歯への影響が大きくなるため、あくまでも自然のデンプン単体を摂取する場合のみに虫歯になるリスクを下げる事ができると言えます。

さらに、全粒粉など生成していないデンプンを含む食品ではさらに虫歯のリスクが下がると言われていますが、これは咀嚼の際に出る唾液が増える事で口の中の食渣(食べ物の残り)を洗い流す効果や酸性環境になった口腔内環境を中性に戻す緩衝能が上がるためと考えられています。

逆に加工されたデンプンを含む食事では虫歯のリスクが未加工の食品よりもあがると考えられています。

つまり

・砂糖を含む食事の変わりにデンプンを含む食事に切り替えた場合は虫歯になるリスクが下がる。

・生のデンプン(お米や小麦など)は調理されたデンプン(ご飯やパンなど)よりも虫歯のリスクが低くなる。

・調理されたデンプンでも虫歯へのリスクは砂糖の3分の1から半分ほどと低くなる。

・加工されたデンプン、さらに砂糖を加えられたデンプンは虫歯のリスクがあがり、未加工のデンプンほど虫歯のリスクが下がる。

という事になります。

お米や小麦、じゃがいもで比較すると

お米、小麦、じゃがいもそのもの

ご飯、パン、ポテト

砂糖をつけたお餅、ケーキ、スイートポテト

の順に虫歯になるリスクが上がっていくという事になります。

(関連記事:1日にどれだけ甘い物を食べると虫歯になるのか

果物は虫歯になる?

甘い物は虫歯になる、という考えから果物は虫歯になるからダメなんじゃないのかと思うかもしれません。

果物を摂取する事で口腔内のpHは酸性に傾きます。さらに果物を高頻度に食べると(例えば1日8から17回以上)虫歯になるリスクが上がるとされますが、日常的な程度の果物の摂取では虫歯へのリスクは比較的低く、砂糖を摂取するよりもずっとそのリスクは下がるとされています。

さらに過度な頻度の果物の摂取でなければ、果物の摂取頻度によって虫歯のリスクが変わる事はそれほどないとも言われます。

しかし、ドライフルーツのような口の中に残りやすく乾燥によって果物の細胞が壊され糖が出ている食べ物に関しては虫歯のリスクが上がるとも言われます。

果物に関しては、砂糖よりもその影響は小さく、日常的な範囲で食べるのであれば砂糖を含む加工食品を摂取する代わりに砂糖を加えない果物を摂取する方が虫歯のリスク低減に効果を示すという事になります。

虫歯を防ぐ食べ物はあるの?

虫歯になりにくい食生活というのが分かる一方で、逆に虫歯を防ぐ食べ物というのはあるのでしょうか?

虫歯をふせぐかもしれない食べ物の一つにチーズがあります。

チーズに含まれるカルシウムが口腔内プラークのカルシウム濃度を上げて歯の再石灰化に寄与するとともに唾液の量を増やすという事でWHOが2003年にチーズは虫歯リスクを下げそうである(probable)と報告しています。

ただ、この表現は(probable)という、(恐らく)という表現にとどまっています。

他にも食物繊維の多い食べ物やナッツ類も虫歯予防に寄与すると言われていますが、これは食物繊維による口腔内の食べ物の食渣(残り)を取り除く効果よりも、噛む頻度(咀嚼量)の増加によって唾液の流出が増え、その結果虫歯予防に寄与しているのではないかと言われています。

(関連記事:キシリトールガムの効果は?

結果として、精製された砂糖を含む加工食品を減らした上でその分の食事を通常の穀物や野菜、果物の食事に置き換える事が虫歯になりにくい食生活になりえるという事が分かります。

千種区の歯医者の阿部歯科では予防歯科に力を入れていますので虫歯や歯周病が心配な方はぜひご相談ください。

参考文献:

1) Diet, Nutrition and the prevention of Chronic Diseases. (Technical Report Sciences 916). WHO. WHO/FAO Expert consultation. 2003.

2) Diet, nutrition and the prevention of dental diseases. Moynihan P. and Petersen P. E. Public Health Nutr. 2004.

3) Diet and Dental Caries: The Pivotal Role of Free Sugars Reemphasized. Sheiham A. and James W. P. J. Dent. Res. 2015.

4) Effects of Starch on Oral Health: Systematic Review to Inform WHO Guideline. Halvorsrud K., et al. J. Dent. Res. 2019.

シーラント.jpg

シーラントは子供の乳歯や永久歯に対しての虫歯予防として行われますが、その効果をごぞんじでしょうか。

シーラントとは

シーラントは小窩裂溝(歯の溝)の深い乳歯や萌出したて(生えたて)の永久歯に対して、虫歯になりにくくする事を目的として行われます。

子供の乳歯は永久歯に比べて小窩裂溝が深く、プラークや食渣がたまりやすく、萌出したての永久歯はう蝕感受性(虫歯のなりやすさ)が高く、虫歯になる前にあらかじめ小窩裂溝をふさぐ事でプラークがたまり虫歯になる事を予防します。

シーラントの考え方が紹介されたのは1960年代の事で非常に歴史が深く、最初の頃は小窩裂溝にレジンを詰めて紫外線を当てて固める方法でシーラントが使われていました。

その後、

第二世代の化学重合型のレジン

第三世代の可視光重合型のレジン

第四世代のフッ素徐放性のレジン

と進化を重ねて今日のシーラントに至ります。

1970年代にはグラスアイオノマーセメント製のシーラントが紹介されました。

グラスアイオノマーセメント製のシーラントはレジン製のシーラントに比べて防湿がシビアではなく、グラスアイオノマーセメントそのものからフッ素が除法されるという特徴がありました。

その他にもレジン強化型グラスアイオノマーセメント製のシーラントなども出て使われています。

どのシーラントにしても最大の目的は同様で、小窩裂溝(歯の溝)に対するプラークの付着をあらかじめ予防し、その部位に対して虫歯を起こす細菌に栄養源が供給されないように封鎖をするという事が最大の目的となります。

シーラントの効果は?

シーラントの効果は昔から頻繁に調べられていますが、様々な予防処置の効果と比べても非常に根拠の強いものだとされています。

つまり、シーラント処置には虫歯予防効果があるという事が強く言える事になります。

シーラントの予防効果は、シーラントをしなかった場合と比べておおよそ30-70%の虫歯予防効果があると言われています。

これは、シーラントの期間や年齢が様々なため、その予防効果の割合に開きが出ているのですが、いずれにせよ高い予防効果を見せている事になります。

シーラントをした後にシーラントが歯に取れずに残っている割合は1年後でおおよそ80%とされており、この事を考えるとシーラントをした後は定期的に再シーラントをする事が大切となる事を示しています。

しかし、シーラントの虫歯予防効果は完璧なものというわけではなく、あくまでも予防処置という事に注意しないといけません。

それを示すものの一つに、かつてシーラントの施された大臼歯に対して虫歯があるか調べるためにレントゲンを撮ると、17歳の時点で50%にむし歯が確認されたという結果もあります。

これは、永久にシーラントの封鎖性が維持するという訳ではない事からも分かる結果となります。

シーラントは子供の歯にするもの?

シーラントは多くが子供に対して行われますが、その理由は

小窩裂溝が深い乳歯にシーラントが施されるから

う蝕感受性の高い幼弱永久歯(生えたての歯)に対してシーラントが施されるから

虫歯に対しては基本的にシーラントは施されないから

という事が主な理由となります。

さらに、シーラントの効果は若年者ほどより効果が高いと言われるため、子供に対して積極的にシーラントが行われる事となるのです。

ただし、子供以外にシーラントをしてはダメというわけではなく、14歳から17歳の年齢の未成年にも行われる事もあります。

シーラントって虫歯になった歯にはしてはダメなの?

シーラントは虫歯予防のために行われるという特性上から基本的に虫歯になる前に予防処置として行われます。

しかし、シーラントの効果として、シーラントをした部位の細菌の数はシーラントをする前と比べておおよそ100分の1から1000分の1になると言われており、そこに存在する菌種も半分ほどまでに減少すると言われています。

これは、シーラントをする事でその部位が好気性環境(酸素の触れる環境)から嫌気性環境(酸素の触れない環境)に変化するという事と、その部位に食べ物などの栄養源が供給されなくなり細菌が飢餓状態になる事でこのような結果をもたらすと言われています。

そのため、理屈的には虫歯に対してシーラントを行い封鎖をすると虫歯の進行が抑えられるという事になりますが、現実としては

・シーラントの保持期間は1年後でおおよそ80%

・象牙質まで脱灰のすすんだ虫歯はハイドロキシアパタイト結晶を失いコラーゲン線維などの軟化象牙質が残るのみで再石灰化する事はない

・好ましい環境と栄養源を絶たれた細菌の一部は死滅するものの、一部は休眠状態となりひとたび環境と栄養が取り戻されたら再び活性化する

という事実を考えると、虫歯に対してはシーラントではなく、基本的には虫歯の除去と修復処置を行うのが原則となります。

ただし、ごく初期の虫歯に対してはシーラントを行い、う蝕感受性を低下させるという意味でシーラントを行う事も選択肢の一つとなりますが、あくまでもごく初期の虫歯が対象となります。

(関連記事:「ミュータンス菌が虫歯の原因に」というのは10年前の話

シーラントはどれくらいの期間でやり直せばいいの?

虫歯になっていない歯に対してシーラントを行ってからは基本的には定期健診でシーラントが脱落したかどうかを確認して、脱落していたらやり直すという事が大切となります。

シーラントは目に見える脱落の他に一部がはがれてその隙間から辺縁漏洩を起こす事もあります。

シーラントは長期で5年もつこともありますが、その際の予防効果は下がり続ける事となります。

シーラントが剥がれていない状態でも効果は50%まで低下する事もあり、単純にシーラントが剥がれていないかどうかという事だけが判断基準になるわけではありません。

この事はシーラントの施された歯が17歳の時点でも50%にむし歯が確認されたという話からも分かります。

シーラントが剥がれかけているか、子供のう蝕感受性はどうか、他の歯にむし歯が確認されないか、と言った事の他に定期的なレントゲン撮影による検診が大切となるのです。

今池から5分の歯医者の阿部歯科では子供だけでなく大人に対しての予防歯科にも力を入れていますのでお気軽にご相談ください。

(関連記事:治療後の虫歯予防と歯周病予防

参考文献:

1) Caries-preventive effect of fissure sealants: a systematic review. Mejàre I., et al. Acta Odontol. Scand. 2003.

2) The effectiveness of sealants in managing caries lesions. Griffin S. O., et al. J. Dent. Res. 2008.

3) The effect of dental sealants on bacteria levels in caries lesions: a review of the evidence. Oong E. M., et al. J. Am. Dent. Assoc. 2008..

4) Preventing dental caries through school-based sealant programs: updated recommendations and reviews of evidence. Gooch B. F., et al. J. Am. Dent. Assoc. 2009.

 

口腔内乾燥症.jpg

患者さんの中には口が乾くという症状を訴える方がいますが、口が乾くと感じる症状を口腔内乾燥症と言います。

しかし、この口腔内乾燥症ですが口の中の唾液が減少する唾液腺機能障害とは実は少し違った状態にあります。

口腔内乾燥症だけど唾液は出ている

口腔内乾燥症唾液腺機能障害による唾液分泌の減少ですが、実はこの2つは分けて考えられます。

口腔内乾燥症は口が乾く自覚症状を訴える場合に用いられる症状ですが、この際に唾液の分泌量に問題がなくても主観的な自覚症状があれば口腔内乾燥症となります。

唾液は通常では自然に出る場合は1分間におおよそ0.3から0.4ミリリットル、刺激されて出る場合は1分間におおよそ1.5から2ミリリットルほど分泌されると言われています。

唾液の90%ほどの大部分は大唾液腺の耳下腺、顎下腺、舌下線から分泌され、残りは口の中の粘膜に散在する小唾液腺から分泌されています。

唾液分泌量が正常にも関わらず口腔内乾燥症を訴える場合は唾液の漿液性成分と粘液性成分の割合が変わる事などによる性状の変化などによって自覚症状を訴える可能性があると言われます。

しかし、口腔内乾燥症において唾液の分泌量自体が実際に減少する唾液腺機能障害を伴う場合もあります。

唾液量の減少

唾液量が減少する場合に何かの理由がある場合もあります。

唾液の減少は安静時に1分間に0.1ミリリットル以下、刺激時に1分間に0.5から0.7ミリリットル以下だと唾液腺機能障害だと考えられます。

唾液分泌量の減少は年齢があがればあがるほど起きやすくなりますが、他の要因として

・頭頚部悪性腫瘍に対する放射線治療による影響

・シェーグレン症候群

・長期間にわたる気分の落ち込みやストレス

・栄養失調

・多剤服薬の影響

などがある可能性があります。

しかし、これらに対して処置を試みた場合でも口腔内乾燥症という自覚症状は長期にわたって持続する事が多くあります。

そのため、口腔内乾燥症に関しては実際には対処療法として、普段の生活の注意点の指導という事が基本的に行われる事があります。

(関連記事:唾液が減ったら...

唾液量の減少を伴う場合の生活注意点

唾液量の減少がある場合は実際に口腔内に様々な症状が現れる事があります。

・舌にヒビ割れが入る

・舌が焼けるように痛い

・虫歯が増える

・入れ歯がつけにくくなる

・口腔内カンジダ症を発症する

・食べ物を飲み込みにくい

などの症状が現れて実際の生活に支障をきたすことがありますが、その際にはやはりこまめに口を潤すという事が大切になります。

日常生活において

・少量に分けて水分をこまめに取る

・アルコールやカフェインを含む飲み物や刺激性の飲み物は避ける

・スパイスや刺激のある味の食べ物は避ける

・部屋の湿度を日中と睡眠時に加湿器であげる

・シュガーレスのアメやガムをかむ

などの口の中を湿潤させるよう日常生活で気を付ける事が基本的な対応となってきます。

実際の場合は口腔内乾燥症の症状を完全に消す事は簡単ではないため、このような日常生活の注意によって対処していくことが多くなります。

(関連記事:キシリトールガムの効果は?

 

池下にある歯医者の阿部歯科では歯科に関わる様々な情報をお伝えしています。

参考文献

1) Diagnosis and treatment of xerostomia (dry mouth). Napeñas J.J., et al. Odontology. 2009.

2) Diagnosis and management of xerostomia and hyposalivation. Villa A., et al. Ther. Clin. Risk Manag. 2014.

キシリトール.jpg

虫歯予防にキシリトールが良いという言葉はどこかで聞いたことがあるかもしれませんがこのキシリトールの効果をどれくらいご存知でしょうか?

キシリトールって何?

キシリトールは自然に存在する糖アルコールの一種で砂糖の代替甘味料となる甘さを持っています。

数十倍から数千倍の甘さのある人工甘味料とは別で、その甘さは代表的な糖の一つであるブドウ糖(グルコース)のおおよそ2倍でカロリーはおおよそ75%の1gあたり3カロリーです。

キシリトールの歴史は意外と古く1970年代のフィンランドで虫歯予防の添加物として研究が行われており、40年以上の歴史があります。

実際に食品の添加物として使われるようになったのは、国連の食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同で作るFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)で1996年に食品添加物としての安全性が確認されて使われるようになりました。

(関連記事:1日にどれだけ甘い物を食べると虫歯になるのか

キシリトールって結局は糖なの?

キシリトールは糖アルコールという性質上ブドウ糖とは色々と違った性質があります。

糖尿病で注意しないといけない血糖値の上昇具合を示すグリセミック指数はブドウ糖が100なのに対してキシリトールが7-13とブドウ糖に対して糖質の吸収が穏やかな事が分かります。

キシリトールは自然界に存在しており、果実や野菜に含まれていいますが、商品に使われるキシリトールはカバノキやブナなどの植物から精製されます。

あまりとりすぎるとおなかを下す事も少し有名ですが、個人差はあるものの子供では1日45g以上、大人では1日100g以上とるとおなかを下すと言われていますが大人なら1日40g以下であれば大体の大人は大丈夫とも言われます。

キシリトールは虫歯予防に効く?

キシリトールの作用はいくつかあり、それらを利用して虫歯予防に寄与します。

キシリトールは、非発酵性で口腔内細菌によって酸を産生させないという特徴があり、虫歯になる菌の中でも有名な細菌の一つであるミュータンス菌はキシリトールによって様々な影響を受けます。

キシリトールはミュータンス菌のエネルギー産生プロセスを阻害し、無意味にエネルギー使わせる事で細菌自身の増殖を防ぎ、さらには酸の産生とプラークの産生も阻害します。

実はキシリトールにはミュータンス菌を殺す作用もあり、ミュータンス菌の持つフルクトース・ホスホトランスフェラーゼ系を使ってキシリトールからホスホエノールピルビン酸を経てxylitol–5–phosphateを作る事でミュータンス菌の細胞内液胞と細胞膜減成によって細胞の死を引き起こす事でミュータンス菌を殺すという作用も持っています。

これらの作用によって、プラーク中のミュータンス菌の増殖を防ぐ事ができるのですが、虫歯の中のミュータンス菌の増殖を止めるわけではありません。

つまりあくまでも予防歯科という観点からキシリトールは有用なのであって、虫歯治療に使えるわけではないのです。

予防歯科という点から見たキシリトールはキシリトールガムの使用で虫歯リスクが50%近くまで下がるとも言われ、3歳以下の子供がいる母親に至っては母親がキシリトールガムを常用する事で母親から子供へのミュータンス菌の感染を防ぎ子供の虫歯が減る事も知られています。

その他にもキシリトールはプラーク中のアンモニアとアミノ酸濃度を上げる事でプラーク中の酸を中和するという作用も持っており予防歯科を考える場合は有用な代替甘味料となるのです。

(関連記事:子供の口腔内細菌はお母さんから受け継いだ?

キシリトールがあれば虫歯をなくせるの?

キシリトールが予防歯科という点から見た時に有用であるのですが、知っておかないといけない点もあります。

ミュータンス菌を殺す作用もあるキシリトールですが、キシリトールは全てのミュータンス菌の細菌株に効くわけではありません。

常習的にキシリトールを使う人の口の中のおおよそ80%のミュータンス菌の細菌株にはキシリトール抵抗性があるとも言われています。

しかし、キシリトール抵抗性のあるミュータンス菌は毒性が弱い事も分かっており虫歯の主要因となるような細菌株はキシリトールによる作用を受けると考えられます。

これはミュータンス菌の持つフルクトース・ホスホトランスフェラーゼ系とxylitol–5–phosphate生成との関係に関連しているのでしょう。

そして、キシリトールはプラーク中のミュータンス菌を減らす作用がありますが、口腔内の細菌構成を変えるわけではありません。そのためキシリトールを使っていれば虫歯を根絶できるというわけでもありません。

さらにキシリトールを使っていても他の糖類があればそれによって酸は産生されるため実際の食生活においてキシリトールを取り入れただけで虫歯がなくなるという事はないのです。

そのためキシリトールは使い方を知った上で予防歯科という点から適切に使う事が大切となるのです。

予防歯科に力を入れている千種区の歯医者の阿部歯科ではどのような事が患者さんの日々の虫歯予防に役立つか定期的にお伝えしています。

(関連記事:「ミュータンス菌が虫歯の原因に」というのは10年前の話

参考文献

1) Artificial sweeteners - a review. Chattopadhyay S., et al. J. Food Sci. Technol. 2014.

2) The effect of xylitol on dental caries and oral flora. Nayak P. A., et al. Clin. Cosmet. Investig. Dent. 2014.

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