乳製品由来のCPP-ACPの虫歯予防効果とは
CPP-ACP(カゼインホスホペプチド-非結晶リン酸カルシウム複合体)という名前を聞いた事があるでしょうか?
予防歯科を考える時にフッ素(フッ化ナトリウム)と並んで注目される物質の一つですが、まだまだフッ素ほど知名度はないもののその特性を知った上でフッ素と併用する事で虫歯予防に非常に有用になるのではと考えられています。
CPP-ACPとは
虫歯に対する抵抗性を持たせると共にエナメル質の再石灰化の機能も持っている可能性のある物質です。
元々乳製品由来の物質でWHOからリンタンパク質の一種であるカゼインを含むチーズが虫歯予防に効果がある食べ物として可能性を示されているように、CPP-ACPは乳製品にも含まれるカゼインホスホペプチドがリン酸カルシウムを安定化させる事で虫歯予防に効果があると考えられています。
CPP-ACPの虫歯予防に対する効果はよく研究されており、CPP-ACPを使う事で酸に対する抵抗性もあがり、その効果は塗布後3時間たっても発揮するという報告もあります。
このような、使用後に長時間効果を発揮するというのも非常に有用な点だと考えられます。
エナメル質、象牙質に対する効果は?
歯の表面が酸性になった時に歯が溶ける脱灰に対しての抵抗性は電子顕微鏡レベルでも確かめられており、CPP-ACPの存在下では歯が溶けにくくなっている事も確認できます。
その際に、CPP-ACPの存在下で脱灰により溶け出した歯のカルシウムイオンとリン酸イオンに対して緩衝する事で歯の脱灰を防ぎ、再石灰化を促進しているのではないとか考えられています。
さらにCPP-ACPはフッ素と併用する事でより効果が出るとされていますが、スポーツドリンクに含む事でも味を損なう事なく虫歯予防に効果を発揮するとも言われています。
CPP-ACPは第二のフッ素になるか?
このようにフッ素とは別の作用により虫歯の予防歯科に寄与する事ができると考えられているCPP-ACPですが、元々は乳製品からその効果が発見されてきたというのは興味深い点です。
フッ素と併用する事でさらに効果を発揮すると考えられているため、CPP-ACP単独というよりも両方同時に使用するというように使われていくようになるかもしれません。
CPP-ACPはチューイングガムやマウスウォッシュに入れたりと様々な可能性があるため、今後その使用範囲が広がっていけばいいなと思います。
フッ素の他にもキシリトールやCPP-ACPなど様々な予防歯科に効果的なものがあるため、それらの特性を知って効果的に使っていくとより歯の状態を健康で長持ちする事ができるようになると思います。
今池からすぐの歯医者の阿部歯科では予防歯科に力を入れているので虫歯や歯周病を予防するうえでの様々な情報もお伝えしています。
(関連記事:虫歯になりにくい食べ物は?)
参考文献
1) Effect of CPP-ACP paste on tooth mineralization: an FE-SEM study. Oshiro M., et al. J. Oral Sci. 2007.
2) Analysis of dentin/enamel remineralization by a CPP-ACP paste: AFM and SEM study. Poggio C., et al. Scanning. 2013.
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10:00~14:00 |
● |
● |
● |
● |
● |
▲ |
▲ |
/ |
16:00~19:30 |
● |
● |
● |
● |
● |
▲ |
▲ |
/ |
▲ 土日:9:30~13:00 / 15:00~18:00 休診・・・祝日
|

