千種区池下の阿部歯科ブログです。今回は皆さんが気になっているけどなかなか怖くて聞けない下の親知らずの抜歯の手順についてのご説明をしていきたいと思います。少し専門的なお話もしていきたいと思いますので参考にしていただければと思います。もしここでの説明でわからないことがございましたら直接聞いていただければと考えております。
親知らずの抜歯
まずは、術式としまして表面麻酔をしていきます。一分ほどしてからうがいをしていただきまして苦いですのでうがいをしてもらいます。その後、浸潤麻酔と言う針での麻酔をしていきます。何ヵ所かに麻酔をしっかりして手術中の痛みがないようにしていきます。この浸潤麻酔の液も苦いですのでうがいをしていただき三分ほどしてから手術を開始していきます。
切開
浸潤麻酔が聞いたことを確認したあとにメスを使って粘膜の切開を行っていきます。メスはNO.15もしくはNO.15cというメスを使用します。切開は1次切開という粘膜の表面をまずは切開ラインとして定めまして骨まで到達させるように2次切開を加えていきます。その後キレイに粘膜を剥離させるのが目的となります。
粘膜の剥離
切開の終了後エレバトリウムという器具をしようしまして粘膜骨膜弁を剥離して作成します。この作業の目的は、手術の視野を明確にして手術をしやすくすることになります。そうすることによりまして安全に親知らずの手術をすることが可能になります。この作業を怠ってしまいますと、例えばスポーツの世界で言えばホームで試合ができるのにアウェイで試合をすることに私は似ていると思います。
骨の削除
横を向いている親知らずは大概、骨に一部か大部分が被っている場合があります。ですので歯冠のカントゥアーがアンダーカットにならない部分まで骨を削除していきます。カントゥアーに骨が引っ掛かっていますとはが動くけれどのアンダーカットになっていることによって抜けてこない事態になります。
アンプタ
骨の削除ができましたら横を向いている親知らずの歯冠部分と歯根を二つに分割する行程にいきます。バーは好みによりますがダイアモンドの長めのバーもしくはゼクリアバー、ロングシャンクのラウンドバーを使用することになります。私は主にダイアモンドの長めのバーで歯冠分割をしていきます。削るポイントはダイアモンドのバーの先端で象牙質を削っている感覚から舌側のエナメル質を削っている感覚に変わったことを感じながらエナメル質が残り0.5mmになるところを目指していきます。
歯冠分割
ヘーベルを使用してパキッと音がしますが、割れたことを確認して歯冠を分割します。その後、口腔内から歯冠部分を取り出していきます。場合によってはもう少し細かく削って小さくしてから取り出すこともあります。分割した歯を削っているときはいたくはありませんので安心してくださいませ。
親知らずの歯根の抜歯
歯冠を取り出したあとに残っている歯根の抜歯に移行していきます。視野に入っています歯根膜腔と想定される部分にヘーベルを挿入していき抜歯に至ります。ヘーベルをいれる方向としましては歯根方向に沿わせるようにヘーベルを楔を打ち込むように圧を加えていきます。そうすると歯根が浮き上がってきまして抜歯の完了となります。ヘーベルの方向を考えずにやっていると骨髄方向にヘーベルが進んでしまい術後、腫れや痛みの原因となってしまいます。
掻爬、洗浄、縫合
親知らずの歯冠と歯根の抜歯が終了してあとは最終段階になります。歯を抜き終わっても、気を抜かずに不良肉芽をキレイに取り除きます。そして生理食塩水を用いて削ったあとのカスが残らないように洗浄をしていきます。カスが残っていると術後感染の原因となってしまう可能性があります。切った粘膜をもとに戻すために縫合をしていきます。縫った糸は約一週間後に抜糸していきます。そして親知らずの抜歯の手術が終了となります。
親知らずの抜歯は確かな技術とスピードが命だと思います。
その事によって、患者さんの術後の不快事項は少なくなると考えております。早い、うまい、痛くないをモットーとしていきます。