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こちらはコラム記事になります。
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虫歯菌などの菌は子供に何歳で住み着く?

予防歯科に力を入れている千種区の阿部歯科です。
今回は口の中の細菌についてお話をしようと思います。

口の中には虫歯に関連する細菌や歯周病菌、
口の中にできるカビの原因となるカンジダ菌などの真菌まで
様々な細菌や真菌などが住み着いています。

それらの細菌や真菌などは
家族やパートナーとの関わりなどの環境から遺伝的要因まで様々な理由に影響を受けますが
どの段階で比較的口の中の細菌が安定するのかという事はご存知でしょうか?

生まれた時から口腔内細菌の形成が始まっている

妊娠中の胎児の時から口腔内細菌が形成し始めているかもしれない
という話がある一方で、
子宮内は無菌なので胎児の時は無菌で生育するという話もあり、
この点については未だに決着がついていません。

しかし、
出産を経てひとたび母親の胎内から外界に出た瞬間から
様々な環境や接触する人との関わりを通して
口腔内細菌叢の形成が開始される事は間違いありません。

ごく初期に形成される口腔内細菌の分布は
非常に母親から色濃く影響を受けるという事は非常によく言われており、
母乳からその影響を受けているという話もあります。

出産の方法が自然分娩か帝王切開かによって
口腔内細菌叢の形成が変わるのかという話は、
影響があるという報告がある一方で
影響はないという報告もあり
この点に関してははっきりしていない部分があります。

しかし、
その影響が出産方法、出産方法、環境、遺伝、母乳にせよ
生まれてすぐの乳児は
母親から口腔内細菌叢の形成の影響を受ける部分が大きい
という事に変わりはありません。

子供の口腔内細菌叢が安定するのはおおよそ2歳から

生まれてすぐの乳児と2歳の子供では
口腔内細菌の種類や分布が大きく変わります。

生まれてすぐの状態から
生後6ケ月、1歳、2歳と変化するごとに
口腔内細菌の種類は多様化し様々な種類の細菌が口腔内に住み始めます。

最初の頃はごく限られた人としか接触しなかった環境にあったのが、
年齢があがるごとに様々な人と接触する機会を持ち、
それと共に口の中にも乳歯が萌出しはじめ、
ガラリと口腔内の環境が変わります。

その様な外部環境や口腔内環境の変化に伴って
2歳ころまでにかけて口腔内細菌の分布は大きく変化します。
成人ではおおよそ500から700種類の口腔内細菌がいると言われていますが、
2歳の頃には歯が萌出する事で
成熟した口腔内細菌叢が形成されると言われています。

その後の生活環境や家族やパートナーの関わりで
さらに口腔内環境は変化していきますが、
口腔内細菌の分布の安定は2歳頃から始まり、
さらに徐々に変化をしていくのです。

参考文献

  1. 1)Oral microbiome development during childhood: an ecological succession influenced by postnatal factors and associated with tooth decay. Dzidic M., et al. ISME J. 2018.
  2. 2)Oral Microbiota Development in Early Childhood. Kennedy B., et al. Sci. Rep. 2019.

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