修復材料のレジンという材料のなかにはコンポジットレジンとフロアブルレジンというものがあります。その二つの違いはなにかと言いますと、フィラーというものが入っているか、入っていないかの違いになります。フィラーとは例えて言えば砂利のようなもので、コンポジットレジンはフィラーが入っていましてその間をレジンというセメントで介在していると思っていただければいいです。
コンポジットレジンはフロアブルレジンと比較して固くて、コンクリートのような性状だと思ってもらえればいいです。フィラーは一様な形状ではなく様々な塊でして大きさとしては0.016ミクロン~80ミクロンまでかなり幅があるのです。いろんな形の砂利が入っています。
では、なぜそんな砂利が入っているかと言いますと、レジンというセメントは光で固まる性質になっています。もう少し細かく言いますと、そのレジンは光重合型レジンと言われまして、光で固まる特殊な性質を持っています。歯医者さんで光を当てるので温かいですよと言われたときはこの光重合型レジンを使用しているのです。
フィラーという砂利はすでに形が出来上がっていますので光を当てても変化しません。光を当てて変化するのはレジンの部分なのです。光を当てるとレジンは固まって、若干収縮するのです。砂利が入っていれば収縮する量は、入っていない場合に比べて小さいのです。つまり、変形量が少ないというメリットがあります。
また、固さにおいても砂利の固さがあるために磨耗する量も少ないと言えます。コンポジットレジンは粘土のような素材で形を成型しながらできるので、操作性は容易になります。ただ、流れがほとんどないために細かく複雑な場所まで到達していなくて隙間ができてしまう場合がありますので処置には十分注意が必要になります。
フロアブルレジンはその反面、流れがよくて細かなところまで行き届くメリットがあります。しかし、流れがいいために操作性がややや難しいことがあります。この流れのよさもフィラーが入っていないためによいのです。場所によっては修復材料として非常にいい材料になります。
フィラーが入っていないために固さにおいてはコンポジットレジンに劣りますが、適応を考えて使用すれば大丈夫です。また収縮量もコンポジットレジンと比較しますと大きいために後々にやりかえが必要になることもあります。ただ、様々なテクニックを使用すればほとんど問題がないレベルで修復は可能です。
このように歯医者さんでは用途に会わせて色々な材料を使って虫歯を治したり、見た目をよくするような審美修復を行っています。どんどん新しくなる材料を使って、もっと患者さんにいい治療をしていくためにも私どもの歯医者さんでは新しい材料を取り入れていこうと考えています。