こんにちは、千種区の歯医者の阿部歯科 副院長の阿部利晴です。本日は歯やお口のトラブルでお悩みの患者さんに役立つ情報等をお知らせいたします。
通常「お口の中の病気」と言うと、どうしても虫歯や歯周病、それに伴う虫歯菌であるミュータンス菌や歯周病関連細菌のP. gingivalisといった細菌が思い浮かぶのではないでしょうか。
そして、実は口の中の病気との関わりは自分の体自身の免疫細胞とも大変重要な関係を持っているのです。
そこで今回はお口の中の免疫細胞について、専門の歯科医の視点で詳しく解説いたします。
記事の更新追加日:2021年6月28日18時半
記事の追記:2019年10月12日
免疫細胞が口腔内で細菌の侵入を防いでいる
よく耳にする好中球やマクロファージ、リンパ球などの免疫細胞は体の組織の中に分布しています。これらはお口の中の病気、特に歯周病との関わりでは歯と歯茎の境目の歯肉溝という部位で大きな役割を果たしています。
歯肉溝では歯茎(歯肉)の粘膜が歯の表面に付着しており、ちょうどガラス表面にゴムの薄い板をペタッと貼り付いているようなイメージです。こちらを通常、上皮性付着と言います。この上皮性付着をしている口腔粘膜の上皮と歯の表面との間は、組織からの浸出液が出ると同時に免疫細胞も分布をしています。
この歯肉溝に集まった細菌に対し、浸出液と共に分布している免疫細胞が細菌が組織へ侵入することを防いでいます。実は免疫細胞があることによって、歯周病や虫歯等へなるのを防いでくれる役割があるのです。
進行した歯周病は歯科医院での処置がより重要になる
歯周病が進んでしまうとこの上皮性付着が炎症により剥がれ、口腔内の細菌が組織に侵入しやすくなってしまいます。
組織へ侵入する細菌に対しても免疫細胞が対応しますが、この時には好中球・マクロファージ・リンパ球といった様々な免疫細胞が働きます。
これらの免疫細胞はそれぞれ役割が大きく異なり、例えば好中球は侵入してきた細菌を貪食し細胞内で溶かす動きをします。マクロファージは細菌を貪食した上で、細菌の構造情報をリンパ球へ伝え、リンパ球が抗体を産生するといった素晴らしい働きをします。
このようにお口の中に細菌が侵入すると、色々な免疫細胞が共同して外敵から抵抗するように働いているのです。(関連記事:免疫寛容と免疫応答)。
免疫細胞が活発に活動する場合、炎症が強く働き、痛みや腫れも同時に起きていることを意味するため、免疫細胞の過剰な活動は強い痛みをもたらします。そのため、歯周病になった場合は口腔内の清掃等により、細菌数をコントロールし過剰な免疫反応が起きないようにする対処が大切になってきます。
炎症に伴い歯肉からは出血をしやすくなり、この血液の成分自体が細菌増殖のための栄養分となってしまうため「炎症と細菌増殖の悪循環」に陥ってしまうのです。
そこで、歯科医院での口腔内清掃によるプラークコントロールや歯周外科といった歯周組織の改善処置を行うことで、この悪循環から抜け出すといった動きをとることができます。
千種区でプラークコントロール、歯周外科ならお任せください
前項目で述べたように歯周病がある程度進んでしまうと免疫細胞の働きに頼り、放置してもなかなか改善をしないため、専門的な歯科治療が必要となってきます。
当院では治療の際、できるだけ患者さんのお体に負担のない処置を検討し、その場の対処だけでなく、長期的な視点で口腔内が適切な状態となるよう努めています。
口腔内の最近状態は位相差顕微鏡等の歯科医院での専門機器を使用することで、把握することが可能です。具体的な細菌状態を確認の上、どういった治療を進めていくべきか?を検討いたします。お口の出血や痛み、違和感でお困りならお気軽にご相談ください。
【記事の執筆者】
名古屋市千種区の阿部歯科 副院長:阿部利晴(あべ としはる)
「患者様の心に寄り添う歯科治療を行う」をモットーに日々、より良い歯科治療の提供に努めています。常に新たな治療技術そして知識を取り入れ、患者様により快適に、より安心して治療を受けていただけますよう、様々な取り組みを行っております。
歯やお口のことなら、何でもお気軽にお尋ねください。お一人一人の患者様のお役に立てるのが私の喜びです。
≪副院長 これまでの主な経歴について≫
1980年:名古屋市千種区生まれ歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ
≪副院長 任命状について≫
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