こんにちは、池下の歯医者の阿部歯科です。虫歯ができて虫歯を削った後に歯を治さないといけませんがこの時に治療に使う歯科材料を歯と接着しなければいけません。しかしこの歯と修復物との接着には修復物の材料によって必要な成分が大きく変わってきます。そこで今回は歯と修復物との接着についてお話をしようと思います。
歯の詰め物はどうやって歯に着いているのか
修復物は歯に対して着ける必要がありますがなんでも着くというわけではありません。歯と修復物との位置関係の保持には基本的に機械的嵌合と呼ばれる物理的な抵抗が最も基礎的なものとなってきますがこれは接着とは別に合着と呼ばれます。そのため合着の場合は化学的に歯と修復物とがついているわけではなく物理的な嵌合力によってついており、接着とは歯科治療で使われる言葉に違いがあります。
歯と修復物とはそれぞれに含まれる構成成分を仲介するように化学的に結合する成分が接着に使われます。この成分は歯とコンポジットレジンを着ける場合、歯と卑金属を着ける場合、歯と貴金属を着ける場合、歯とセラミックを着けるなどといったように接着に必要とされる成分が変わってきます。歯科には様々な接着のための成分が販売されていますが複数の成分をいくつか塗って使う場合もあり、この場合は接着成分を付ける対象(歯なのか修復物なのか)と順番を間違えてしまうとそれだけで化学的な結合ができなくなってしまいます。
そのため複数の成分を使い分ける場合はその成分に含まれる物質を知っていて何に対してその成分が結合するのかという事を理解していないといけません。製品の中には複数の成分を同時に含んでおりそれ一つでコンポジットにも卑金属にも貴金属にもセラミックにも使えるという物も存在していますが複数の成分を含んでいる製品でもその製品のpHなどを理解していないとどのようなタイミングでどのように使えばいいのかという事が分からなくなってしまう事があります。製品には説明書が添付されており、その説明書に従って使えば接着力をはっきしますが、基本的には製品に含まれる成分などによってその手順が決められてきます。しかしながら、同じような成分が入っている製品でも最大限に接着力を発揮する条件が企業側で調べられているのでその手順を確実に守ることがいずれにせよ最も大切な事となります。
このように歯と修復物との接着は修復物の種類や接着に使う材料の成分によって厳密に影響を受けてくるので適切な接着材料を使う事がとても大切になってくるのです。