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歯を抜く道具はペンチなのか?

こんにちは、千種区池下の阿部歯科 副院長の阿部利晴です。

みなさんは歯医者さんで「歯を抜く」と言うとなんとなく日曜大工などで使うペンチを思い浮かべませんか?

あのペンチ持って歯を抜くような歯医者さんの絵をどこかで見たような気がしませんか?

もちろん、歯を抜く(抜歯)に使うペンチのような道具はペンチではないのですが、抜歯をする時に使う一番基本的な道具はあのペンチのような道具(抜歯鉗子、ばっしかんし、と言います)ではないって知っていましたか?

実は抜歯をする時の最も基本的な道具は杭のような形をした挺子(ていし、ヘーベルとかエレベーターとも言われます)という道具なのです。

(抜歯に関する様々な情報は「阿部歯科 親知らずと抜歯 専門サイト」の専門ホームページにて紹介していますので合わせてご覧ください。)

記事の追記:2020年5月25日

へーベル.jpg

へーベルとは

抜歯鉗子はペンチのイメージと同じで歯をつかんで抜くための道具なのですが、歯を抜かなければいけない状態ではしばしば歯の頭の部分が虫歯でなくなってしまっていたり、崩壊していて抜歯鉗子でつかむことができなかったり、つかめても簡単に歯が割れてしまう場合があります。

そのため、このような時には挺子(ヘーベル、エレベーター)と呼ばれる杭のような道具を使って歯と骨の間に杭を打ち込むようにして、クサビを打ち込むような感じで歯を骨の中から押し出します。その他にも、この挺子を歯と骨の間に入れ込んだ後にテコの要領で抜歯したりもできます。

私も最初に口腔外科で研修を受けた時に上の先生から「基本は挺子での抜歯」と教え込まれました。

実際に、この挺子と呼ばれる杭のような道具は非常に有用でほぼ全ての抜歯に使えます。歯の頭が十分に残っているような歯でもこの挺子で抜く方が抜歯鉗子で抜くよりもずっと簡単に抜ける事が多いです。

ただ、抜歯鉗子も歯周病でプラプラになって今すぐにも抜けそうな歯の抜歯や、生え変わりの途中の乳歯の抜歯や、矯正のための抜歯の場合は抜歯鉗子を使った方がいい場合もあります。親知らずの抜歯はほとんどが挺子で行われますが、歯を抜く道具といえばペンチと思っていた方には結構予想外だったのではないでしょうか?

これらの器具の使い分けは歯の骨への植わりなどの状態にも影響されますが、その際に骨の状態を確認する事でドライソケットといった予後に関わる抜歯後の偶発症を予想するための情報源になる場合もあります。

(関連記事:抜歯後の消毒、抜歯後感染やドライソケット

種類も色々

この挺子ですが、実は歯科大学によって大きく2種類に分かれています。

1つは先の細い杭のような道具でまっすぐな物と曲がったもので、まっすぐな物は比較的挺子が届きやすい部位に、曲がったものはまっすぐの挺子では届きにくい部位に使います。

では別の種類のものはどのようなものかと言うと、このまっすぐの挺子と曲がった挺子の中間ぐらいの曲がり方をしていて先端がウチワのように広がっているものです。ちょうど最初の種類の挺出2つを合体させたかのような感じです。

これは使う歯科医師の好みなのですが、私はどちらも両方使っています。

 

どうでしたか?歯を抜く基本がペンチで歯をはさんで抜くのではなく、歯と骨の間にクサビを打ち込んで歯を押し出す事で抜くというのは予想外だったのではないでしょうか?

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  • 口腔外科