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アメリカでは抗菌薬は手に入りにくい

こんにちは、池下の阿部歯科 副院長の阿部利晴です。

 

怪我ができたり、体調が悪いと病院に行って薬をもらったりしますよね。その薬の中には抗菌薬(抗生物質など)が出される事もあると思いますが、薬が出たと思って普通に飲んだりしますよね。

この抗菌薬ですが、親知らずが腫れたり、歯茎が腫れたりした時にも出されたりして細菌の増殖を抑えるのに非常に有効な薬なのですが、この抗菌薬がアメリカでは非常に手に入りにくいって知っていましたか?

抗菌薬

歯科でも腫れたり感染があると抗菌薬によって症状を抑えるために処方されますが、アメリカだとちょっとやそっとでは出してくれません。欲しいと思ってもなかなか出してくれないのですね。その代わり、痛み止めは薬局でもたくさんの種類が売っていますし処方もよくされます。日本に住んでいる場合や数日間の旅行で渡米する場合はほとんど問題にならないのですが、仕事の赴任や何かしらの理由で年単位でアメリカに住む場合はこの、抗菌薬が手に入りづらいという状況が困る事もあります。

よほど感染が強くならない限り基本的には傷口や感染部位の消毒をして経過を見るといった治療が行われます。これは、耐性菌の発生を考えて極力抗菌薬を出さないという方針があるかららしいです。非常に効果の高い抗菌薬も耐性菌ができてしまっては効かなくなってしまうからなんですね。

フレミングが発見した世界初の抗生物質のペニシリンも今では効きが悪くなってしまったと言われています。そして2050年には現在の抗菌薬がほぼ無効になってしまうのではないかという話さえあります。

ただ、抗菌薬は細菌の感染に対抗するのになくてはならない薬なので、強い感染に対してはしっかり抗菌薬を使うという事も大切です。この辺りは感染の具合との兼ね合いですので安易に自分で抗菌薬を使う使わないの判断をしてしまうのは危険な場合があります。見ていると昔に比べて抗菌薬の処方を抑えるような流れにはなってきているように思えます。

抗菌薬.jpg

2015年に大村智さんが抗生物質関係でノーベル賞を取りましたが、山から土を掘り起こして抗生物質を探してきたと話していました。昔は土の中にいる微生物を単離(まぜこぜの微生物を1つ1つに分ける事)してその微生物が抗菌性の物質を作り出すか1つ1つ地道に調べていたというので頭が下がります。

そんな努力の結晶で発見されてきた抗菌薬がこれからも長く感染に対して有効であり続ければいいなと感じます。

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