口の中には小帯と呼ばれるヒダのような部位が存在します。そのヒダには上唇小帯、下唇小帯、頬小帯、舌小帯という種類があります。これらは通常はすべての人が持っています。例えば、鏡を見ながら舌を上にあげると舌の下の面に縦に見える薄い皮のようなものが舌小帯です。これらの小帯と呼ばれる部位は通常であれば問題とならないのですが場合に行っては問題になる事があります。
小帯の異常
舌小帯の帯が大きすぎると舌の動きが制約される場合があります。口を開けた状態で舌を上にあげて舌で上の前歯をさわれないくらいだと舌小帯が強く付着している可能性があります。このような場合は舌の動きが悪く発音に影響を及ぼす事もあります。
上唇小帯は上の前歯の真ん中と唇の内側にあります。この部位は発音には影響しませんが子供の歯の生え変わりの際に問題になる場合があります。上唇小帯がしっかりとできているとその帯が前歯と前歯の間の歯茎に線維として残ってしまいうまく歯と歯の隙間が閉じない場合があります。これは乳歯が永久歯に生え変わって行く段階で問題になる事があり、上の前歯が生えたばかりの頃は真ん中に隙間が空いているのですが他の部位の永久歯の生え変わりに合わせて段々と隙間が閉じてきます。この真ん中の隙間が閉じてくる段階の時に上唇小帯が強く付着していると線維状の筋が邪魔をして前歯の真ん中が空いた状態が残ってしまう事があります。
下唇小帯は上唇小帯とは逆に下の前歯の真ん中と唇の内側に位置しています。上唇小帯が下についた状態なのですが下唇小帯の場合は上唇小帯ほど問題になる事は少ないです。頬小帯は上の両側の奥歯と頬の内側の間に位置していますがこの頬小帯もあまり問題となる事は比較的少ないです。
小帯付着異常の場合はどうするのか
小帯付着異常では上であげたように小帯が通常より発達していたりして強く付着している状態なのですが、生活の上で問題とならない場合は様子を見る場合が多いです。ただし舌小帯や上唇小帯の付着異常のように発音の問題が出てきたり歯の生え変わりの際に隙間が空いてしまう可能性がある場合は問題が起きる前に小帯の一部を外科的に切り取ってしまう事が必要な場合もあります。特に上唇小帯の場合は歯の生え変わりの前に処置をしないと意味がなくなってしまうので上唇小帯の付着異常に対する外科処置は通常は小さいお子さんに対して行われる事が多いです。
このようにあまり聞きなれない口の中にある小帯という組織ですが場合によっては外科的に切除する事も考える必要もあります。
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