名古屋市千種区の歯医者 阿部歯科副院長の阿部利晴によるブログ。より良い歯科医院作りや患者様に役立つ歯科情報を発信。

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当院副院長からのお知らせ、出来事のご紹介です。

【歯科治療系】ステロイド軟膏時に注意すべき口の中の病気

唇のチェック.jpg

名古屋市千種区の阿部歯科 副院長です。

「口の中や舌や唇に何かができた!」と言って心配されて、来院をされる患者さんがしばしばいらっしゃいます。

 

それらのできものの中には、口内炎が確認できる場合も多くありますが、

口内炎などができると炎症を抑えるためにステロイドの含まれた軟膏を使うことがあります。

 

口内炎の痛みの元は炎症によって起きているため、

炎症を抑える効果のあるステロイドの入った軟膏を使ってその炎症を抑える事で痛みを下げる事は出来ますが、そのできものの原因によってはステロイドが含まれた軟膏を使ってはいけない事をご存知でしょうか?

本日はステロイド軟膏使用時に気をつけるべき病気・内容について、お伝えしたいと思います。
 


記事の追記:2021年4月12日(月)13:45
2021年1月14日


 

そもそもステロイドとはどういったものか?

ステロイドは炎症を引き起こす体の中での反応を強く抑える効果があります。

アラキドン酸カスケードと呼ばれる体の中での反応が、炎症の発生に大きくかかわっていますが

ステロイドはこの炎症の起こる流れを強く抑える事で、炎症によって起きる痛みや腫れを大きく抑える事が出来ます。

 

しかしながら、

炎症というのは体に害のある物質を排除するための免疫反応の結果起こる作用なので

この異物を排除するための免疫反応の結果である炎症を抑えていいのかダメなのか

それによって口の中にできたできものや傷に対してステロイドの含まれた軟膏を塗っていいかどうかが決まります。

そのため、容易に使用すべきではないと考えます。

 

軟膏.jpg


 

ステロイドを含む軟膏を使うことのある疾患は?

ステロイドの含まれた軟膏を使っても差し支えのない対象は、

ウイルスに感染していない傷(口内炎)や口の中にカンジダなどの真菌(カビ)がいない場合にあたります。


先に書いたように炎症とは、つまり免疫反応の結果起きる防御反応なので

その相手の異物であるウイルスやカビがいる場合は逆に炎症を抑える事で、その異物が暴れ出してしまう事を意味します。

 

実際にステロイドの含まれた軟膏を使って差し支えないものは

・頬や舌を噛んでしまってできた傷(口内炎)

栄養不足でできてしまった口内炎

・義歯がすれてできてしまった傷

などがあります。

 

顎の関節でも顎関節症によって、強い炎症が出る事がありますが

ステロイドには炎症を強く抑える効果があるため、そのような顎関節症の場合にもステロイドが使われる事があります。


そして、過剰に自己の免疫細胞が暴れすぎてしまう自己免疫疾患や非感染性の疾患であるリウマチなどでも利用されるくらい

ステロイドの免疫作用を抑える力は強いのです。

 

ステロイドを含む軟膏を使ってはいけない疾患

ステロイドを含む軟膏を使ってはいけないものとは、

それらとは逆にウイルス感染があったりカビに感染している場合です。

 

例えば口の中や周りにできる口内炎の原因ウイルスの一つに口唇ヘルペスウイルスがありますが、

このウイルスに感染している状態でステロイドの含まれた軟膏を塗るとウイルスが急激に増殖して症状が悪化します。

体の中での免疫反応がウイルスの増殖を抑えているため、

その反応が抑え込まれる事でウイルスが増殖して暴れだしてしまうのです。

 

ではウイルスとは別に、細菌に感染している場合はどうでしょうか?

細菌感染の場合はウイルス感染ほどステロイドによって影響を受けないと言われています。


これは細菌に抵抗する免疫機構とウイルスに抵抗する免疫機構の違いからくるものです。

それでも、ある程度はステロイドによって細菌に抵抗する免疫機構も抑制されます。

そのため、何かしらの理由で炎症を抑えたい場合は同時に抗菌薬を利用するのが好ましいと言えます。

 

一方で、カンジダなどのカビ(真菌)の場合はカビに抵抗する免疫機構はウイルスに抵抗する免疫機構と同じ系統なので

ステロイドによってカビは大きく暴れ出してしまいます。

そのため、真菌に対してもステロイドを含んだ軟膏を使う事は避けなければいけません

 

【今回の記事のまとめ】

感染の認められない咬み傷や口内炎にはステロイドの含まれた軟膏を使う事もありますが、

ウイルスやカビ(真菌)の感染の疑われる疾患の場合は使わないようにします

 

そして、

細菌感染のある傷の場合に積極的に使う理由がない場合は安易には使わず

何かしらの理由で使う場合は同時に抗菌薬も使う事が望ましいと言えます。

(関連記事:口唇ヘルペスウイルス(口角炎・口内炎)

(関連記事:口内炎の薬は塗り薬を塗ればいいの?

 

千種区で口腔内の治療をするならご相談ください 

当院では該当の症状のみを治療することへ焦点を当てるのではなく、その患者さんにとって今、本当に必要な治療は何か?そしてその歯科治療を行った際、患者さんの身体に悪い影響はないか?長期的に快適に過ごすことができるか等を考え、適切な歯科治療を行うよう、意識しております。

ステロイド軟膏の使用時も、治療に使うことで今回ご紹介をしたようなリスクが発生しないかどうかをシッカリと検討の上、進めております。

治療時に使用するお薬について、不安や心配なことがありましたら、お気軽にお尋ねください!
 

【記事の執筆者】
名古屋市千種区の阿部歯科 副院長:阿部利晴(あべ としはる)

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患者様の心に寄り添う歯科治療を行う」をモットーに日々、より良い歯科治療の提供に努めています。常に新たな治療技術そして知識を取り入れ、患者様により快適に、より安心して治療を受けていただけますよう、様々な取り組みを行っております。

歯やお口のことなら、何でもお気軽にお尋ねください。お一人一人の患者様のお役に立てるのが私の喜びです。
 

≪副院長 これまでの主な経歴について≫

1980年:名古屋市千種区生まれ歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ

2005年:愛知学院大学歯学部 卒業
2005年:豊川市民病院 歯科口腔外科 臨床研修医
2006年:愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座入局
2010年:愛知学院大学大学院 歯学研究科修了 総代
2010年:愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座 非常勤助教
2010年:名古屋大学医学部附属病院 麻酔科 医員
2011年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部 勤務
2014年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部 講師
2014年:アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所 非常勤連邦職員
2015年:阿部歯科 副院長
 

≪副院長 任命状について≫

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