千種区池下の歯医者 阿部歯科 副院長の阿部利晴によるブログで、アメリカの歯科医療についての事情等を載せています。

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当院副院長からのお知らせ、出来事のご紹介です。

歯医者さんの歴史.jpg

虫歯で歯が痛くなったり歯周病や親知らずで口の中が腫れてしまった時に歯医者さんに行く事になるのですが、昔の人々はそういった時にどうしていたのでしょうか。虫歯は恐竜や原始人でさえあったのですが、それほど昔からあった虫歯に対して昔の人々はどのように対処していたのでしょうか?(関連記事:原始人も恐竜も虫歯に悩んでいた?

世界最古の歯科医師は古代エジプト人だった?

現在確認されている世界最古の歯科医師と考えられている人物は紀元前2600年頃のエジプト第3王朝時代の古代エジプト人の高官のHesy Reだと言われています。Hesy Reは様々な役を持っていたようで王の腹心の友とも伝えられているそうです。歯科医師と伝えられているもののその治療の内容は分かってはおらず役職として最古の歯科医師であると考えられているにとどまります。

紀元前1550年頃に書かれたエジプト医学の書物であるエーベルスパピルスには口の中の膿瘍や歯肉の腫れ、歯の痛みを含む口腔内の様々な病気やその治療法が書かれており古代のエジプトでは歯が抜けてなくなってしまった状態に対して金のワイヤーを使って歯を束ねて処置した事も分かっています。

世界最古の口腔外科医は古代ギリシア人?

紀元前12世紀のギリシアではEsculapiusと呼ばれる人物が抜歯を行っていたと書物に書かれています。そのため、書物に書かれて確認されている最も古い口腔外科手術はEsculapiusによって行われた抜歯だと言われています。

紀元前500年から300年頃には医学を呪術から切り離して科学へと昇華させた事で有名な医学の父であるヒポクラテスや哲学者として有名なアリストテレスによって歯の生え変わりのパターンや歯周病、抜歯やグラグラした歯の固定などの方法が書かれるようになりました。

専門的な歯科治療の始まり

虫歯になってしまった歯を治そうという試みとしては、アラビアで虫歯になった歯を抜くのではなく木の樹脂やミョウバンを混ぜたセメントを齲窩に詰める事で対処しようという専門的な治療として行われました。8世紀には歯の神経の感染によってできた根尖病巣に対しての処置が始まり、歯の痛みに対して化学物質を使って対処する事が試みられました。

ヨーロッパでは16世紀になると歯科医学はさらに発展し、歯の萌出や歯のもととなる顎骨の中の歯胚などの存在が認識されるようになり、18世紀には現代歯科医学の父とも言われるフランスの歯科医師ピエール・フォシャールによって口腔内の解剖や機能、虫歯になった歯の保存修復方法や入れ歯の作り方が書かれた専門書が出版されるようになりました。

1839年には世界で最初の歯科専門論文雑誌のAmerican Journal of Dental Scienceがアメリカで出版され翌年の1840年には世界で最初の歯学部がアメリカ国内にでき、「Doctor of Dental Surgery (DDS)」という歯科医師の専門的なタイトルができる事となりました(関連記事:日本とアメリカの歯医者さんって何か違うの?)。そして専門的な歯学部ができて以降さらに歯科医学は発展していき今日の歯科医学へと繋がっていく事となるのです。今池から5分の阿部歯科では日々新しくなる歯科医学知識と技術の研鑽のために歯科医学専門の論文を読み続ける事を大切としているため(関連記事:阿部歯科での根拠に基づく歯科医療)、専門的な歯科医学がどのように発展したのか非常に興味があります。

参考文献:History of dentistry. A. Hussain, F. A. Khan. Archives of Medicine and Health Sciences. 2014.

 

 

歯周病の感染.jpg

ミュータンス菌を代表する虫歯菌は親から経口で感染する可能性があるという話はしばしば耳にする事があるかもしれませんが(関連記事:「ミュータンス菌が虫歯の原因に」というのは10年前の話)、では日本人の70-80%もの成人が罹患していると言われる歯周病菌は誰から感染するかという事をご存知でしょうか?歯周病は20歳を過ぎれば誰でもなる可能性がありますが、ここ10年以内の歯周病の研究で歯周病の原因となる歯周病菌の考え方も大きく変化が起きてきています(関連記事:口の中の口腔内細菌は普段はどうして体に害がないのか)。それでもどこからか歯周病菌が感染するという元々の原因がある事には変わりがありません。池下の歯医者の阿部歯科では予防歯科に力を入れているため歯周病予防のお話として今回は、子供の時には歯周病にならなかったのに大人になってから歯周病になるその細菌の感染のもとについてお話しようと思います。

どうして子供は歯周病にならないのか

大人は歯周病になるのにほとんどの子供は歯周病にならないのはなぜかと疑問に思うのではないでしょうか。歯周病を引き起こす高病原性へとシフトした細菌は空気を嫌う嫌気性細菌という種類になるのですが、この細菌は空気があまり届かない歯周ポケットの奥底に住み着きます。大人では歯周ポケットの奥底の空気が届きにくい嫌気性環境の場所に歯周病を引き起こす細菌群が高病原性の細菌叢を作り上げて歯周病を引き起こします(関連記事:歯周病に関わる免疫細胞)一方で子供はどうでしょうか?

子供の場合は乳歯から永久歯への生え変わり、顎の発育による歯の移動や萌出によって歯の嚙み合わせや位置はたえず大きく変わり続けます(関連記事:なぜ歯は乳歯から永久歯に生え変わる必要があるのか)。この歯が動き続けるという状態はいわば歯肉という地盤が常に動き続ける地殻変動のような状態になっているので歯と歯肉の間にある歯肉溝に嫌気性細菌が住み着こうとしてもたえず起き続ける地殻変動で嫌気環境をうまく維持しつづける事が出来ずに歯周病を引き起こす嫌気性の高病原性の細菌群が住み着く事ができなくなっているのです。この歯肉溝が動きのない安定した環境なのか、地殻変動のようにたえず大きく動き続ける環境なのかによって空気の少ない嫌気環境を保てるかどうかが変わり、その結果大人と子供で歯周病になるかどうかの違いが生まれてくるのです。

歯周病の原因となる細菌は誰からうつったのか?

子供の頃は歯周病の原因となる細菌がうまく住み着く事ができないのですが、20歳にもなれば歯の動きは落ち着き歯周病を引き起こす細菌群が住み着けてしまうおちついた環境ができあがるのですが、それでは子供の時には感染していなかった歯周病を引き起こす細菌群はどこからやってきたのでしょうか?

感染には母親から子供へと感染する垂直感染とその他の要因で感染が成立する水平感染がありますが、歯周病を引き起こす細菌群は水平感染によって感染すると言われています。そして歯周病を引き起こす細菌群の中でも特に有名なポロフィロモナス・ジンジバリス(関連記事:歯周病に関連する細菌)という細菌に関して注目すると30%から75%もの割合でパートナーもしくは配偶者間で感染が成立していると言われています。つまり、虫歯菌は親子間で、歯周病菌はパートナーもしくは配偶者間で感染していると言われているのです。

歯周病罹患は自分だけでは対策できない

歯周病はパートナーもしくは配偶者間による水平感染が大きな原因のひとつというやや衝撃的な事柄を考えると歯周病に感染しないためには自分だけが対策しても難しい事が分かります。この事実が日本の70%から80%もの成人が歯周病に感染しているという事実を作り出しているのです。そのため、自分だけではなく身近にいる人にも歯周病に気を付けて定期的に歯医者さんで口腔内の衛生環境を保ってもらうという事が自分の口腔内の衛生環境を保つ事に役立つ可能性が高いのです。

参考文献:Transmission of periodontal bacteria and models of infection. A. J. Van Winkelhoff, K. Boutaga. J. Clin. Periodontol. 2005.

 

国際交流.JPG

日本とアメリカの歯科医療事情は大きく違いますが、日本人がアメリカに行った場合に歯科治療の保険の制度や治療の流れといった部分で大きく戸惑う事があると思います(関連記事:アメリカでの歯医者さん事情(保険って使えるの?))。逆に日本に来日する外人にとっても長期で滞在する場合に日本の歯科治療の保険制度や事情は戸惑う事があるのだと思います。

つい先日、私が働いていたアメリカのペンシルベニア大学歯学部の歯周病学講座で講師をしている友人からいとこがちょうど愛知県で働いていると連絡をもらったのでいとこ夫婦に連絡を取って会ってきました。私にとって久々の国際交流という事でしたが色々と話を聞けました。

最近のアメリカ就労ビザは取りにくくなっているらしい

私がペンシルベニア大学の歯学部で教員をやる際には大学と教員としての雇用契約を結んだのですが、その際には大学で働くために専門職就労ビザのH1Bというビザの取得がアメリカで必要となりました。アメリカで雇用契約を結んで働く際に就労ビザが必要となるのですが最近はその就労ビザが前よりもおりにくくなっているとの事でした。

アメリカで永住する場合は就労ビザで働いた先にはグリーンカードの取得やアメリカ市民権の獲得などのステップがあるのですが、どんどんとそのハードルもあがっているそうです。

アメリカで歯科医師を目指す日本人も

アメリカは世界で最初に歯科医学専門の論文雑誌や歯学部ができた国であるという事もありやはり歯科医療技術もすすんでいます。そういった歯科医療知識や技術を学ぶためにペンシルベニア大学の歯学部でも海外から受講できるコースがあり歯内治療学やインプラント学といった講座で数日から長いものでは1回3ケ月の歯科医療技術受講を計4回など様々なコースが用意されていました。日本から受講に来た先生方は開業医の先生方が多かった印象を受けます。

それとは別に歯学部の歯内治療学や歯周病学講座や矯正学講座などのレジデントとなりアメリカで永住して歯科医師を目指す日本の先生もいました(関連記事:日本とアメリカの歯医者さんって何か違うの?)。アメリカでレジデントとなり専門医を取得して日本に帰国される先生も何人かいましたがアメリカで永住して歯科医師として働く事を目指す場合は最終的にはグリーンカードの取得かアメリカ市民権の獲得が必要となるのですが、グリーンカードを取得する場合は大学のサポートが心強い味方となります。

歯内治療や歯周病治療や他の様々な歯科治療に関してアメリカで直接学べない場合でも最新の技術や情報を得るにはやはり出版される論文をこまめに読み続けて勉強しつづける事が大切となるので日頃から歯科治療の最新技術や考え方を確認し続ける事を千種区の歯医者の阿部歯科では大切にしています(関連記事:日々新しくなる歯科治療の学び方阿部歯科での根拠に基づく歯科医療)。

 

旅行先の歯磨きセット.jpg

普段家庭で歯磨きをする際にはどのような歯ブラシや道具を使ったらいいのかという事は歯医者さんで聞いたりすると思いますが旅行先ではどうでしょうか?あまり旅行先での歯磨きの事は聞く機会がないと思いますが、2日や3日ほどの旅行であればそれほどでも気にしないという方もいるかもしれませんが今回はあまり聞く機会の少ない旅行先での歯磨きのお話をしようと思います

ホテルに置いてある歯ブラシを使う?

旅行用のいつも自分で使っている歯ブラシを忘れた。という場合を除いて歯ブラシは普段使っているものを持ってくるのをお勧めします。その理由は、やはり旅先で用意されている歯ブラシは万人が使えるようにしてあるためです。しかし歯ブラシは個人個人で適切な大きさも違えば硬さも違います。そのためやはり歯ブラシはいつも家庭で使っている自分の普段使いの歯ブラシを持って行くほうがいいという事になります(関連記事:歯磨きと歯ブラシ)。そして歯磨き粉に関しても普段使っているものと同じものを用意するほうが良いという事になります。

歯ブラシと歯磨き粉だけでいい?

普段使っているものが歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシも使っているという場合はやはりこれらのものも持って行くほうがいいです(関連記事:歯と歯の間の掃除デンタルフロスの効果的な使い方と頻度)。基本はいつも家庭で使っている道具で同様に歯を磨くという事になります。そのため、家庭で使っている歯磨きのセットと同様のセットをもう1セット用意して、もしもマウスウォッシュなどの洗口液も使っているようでしたら小さなボトルのようなものを用意してもいいかもしれません(関連記事:口臭予防にも使えるマウスウォッシュ(洗口液)の効果がよく効く使い方は?)。ただし飛行機に乗る場合は機内の持ち込みに液体容量の規制があるため注意が必要となります

歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシで完璧?

これらの3つの道具の他に実は便利な道具があります。それが携帯用のウォーターフロスです。ウォーターフロスとは水を勢いよく出して口の中の歯の隙間の汚れを吹き飛ばす機械なのですが、家庭用のウォーターフロスの他にも旅行に 持っていける小型の携帯用ウォーターフロスというものが売っています。普段、家庭でウォーターフロスを使っていない場合は旅行の時だけ使うという使い方はしないと思いますが、もしも普段家庭で大きめのウォーターフロスを使っている場合は旅行用に携帯用のウォーターフロスを用意して持って行くと大変便利です。

旅行先では美味しいものを色々食べると思いますが、口腔内に汚れがたまって旅行の最中に歯茎が腫れた!なんて事がないようにやはり旅先でもこまめに歯磨きをされるとより楽しく旅行が楽しめると思います。そのためあまり聞く事のない旅先での歯磨きセットのお話をさせていただきました。

今池から5分の歯医者の阿部歯科では歯科治療の情報や最新技術だけでなく患者さんが普段生活する上でもお役に立つ情報を引き続きお知らせしていければと思っています。

 

麻酔の注射.jpg

患者さんにとって歯医者さんに行くのに気が重くなってしまう大きな理由の一つに「痛いかも、こわいかも」という理由があると思います。私たち歯医者さんにとって歯科治療は日常的な事なのでどうしても患者さんの「痛くない治療・無痛の治療」そして「怖くない治療」を望んでいる気持ちを忘れがちになってしまっているのではないかという反省点があります。だからこそ池下にある歯医者の阿部歯科では痛くない治療・無痛の治療を心掛けています。

注射の麻酔の方が痛かったなんてならないために

歯科治療の際に注射の麻酔をする事がありますが、実際には麻酔の注射をしなくても痛みを感じない虫歯の処置も多くあります。歯医者での麻酔の注射に使う針の太さは非常に細いもので痛みを感じにくいものを使っているのですが、それでも針を刺すという事になるので痛みを感じてしまう事があります(関連記事:注射針の太さの謎(バーミンガムワイヤーゲージ))。そのため、阿部歯科ではやたらめったらと注射の針を刺すのではなく削った際には痛みを感じない程度の虫歯に関しては針を使わない塗り麻酔にとどめて処置を行う事もあります。

それでも注射の麻酔をする場合は

虫歯が非常に深く削ったら痛いだろうと予想される場合には塗り麻酔を塗って痛みの感覚を抑えてそのうえで注射の麻酔をするようにしています。こうする事でより痛くない治療・無痛の治療ができるようになるからです。実は注射の麻酔と言っても麻酔の効かせ具合には程度があります。比較的浅い麻酔で行える処置もあれば麻酔を強く効かせないと処置を行えない治療もあります。そのような際には再度麻酔を追加したり麻酔をより深くに打つようにしますが、この際も麻酔液の注入の速度や打ち方によって感じ方が大きく変わります。麻酔を打つ際にただ単純に歯茎にブスっと刺してはいけないのです。

塗り麻酔を使わずに注射の麻酔をする必要がある時もある

注射の麻酔をする際に塗り麻酔を必ず塗ればいいのかというとそうではありません。塗り麻酔はジェルのような状態なのですが、部位によってはこのジェルが歯に触れた事によって浸透圧作用で強い痛みを感じてしまう場所もあります(関連記事:知覚過敏)。このような場所はすでに水や刺激で痛みを感じる場所が多く、このような部位に塗り麻酔のジェルをつけてしまうと良かれと思ってした事に反して痛みが誘発されてしまう事があります。このような部位に対しては塗り麻酔を使わずに最初から注射の麻酔をする事が必要となるのです。

同じ麻酔の注射を打つにしても打ち方で感じ方は全然変わる

歯科用の麻酔針は痛みを感じにくいようにするために非常に細くなっているとは言え歯茎に不用意に刺してしまうのは良くない事です。歯茎に対してそのまま注射針を刺すのと比べて針を挿入する部位とやり方、注入の速度、これらを変える事で驚くほど針を刺した時の感じ方が変わります。阿部歯科では痛くない治療を心掛けるために院長・副院長ともにこの麻酔の注入手技は必須の手技として使用しています。

歯科医師にとって歯科治療は日常の事であるものの患者さんにとっては歯科治療は非日常であるという事を忘れずに痛くない治療・怖くない治療をこれからも心がけていこうと思います。

 

高病原性化.jpg

みなさんは虫歯と聞いてどこかで「ミュータンス菌が虫歯の原因に」という言葉を聞いたなと思い出さないでしょうか?しかし、ここ10年で「ミュータンス菌が虫歯の原因に」という考え方に変化が起きている事をご存知でしょうか?

虫歯の原因になる菌は現在これだけ分かっている

かつては虫歯の原因と言えば口をそろえてミュータンス菌と言っていましたが、現在では虫歯の原因となる菌は分かっているだけでもStreptococcus mutans(ミュータンス菌)、Lactobacillus(ラクトバシラス属)、Bifidobacterium(ビフィドバクテリウム属)、Actinomyces(アクチノマイセス属)、Veillonella(ベイロネラ属)、Scardovia wiggsiaeと非常に多くの菌がおり、これらの菌は糖やデンプンを栄養として酸を産生して歯を脱灰する(虫歯にする)事が分かっています。これらの菌は歯の表面についたバイオフィルム(プラーク)の中に生息して歯を溶かして虫歯を作りだします。

なぜ虫歯になるのか

かつては特定の細菌のみをターゲットとして、その細菌がいるかいないかで虫歯になるかどうかを研究していましたが、現在では特定の細菌のみでなく細菌の集団、細菌叢の状態によりう蝕(虫歯)が発生すると考えられています。つまり、個々の細菌が存在するかどうかではなく、口腔内の細菌叢の状態(病原性)により疾患が発生すると考えられるようになりました。常に口の中にいる常在菌が低病原性の時は疾患(う蝕)が発生しないものの、口腔内清掃状態が悪化してひとたび細菌叢が乱れると細菌の集団が高病原性へと変わりう蝕を引き起こすというように認識が変わったのです。

この細菌叢の乱れ、つまり高病原性への変化はありとあらゆる細菌の関係性が関連しており、高病原性へと変化したバイオフィルム内での菌叢内では細菌の代謝産物同士がお互いの栄養源となりさらに菌が活発になるという悪循環を引き起こしていきます。そのため、今現在のう蝕予防(虫歯予防)はミュータンス菌単独ではなく様々な酸産生菌の活動を活性化させないようにするという考え方に変わってきているのです(関連記事:どうして虫歯菌はなくならないのか)。このような細菌叢の乱れや細菌全体での病原性の変化という考え方は予防歯科という言葉が普及してきて急速に研究がすすみだしました(関連記事:治療後の虫歯予防と歯周病予防)。そして今や予防歯科を含めた虫歯の研究ではミュータンス菌のような単独の細菌だけではなく様々な酸産生細菌とその活動性の変化、細菌同士の関係性というところへと広がっています。

千種区の歯医者の阿部歯科ではこのような細菌叢の高病原性への変化を確認するための顕微鏡検査や高病原性へと変化してしまった細菌叢の活動を抑えるための処置などの予防歯科に力を入れています(関連記事:阿部歯科では健康保険内、別途費用なしで特別な歯周病検査・処置を行っています)。

 

 

 

ひまわり.JPG

歯医者さんに行かないといけないのにどうしても歯医者さんに行くのに一歩が踏み出せない、そんな患者さんは多いと思います。医療機関の外観は歯医者さんも含めてどうしても入りにくさを感じてしまう事が多いと思います。阿部歯科では患者さんが歯医者嫌いにならないように痛くない治療を心掛けていますがそれでも緊張感から来る歯科医院に入る前の第一歩のためらいがハードルになってしまっているかもしれません。

外観の緊張感を取り払う事も大切

痛くない治療、怖くない治療、精密な治療は治療をする上でとても大切なのですが、その前に歯科医院に訪れないと治療をする事ができません。そのため、いかにも暗い雰囲気でいかめしくて怖い外観だったり、入り辛い外観をしていると歯科医院に入る事さえためらってしまうかもしれません。そのため、阿部歯科ではそういった患者さんの緊張感や不安感から来る心理的な扉を取り払うために様々な取り組みをしています(過去の記事:怖くない気持ちで来院できる阿部歯科の取り組み)。一見治療とは関係ないように見えて緊張感を誘う事で誘発してしまう治療中の偶発症も実際には存在しています(過去の記事:歯科治療の際に遭遇する過呼吸)。そのため、患者さんが歯医者に訪れやすい雰囲気を作るという事も患者さんとの壁を取り払ったり実は潜在的に存在する治療中の偶発症が起きる確率を減らす事に大きく貢献していると考えています。

夏にはひまわりを

以前に患者さんが歯医者さんへ訪れるための心理的な扉を取り払うための取り組みとして春の桜の飾りつけを行いましたが、今回は夏という事でひまわりを阿部歯科の入り口周りに配置しました。まだ少し天気が悪いですが、池下や今池から来る患者さんからも「夏らしくて元気が出る」とお声をいただいています。医療機関というと無機質な物が多いイメージなので今回のようにひまわりを飾り付けるといった取り組みも患者さんが少しでもほっとできる要素となればいいなと思っています。緊張せずに安心して歯医者さんの扉をくぐった上で怖くない治療、痛くない治療を受ける事ができれば歯医者さんへの今後の患者さんの心理的な壁を取り払う事に貢献できるのかなと期待しています(過去の記事:緊張しない歯医者さんとは)。

ひまわり2.JPG

庭にはキノコが

阿部歯科には患者さんが院内で緊張せずに過ごせるように広く中庭のスペースを作っていますが、梅雨の時期で雨が降ったため庭にはキノコが出始めました。小さなキノコばかりなのでなかなか診療室からは見え辛いですが、ところどころにキノコが生えてきています。季節によっては木に花が咲いたり、秋の紅葉も楽しめるように中庭を作っていますので梅雨のキノコも阿部歯科の四季の移り変わりの一つになっています(過去の記事:診療室から見える庭)。

キノコ.JPG

 

虫歯の歴史.jpg

虫歯になると治療のために歯医者さんに行きますが、やはり歯医者さんの治療は痛いというイメージがあるため池下の歯医者の阿部歯科では麻酔の注射をする前の塗り麻酔を使ったり、電動の注射器を使用してゆっくり麻酔液を入れる事で痛くない治療さらには無痛の治療を行うよう努力しています。しかし、やはり一番は虫歯にならないように予防する事が大切なのですがそもそも虫歯という病気はどれくらい昔からあったのでしょうか?

恐竜にだって虫歯はあった

虫歯は非常に古くからある病気で人類に限らず白亜紀、ジュラ紀の1億年も2億年も前の恐竜からでさえ虫歯に似た病気が化石から見つかっています。他にも古代の魚や哺乳類からも虫歯に似た病気が化石で確認されており虫歯の歴史は人類が現れるはるか昔から始まっていた事が分かります。

数十万年前の原始人からも虫歯は見つかっている

疑いようのない最も古い原始人の虫歯の痕跡はおおよそ数十万年前に南アフリカにいたホモ・ローデシエンスから見つかっています。化石からは虫歯の痕跡だけではなく虫歯によって崩壊してしまった歯も確認されています。虫歯によって歯が崩壊すると中の神経もむき出しになるので原始人もかなり歯が痛かったのではないでしょうか?その後も様々な類人猿や原始人からも虫歯が見つかる事となります。人が虫歯に苦労するのはそれほど昔から始まっていたのです。

食生活の変化が虫歯の広がりを人類にもたらした

虫歯の歴史は大変古いものの当時の虫歯の広まり方は現代ほどはありませんでした。当時の虫歯の広がりは化石から確認されるものでは1%未満で非常に珍しい病気の一種だったと考えられます。原始人が火を使い始めたのは80万年も前と言われていますが虫歯の広がりが大きく変化したのは狩猟生活から農耕生活へと移行した時期だと言われています。狩猟生活では1%未満だった虫歯の広がりが農耕生活に移行すると10%近くに跳ね上がりましたが、それでも紀元前の間は比較的安定した虫歯の推移をたどりました。10%付近の虫歯の広がりというと今と比べるとまだまだ広がりの少ない病気になりますね。

近代に近づくと急激に虫歯が増えた

紀元前を過ぎて紀元後の8世紀頃にかけては少しずつ人類の虫歯が増えたものの明らかに虫歯が増えたのは16世紀頃からと言われています。現在でも狩猟生活をしている人々と農耕生活をしている人々では虫歯の広がりが大きく違っている事が分かっており、近代に近づき食糧事情が改善して様々な料理を楽しむ事ができるようになってきたもののそれとは逆に虫歯になる人々が増えてしまいました。16世紀頃のヨーロッパでは歯の数にして50%もの歯が虫歯にかかっていたと言われています。近代に近づけば近づくほど農耕技術が発達して食料事情が改善する事で糖分を摂取する機会が増える事で次第に虫歯が人類の中で広がっていったという事情があるのです。

参考文献:Caries Through Time: An Anthropological Overview. L. P. Lanfranco and S. Eggers. Contemporary approach to dental caries. 2012.

 

バクテリオファージ.jpg

以前は特定の細菌のみによって起きると考えられていた歯周病ですが、近年では通常では口腔内で悪さをしない自己と共生する共生細菌が体の免疫機能とバランスを取り安定した状態からdysbiosisと呼ばれる口腔内細菌集団が高病原性へと変化するMicrobial shift(マイクロバイアルシフト)を起こす事で歯周病が発症するという事が判明してきました。このような細菌集団の状態の変化(細菌叢の変化)によって免疫機能が過剰に反応してその結果強い炎症やそれに伴う破骨細胞による歯槽骨の吸収が起きるのですが、逆になぜ共生細菌と呼ばれる安定した低病原性の細菌集団はうまく体の免疫機能とバランスを取れているのかという疑問が残ります(過去の記事:歯周病に関わる免疫細胞)。

共生細菌は免疫寛容を受けているのか?

免疫寛容とは特定の対象への免疫機能の低下もしくは抑制を表します。この状態は免疫細胞によって対象が攻撃される免疫反応とは逆の状態で、人の細胞が自身の免疫細胞によって攻撃されないのもこの免疫寛容が働いているためです(過去の記事:免疫寛容と免疫応答)。自分の細胞は主要組織適合遺伝子複合体(MHC)による働きで自己の免疫細胞からの攻撃を免れているのですが、口腔内の共生細菌はどうでしょうか?口腔内の共生細菌は自分の細胞ではないため当然MHCは持たないですし、細菌の細胞表面に対するタンパク質を抗原として免疫反応が日々起きてもおかしくはないのですが、実際には口腔内の共生細菌は体の免疫機構とうまくバランスを取っており免疫寛容を受けているようにも見えます。

一部の細菌は特定のバクテリオファージにより免疫寛容を受ける可能性がある

バクテリオファージという言葉は聞きなれないかもしれませんが、細菌(真正細菌)に感染するウイルスを総称してバクテリオファージ、もしくは単にファージと呼びます。ウイルスといえば私たちの体の細胞である真核細胞に感染するものというイメージがあるかもしれませんが、核膜を持たない原核細胞である細菌に感染をするウイルスも存在します。細菌に感染するファージは細菌自身を溶菌したり逆に新たな病原性の能力を細菌に与える事があります。今までは細菌に対するこのような作用が知られていましたが、新たに特定のファージに感染した細菌が人の免疫機構に対する免疫寛容を獲得する可能性がサイエンス誌より報告されました(Bacteriophage trigger antiviral immunity and prevent clearance of bacterial infection. J. M. Sweere et al., Science. 2019.)。この報告では免疫細胞による細菌の貪食(ファゴサイトーシス)をファージの存在によって抑えると説明しています。免疫細胞による貪食は重要な免疫機構の一つで好中球やマクロファージによる貪食によって細菌を食べて溶かしたり、その後の抗原提示が行われる重要な免疫機構のプロセスです。歯周病の患者さんでも口腔内細菌が高病原性にシフトして炎症が強くなっている時には好中球による細菌の貪食が顕微鏡で見られる事がしばしばあります。

この免疫機構のプロセスの一つである貪食が口腔内共生細菌の免疫寛容の獲得の理由の一部を説明できる可能性が出てきました。貪食は非常に初期の免疫機構プロセスなのでこの段階の免疫寛容を口腔内の共生細菌が獲得しているとしたら強い炎症が起きずに体の免疫機構とうまくバランスを取れている理由を説明できるかもしれません。共生細菌が共生の文字の通り宿主である人の細胞とうまく付き合っている理由はまだまだ未解明な点が多くありますが、口腔内の共生細菌が歯周病を起こさずに健全な状態を保つ理由を解明できるようになれば高病原性化した細菌によって起きた歯周病による過剰な免疫反応をコントロールできるようになる日も来るかもしれません。そのため、予防歯科に力を入れている千種区の歯医者の阿部歯科では今後ものこの分野の発展に目が離せません。

 

入口扉移動.jpg

池下の歯医者の阿部歯科では患者さんが来院しやすいように日々大きな事から小さな事まで診療だけでなく歯科医院内の環境も含めて改善しておりますが、このたび患者さんが通行しやすいように阿部歯科の入り口扉の位置を移動しました。今までは通路上に入口扉の支柱が立っていましたが今回、支柱を壁側の溝に寄せて入口でのアクセスをしやすいように変更しました。それに伴って入口の壁も少し変更して通路がより広く使えるようにしました。

小さな事でもより良く

今回は入口通路をより広く使えるようにするために扉の支柱の位置を変えましたが、もしかしたら患者さんのほとんどは変化に気が付いていないかもしれません。少し通路が広く使えると患者さん自身が通りやすくなったり、荷物を持っている場合に動きやすくなるという事で少しでも通路を広げるために扉位置を変更しましたが、変化としてはなかなか気がつきにくい部分かもしれません。それでもわずかな事だからといって改善しないよりも少しでもより良く患者さんが来院できるように変更をしました。

小さな事をないがしろにせずに

このような変化としては細かい部分部分になりますが、目が行きやすいとこばかりを注意して小さな部分をないがしろにしては積もり積もって問題点が大きく積もると考えて小さな部分の問題でも変更をしようと決めました。診療でも歯科医院内の環境でも気が付いた事は小さな事でもなくべく問題点があれば改善をして少しづつでも良くする事が結果的には大きな改善に繋がると考えています。

小さな改善の積み重ねが大きな改善に繋がると考えています

患者さんにとって歯科医院というのはやや気が重く、足が遠のきやすい傾向があるかもしれません(過去の記事:緊張しない歯医者さんとは)。阿部歯科では以前よりそのような患者さんが来院しやすい環境を作るという事にも注意を払っております。歯科医院に行こうと思っていたけど行くのが気が重くて結果的に虫歯が大きくなってしまった、なんて事が起きないように患者さんが気が重たくならずに来院できる歯科医院の雰囲気を作るという事もとても大切な事だと考えています(過去の記事:怖くない気持ちで来院できる阿部歯科の取り組み)。そのため、今回のように小さな変更点であっても少しでも患者さんが歯科医院へ来院する心理的な壁を取り払える役に立つ事であれば少しづつでも改善してより来院しやすい環境を整えていければと考えています。

今回の扉位置の変更でもベビーカーを使用される患者さんや足が少しおぼつかない患者さんなど少しの道幅の変化で大きくアクセスのしやすさが変わる方もいると思いますので今後も大きな部分だけでなく、目につきにくい小さな部分でもよりすごしやすい歯科医院の環境を作っていきたいと思います。

 

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