食べ物を咀嚼するということは、個体あるいは液体食物を飲み込んで、嚥下に備えて準備するということです。簡単に嚥下の機能のことを話しますと、つまり食塊を口腔から食道へ、そして気道を害することなく胃の中へ送ることになります。最近の食品のなかには嚥下んお前準備にすでに適したものも多く見受けられます。
嚥下は上気道と食道に関する複合反射でありまして、その機能においては受け入れと防護の2面性があります。つまり、口腔、咽頭、食道にあります効果器は空気や食物の摂取を感知すると、これらを受け入れようとする反射が起こるのです。
一方では、喉頭からおこる嚥下には、唾液や液状の食塊や食道からの逆流物鼻咽頭や気管分泌物などの侵入にたいして、咽頭を保護しようとする作用はあります。間違って誤嚥や誤飲を起こさないように生体自身が反射という形をもって、自分を守ろうとするようにできているのです。
圧力勾配
嚥下の基本的特徴には様々なものがあります。第一に圧力勾配というものがあります。それには、舌のピストン運動や舌基底部の筋肉の安定、咽頭収縮筋の封鎖作用、食道の蠕動運動があげられます。舌を使って、喉のほうに食物がいかないようにして、食道の胃の中へ送り込む作用を利用している仕組みになっているのです。
逆流防止
第二に逆流防止というものがあります。確実な口腔の閉鎖、舌と口蓋による閉鎖、舌と咽頭による閉鎖、下咽頭括約筋の収縮や胃・食道括約筋の収縮によるものがあります。もろもろの周囲組織の反射によって胃の中に入れたものが口腔の外に出ていかないようにしているのです。
気道
第三に気道の保護があります。口蓋と咽頭靭帯による封鎖、喉頭の挙上、声帯壁の内転や呼吸の停止があるのです。誤飲というのは食道に誤って物が入ってしまうこでありまして、気道の中に誤って物が入ってしまうことを誤嚥と言います。体は反射という機能をもって誤嚥を防止するように出来ているのです。
新生児の嚥下は幼児嚥下あるいは内臓嚥下とも呼ばれています。口輪筋と頬筋の活動、舌の突出はありますが閉口筋活動は欠如しているのが特徴になります。新生児においては上と下の顎の歯堤は嚥下の際には接触しないのです。相対的に大きな舌が下顎を安定させるために歯堤間に突出するようになっています。
嚥下は一日に数百回、唾液や食物に対して行われます。夜間はその頻度は減少しますが、おそらく唾液分泌の減少と考えられています。嚥下に関しておこる歯の接触の総時間は1日あたりわずか数分なのです。ずっとはが噛んでいるわけではないのです。嚥下機能のお話をやや難しくなってしまいましたがお話しさせていただきました。