阿部歯科 院長の阿部丈洋です。
今回は定期的にご質問をいただく“インプラント治療”に関しまして、私の考えをお伝えします。
当院では、患者さんが歯を失ってしまったからといって、容易にインプラントによる治療をお勧めしません。
何故かというと、確かにインプラントは失ってしまった歯を取り戻すのに(これは見た目と機能という面で)最良の治療であることには変わりません。
インプラントを進める前に検討すべきこと
その前にまずは色々と考えなければならないことがあります。
「本当にその歯の欠損に対して、インプラントだけが最善の歯科治療なのか?」
「現在の患者さんの骨の状態はどうなっているのか?」「隣の歯の状態はどうか?」
「歯茎の状態はどうなのか?」「噛み合う歯の状態は?」「歯やお口全体のバランスとしてはどうだろうか?」
「顎の関節との調和は?」等など、実は考える材料は多岐にわたります。
以下3点についても、多角的に検討しなければなりません。
- 骨があまり無い状態なのに、無理矢理インプラントを顎へ埋入するのは本当に正しいのだろうか?
- 隣の歯が銀歯なのに、インプラントを打ってみた時にデメリットが強調されてしまうのではないか?
- 歯周病で全体的にお口がボロボロなのに、すぐにインプラントを進めるのは正しいことなのか?
では、阿部歯科が考えるインプラント治療で大切なことは何か?と問われれば、
それはお口の中 全体でみた時にインプラントが長持ちすることが重要と考えます。
そのためには、全体的なバランスも大切です。また、そのバランスを見る目も必要となります。
その目というのは、一朝一夕で得ることはできません。
かといって時間が経てば、歯科医であれば自然に身に付くといったものでもありません。
それには、親身に患者さんの気持ちになって自分のことのように、
自分の大切な人に起きてしまった問題のように想像し『何とかしてあげたい』
という人間的根本欲求がポイントになると思います。
小さな違いも、累積すると大きな差になります。
阿部歯科の優しさは、そのような違いの積み重ねをベースとした取り組み一つ一つにあります。
また、当院の歯科治療の特徴はその質問力にあります。
“質問力”とは、自分達に対する質問力のことです。問題発見能力は問題解決能力と同じです。
どれだけ問題を発見できるか?がその歯科医院の臨床能力にあります。
ただ治療技術が優れているというだけではないのです。
真の意味で、その患者さんを救うということは、心の面からも救って差し上げるということです。
患者さんに対して専門知識をただ羅列することは、誠に失礼に当たると思います。
優れた臨床医は問題発見能力・問題解決能力はもとより、
それを患者さんへ分かりやすく伝える伝達力/コミュニケーション能力を持っていると考えます。
自分の中のコンセプチュアルスキルを磨き、ただ目の前のお口の問題を解決するのではなく、
十分に患者さんが納得感をもってもらうため、十分な伝え方にも工夫をしていす。
【記事の執筆者】
千種区の歯医者 阿部歯科院長 阿部 丈洋(あべ たけひろ)
≪院長の主な経歴≫
1978年: | 名古屋市千種区生まれ |
1997年: | 名古屋 東海高校 卒業 |
2003年: | 奥羽大学 卒業 |
2003年: | 愛知学院大学歯学部研修医、稲沢市民病院勤務 |
2004年: | 愛知学院大学第2口腔外科 勤務 |
2005年: | 岐阜県立多治見病院 救命救急、麻酔科レジデント |
2006年: | 愛知県済生会病院 歯科口腔外科 医員 |
2009年: | 加藤歯科 勤務 |
2016年: | オカダ歯科クリニック 勤務 |
2018年: | 千種区の阿部歯科 院長就に就任 |