超高齢化社会を向かえた日本におきまして、平均寿命は男性で80.79歳、女性で87.05歳と上昇の一歩をたどっております。ただ、平均寿命が上昇すれば生活の質が向上するというわけではなく、健康寿命をしっかりと考えていかなければなりません。一般的に平均寿命と健康寿命の差は約10年と言われています。日常生活をより良くしていくためにも老衰(フレイル)についても考慮していかなければならないと思います。
フレイル
身体的フレイルを評価するのにいくつかの項目があげられます。
① 筋力の低下
② 活動量の低下
③ 歩行速度の低下
④ 疲労感
⑤ 体重減少
そのようなフレイル評価のおりに、2015年にオーラルフレイルという概念が示されました。
フレイルとは、高齢期に生理的予備能が低下することによりまして、ストレスにたいする脆弱性の亢進や、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転機に陥りやすい状態でありまして、筋力の低下により転倒を含みまして、身体的のみならず精神的にも困窮していく社会問題のひとつと考えられます。
サルコペニア
サルコペニアとは、2010年にEWGSOPが発表しましたコンセンサスによりますと、「筋量と筋力の進行性かつ全身性の減少に特徴づけられる症候群で、身体機能障害、QOL低下、死のリスクを伴うもの」と定められております。
フロー
栄養(食、歯科口腔)からみた虚弱型フローにおきましては、4つのフェーズに大別されております。
① プレフレイル期
② オーラルフレイル期
③ サルコ・ロコモ期
④ フレイル期
になります。
リテラシー
上記の4つのフェーズのなかで、プレフレイル期におけます口腔リテラシー、つまり口腔への関心度の低下は、歯周病、虫歯の問題、さらには歯の喪失へ繋がると考えられております。口腔リテラシーの候補としましては、
① 口腔への無関心
② 口腔保健活動
③ 口腔情報活用能力
、があげられます。
高齢者
高齢者のフレイルを防ぐためにも、プレフレイル期、もしくはオーラルフレイル期の段階でのアプローチが重要になると思われます。口腔リテラシーを高め、定期的な歯科受診によって、口腔管理のサポートを行っていくことが大切になります。その事を行っていくためにも、高齢者自身の関心度も重要でありますが、一般の方への理解も大切になってくると思います。
名古屋市千種区 阿部歯科のブログ