口腔領域では様々な粘膜疾患があります。まれなものもほとんどでありまして、一般しか領域から離れまして、口腔外科領域として取り扱われる範囲としましても広いのが現実ではあります。名古屋市千種区池下の阿部歯科では口腔外科につきまして豊富な経験をもとに地域の患者さんの口腔の健康に寄与していきたいと考えております。
歯医者さんで聞きなれない病気!?類天疱瘡
さて、今回はまれな口腔外科の領域としての疾患としまして類天疱瘡について少しではありますが書いていこうと思います。あまり聞きなれない病気ではあると思いますが、口の中には様々な病気があるということのひとつの例として考えていただければと思いますので、宜しくお願い申し上げます
類天疱瘡
類天疱瘡は抗表皮基底膜部抗体によりまして水泡を形成する自己免疫性水泡症であります。口の中で症状を示すもとしましては二つに別れます。大きく分けまして、水泡性類天疱瘡と粘膜類天疱瘡であります。どちらも口の中に水泡を形成する病気でありまして、比較的まれな疾患であることは否定できません。
水泡性類天疱瘡
水泡性類天疱瘡は皮膚のかゆみや赤み、水泡を特徴としておりまして口腔の粘膜での併発に関しましては約20%くらいとされております。
粘膜類天疱瘡
粘膜類天疱瘡は口腔の粘膜や眼の粘膜のびらんや水泡を作ることを特徴としておりまして、皮膚症状の併発におきましては全体の約30%前後とされております。
類天疱瘡は口腔の粘膜に初発することもありますので、口腔外科のみならず皮膚科との連携も必要となっていく可能性があります。それにともない、診断を確定したのちに適切な治療をしていかなければならないと思います。多くの口腔外科領域の病気では他科との連携をすることにより、より診断を確定できることは紛れもない事実であると考えております。
鑑別診断
多くの水泡を形成する病気と類天疱瘡を区別するために、他にどのような病気があるのかも鑑別して診断していかなければなりません。鑑別診断としてあげられます病気には、
① 表皮水泡症
② 虫刺症
③ 蕁麻疹様血管炎
④ ポルフィリン症
⑤ 多形紅斑
⑥ 薬疹
⑦ アミロイドーシス
⑧ 水泡型エリテマトーデス
などがあげられます。
水泡
類天疱瘡の口腔の病変としましては、典型的な水泡を作ることは少ないとされております。ニコルスキー現象を伴わない口腔の粘膜の多発性潰瘍やびらんを認めることが多いとされております。従いまして、前述しました鑑別疾患のほかにも、難治性口内炎をはじめとしまして、尋常性天疱瘡や口腔扁平苔癬、悪性腫瘍との鑑別も重要となってくるよ考えられます。