まれな疾患ではありますが、歯科と関係がある可能性が出てくる障害を今回はお話ししていきます。耳慣れない言葉かもしれませんが、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)といいます、障害があります。ごく稀ではありますが歯を抜いたあとにこの様な症状を併発する可能性があるとのことです。
歯科と関連?急性呼吸窮迫症候群
急性呼吸窮迫症候群
この急性呼吸窮迫症候群は、以前からある症状を伴う疾患の経過中に、一週間以内に急性に発症しましたびまん性肺胞障害であります。実際の症状としましては、低酸素血症になることや、胸部レントゲン写真において両側性の肺浸潤の影が特徴的なようです。酸素の状態によりましては、軽症、中等症、重症の三段階に分類されております。
ARDS
このARDS の病態としましては、肺胞領域における好中球主体での非特異的な過剰な炎症反応によります透過性亢進型の肺水腫であります。この肺水腫は広範な肺損傷を特徴とするそうです。この急性呼吸窮迫症候群の発症の契機におきましては様々な基礎疾患や外傷などが関係していると報告されております。
症状
重症度は軽症、中等症、重症と分類されておりまして、死亡率重症度と相関関係があるそうです。軽症では約25%、中等症では約30%、重症では約45%との報告もあるそうです。非常に重大な結果を招いてしまう可能性のある見逃すことができない症候群であるとも言えます。
治療法
現段階におきまして生命の予後を改善させるような薬物療法は確立されていないそうです。重要とされております管理方法には、低容量換気における厳重な呼吸管理が必要となってくるとのことです。呼吸状態をまずは改善させることによりまして、症状の悪化を防ぎ、状態の改善を促していくことになります。
感染症
急性呼吸窮迫症候群は何らかの感染症を契機に発症することが多いとされております。そのためにも、感染症の対策としまして抗菌薬治療を行うことは、生命予後を高めるためにも重要な因子ともされております。感染しやすいような、高齢者で糖尿病、腎臓病、肝臓病などの基礎疾患を持っていると歯科治療における感染が原因となってARDS を引き起こしてしまう可能性も考えなければなりません。
名古屋市千種区池下の阿部歯科では、患者さんの口のなかを守るということもさることながら、治療の正当性をもってしまして、全身に害のない治療や予防、リスクマネージメントを知識と経験によって常に把握していきたいと考えております。宜しくお願い申し上げます。