千種区池下の阿部歯科の院長、阿部丈洋です。今回は、歯周病の評価のなかでしばしば用いられる評価の方法をご紹介します。歯周病の評価におきましては、様々な手法が用いられておりますが、その中のひとつにCPITN という方法があります。CPITN とはCommunity Periodontal Index of Treatment Needsの略になります。その詳細についてこれからお話ししていきたいと思います。
CPITN
この指標は歯周疾患の罹患状況を世界的規模でとらえて、相互に比較しまして、さらに治療の必要度を算出しまして、治療計画を立案するために考えられた指標であります。治療計画を私たちが立てていくにあたりまして、まずは現在の状況の診断をしなければなりません。病気があると言いましても、どれくらい悪いのか?どのように治療していけばいいのか?考えることは非常に多いのであります。
指数
この指数におきましては、
① 代表歯を用いる代表歯法であります。
② 使用するプローブを指定しています。
③ 疾患の程度はカテゴリーで表しまして、その値は治療の必要度と直結しています。
以上の特徴を持っているのがCPITN の指数になります。
代表歯
代表歯としましては、口腔内を6分割しまして、臼歯部におきましては第一大臼歯か、または第二大臼歯のいずれかを対象と致します。前歯部におきましては、上顎右側中切歯と下顎左側中切歯を使用します。第三大臼歯は通常は含めませんが、第二大臼歯の位置にありまして機能している場合には使用します。第一大臼歯とは6歳で生えはじめる、いわゆる6歳臼歯のことであります。第二大臼歯とは12歳くらいで生えはじめる、いわゆる12歳臼歯のことであります。第三大臼歯とは、いわゆる親知らずのことであります。
プローブ
プローブにおきましてはWHOのプローブを使用します。使用するときのプロービング圧は25gを越えないようにします。診査項目としましてはプロービングデプス、プロービング時の出血の有無、歯石の有無としています。プロービングデプスが6mm以上の場合はコードを4、プロービングデプスが4-5mmの場合はコードを3、プロービングデプスが3mm以下の場合でも歯石があった場合にはコードを2、それ以外の場合でもプロービング時に出血が見られた場合にはコードを1、そして以上の所見が見られなかった場合にはコードを0としまして、6分割しましたそれぞれの分画ごとに記録していきます。
治療法
治療法としましては、口腔清掃指導、口腔清掃指導とスケーリング、口腔清掃指導とスケーリングとさらに複雑な歯周治療を考えていきます。疾患の程度と治療の必要度は次のように対応していきます。
コード1の場合➡口腔清掃指導
コード2、3の場合➡口腔清掃指導とスケーリング
コード4の場合➡口腔清掃指導とスケーリングとさらに複雑な歯周治療
以上が対応していくことになります。
これらの指数は代表歯法を用いていますので、短時間で診査できまして、またプローブを規定しまして、コードを定めて治療法と対応させているために、結果の比較が簡単でありまして、統一的に行うことができるというメリットがあります、優れた長所を持っているのであります。