名古屋市千種区で3代にわたり、地域に根付いた歯科医療を提供しております歯医者、阿部歯科 副院長です。
皆さまは「人間のお口の中の細菌の状態が大切」といった話題を耳にしたことはないでしょうか??
お口の中には様々な細菌が住み着いていますが、その種類は何と500種類から700種類にものぼると言われています。それらの目には見えない小さな細菌ですが、口腔に対し有害なものから普段は無害なものまで実に様々です。
無害な最近はそのままで大きな問題になりませんが、有害な細菌が多い場合は歯科治療を行ったり、食生活を改善する必要があります。
では、これらの細菌についてですが、専門の歯科医院等でどのように区別をしてるのでしょうか?
記事の更新日:2021年6月10日12時
細菌の形から判断する方法
細菌を区別していく上で最も基本的になるのは形の確認です。
細菌は種類によって特徴的な形態をしている細菌が様々あります。それはスプリングのような螺旋形になったものや球のような球形のもの、その球形が連なったもの、棍棒状や紡錘形のものといったように多様な形があります。
これらは細菌を染色した後に通常の顕微鏡で確認したり、染色を必要としない位相差顕微鏡などで確認する事が可能です。位相差顕微鏡は歯科医院によっては院内に設置されています。細菌の形の他にも、細菌によってある程度平均的な大きさが決まっているため、細菌自体の大きさも判断材料の一つにする場合もあります。
運動性による判断
細菌には運動性のある細菌と、運動性のない細菌がいます。
通常の染色行程を経た細菌は固定されており、運動性を確認する事が出来ません。ですが、歯科医院で位相差顕微鏡や蛍光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡といった特殊な顕微鏡を使うことで、細菌を生きたまま観察でき、その運動性を確認する事が可能です。
運動性のある細菌は菌体自身を回転させたり、鞭毛といった構造を使い動き回る事ができます。運動性を持つ場合は比較的ランダムに菌体が動き回るため、周りの液体の流れに乗って菌が動くのとは見分ける事ができます。
染色を用いた確認
最も基本となる「グラム染色」といった方法で、細菌の種類を大きく2種類に分ける事ができます。
これらは細菌の細胞壁のペプチドグリカンの厚みによって違った染まり方をし、それぞれグラム陽性菌、グラム陰性菌と分けられます。数多くある細菌の種類をこのグラム染色によって、大きく分けられる事になります。その他にも細菌によっては、その細菌に特有な染色方法などもあり、その染色方法は目的により使い分けられます。
細菌の種類をこういった見た目上で見分けるにはある程度制限が加わります。
細かく見分けるには細菌の生育条件や、その菌自体が賛成分泌する酵素などを確認したり、遺伝子的にその細菌を同定するといった手法が必要となってきます。
これらの方法は確認に時間が必要なため、迅速な判断方法として使い辛いといった側面もあります。そのため、どこまで細菌の種類を判別するのか?といった目的により、これらの確認方法を使い分けるといった取り組みも行われています。
歯科医院では上記のような方法により、口腔内の最近を判断しています。そして、その判断内容を今後の歯科治療計画へ役立てています。
千種区の阿部歯科では位相差顕微鏡による細菌診査が可能
位相差顕微鏡を使い、実際に動いている細菌を患者さんにご覧いただくことができます。そしてご覧いただいた口腔内の細菌状態を分かりやすくご説明し、どういった取り組み/歯科治療が大切なのか?を決めます。
最近状態を確認することで分かる内容は多くあります。そのため、阿部歯科ではリニューアル開業段階から位相差顕微鏡を用いた歯科治療を行っております。
ご自身のお口の中の細菌状態をチェックされたい方は、お気軽に歯科医師及び当院スタッフまでお声がけください。
【記事の執筆者】
名古屋市千種区の阿部歯科 副院長:阿部利晴(あべ としはる)
「患者様の心に寄り添う歯科治療を行う」をモットーに日々、より良い歯科治療の提供に努めています。常に新たな治療技術そして知識を取り入れ、患者様により快適に、より安心して治療を受けていただけますよう、様々な取り組みを行っております。
歯やお口のことなら、何でもお気軽にお尋ねください。お一人一人の患者様のお役に立てるのが私の喜びです。
≪副院長 これまでの主な経歴について≫
1980年:名古屋市千種区生まれ歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ
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