千種区を中心に地域に根付いた歯科治療を行う阿部歯科 副院長です。
「歯が割れてしまった!」という主訴で受診される患者さんがしばしばいらっしゃいますが、一言で歯が割れたと言っても実は様々な理由があります。
痛みがあるといった事に始り、舌で触ったら穴が開いている、食べ物が詰まるといった事まで主に気になる内容は多様です。
そういった歯が割れたといった困りごとですが、どのような理由で割れたか?によってその後の処置も色々と変わりますため、今回は専門の歯科医が詳しく解説をいたします。
2020年10月2日11:00 記事更新
虫歯で歯が割れる要因
比較的多いのが虫歯で歯が薄くなり割れてしまったという場合です。
虫歯で歯が溶けてしまい、地面が崩落するように歯が割れてしまった状態です。
歯の構造は外側から硬いエナメル質、その下でエナメル質を支える象牙質、そして歯の神経である歯髄と内側に行くにしたがってそのような構造を取っています。
虫歯がすすみエナメル質の下の象牙質まで達っしてしまうと、エナメル質を薄く残して柔らかい象牙質の虫歯が先に進行していく事があります。その際に何か物を噛んだりした時の力で薄いエナメル質が崩落して、歯が割れたと感じる事があります。
しかし、実際には虫歯は以前から進行しており、歯に力がかかる事で歯が割れる事になります。
歯の割れ方は一部が割れる場合から、大きく歯の頭(歯冠)ごと崩壊する事もあれば、痛みが感じる場合と感じにくい場合とに分けられます。
その際に歯の神経がむき出しになる場合もあり、虫歯で歯が割れたという場合には比較的虫歯が深く進行している事が多くあるので注意が必要です。
実は歯の詰め物が割れて取れていたケース
虫歯の他にも、実は歯の詰め物が割れて取れたのを歯が割れたと感じる場合があります。
歯の詰めものでは、特に樹脂系のレジンが割れる事が比較的多くあります。
・樹脂系のレジンが劣化して割れた
・レジンの下に二次虫歯(二次う蝕)ができて割れた
・レジンに噛む力が強くかかりすぎて割れた
など理由は様々です。
樹脂系の詰め物が割れる部位は、比較的力のかかる大臼歯(奥歯)が多く、前歯では割れる事は比較的少ないです。
前歯で樹脂系のレジンが割れる場合は、虫歯で崩落して割れている事が多いため、前歯で詰め物が割れて取れる場合には詰め物自体の問題よりも虫歯が原因として考えられる事があります。
嚙み合わせが強く、割れてしまうことも
「虫歯がない、詰め物も入っていない」といった場合に、歯の嚙み合わせが強すぎて割れる事もあります。
夜の歯ぎしりがあったり、食いしばりがあったりする事もしばしば確認されます。
歯の噛む力が強くて割れる場合には、治療をした事がない歯でも所々欠けるように歯が割れており、言葉の通り歯が割れている状態になります。
歯が割れる前兆として、歯に細かいヒビが入っている事もあり、力がかかった瞬間に突如歯が割れてしまい歯のカケラが取れてくるといった事もあります。
歯が割れてカケラが取れるくらいの場合は、割れた部位の歯科治療をして形を戻す事で治療を終える事もありますが、歯の割れが神経まで進行してしまった場合は歯の神経の治療に移行しないといけない場合もあります。
このような場合には、歯の痛みが強く出る事もあり、歯の割れ方やヒビの入り方によっては治療が長引くケースもあるので注意しなければなりません。
歯が割れる理由は実は様々
その他にも
・差し歯に力がかかって歯が割れた
・転んで歯を打った
・金属を歯で噛んだ
・スポーツで歯を打った
など上記のように多岐にわたる理由がありますが、中には歯が割れないように予防する事ができる場合もあるので、歯には必要以上に力がかからないに注意して生活する事もひとつ大切な事となります。
歯が割れてしまった場合は早急に専門の歯科医院へ
上記のような理由でもし歯が割れてしまった場合は、自身で判断せず、早めに専門の歯科医院へ行き、診てもらった方が良いのは間違いありません。
気にせずに放置してしまったことにより、割れた部分から細菌が入り、後に歯科治療が困難になってしまうこともあるので早期の処置が必要な場合もあります。
歯科医院にて視診だけでなく、レントゲンで歯の根の深い部分まで確認をし、どういった治療をすべきか?を判断した上で、歯科治療を行うことが重要です。
千種区の阿部歯科では、様々なお口や歯のトラブルに対し、適切な歯科治療を行っております。
「歯が突然割れてしまった!」といったお困りごと以外にも、患者様のお口のお悩みにお応えしています。お気軽にご相談ください。
【記事の執筆者】
阿部歯科副院長:阿部利晴(あべ としはる)
「患者様の心に寄り添う歯科治療を行う」をモットーに日々、より良い歯科治療の提供に努めています。常に新たな治療技術そして知識を取り入れ、患者様により快適に、より安心して治療を受けていただけますよう、様々な取り組みを行っております。
歯やお口のことなら、何でもお気軽にお尋ねください。お一人一人の患者様のお役に立てるのが私の喜びです。
≪副院長 これまでの主な経歴について≫
1980年:名古屋市千種区生まれ歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ
≪副院長 任命状について≫