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免疫寛容と免疫応答

歯周病や口腔内での炎症は免疫反応の結果によって起きる生体反応の結果なのですが、この免疫反応がどのように反応して異物を捉えているのかというお話をしようと思いますどうして歯周病になるのか)。

記事の追記:2019年10月12日

自分は攻撃せずに異物を攻撃する

免疫反応では対象を捉えて攻撃するという反応が起きているのですがそのためには自分自身(自分の細胞)とそれ以外を認識する必要があります。それが免疫寛容と免疫反応と呼ばれる反応です口の中の口腔内細菌は普段はどうして体に害がないのか)。免疫寛容とはまさに免疫反応が起きなくする機構でこれがあるため免疫細胞が自分の細胞を攻撃する事なく体の中で働く事が出来るのです。この免疫寛容がうまく働かないと自己の細胞を攻撃する自己免疫疾患となり、有名なものでは関節リウマチなどがあります。この自己免疫疾患では外から入ってきた異物がないにもかかわらず自分の細胞を異物として認識し、炎症を引き起こします。逆に異物を認識する機構が免疫反応となりますが、この免疫反応がうまくいかず異物を異物としてうまく捉えられないと免疫疾患となります。

Trained immunity

免疫反応に関連して今最も免疫学で注目されている反応のひとつにTrained immunityという言葉があります非常に新しい考え方で、免疫反応をうまく起こさせる機構の一つとなっています。ワクチンに代表される2次免疫応答を利用した獲得免疫とは全く違う、自然免疫と呼ばれるマクロファージなどの自然免疫系統の細胞にも獲得免疫の2次免疫応答のような強い免疫反応を起こさせる機構です。

ワクチンによる獲得免疫は古くから知られていますがこの自然免疫にも同様に免疫反応を強くさせる機構があるという事で非常に注目を浴びています。ワクチンでは故意に異物を体に取り込ませる事で異物を認識させて二度目に同じ異物が入ってきた時に素早く免疫応答を起こす機構なっていますが、このような二度目以降の免疫応答の強化を別の機構でも行なっているのがTrained Immunityです。Trained Immunityを日本語に直すと「訓練された免疫」とでも言えるのですが非常に新しい言葉でもあるので元の言葉通りTrained Immunityと使われます。このTrained Immunityと獲得免疫の存在によっても口腔内での免疫反応の強さが変わる可能性があります。

免疫反応というと少しとっつきにくく聞こえますが、歯科の治療においては口腔外科も歯周病治療も、虫歯による神経の痛みにしろ免疫反応とは切っても切り離せない存在となっています。特に歯周病においては骨を溶かす細胞である破骨細胞の活性が免疫反応による炎症と非常に深い関わりを持っているので免疫の研究が進めば歯周病治療にも大きな変化をもたらす可能性があるのです。

免疫細胞.jpg

☆☆☆ 千種区の歯医者の阿部歯科では歯科治療や歯科に関連した様々なお役立ち情報をお届けしています ☆☆☆

執筆者 阿部歯科 副院長 阿部利晴

1980年 名古屋市千種区に生まれる
2005年 愛知学院大学歯学部 卒業
2005年 豊川市民病院 歯科口腔外科で臨床研修医を経験
2006年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座に入局
2010年 愛知学院大学大学院 歯学研究科を修了 総代
2010年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座で非常勤助教となる
2010年 名古屋大学医学部附属病院 麻酔科にて医員を経験
2011年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて勤務
2014年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部で講師として勤務
2014年 アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所にて非常勤連邦職員となる
2015年 阿部歯科 副院長に就任

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