千種区池下にて”患者様本位の歯科治療”へ注力している、阿部歯科の副院長です。
こちらの副院長ブログでは歯科の豆知識や新たな歯科治療等、患者様のお役に立つような情報を定期的に発信しています。最後までご覧いただければ幸いです。
みなさんは冷たい水などを飲んだ時に歯が「チカッ!」とするどい痛みがすることはありませんか?
もちろん、その痛みの原因はよくある虫歯かもしれませんが、知覚過敏によっても冷たい水で鋭い痛みを感じる事があります。また「知覚過敏」という言葉は比較的聞き覚えがあると思いますが、この知覚過敏の原因が実は噛み合わせよる場合もあるという事実をご存知でしょうか?
【記事の更新日】2024年12月12日
知覚過敏とはどういった症状か?
冷たい水を飲んだ際や、時には歯ブラシで毛先が当たった場合、または温かいものでも鋭い痛みを感じる状態です。
こちら自体は虫歯ではなく、歯の構造の内の「象牙質」という部分が大きく露出することによって歯が外からの刺激に対して過敏になっている状態となります。冷たい水が原因でしみるので、虫歯だと思い歯医者さんへ行ってみたら、そこで初めて知覚過敏と診断された方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は冷たい水で虫歯がしみるのも知覚過敏でしみるのも両方とも、象牙質という組織が露出してきて外からの刺激に対して痛みを感じているという共通点があります。
そのため、痛みの感じ方だけで言ってしまえば違いはほぼないと言ってしまってもいいかもしれません。しかし、この大きな違いは「虫歯は細菌によって起こる」のに対して、「知覚過敏は別の要因でも起きる」という点です。
なぜ知覚過敏は起きるのか?
これには患者さんによって、その理由が大きく分かれて来ます。知覚過敏の多くは歯の横の部分の歯茎の近くが痛むのですが、上下の歯を噛み合わせる部分に痛みを感じる患者さんもいます。
理由は比較的多いものをあげると歯磨きの仕方が適切ではなかったり、夜に歯ぎしりをしている事などが原因となりえます。他にも歯が欠けてしまった事が原因の場合もあります。
また歯磨きに関して、あまり歯をゴシゴシ研磨するように磨いてしまうと、様々な理由で露出してきた象牙質の部分を削り取ってしまいます。それによって、さらに象牙質を露出させてしまい、刺激を感じやすくさせてしまうといった症例もあります。
歯ぎしりによって知覚過敏になる可能性もある
実はこちらの理由は結構多いのが実際です。
通常歯をギシギシした時に「糸切り歯」と呼ばれる上下の犬歯が擦れあって、滑らかにスライドするように顎を動かします。夜に歯ぎしりがあると、その擦れ合いによって糸切り歯がどんどん磨耗していきます。
通常は歯をギシギシした時に糸切り歯だけで当たっていたのが、この磨耗によりドンドンその奥の歯にも当たってくるようになります。
ご自分の歯を鏡で見てみるとお分かりになると思いますが、糸切り歯が鋭く槍のように尖っているのに対し、奥の歯へ行けば行くほど平らな台のような形になっていきます。
そのため、奥歯が当たってくると上下の歯をギシギシと擦り合わせた時に接触する面積が多くなり、摩擦力が上がり、歯が左右にふられやすくなります。
その結果、例えば地面につき立てた棒を左右に大きく動かすと土がめくり上がって棒が露出したり、棒がパキッと割れて棒内側が露出するように、歯でも過剰な動揺によって象牙質が露出してきてしまう事があります。特にこの現象は、糸切り歯よりも奥の歯で起こりやすくなってきます。
知覚過敏が起きた場合の対処は?
まず第一に歯科医院にて診断をし、知覚過敏の原因を確かめる事が必要です。
例えば夜の歯ぎしりが原因の可能性があるなら、夜寝る時 めるマウスピースのようなナイトガードを作製の上、寝る時に患者さんに装着してもらいます。
刺激に対する処置としては、知覚過敏用のコーティングをする場合もあります。車のワックスのようにコーティングをするため、こちらのコーティングは2回、3回と塗り続ける必要があります。
それでも痛みがなかなか治らない場合は露出した象牙質をプラスチックで直接覆ってしまう歯科治療もあります。
痛みが強い場合は歯の神経が刺激により炎症を起こしてしまわないよう、抗炎症薬を出す場合もありますが基本的には処方は出ないことの方が多いです。
実際、痛みの程度はどこまで抑えられるのか?
冷たい水を飲んでも痛みがなくなるのが理想ですが、最終的なゴールは日常生活に支障をきたさない程度という所へ落ち着きます。
例えば氷水でうがいをした場合は歯がしみるものの、通常の食事や日常生活では問題がないという状況がこれに当たります。通常ではしないような氷水でのうがいといった特殊な状況を除いて、ある程度 普段通りに生活できる段階が具体的なゴールの目安になります。
ただ、しみ止めの薬を塗ったり、プラスチックで象牙質を覆ったり、ナイトガードを使っても、どうしても冷たいもの/歯磨き時の強い痛みが消えず、日常生活で大きな支障をきたしてしまうといった場合もあります。
その最終手段として、歯そのものの神経を抜いてしまう方法もあります。ですが、それよりもまずはなぜ知覚過敏が起きたのか?という診断と、それに対する対処/歯科治療を続けていくことが大切となります。
ご家庭で可能な知覚過敏への対処
「ナイトガードの作製」や「しみ止めの処置」といった歯科医院でしかできない処置の他にも、実はご家庭で行える大切な対処があります。
その一つが歯磨き時の注意で、歯ブラシでゴシゴシと歯を削り取るように磨いてしまうと、象牙質を露出させてしまう可能性があります。そのため、歯ブラシによるブラッシングはストロークを大きくゴシゴシと磨くのではなく、細かく小刻みに動かしようにブラッシングする事が非常に大切です。
千種区の阿部歯科は知覚過敏の診断と歯科治療を行っています
知覚過敏に関する適切な診断はもちろん、その症例に対し有効な歯科治療を当院ではいたします。
また前項目でご紹介をしたような適切な歯みがきに関する指導の他、様々な口腔内のケアについてもレクチャーを行っています。
長く続く気になる症状があれば、やはり専門の歯科医に診てもらうことが重要で、早期改善にも繋がります。お口のトラブルやお悩みについて、お気軽にご相談下さい!
【本記事の執筆者】
阿部歯科 副院長:阿部利晴(あべ としはる)
「患者様の心に寄り添う歯科治療を行う」をモットーに日々、より良い歯科治療の提供に努めています。常に新たな治療技術そして知識を取り入れ、患者様により快適に、より安心して治療を受けていただけますよう、様々な取り組みを行っております。
歯やお口のことなら、何でもお気軽にお尋ねください。お一人一人の患者様のお役に立てるのが私の喜びです。
≪副院長 これまでの主な経歴について≫
1980年:名古屋市千種区生まれ歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ
≪副院長 任命状について≫
■千種区の歯科 阿部歯科のホームページTOはこちらより