千種区の歯医者 阿部歯科副院長が「歯科医院選び」「歯科治療」に関する新情報をお届けします。
歯科医院近隣を歩いていると、夜はすっかり寒くなったと、よく感じます。
今回のBlogでは患者様に役立つ情報として、「歯ぎしり」についてお話をします。
歯ぎしりは歯をギリギリする事だと知っている方もいらっしゃいますが、
実は歯ぎしりは昼間に起きている間にする歯ぎしりと、夜間睡眠中にする歯ぎしりがある事をご存知でしょうか?
(2019.2.24追記)
(2020/11/19 20:00 記事を更新)
専門の歯科医が歯ぎしりを見極めるポイント
歯医者さんへ行った時に「夜寝てる時の歯ぎしりはありますか?」と聞かれた経験のある方もいるのではないでしょうか。
寝てる間の歯ぎしりは、家族に指摘されないとなかなか自分では分かりづらいものなのですが、
それでも実は歯医者さんが歯ぎしりがあるか?を聞く時に見ている場所があるのです。
そこを見れば、歯ぎしりがあるかどうかの目安をつけられます。そして、それは「歯がすり減っているかどうか」です。
歯ぎしりをしているのだから、よくよく考えれば当然と思われるかもしれませんが、具体的には以下のようなものが挙げられます。
歯がすり減っている位置
年齢からみた、歯のすり減り具合
歯の動揺
知覚過敏の有・無
歯と歯茎の間の部分の状態
など
このようなPOINTを複合的に見て判断をしています。
実際には口の中を見れば、患者さんへ聞く前に歯ぎしりの有無を当てられる場合が多いです。
そして、一番大きいのは年齢からみた歯のすり減り具合とすり減っている位置ですが、これだけではまだ不確定要素があるため、他の要素も合わせて判断をします。
さらに強い歯ぎしりがある場合、朝起きた時に顎の筋肉が凝ったような感じを受ける時があります。
理想的な嚙み合わせでは、歯をギシギシとすると八重歯になってるなどの特別な場合を除き糸切り歯(犬歯)で擦れます。
年齢を考慮するのは、歯ぎしりがなくても食事をしていれば多少なりとも歯は擦れていくので、年齢から見て通常よりも糸切り歯がする減っていないかを確認します。
そのため、歯がすり減っているという事自体が必ずしも、問題とは限らないです。
歯ぎしりがあると、糸切り歯から磨り減りやすい
夜の歯ぎしりが強い人は、年齢に比べて糸切り歯が明らかにすり減っています。
そして、糸切り歯がすり減ってくると今度はその奥の歯が当たり、すり減っていきます。
「歯のすり減り」の部位には特徴的な「ファセット」というものができ、すり減った部位に「平らな面」を作ります。
こちらが、歯が長年をかけてすり減った証となるのです。
歯科医師はこのファセットを元に歯のすり減り具合と位置を確認していきます。
そして、この「ファセット」は歯科治療をする際、非常に大切な指標でこれを利用して顎関節の動きを大まかに再現する事ができます。
歯を一度に何本も治し歯の形を変える場合は、このファセットを利用し顎関節の動きを再現します。これによって適切な歯の形を作る事ができます。
この歯が擦れている状態を表した「ファセット」は、歯ぎしりの診断だけでなく、歯科治療自体にとても有用です。
糸切り歯が生えたばかりの頃は犬歯とも言うだけあり、槍のように尖った形をしていますが擦れてくると段々と丸みを帯びたり、一部がへこんだような形になってきます。
患者さんも興味があれば、一度鏡の前でご自身の糸切り歯の形を確認されてみてはいかがでしょうか?
朝起きている時の歯ぎしり
患者さんの中には寝ている時だけではなく、起きている時に歯ぎしりをしている方もいます。
こちらは、何かに集中していたり運動をしている最中、時には料理をしている最中にもしている場合があります。
起きている時の歯ぎしりは、本人の「癖」のようなもので、まずは自分が歯ぎしりをしているという事を自覚する事が大切となります。
起きている最中の歯ぎしりは、本人が気が付いている場合がありますが、無意識の間にしている事もあります。意識的に歯ぎしりをしないようにする事が大切となります。
起きている時に、歯ぎしりをする方は夜寝ている時にも歯ぎしりをしている事が多く、四六時中歯ぎしりをしている可能性があります。
そして、これによって顎のだるさを感じるケースもあるでしょう。。
四六時中歯ぎしりをしている場合、歯の摩耗(咬耗)も早く、顕著な歯の摩耗を確認できるケースもあります。
さらに、歯ぎしりはブラキシズムとも呼ばれ、歯ぎしりをする患者さんをブラキサーと呼びます。
四六時中、歯ぎしりをしたり、歯ぎしりの時間が長く極度に歯の咬耗が起きている患者さんをヘビーブラキサーと呼びます。
このヘビーブラキサーの患者さんは歯の痛みや知覚過敏だけでなく、被せもの(補綴物)やインプラントの際にも大きな問題点となる事がしばしばあります。
それは歯の咬耗がすすむ事で、歯科治療直後は良好な咬合状態だった補綴物が過度に接触するようになり、補綴物がはずれやすくなったり、補綴物が被さっている歯が傷んでしまう場合もあります。
インプラントも同様にヘビーブラキサーの患者さんの場合、早めの対処が大変重要になってきます。
歯ぎしり以外に噛みしめがある
歯ぎしり(ブラキシズム)の他にも噛みしめ(クレンチング)をする患者さんもいます。
クレンチングの場合、ブラキシズムと同様、起きている時にする場合もありますし、寝ている時にする方もいます。クレンチングはブラキシズムとは違い、ギシギシと歯を動かさずにグッと噛みしめる噛み方をします。
クレンチングは、ブラキシズムよりもさらに顎の筋肉(咬筋)にコリが出る事があり、朝起きて顎の筋肉が疲れている場合はこのクレンチングをしている疑いがあります。
クレンチングをしている患者さんは、歯の表面にへこんだような溝(ディンプル)が見られる事があります。顎の筋肉が疲れていても歯にファセットが見られるのか、ディンプルが見られるのかで診断が大きく分かれます。
ブラキシズムやクレンチングは顎関節へ影響を及ぼす事もあり、同時に顎関節症の症状を訴える事もあります。
ブラキシズムとクレンチングの治療法はそれぞれでアプローチが変わるため、各症状に付随する顎関節症があるのか?補綴物は入っているか?どのような時に顎のだるさを感じるか?歯に痛みを感じるか?等を確実に診断する事が重要です。
千種区の歯医者 阿部歯科は、歯ぎしりや噛みしめへの歯科治療に対応
歯ぎしりや噛みしめでお悩みの方は、是非ご相談ください。ご自分一人で改善をしようとすると、なかなか困難で続かない…といったお声をよく耳にします。
阿部歯科では千種区エリアを中心に地域に根差した歯科治療を提供しています。
ご家族から「夜、歯ぎしりしてるよ」「最近、気がつくと歯を強く噛みしめていることがある…」といった方は、専門の歯科医院で治療計画を立て、計画的に解消していくことが重要です。
まずは患者様のお話をよく聞き、口腔内の状態を細かく確認の上、適切な治療方法をお話いたします。
【記事の執筆者】
阿部歯科副院長:阿部利晴(あべ としはる)
「患者様の心に寄り添う歯科治療を行う」をモットーに日々、より良い歯科治療の提供に努めています。常に新たな治療技術そして知識を取り入れ、患者様により快適に、より安心して治療を受けていただけますよう、様々な取り組みを行っております。
歯やお口のことなら、何でもお気軽にお尋ねください。お一人一人の患者様のお役に立てるのが私の喜びです。
≪副院長 これまでの主な経歴について≫
1980年:名古屋市千種区生まれ歯科医師の祖父と父親を持ち地元で育つ
≪副院長 任命状について≫
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