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こちらはコラム記事になります。
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外出自粛中に自分でできる虫歯や歯周病の食生活管理

虫歯になりにくい食べ物.JPG

今現在テレワークといった在宅勤務に伴い外出の自粛をしている方も多いかと思います。

そういった方の中には歯医者さんに歯科検診に行きたかったり、定期的なクリーニングに行きたいものの、受診を延期している患者さんも多くいると思います。

千種区でも最近は外を歩く人が目に見えて減っており、阿部歯科でも痛みや生活に大きな支障をきたさない緊急性の低い処置などに関しては3密を避けるために処置の延期や治療時間帯の調整などを行っております。

口の中の除菌、掃除や検診といった歯医者さんに行かないとできない事も多くありますが、その一方で在宅勤務に伴う外出自粛中でも自分でもできる虫歯や歯周病の管理もあります。

歯医者さんに行けない時にする自分でできる口腔内管理

歯医者さんに行けない期間が増えると虫歯や歯周病が悪化するのではないかと不安になっている患者さんもいると思います。

しかし、歯磨きの注意といったものの他にも食生活のコントロールである程度は虫歯や歯周病の対応も自分でコントロールしていく事もいくらかは可能です。

食生活においては在宅勤務中に虫歯や歯周病を悪化させないためには

間食をしないようにして朝昼晩の3食以外は取らない

加工食品は少な目にして調理の程度が少ない品目を増やす

・糖分のある食べ物を食べる場合には加工食品は避けて果物などにする

糖分の摂取量を減らすためにキシリトールなど虫歯になりにくい代替甘味料を利用する

といった工夫が効果的です。

間食をしないようにして朝昼晩の3食以外は取らない

虫歯や歯周病は細菌感染によって引き起こされた体への影響と言い換える事ができます。

虫歯はう蝕原因菌となる様々な細菌による歯の硬組織の脱灰(溶ける事)

歯周病は歯周病原因菌となる様々な細菌による体の免疫反応(炎症)

と言えます。

両方に共通しているのは細菌の付着とそれに伴う細菌の巣であるプラーク(バイオフィルム)の成熟です。

つまり、この細菌の巣であるプラークの成熟を遅らせる事が虫歯や歯周病の管理の一つとなるのです。

細菌は栄養源を口から摂取された様々な栄養素から取り入れ、それによって分裂、代謝といったサイクルを繰り返していきます。

間食をするという事は常に栄養源が細菌に供給されている事を意味するので、常に細菌の巣であるプラークが成熟を続けていく事となります。

そのため、食事のタイミングを決めて食事の回数が多くなりすぎないようにする事が口腔内のプラーク成熟のコントロールへと繋がる事になるのです。

加工食品は少な目にして調理の程度が少ない品目を増やす

食べ物には、未調理、素材の形や触感が残されて調理されているもの、高度に調理加工されているものといった食べ物があります。

その中でも未加工に近ければ近いほど虫歯になりにくいという特徴があります。

未調理の物を多く取ると虫歯になりにくい理由は、野菜で言えば、繊維質のものが口の中の汚れを取り除きやすくなるからといった事が言われる事がありますが、その理由の多くは繊維質のものによる洗浄効果よりもむしろ咀嚼の回数(噛む回数)と唾液の分泌にあると言われています。

唾液には口腔内に蓄積した食べ物の残り(食物残渣)を洗い流したり緩衝能(口腔内のpHを中性に近づける能力)があります。

そのため、未調理の物を多く採ると咀嚼の回数が必然的に増えて、それに伴う唾液の分泌によってそれらの洗浄効果や緩衝能が働き虫歯になりにくいという事が言えます。

洗浄効果によっては食物残渣が洗い流される事で歯周病にもなりにくくなるため、虫歯や歯周病両方にある程度の効果が期待できる事になります。

しかし、未調理だと熱が通っていないという心配が今の時期の問題としてあるため、熱を通した食材を使った上で加工しすぎないようにしたり、調理済みの加工食品を減らすといった取り組みが効果的かもしれません。

糖分のある食べ物を食べる場合には加工食品は避けて果物などにする

甘い物を食べたい時に選ぶ選択肢として様々な食べものがあがってくると思います。

ケーキやアイス、果物といった様々な食べものがありますが、その中でも加工食品と糖分の組み合わせは甘い食べ物の中でも特に虫歯になりやすいという特徴があります。

一方で果物の摂取は1日の摂取量が過剰に多くなりすぎない限り(1日8回など)虫歯への影響は少ない事が分かっています。

そのため、同じ甘い物を取るにしても加工されているケーキやアイスよりも果物を摂取する方が在宅中にできる口腔内管理とは優れている事になります。

外側に触れるもので生で食べるのが心配という場合はリンゴやバナナといった外側をむいて中身を食べられる果物を選択するといいかもしれません。

注意が必要なのは缶詰のようなシロップにつけられて加熱調理が加えられているものは、果物であるものの加工食品に準じる部分があるため、果物の摂取はあくまでも生鮮食品を選択するという事が大切となります。

果物以外の甘い食べ物の選択肢の場合でも加工具合が少なければ少ないほど虫歯への影響が少なくなるため、どれくらい加工がされているかを見ながら選んでいくといいかもしれません。

糖分の摂取量を減らすためにキシリトールなど虫歯になりにくい代替甘味料を利用する

虫歯になる原因は言ってみれば糖分の摂取となるのですが、糖分は減らせば減らすほど効果があるという事が分かっています。

甘い物を減らせば虫歯になりにくいのは当然と思うかもしれませんが、数多くある虫歯対策の中でも自分でできる虫歯予防としては実はこの単純に聞こえる糖分の制限が実は最も効果的と言われています。

実際に砂糖の摂取量を1日10g以下、5g以下と減らしていくと明らかに虫歯予防への効果が出る事が分かっており、糖分を減らすという自分でもできる食生活のコントロールが非常に大きな効果を上げる事ができます。

しかし、1日の糖分摂取量を全く0にする事は不可能である事に加えて、炭水化物は咀嚼中に口腔内のアミラーゼ酵素によって糖分へと変化するため、糖分を減らすという食生活の変化だけで虫歯を0にするという事はできないのが実情です。

虫歯自体を0にする事はできなくても虫歯予防として糖分のコントロールは非常に優れているため、砂糖の代わりにキシリトールといった虫歯予防に効果的な代替甘味料を使ったりする事で全体の糖分の摂取量をコントロールしていく事もやりやすくなると思います。

 

外出自粛で歯医者さんに行けない期間が長くなって、口腔内の状態が不安になっている患者さんもこれらのような食生活のちょっとしたコントロールで様々に口腔内衛生環境の改善を自分でもある程度できるのです。

食生活を変える事はなかなかむつかしいですが、どのような理由で食生活の変化が口腔内環境に影響するかを知ると自分でも様々な食べ物の調理や選択などで工夫がしやすくなると思います。

執筆:阿部歯科 副院長 阿部利晴

略歴

1980年 名古屋市千種区に生まれる
2005年 愛知学院大学歯学部 卒業
2005年 豊川市民病院 歯科口腔外科 臨床研修医
2006年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座に入局
2010年 愛知学院大学大学院 歯学研究科を修了 総代
2010年 愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座 非常勤助教
2010年 名古屋大学医学部附属病院 麻酔科 医員
2011年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部勤務
2014年 アメリカ ペンシルベニア大学歯学部 講師
2014年 アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所 非常勤連邦職員
2015年 阿部歯科 副院長に就任

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