親知らずのスペシャリストとして
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こちらはコラム記事になります。
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最近の歯の神経の治療方法の進化

歯の神経を取った後の歯内治療は根管治療後に樹脂製根幹充填材で根管内を封鎖するという方法が確立されてから治療法がほとんど変わっていないと思われていますがこの10年でもかなり治療法が変化してきています。それは新しい根管内の消毒方法の考え方や、MTAセメントといった新しい材料が出てきたことで従来と治療へのアプローチが変わった事にあります

記事の追記:2019年10月12日

10年で変わった歯内治療

14年以上前の私がまだ学生だった時と比べて歯内治療のアプローチは色々と変わりました。根管治療で根管内の洗浄と言えば当時は次亜塩素酸ナトリウムと過酸化水素水を使った交互洗浄でしたが今では根管内に満たされた次亜塩素酸ナトリウムを使っての消毒とファイリング、根管内用の洗浄器具によるキャビテーション効果、EDTAによる切削牙粉の除去といった当時とは違った手順が取られるようになってきました。そして貼薬についても当時あったホルムクレゾールは使われなくなってきており、水酸化カルシウムが貼薬の主体となりその目的も仮封からの辺縁漏洩への対策が主な目的へと変わってきています。一部では根管治療後の仮封がしっかり担保されていれば貼薬はいらないのではないのかとも議論されています。このようにわずか10年で歯内治療の治療へのアプローチも大きな変化が見られるようになってきています。今の歯医者さんは昔の歯医者さんっぽいにおいが減ってきていると感じる方もいるかもしれませんが、実はそれも使う薬剤の変化に伴う点もあるのです

より細かい分析によって治療の到達点が変わってきた

抜髄といった根尖にダメージがない場合の治療に関しては作業長に大きな変化は起きませんでしたが、感染根管といった根尖に感染と炎症を認め破骨細胞様細胞による吸収が進んでる歯牙については歯内治療の際の作業長への考え方が変わり始めました(作業長の歯科医学的な決定方法は見えない歯の根の先端をどうやって測るのかの記事をご覧ください)。

それはレントゲン像からの根尖の吸収具合によって作業長を短かく取るという考え方でこれは充填材を根尖から押し出すオーバー根充を防ぐという考え方からもきています。0.5mmオーバーは2mmアンダーよりも悪いと言われる様に細かく根尖での充填の状態が管理される様になってきました。レントゲン像で見られる根尖病巣は想像よりも破骨細胞様細胞による歯牙の根尖の吸収が進んでおり根尖孔の破壊への認識が進んだ結果とも言えます。その様な認識の他にも根管治療の際の歯牙の余分なダメージを避けるためにニッケルチタンファイルの使用が進んだり、従来よく使われるウォッチワインディング法やターンアンドプルといった手技に変わってバランストフォース法が見直されたりと歯内治療でも着実に治療法が進化しつつあります。さらにMTAといった製品の登場でも治療の幅が大きく広がってきています。

このようにわずか10年で歯内治療だけでも大きく治療法に変化が起きているため卒業してからも常に勉強し続けることが歯科治療には必須なのです。

歯内治療の成功率をあげるために

歯におおきな虫歯ができてしまっていて元々歯の神経があった空間と口腔内が交通したままになっている方もいますが、長期間解放された根管内と口腔が交通していると根管内に感染がどんどん進んでいき難治化しやすくなってしまいます。時には根管内に虫歯ができて根管内カリエスという状態になってしまう事もあります。根管内カリエスになると治療は非常に難易度が高まってしまい時には歯内治療ではなく抜歯をせざるを得ないという事になる時もあります。そのため根管内と口腔内が交通している場合は早めに治療をする事がとても大切になってきます。そして難治化した根尖病巣では悪い出来物を疑って受診される患者さんもいます

歯の神経がまだ生きているものの細菌感染をしてしまった歯の神経の処置をする場合は最大で成功率が90%と言われていますが、歯内治療をした後に再び根尖部に膿ができて再感染を起こす事があります。その場合も再度、歯内治療をする必要ができてますが、歯内治療の再治療の成功率は60から70%ほどと言われています。さらに再治療の後にさらに再根管治療をする場合はさらに成功率が下がる事となります。そのため歯内治療をする際は最初の時点で確実に治療を終わらせると共にさらには、補綴物辺縁からの再感染を可能な限り抑える事が必要となります。

歯内治療後の被せ物(補綴物)も根管内の再感染に影響する

歯の神経の治療をする際には、根管内の治療をした後に歯に被せ物をする事になりますが、根管内の再感染は歯内治療の成功のみでなく、治療後の補綴物からも影響を受けます。それは、被せ物(補綴物)の精度により細菌を含んだ唾液や感染源が口腔内から補綴物と歯のつなぎ目を経由して根管内へと微小に漏れる(微小漏洩・マイクロリーケージ)を起こす事で根管内の再感染が起こる事もあるからです。そのため、歯内治療においては確実に根管内の治療を終わらせて感染が取り除かれた根管内が補綴物の辺縁から再び微小漏洩によって再感染を起こさないようにする事もとても大切な事となるのです。

歯内治療の進化.jpg

執筆者:阿部歯科 副院長 阿部利晴

略歴

1980年:誕生、千種区の歯医者の阿部歯科(現在の阿部歯科)で開業する祖父と父親を持ち地元で育つ
2005年:愛知学院大学歯学部を卒業
2005年:豊川市民病院 歯科口腔外科にて臨床研修医となる
2006年:愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座に入局
2010年:愛知学院大学大学院 歯学研究科を修了 総代
2010年:愛知学院大学歯学部 顎顔面外科学講座にて非常勤助教となる
2010年:名古屋大学医学部附属病院 麻酔科 医員となる
2011年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて勤務
2014年:アメリカ ペンシルベニア大学歯学部にて講師に就任
2014年:アメリカ 国立衛生研究所 国立歯科・頭蓋顔面研究所 非常勤連邦職員に就任
2015年:阿部歯科 副院長に就任

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